「コンサルティングの民主化」で日本経済を盛り上げたい。―意志の力を最重要視するハイタレント集団の挑戦。

フリーランスで活躍する優秀な専門職人材と、そうした力を求める企業とのマッチングビジネスを手掛ける、ハイタレント株式会社。資本力のある企業だけに留まらず、世界中のあらゆる企業が高いレベルのコンサルティングを活用できる、「コンサルティングの民主化」を実現するべく、その事業領域を拡げています。コンサルティング畑のキャリアを持つ有吉洋平さんと人材畑のキャリアを持つ若山剛一さん。共同創業者であるお二人は、実は高校時代の同級生。ハイタレント社を起業するまでのキャリアや、事業を立ち上げるに至った背景、そして描く未来について、お話を伺いました。

有吉 洋平(写真左)

若山 剛一(写真右)

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別々の人生を歩む二人を引き合わせた、「起業」という選択。

── ハイタレント社を起業するまでのご経歴を教えてください。

有吉:実は、私はこれまでに3度の起業を経験しています。1度目は大学生の頃、当時アメリカで流行っていたホテルの当日予約アプリを日本でもつくろうと事業を始めました。ただ、サービスをつくってはみたものの世間からまったく必要とされなくて。市場のニーズの捉え方が甘かったんでしょうね。上手くいきませんでした。

その後、大学を卒業し、欧州最大の戦略コンサルティングファームに入社します。コンサルタントとして、製造業や商社、金融業、消費財メーカーなど幅広い業界・業種のクライアントを相手に事業戦略の策定を中心としたコンサルティング業務に従事しました。非常にエキサイティングな環境であり、やりがいも大きかったのですが、やはりもう一度、自分でビジネスを立ち上げてみたくなって。会社を退職したのち、フリーランスの戦略コンサルタントとして活動しながら、2社目の起業に至ります。

2社目では、消費者向けのサービスをいろいろ立ち上げては大きく育てようと頑張ったものの、1社目と同様になかなか軌道に乗らず。こちらも失敗しました。ちなみに、2社目の創業後にサービスの開発・デザイン面でいろいろと手伝ってくれたのが、ハイタレント社を一緒に創業した、若山なんです。彼とは2社目の起業が失敗した後も、週末に集まっては次の事業の構想を練ったり、新しいサービスについて議論したり、何かまたチャレンジできる領域がないか話し合う機会を設けていました。

── お二人の関係は2度目の起業から続いているんですね。若山さんのご経歴についてもお伺いできますでしょうか。

若山:私は大学を卒業後、大手人材会社に入社しまして、主に人材のマッチングプラットフォームのサービスデザインを担当していました。その会社には5年ほどお世話になるんですが、デザインだけでなくマーケティングも任され、勤めるうちの最後の方は職種もガラリと変わり、会社全体の人事を担当します。それから一度、教育系のスタートアップに転職し、事業戦略やマーケティング戦略の策定、データ解析などに従事しました。幅広い業務を経験してきたので、結構、特殊なキャリアを歩んできましたね。

── 有吉さんとは元々、高校の同級生だと聞いています。どのように再会されたのでしょうか。

若山:先に学生時代の有吉との関係性をお話ししておくと、実は高校時代は顔見知り程度で、特別に接点があるわけではありませんでした。なので、友達同士で起業に至ったわけではありません。高校卒業後もたまたまSNSでは繋がっていたんですが、ある日、有吉がサービスの立ち上げと手伝える人手を募集する投稿を見まして。それに興味を持ったのが始まりです。

── 若山さんも起業に対してもともと興味があったのでしょうか。

若山:漠然とですがありました。父親が会社を経営していたので、小さいころから将来は何か事業を興すのだろうなと。自分発のアイデアを形にすることに喜びを感じるタイプ、いわゆる「0→1」をつくるのが好きなのも、起業に興味を持ち続けた理由のひとつかもしれません。有吉と再会し、事業についてあれこれ考えたり、また有吉の起業に対する考えや想いを聞いたりするうちに、より自分のなかで起業に対するイメージが具体的になっていきました。

日本経済を盛り上げたい。それぞれの強みを活かし、ハイタレント社を創業。

── 3度の起業を経験されている有吉さんには、事業を興すことに対して並々ならぬ想いがあると感じます。お考えをお聞かせください。

有吉:世界に比べて、日本には起業家の数が圧倒的に少ないと、学生のころから感じていました。例えば、アメリカのスタンフォード大学では、卒業する学生の3分の1が人生で一度は起業するという逸話もあります。対して日本では、会社に就職し続けるのが一般的。昔に比べて転職の機会は増えてきましたが、雇われの身で生涯を終える人がほとんどです。起業を志す原点には、そうした状況を変えたいと思ったのがありますね。

── どうして、起業家を増やしたいとお考えなのでしょうか。

有吉:私と若山が生まれた1990年、当時は企業の規模や価値を示す指標である時価総額の世界ランキングにおいて、日本企業は上位を独占していました。しかし、その後の長引く不況により、現在の同ランキングでは日本企業が1社2社ランクインするかどうかという有様です。時価総額はわかりやすい指標として出したまでですが、つまりはこの30年、日本が世界から取り残された30年だったと感じています。我々は生まれてからこれまで、日本経済が停滞している状況しか見ていない。それは、すごく悲しいことだと思います。そうした現状から返り咲き、復活する国になってほしい。日本経済に貢献したいという壮大ともいえる想いがあり、その方法のひとつとして、0→1をつくる起業家を増やそうと考えました。

若山:有吉の想いに賛同し、まずは自分たちが起業家として成功せねば、という考えから、30歳を目前にハイタレント社の創業に踏み切りました。

── ハイタレント社の事業内容は、どのようにして固まっていったのでしょうか。

若山:一緒に話し合う中で、自分たちの経験や強みをもとにしたサービスの方が良いのでは、と思うようになって。私は人材紹介会社で人材のマッチングプラットフォームのサービスに携わっていましたし、有吉は戦略コンサルタントとしてさまざまな企業を支援してきた実績がある。弊社事業の核である「高スキル人材と企業のマッチング事業」は、二人のこれまでのキャリアをヒントに生まれました。

また、起業準備から稼働を始める2020年ごろは、終身雇用の崩壊に関するニュースも多く報じられるようになりました。さまざまな人材会社が、これからの雇用の在り方に関わるサービスを打ち出していくなか、フリーランスと企業がプロジェクト単位でコラボレーションする、新しい仕事の受発注の仕組みがより加速していくだろうとも感じていました。そのあたりの時代感覚は、有吉がフリーランスのコンサルタントとして活動していた際に感じた、企業からのニーズの多さもヒントになりました。

強い意志と高いスキルをもつ「優秀」な人材を企業へご紹介。

── 世の中にはさまざまな雇用形態があり、その流れに付随したサービスが乱立するなか、ハイタレント社の強みは何になるのでしょうか。

若山:弊社は、高い専門性とスキルを持つ優秀な人材だけに限ったご紹介を行なっている点が、他のサービスとは異なります。コンサルティング領域で言いますと、例えば、外資系の戦略コンサルティングファームなどに勤めたご経験を持ち、かつ優れた実績をお持ちの方が所属し、企業へと直接ご紹介できるイメージです。

昨今、コンサルタントを紹介する人材紹介サービスはさまざまありますが、私どもの捉えでは、それらは広義の意味でのコンサルティングにあたると考えます。事業会社での現場経験をお持ちの方や大手企業で役職に就いていた方などを、企業へコンサルタントとしてご紹介するような形が多かったりします。

私たちのビジネスはそうした形態とは異なり、コンサルティングを生業として成果を挙げてこられた方、わかりやすく言えば、「コンサルティングのプロ人材」をご紹介しています 。その点が、企業から価値を感じていただけているひとつの理由になっていると感じています。

有吉:ご経歴やご経験はあくまで一つの指標ではあるものの、「優秀」であるかどうかを抑えているのが弊社の強みであり、絶対に外せないこだわりでもあります。ひとつだけ補足しておきたいのが、「優秀」の意味合いについてです。ハイタレント社は、世の中を変えたいとか、より良くしたいとお考えの企業に対して、必ず成果をお返ししたい。そのためには、強い意志を持ち続けて現状を打開できる人が必要だと考えます。能力はもちろん大事ではあるものの、数字では推量れない熱い気概を持ち成し遂げきれる方こそが「優秀」であり、大切な資質だと考えています。

若山:そうした優秀な方がご活躍いただくために、弊社では登録時に審査も行なっています。厳選した人材をご紹介できるのも強みのひとつであり、現在は3,000名程度の高スキル人材を抱えています。特に20代から30代の若い方も増えつつあり、フリーランスという働き方がひとつの選択肢として確立され始めた潮流を感じます。

── 所属するコンサルタント同士が交流できるコミュニティも運営しているとお聞きしました。その取り組みについて教えてください。

有吉:人材系のサービスでは、一般的にフリーランス同士がコミュニケーションを取る機会はほとんどありません。私もかつてはフリーランスとして活動していましたが、お客様とだけしかコミュニケーションを取る機会がなく、会社に所属していないため上司や同僚もおらず、日々の情報交換もできませんでした。閉塞感を感じることもありましたね。でも本当は専門職同士の横のつながりがある方が、より良いサービスの提供にも繋がります。そうした考えから、弊社では定期的な交流イベントや講演会、勉強会などを開催し、個々の成長支援に力を入れています。

日本から世界へ。目指すのは、コンサルティングの民主化。

── 今後、ハイタレント社が目指す未来や構想について教えてください

有吉:フリーランスと企業のマッチングについては、まだまだ伸び代があると踏んでいます。現状は、「コンサルティング」がどういうものか、どういったサービスを提供してくれるのか、わからない企業も多くあるように感じますし、ご依頼いただく企業はいわゆる大手企業や一定レイターステージに差し掛かったスタートアップが占めています。
しかし本来は、企業の規模や状況に関わらず、もっと多くの企業にコンサルティングの力を活用いただけるはず。戦略的な思考や物事の整理など、コンサルタントが持つ能力はあらゆる企業で役立ち、その力を使うことで現状を打開できる会社ってたくさんあると思うんです。だからこそ、私たちが提供するサービスを真に必要とする企業へお届けすることが、今後は取り組んでいくべきテーマであると感じます。「コンサルティングの民主化」こそ、私たちが描きたい未来ですね。

また、コンサルティングって、敷居が高いイメージを持たれているように思います。事実、著名なファームに依頼するのには、莫大な費用が掛かりますし、時間も要します。しかし、弊社のサービスは、あらゆる企業が活用しやすいようにサービスを設計していますし、利用の敷居を下げていきたいと考えます。

他には、海外市場にも目を向けています。いま世界中の企業がスキルレベルの高い優秀な人材を取り合っており、求める声は多々あります。そうしたニーズに応えるべく、体制を整えている真っ最中です。まずはシンガポールをはじめとするアジアへの展開を考えています。アジア地域には、日本への進出を考える企業や、日本の会社を買いたい企業が一定数あるので、そうした要求に応えていきたいです。また、弊社のサービスが海外へ進出することで、日本のコンサルタントがグローバルに活躍する足がかりにもなり得ます。海外への橋渡しが実現できると、日本人のより多様な活躍の場が生まれるのではないでしょうか。

若山:データを活用したマッチングの高速化、精緻化にも力を入れている最中です。私たちの事業領域では、実はスピードが命でして、ご依頼に対して迅速かつ最適な人材をご紹介できるように、その仕組みを構築しているところです。

── 創業から5年が経ちます。これまでの歩みは順風満帆だったのでしょうか。

有吉:決して、そんなことはありません。3度目の起業でようやく事業も軌道にのり、会社の規模も拡大してきたわけですが、初めての組織づくりでもあり、この5年間はかなり苦労しました。私たち二人が考えること、やりたいこと、言うなれば会社が描く未来像に、どうすれば仲間たちが着いてきてくれるか。やはり組織をしっかりと構築していかないと事業は大きくできないのだと痛感しています。

── 紆余曲折あったなかで、組織づくりで大切にされるのはどのような点でしょうか。

若山:一番は、個々人の「WILL」を大事にすることです。WILLとはつまり、「意志」を指します。「あなたはどうしたいか?」。仕事においても、キャリアにおいても、働き方においても、あらゆる場面で意志を大切にしてほしいですし、ハイタレント社はその意志を尊重する企業でありたいと常々考えています。理想はまさに、意志のある組織です。

有吉:自社で働く社員一人ひとりも「ハイタレント」であってほしいと願っています。やる気があり、やり切る力があり、チャレンジを厭わない人には、どんどん仕事を任せていきたい。そう考えています。そして、ゆくゆくは弊社から巣立ち、さまざまな業界で活躍してほしい。起業家になってほしい。いわゆる「卒業」も大歓迎です。

最も大事なのは個人の「WILL」。新しいビジネスが生まれ続ける組織でありたい。

── 働く社員に対しても強い想いを感じます。どのような活躍を望みますか。

有吉:トップダウンではなく、ボトムアップの組織でありたいと強く思います。現在の事業がさらにスケールしていった先、培ったノウハウを活かして例えばエンジニアなど、コンサルタント以外の職種にもサービス領域を拡げていく可能性もあります。もしくは、まったく異なる事業を立ち上げることも大いにあり得ます。新しいことには、どんどん挑戦していきたいです。そのためには、社員一人ひとりが創造性を発揮できる環境でないといけない。まだ構想段階ですが、社内にスタートアップスタジオのような仕組みをつくり、新規事業を立ち上げやすいスキームを整えたいとも考えています。

若山:何かを為す際に、社内のアセットを使うのか、まったく別のアセットを使うのか、どんな座組みで行っても構いません。事業にとどまらず、会社をつくっても良い。とにかく社員発で新しい物事がポンポン生まれる、ハイタレント社は創造的な企業でありたいです。

有吉:そして、WILLを大事にしながら、個人それぞれの能力を伸ばしてほしいですね。そもそも、弊社のマッチング事業に携わるなかでは、企業の社長や役員、優秀な高スキル人材と膝を突き合わせてコミュニケーションを取る機会がたくさんありますので、そのなかで能力が磨かれていくように思います。そうした知見がビジネスを為す際の糧になると思っています。

若山:社内の制度面についても少しお伝えしておくと、まだまだ充分に整えきれていないのが現状です。しかし、先ほどから申している通り、私たちは「WILL」を一番大切にしていますし、社員一人ひとりの成長が叶うサポートを行なっていきます。現状では例えば、語学学習に対して資金を援助したり、食事の栄養サポートのためにお惣菜を提供したり、少しずつですが必要なサポートを増やしています。これらも社員の声から生まれた支援ですので、会社づくりにおいても意志を表していただけたらと思います。

── 最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

若山:私たちは、自分たちが世の中のムーブメントをつくっていくんだ、という意識や誇りを持ってチャレンジしてくれる人を求めています。人生を賭けて本気になれるフィールドになり得ると思いますし、社会をよくするために、ぜひハイタレント社を使ってもらえたらと思います。意志ある人のチャレンジを待っています。

有吉:起業の原点である日本経済の復興に、弊社の事業はまさに直結していますし、元気な企業が増えることで日本の国力は必ず上昇していくと信じています。長らく続く不況の時代を経て、ハイタレント社のビジネスは、まさにこれから日本経済の変わり目をつくり、貢献できる。「WILL」を胸に、世の中を変えていきましょう。

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