
トラックドライバーの時間外労働が制限されたことなどに起因し、物流領域のさまざまな課題が顕在化した「物流の2024年問題」。特に「企業間物流」の人手不足は深刻で、2030年には、全国で約35%の荷物が運べなくなると試算されています。また、昨年は物流関連2法が改正され、物流の世界に大きな変化が訪れようとしています。
そのような中、様々な物流領域の課題に10年以上も前から着目し、テクノロジーの力でインフラをアップデートしてきたのが、株式会社Hacobuです。『運ぶを最適化する』をミッションに掲げ、持続な物流を実現していくためSaaS事業と物流DXコンサルティング事業を展開。さらに最近では、物流領域に広がる複雑な課題を解決するための新規事業開発にも力を入れています。今回は、株式会社Hacobuの創業者である佐々木太郎さんに、起業にかけた想いや今後の目標などをお聞きしました。
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| 年収 | 400~1200 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Hacobu |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | その他カスタマーサクセス |
| 年収 | 400~800 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Hacobu |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | Webサービス法人営業 |
| 年収 | 600~1200 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Hacobu |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | プロダクトマネージャー |
目次
物流領域を、テクノロジーでアップデートする。
── 佐々木さんは、株式会社Hacobuを含めて過去三度の起業を経験されたとお聞きしました。これまでのご経歴を教えていただけますか?
大学卒業後は、大手コンサルティング会社に就職しました。学生時代に起業家の話を聞く機会があったり、就職後も知り合いの父親が経営者だったりと、起業家は周りにたくさんいました。では、自分も起業したかったのかというと、そうではありませんでした。というのも、それまで浪人も留年もすることなく大学を卒業し、就職活動でも当時人気だった大手コンサルティング会社から内定をもらうことができました。順調な人生だったので、その道から外れるような選択である“起業”は別世界の話だと感じていたのです。
そんな私が1社目を起業したのは、32歳のとき。アメリカに自費留学して現地のコンサルティング会社に転職し、東京に転勤になったタイミングでした。留学時代の同級生から「ドイツの投資家が日本で事業をはじめるにあたって、経営できる人材を探している。太郎、やってみないか?」と声をかけられたのがきっかけです。それまでの自分だったら断っていましたが、留学で多様な価値観や人生に触れたことで考え方が変わり、起業に踏み切りました。立ち上げたのは化粧品サンプルのサブスクリプションサービスの会社で、幸運なことに、創業からわずか9ヶ月で黒字化を達成。ストックオプションを得ることができました。
次に立ち上げたのは、ハイエンドな食品を扱うECサイトの運営会社。1社目のように、すぐに黒字化できるだろうと目論んでいましたが、そう上手くはいきませんでした。大手百貨店にポップアップストアを出店したり、実店舗を設けたりしたものの赤字続き。結局、起業してからの3年間、ほぼ無給で働いていました。
── 2回目の起業は苦戦を強いられたにもかかわらず、なぜもう一度起業しようと決心したのでしょうか。
もともと起業はせずに、これまでの経験を活かしてベンチャー企業に就職するつもりでした。起業のきっかけになったのは、2014年頃に携わった仕事です。キャッシュを稼ぐために、友人から紹介してもらった、とある乳業会社の子会社の経営コンサルティングでした。その会社は卸売事業をしており、全国10ヶ所に物流拠点を設けていました。物流コストも課題のひとつ、削減するために、いかにトラック1台あたりの積荷を多くし、効率化するかのソリューションが必要でした。そこで私はまず、物流の担当者に普段どのように業務を進めているのかを聞いてみました。すると担当者が持ってきたのは、荷主からの指示が書かれた大量のFAXの紙。クラウドやIoTがトレンドだった2014年に、未だにFAXが情報共有のプラットフォームになっていたのです。
その後調べてみると、物流現場はアナログでの情報交換が主流で、それにより配送状況を把握できず荷受けの手配などが属人化していたり、荷下ろしの現場で渋滞が起こり2〜3時間の待機が発生するなど、多くの課題があることが分かりました。また、各家庭に配達する「宅配」は市場規模が2〜3兆円であるのに対し、「企業間物流」は30兆円規模の市場。それほど大きなマーケットがデジタル化されておらず、課題が山積みであることに衝撃を受け、「経済活動に欠かせない物流の課題を、自分の手で解決したい」、と強く感じ、会社の立ち上げを決意したのです。過去2回は、面白そうだからという理由で起業してきましたが、株式会社Hacobuは私のなかで初めて、社会課題が発端となった起業でした。

エンタープライズ企業へとルート変更したことで、道が開けた。
── 起業から今日に至るまでに、特に苦労したことはありましたか。
物流領域が抱えるあらゆる課題の原因は、情報が一元管理されていないこと。とにかく情報の見える化をすることが重要であると考えました。そこで企業間物流の大部分を占める地場の中小の運送会社にGPSを提供し、デジタル化を進めていく営業戦略を立てました。しかし、中小の運送会社の多くは、社長を含めて全員がドライバーです。テレアポしてもつながらなかったり、訪問しても誰もいなかったり、そもそも現状の課題に気づいていなかったりと、まったく前に進むことができませんでした。
転機になったのは3年目、物流倉庫を持つ大手デベロッパーとの出会いでした。その会社と取引のある、荷主企業200社が参加するセミナーに登壇する機会をいただけたのです。その場で私は、物流領域はデジタル化する必要があること、情報共有できるプラットフォームをつくりたいことなどを話しました。すると大手消費財メーカーや流通グループなど複数社が私たちの事業コンセプトに賛同し、協力していただけることになったのです。それをきっかけに、導入社数が加速度的に増加しました。
営業すべきは中小の運送会社ではなく、荷主企業や大手物流企業だったことに気付き、それからはアプローチ先をエンタープライズ企業へとルート変更。これにより現在、国内のトラックドライバーの二人に一人が当社のサービスを利用するまでに成長しました。嬉しいことに、直接ドライバーから「MOVOのおかげで、仕事の無駄がなくなった」と会社宛にご連絡をいただくことも増えています。
物流に関するあらゆる情報を共有できる世界をつくる。
── 株式会社Hacobuが今後、実現したいことを教えてください。
おかげさまでMOVOは、2024年時点で800社・29,000の物流拠点に導入され、累計70万人を超えるドライバーにご登録いただくまでになりました。これにより「入出荷情報」「車両の動態情報」「配送案件情報」をはじめとした膨大な量のトランザクションデータを蓄積することができています。目標は、MOVOをこれらのデータを集約するプラットフォームとして確立し、物流に関するあらゆる情報が共有される世界をつくること。そうすれば荷主企業と運送会社といった縦の情報共有はもちろんのこと、荷主企業間や運送会社間といった横のつながりも生まれます。たとえば、データによって複数社が近いルートを運送していることが分かれば、荷物を1台のトラックに集約して人材不足の解消に貢献できるかもしれません。
また、集められた『物流ビッグデータ』の新たな活用方法も模索しています。具体的な取り組みとして当社では、2024年に『物流ビッグデータラボ』を創設しました。第1回のラボでは、大手流通会社や飲料メーカー、薬局チェーンなどに参画いただき、当社のデータサイエンティストと共に新たな物流ソリューションを考える機会を設けました。
これまで紙などのアナログでの情報共有が主流で、個別最適しかできなかった物流領域が、当社の事業によって変わりつつあります。荷主会社や大手物流会社、中小の運送会社など、物流に関わるあらゆる企業がプラットフォームを上手く活用できるようになれば、この国の物流問題は一気に解決できる。そう信じています。

Work Hard, Family First. 最高のパフォーマンスを発揮するために。
── 組織としての株式会社Hacobuについてもお伺いさせてください。大切にしている考え方や働き方はありますか。
私が大切にしているのは、“Work Hard, Family First”という考え方。“Work Hard”というのは、長時間働くということではありません。濃密な仕事をするという意味です。そのためには何よりも、家族やパートナーとの関係性が安定していることが大前提だと考えています。だからこそ、ライフステージが変わっても働き続けられるような制度を整えていますし、周りも子育てには協力的です。
たとえば保育園から急に呼び出しがあっても皆、嫌な顔をせずに応援してくれる雰囲気があります。私自身、4人の子どもを持つ父親で、子育てが大変であることは身をもって感じました。だからこそ、リモートと出社を組み合わせてフレキシブルに働ける環境にしていますし、社員の声をもとに制度も日々ブラッシュアップしています。もちろん、ベンチャー企業ですから、個々人の成長は欠かせません。物流課題の解決には知識・思考体力などあらゆる力が必要です。当社には成長意欲が強く、キャリアも家庭も諦めずに働くメンバーが揃っています。
また、創業から大事にしているバリューの一つに“Respect Others”があります。これは役職や肩書きを取っ払って、人間としてお互いを尊敬しようという考えです。当社のメンバーは皆、このバリューが好きで、何度かバリューは刷新してきましたが、これだけは残り続けています。
『運ぶを最適化する。』そのミッションを共に実現できる方を求めている。
── 今の会社のフェーズでは、どのような人材を求めていますか?
経営人材になれるような方を求めています。経営には“つくって”“売って”“定着させる”の三つが必要ですが、その全てをリードできる、いわば総合格闘家のような方を採用したい。たとえば最近ですと、一つの会社で営業やCS、プロジェクトマネージャー、経営企画などを渡り歩き、その全てに対して深い知識を持っている方がいました。
また、一つの仕事を極めている場合でも、論理的な思考力や課題発見力といった汎用的なスキルを徹底的に磨いてきた方は、きっと当社でも活躍できると思います。そういった能力を持っているかを判断するために、私の面接はディスカッション形式で実施しています。たとえばある事業をテーマにして、グロースさせるためにはどうすればいいかを考えてもらう。それをもとに議論するなかで、その人ならではの視点を見させていただいています。

── 転職を考えている方に、メッセージをお願いします。
企業には、“テクノロジードリブン”と“課題ドリブン”の二種類があります。前者は、圧倒的な技術を有していて、それをどのように課題に当てはめていくかという考え方です。一方で後者は、まず課題があり、それを解決するために手段を問わず試行錯誤して新たなサービスを生み出していく。“テクノロジードリブン”か“課題ドリブン”かによって、働き方は大きく変わると思うので、まずはどちらが自分に合っているか考えることが大切かもしれません。
当社はもちろん“課題ドリブン”です。皆、「運ぶ」を最適化し、物流課題を解決するという明確な目標に向かって働いています。社会課題の解決は、やりがいの大きい仕事です。全力で時代を変えていくに共感し、そこに面白みを感じていただける方と共に未来をつくっていきたいですね。

株式会社Hacobuが募集している求人はこちら
| 年収 | 400~1200 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Hacobu |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | その他カスタマーサクセス |
| 年収 | 400~800 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Hacobu |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | Webサービス法人営業 |
| 年収 | 600~1200 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Hacobu |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | プロダクトマネージャー |
| 年収 | 650~800 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Hacobu |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | 法務 |
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。