
2018年に創業し、2021年にはポーラ・オルビスホールディングスへの仲間入りを果たしたトリコ株式会社。「私らしい美しさで、私をもっと好きになる」というコンセプトで、『FUJIMI』と『GINZUBA』という2つのビューティヘルスケアブランドを展開しています。創業者である花房香那さんにとって、同社は2社目の起業。20代のうちに2度の起業を経験し、ユーザーの心を掴むブランドを生み出した花房さんに、これまでのキャリアやトリコ株式会社への想いをお聞きしました。
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| 年収 | 600~750 万 |
|---|---|
| 会社名 | トリコ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | 広告運用 CRM/MA マーケティング戦略企画 |
| 年収 | 550~750 万 |
|---|---|
| 会社名 | トリコ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | 広告運用 CRM/MA マーケティング戦略企画 |
目次
“無”から10億円超の“有”をつくりだすーー。大学時代の刺激的な経験が、起業に掻き立てた。
―現在のトリコ株式会社は、花房さんにとって2社目の起業だと伺っています。トリコ株式会社の設立に至るまでの経緯を教えてください。
すべての始まりは、大学1年生で始めたインターンです。サークルの先輩が起業したアプリ運営のスタートアップで、縁あって一緒に働くことになったんです。周りのメンバーも自分と同世代の学生ばかり。授業もあって相当忙しかったはずなんですが、それ以上に毎日が刺激に溢れていて充実していたんですよね。
寝る間も惜しんで仕事に没頭し続けて、約3年が経った頃。その会社がIT系のユナイテッド株式会社に10億円超でM&Aされることになったんです。何もない「無」から、学生たちでビジネスを作り上げ、世の中に欲しいと言わせる大きな「有」を作り上げた。感動や達成感が入り混じった刺激的な経験でした。それと同時に、「次は私が社長になって挑戦したい」という強い想いが生まれたんです。
タイミングよくユナイテッド株式会社から「100%子会社の社長をやらないか」と打診をいただいて、時間を置かずにアプリ運運営の会社を起業しました。ですが、中々思うようにはいかなくて、力不足を痛感しましたね……。出資してもらっていたため、自分が痛手を負わないことも逆に苦しくて、1年足らずでクローズすることに。やはり自分の会社は自分のお金でやらないとダメだと思って、貯金をすべて注ぎ込んでトリコを起業しました。

“負”の感情を起点にして、世の中に刺さるブランドを練り上げる。
―トリコ株式会社を創業されてからは軌道に乗るまでにはどのような変遷があったのでしょうか?
まずは少しでも自分の経験が活かせるメディア領域で勝負しようと、トリコは美容系のアフィリエイトメディア運営でスタートしました。ですが、競合が多いレッドオーシャンでは、どれだけ記事を書いても鳴かず飛ばずで…。休む暇もなく働いても、淡々と資金が減ってしまって。ちょうどその頃、共同経営者にも突然別れを告げられてしまい、心も体もボロボロになっていきました。鏡で自分の荒れた肌を見るたびに、ため息をついてしまう。
どうにかしなきゃとアフィリエイトで届く化粧品や美顔器を手あたり次第に試しても効果はなく、最後に行き着いたのがサプリメントだったんです。ニキビや乾燥で目も当てられなかった肌が、日に日に落ち着いていく。「これしかない」と思って、『FUJIMI』というパーソナライズビューティケアブランドを設立しました。
一人ひとりにあったサプリメントの提案からスタートし、現在はプロテインやフェイスマスクなども展開しています。さらに2023年には『GINZUBA』というご自宅でサロンレベルの質の高いヘアケアが叶えられるブランドを設立。私自身が出産を経て髪が傷みやすくなったのをきっかけに、サロンに行かずにケアできる商品を作ろうと考えたんです。
―『FUJIMI』と『GINZUBA』は、いずれも花房さんご自身の体験から生まれたブランドなんですね。
そうですね。どちらも、自分の“負”の感情が起点になっています。ただ、その段階ではあくまで私個人のn=1のニーズに過ぎません。大切なのは、広く世間が求めるものかを見極めること。そして、世の中に広く受け止めてもらえるようなコンセプトを練り上げることです。
例えば、『FUJIMI』を立ち上げた当初は、サプリメントに対して「ご年配の方が使うもの」「なんだか胡散くさい」「色々種類があってよくわからない」といった抵抗感を持つ方が多くいらっしゃいました。それに対して、『FUJIMI』では「美しさを私らしく」というメッセージを掲げて、一人ひとりにパーソナライズされたサプリメントが届く仕組みを考案。簡単なアンケートに答えるだけで、その方にあったサプリメントが提案されます。
さらに、サプリメント自体のクオリティはもちろん、ブランドの世界観づくりにもこだわり、洗練された上品なデザインで、手元に届くだけで気分が上がる商品を目指しました。それまでのサプリメントに対する抵抗感を丁寧に取り除き、自分磨きのひとつとして手に取りやすい新しいブランドを作り上げました。
自分の中で生まれた気づきを、広く受け入れてもらえるかたちへと昇華する。新商品や新ブランドを作る上で、大切にしていることです。

「自己解像度」を高めることが、キャリアの構築には不可欠。
―世の中のニーズを的確に捉えたブランドを展開する貴社では、採用においてどのような人材を求めていらっしゃるのでしょうか?
社内では「自己解像度の高い人」と表現しているのですが、自己分析がしっかりとできていることはどんな仕事に就く場合でも重要だと思います。自分はどんな性格の人間で、これからどうなりたいのか、そのために何をするべきなのか…。日々内省して、自分に対する理解を深めて、さらにそれを相手に伝わるように言語化できるかどうか。自分に対して「どうしたら、もっと良くできるか?」を問い続けて、自分を変えていく方法や学び方までブラッシュアップし続ける。
ビジネス講座を闇雲に受講するだけでは意味がないんです。ひとつの業務だけに通用する学びはすごく浅い。習得した知識やノウハウを自分に落とし込み、他の領域にも適用するように“変換する力”が学びにおいて本当に重要なのだと思います。いま転職活動をされている方なら、時間をとって改めて自己分析し直しても良いかもしれません。
ただし、今のご自身の得意や苦手をもとに、自らキャリアを狭める必要はないと思います。様々な職種やポジションを経験して、多角的な視点で物事を見られるようになってから、自分がどうしていきたいかを選べばいい。
「これしかできないからこの道で…」なんて決めてしまうのはもったいないです。特にこれからはAIによって多くのスキルが一般化されていきます。知識ベースの単純なスキルの必要性は薄れてしまう。求められるのは、汎用性の高い「思考の技術」です。例えば抽象度の高いアイデアをビジネスとして成立するように具体化するプロセス、あるいは人間の感性を汲み取ってアウトプットできる力ではないでしょうか。
トリコでも、異なる部署や部門、ブランドを経験し、新しいチームで仕事できるような機会を意識的に創出しています。今年から社内の部門編成を一新しました。部門としては事業部門と事業基盤部門と経営基盤部門の3つです。
『FUJIMI』、『GINZUBA』を筆頭とした今後のマルチブランド化を見据えて、事業部門の機能を大きく絞り、2ブランドに共通する事業基盤部門にデザインや商品開発、テクノロジーといった専門性の高い部署を配置しました。ブランド単位ではなく、会社全体としてナレッジを貯めていくための組織構造をつくりあげ、その上で社員の部署異動も頻繁に行なっています。そして、経営基盤部門は、各ブランドの事業戦略及びトリコの経営計画の実現に向けて、攻めと守りのバランスが取れたガバナンス体制の構築・強化に取り組んでいます。

刺激あふれる“本気の場”から、エネルギーが伝播していく。
―トリコで働かれている社員の方々に対して、どのような想いをお持ちですか?
大袈裟かもしれませんが、仕事を娯楽にしてほしいなと思っています。自分を成長させながら、感情の揺れ動くような瞬間をたくさん味わってほしい。特に私たちが扱っている美容系の商材は課題解決以上に、幸福感や満足感を届けられるか、お客様の自己肯定感を高められるかが重要です。そうした商品を扱うからには、私たち自身も生き生きとしていなければ、嘘になってしまうと思うんです。
作り手のエネルギーは、お客様にも必ず伝わる。だからこそ、社員がのびのびと挑戦を楽しめて、やりたいことを叶えられる、感情が揺れ動くような刺激的な体験をたくさんできる、そんな“本気の場”でありたいんです。
―“本気の場”をつくるために、どのような工夫をされているのでしょうか?
本気の天敵は、「慣れ」です。だからこそトリコでは、意識的に“刺激”を作り出すようにしています。ミーティングひとつ取っても定期的にやり方を見直しますし、先ほど挙げた部署異動の多さも刺激のひとつです。また、本来は直属の上司と実施する1on1ミーティングでは、『シャッフル1on1』と称して全く別部署の上司を自由に指名できるようにしました。普段はあまり話さない人と会話をする、これまでにやったことのない業務に挑戦する。そうした様々な刺激が一人ひとりの幅を広げ、新たな挑戦につながり、組織全体が活性化していくのだと思います。

圧倒的なスピード感で、グループとのシナジーを生み出す。
―最後に、トリコ株式会社の今後の展望について教えてください。
2021年にポーラ・オルビスホールティングスに参画して以降、トリコとしてグループにどんな価値をもたらせるのかを強く意識しています。私たちの強みは、やはりスタートアップならではのスピード感。デザインや企画開発、広告運用などをすべて内製しているからこそ、より早いスピードでPDCAを回すことができます。
その前提のうえで、今後の事業戦略として掲げているのは2つ。ひとつは、「マルチブランド化」です。『FUJIMI』で得たノウハウをベースにして、新規ブランドを立ち上げて再現性を実証していきます。すでに『GINZUBA』の立ち上げを終えていますが、ここから第三、第四と新しいブランドを展開する予定です。
そして2つ目が「オフラインの強化」です。グループのポーラの強みであるオフライン重視のビジネスモデルを、トリコのブランドに転用するとどうなるのか。その検証も兼ねて、既存2ブランドのさらなる成長を狙います。具体的にお伝えすると、『FUJIMI』では「パーソナライズ」というブランドキーワードを活かして、プロテインや食事管理プランを提供するパーソルジムの運営をすでに予定しており、ヘルスケア領域への販路拡張を狙っています。そして『GINZUBA』では、リラクゼーションと掛け合わせたヘッドスパ事業を展開。好評をいただいて、すでに供給が追いついていないほどの状況です。
既存ブランドの拡大やマルチブランド化が進めば、トリコ社内に大・中・小さまざまなブランドを保有することとなり、より一層知見が深まる。社内で積める経験にもグッと幅が出ます。ひとつのブランドが生まれて、軌道に乗り、成熟していく。その各段階をひとつの会社の中で経験することができる。汎用性の高いスキルの習得も、刺激的な体験もここから増えていく一方です。意欲のある社員には、新規ブランドの立ち上げも積極的に任せていきます。
私にとって、お客様はもちろん大切ですが、同じくらい社員の存在もかけがえのないものだと思っています。数多ある企業の中からトリコを選んでくれたからには、やりたいことに本気になって、刺激的な時間を過ごしてもらいたい。私たちと一緒に感情の揺れ動くような体験をしたい方がいたら、ぜひお会いしたいですね。

トリコ株式会社が募集している求人はこちら
| 年収 | 600~750 万 |
|---|---|
| 会社名 | トリコ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | 広告運用 CRM/MA マーケティング戦略企画 |
| 年収 | 550~750 万 |
|---|---|
| 会社名 | トリコ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | 広告運用 CRM/MA マーケティング戦略企画 |
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