
文房具の老舗メーカーとして知られるコクヨは、創業120年の歴史上、最も大きな変革期を迎えています。
同社は近年、アイデンティティを従来の「文房具メーカー」ではなく「WORK & LIFE STYLE Company」へと再定義しました。働き方の自由度を高めるオフィス家具の独自開発や、空間全体を構築することにはじまり、ファシリティーマネジメントを含む運用、経営課題にまで踏み込む働き方のコンサルティング、ひいてはビル一棟をまるごと生まれ変わらせるリノベーションまでを一手に担うトータルソリューションを提供。新たな“働き方・暮らし方・学び方”の価値創造を推進しています。
その旗振り役であり、コクヨの成長を牽引する存在が「グローバルワークプレイス事業(以下:GWP)」。GWPの勢いは海を超え、グローバル市場においても存在感を高めています。今回は長年GWPでキャリアを積み、現在はHRの立場から事業成長に伴走する西野氏にお話を伺いました。GWPとは何か、なぜ誕生したのか?もたらしたインパクトからビジョンまで——。そこには、コクヨのイメージを覆す「挑戦者集団」の姿がありました。
西野 泰臣
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| 年収 | 650~950 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | 建築意匠設計 |
| 年収 | 650~950 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 大阪府大阪市北区 |
| 職種 | 建築意匠設計 |
| 年収 | 500~800 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | その他営業 |
| 年収 | 550~850 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都 港区 |
| 職種 | 建築施工管理 設計/施工監理 |
目次
コクヨの現在地=WORK & LIFE STYLE Company
── GWPはどのようなソリューションを通じて価値を届けるのでしょうか。他社にない強みや独自性を教えてください。
コクヨと聞くと、文房具の老舗メーカーを思い描く方が多いと思います。実際、ありがたいことにロングセラー製品「キャンパスノート」は1975年の発売から2024年までに累計37億冊以上を販売してきました。ですが、実はステーショナリー事業の売上比率は全体の約25%にすぎず、約70%は「働く」にまつわる課題を解決するトータルソリューション事業が占めています。その中核にある事業こそがGWPなのです。
GWPは単にオフィス空間をつくるのではなく、「その会社らしい働き方」を実現する一気通貫のソリューションを提供しています。企業の働く場をゼロから構想し、オフィスのコンセプト設計・空間デザイン・内装や間仕切り工事・家具の製造・販売と施工をはじめとしたハード面から、働き方の仕組みづくり・コンサルティング・人材育成・組織風土醸成といったソフト面までをカバーする総合力があり、オフィス改革と働き方改革を同時に推進しています。
私たちが手がけてきたオフィス空間には、偶発的なアイデアを引き出すコラボレーションスペースやカフェテリア、部署をまたいだ共創を生むインキュベーションオフィスなど、創造性を引き出す工夫を詰め込んできました。それらに加え、オフィス構築後の運用サポートや、働き方の定量的な効果測定、ひいては「人」の成長まで支援することで、お客様にとってさらに価値のあるパートナーになれると考えています。
今まさに、オフィス空間とデジタル技術の融合に挑んでおり、刻々と変化するオフィスの使われ方をデータで可視化するサービスや、社員の成長の好循環を支援するデジタルサービス(SaaS)の開発・提供に取り組んでいます。その一環として、2025年5月に組織成長ソリューション『TEAMUS(チームアス)』をリリースしました。Webサーベイでチームの強みと課題を把握し、リーダーへのヒアリングや教育を通じて意識変容を促し、ビジネスコーチングで行動変容を導く「わかる→気づく→変わる」の3ステップでチームコミュニケーションと社員のエンゲージメント向上を支援します。
── なぜ、それほどまでの総合力を有するようになったのでしょう。
ひとつは、1世紀以上「お客様の役に立つ」ことを企業活動の原点に据え、時代とともに移り変わるニーズに応え続けてきたことです。文房具メーカーとして創業し、文房具を提供すれば書類が生まれる、では書類を保管するファイルを、ファイルを収める家具を、家具だけでなく空間構築を……。その延長線上に「社員の意識や行動を変えるオフィスをつくってほしい」というニーズが生まれ、GWP事業が成長してきました。
──立ち入ったことを伺いますが、出社文化が見直されたパンデミック以降、GWPは打撃を受けたのではないでしょうか?
むしろ、追い風として捉えています。コロナ禍を経て、リモートワークやハイブリッドワークの定着により「顔を合わせて協働する大切さ」が再認識され、オフィスを「創造性やエンゲージメントを育む場として再設計したい」というニーズが増加しました。オフィスの価値は再定義され、「オフィス=投資」という考え方が広まり、企業がオフィスに積極投資する動きが増えたのです。案件の予算や規模も以前より大きくなっています。「働き方や働きがい改革」の一環として老朽化したオフィスを大胆にリニューアルしたり、DX推進・イノベーション創出・組織活性化を目的にオフィスをつくり変える企業様が多く、そうした需要に応えることでGWPは急成長を遂げ、現在は年間25,000件以上の空間構築実績を誇ります。
──今後の売上目標も非常に大きく、“本気度”を感じます。社をあげて注力するまでになった経緯とビジョンを伺いたいです。
長年、ステーショナリー事業とオフィス家具事業を主軸としていましたが、コクヨを取り巻く環境にも大きな変化が生まれるなか、「我々は変化しきれていないのではないか?」という問いが立てられました。そうして2021年に長期ビジョン『CCC2030』を策定し、創業以来117年受け継いできた企業理念を「be Unique. 」に刷新。コクヨは「創造性を刺激し続け、世の中の個性を輝かせる」と宣言しました。
コクヨの使命は、お客様の課題を深堀りして、お客様も気づいていない潜在するニーズを引き出し、人々の「働く・学ぶ・暮らすの質」を向上させることだと再定義したのです。多くの企業が「これからの時代にどんな働き方を実現すべきか?」という問いに明確な答えを持てていないなかで、「働く」を統合的に支援できるからこそ、GWPが果たさなければならない役割は大きなものがあります。そして、クライアントに価値を提供しながら、GWPがハブとなって文房具や家具といった既存事業とのシナジーを生むことができ、自分たちの成長にも直結する。社会課題の解決と、自らの成長を両立させる解なのです。
これまでも、都市圏から地方まで、大手企業のプロジェクトから成長の著しいスタートアップ企業の支援まで、多くクライアントにソリューションを提供してきました。国内におけるオフィス改革のトップランナーとしての実績とノウハウを土台に、これまで以上にチャレンジングな案件にも参画しています。次々に生まれる成功事例が次の挑戦への原動力となり、この流れをさらに加速させ、グローバルに展開することで世界におけるコクヨの存在感を高めていこうとしています。
──グローバル展開における課題はどのようなものでしょうか。
「日本発のワークプレイスソリューションを世界へ」を合言葉にビジネスを拡大しているところですが、決して平坦な道ではありません。私たちは今、中国・ASEAN・インド・オーストラリアで事業を展開しており、さらにスケールアップしていく構想を描いています。しかし、「働き方」に関する文化、法制度、建築環境が地域によって大きく異なるため、越境するたびにあらゆる課題があらわれます。これを解決するために、各国の文化・働き方を熟知したコクヨの現地チームが、お客様と日本をつなげる役割を担っています。日本企業が海外に新規拠点を構築する際は、現地の慣習やトレンドに合わせた設計を提案する。現地企業に対しては、日本での実績を紹介してワークプレイスの効果を伝えることで信頼を築いています。

挑戦者集団を象徴する自社オフィス「THE CAMPUS」。
── GWPの誕生以後、社内外にどのようなインパクトがもたらされましたか?
まだまだ文房具の印象が強いコクヨですが、グローバルワークプレイス事業の挑戦的な取り組みによって、ブランドイメージも大きく変わり「最近のコクヨは攻めている」と評価される機会が増えています。100社あれば100通りの「働くにまつわる課題」があり、提案領域がどんどん広くなっていきます。自分たちですら、「何屋」なのかを定義できないプロジェクトもあるくらいです。
社内的には、社員一人ひとりに「自分たちはお客様の働き方を変革するパートナーだ」という当事者意識が芽生えています。新しい価値を生み出すためには、専門外の領域にも踏み込んでいくことが必要なので、部署を横断するコラボレーションも活発になりました。1986年から他社に先駆けてワークスタイルの研究を重ねてきたように、先人たちが創り上げた「お客様よりも一歩先に失敗し、お客様よりも先に学ぶ」というマインドに加え、不確実な世の中において、仮説から答えを創り出す「挑戦者集団」としての風土がこの数年で醸成されたと肌に感じています。
── 「挑戦者集団」を象徴するプロジェクトを教えてください。
2021年に品川に開設した自社オフィス『THE CAMPUS』のプロジェクトです。ABW(Activity Based Working=仕事内容や目的に応じて働く場所を自ら選択できる働き方)を取り入れ、緑で覆われた外構や、誰もが利用できるオープンスペースやガーデン、社外パートナーとの共創スペースなど、一部フロアを地域や他社に開放して「働く・学ぶ・暮らす」の実証実験の場として運営しています。従来は社員だけの場所だったオフィスが、老若男女が集う場へと変化を遂げました。実は、このプロジェクトはコンセプトづくりから空間設計までほぼ社員で創り上げたのです。単に自社オフィスをつくり変えるのではなく「自分たちでコクヨを変えよう」という強い想いが込められています。コクヨは未来シナリオとして「自律協働社会」の実現を願っています。「人々が自律し個性を認め合いながら自己表現・他者貢献することで、新しい価値が生まれる」。この考えは日本だけでなく、グローバルで実現していきたいと本気で考えています。

GWPには壁がない。価値創造は、専門性の掛け算だから。
── 提案営業、空間設計、施工管理など、多彩な職種のプロフェッショナル同士がどのように協働しているのでしょうか。
前提として、プロジェクト毎の課題解決に最もふさわしいクロスファンクショナルなチーム編成を行うため型はないのですが、スタンダードなプロジェクトの流れをお話しします。
はじめに、提案営業がクライアントのニーズや経営課題をヒアリングします。その後、デザイナーや空間設計を交えて議論を行い、クライアントの課題解決、社員の働き方や意識の改革を実現するためのコンセプトメイキングを行います。コンセプトや基本設計がまとまってからは、空間デザイナーが内装図面やレイアウトを設計し、プロジェクトマネージャーが施工計画やコストを積算。施工段階では施工管理が現場をリ-ドしますが、営業や空間デザイナーも現場に足繁く通い、クライアントや職人とのコミュニケーションを重ねます。
提案営業は「組織変革の出発点」をつくる。空間設計は「空間の構築」ではなく「働く人の行動や意識の変化」を見据える。施工管理は「お客様が安心、安全、快適に活用できるか」という視点でプロジェクトに参加する。肩書きではなく、課題解決のために多様な専門性を掛け算する。GWPにおける協働は全員が主役のチームプレイなのです。
── スムーズに協働が行われる仕組みはあるのでしょうか。
社内では皆が常に同じフロアでデスクを並べて働くというスタイルはとっていません。時にはリアルで集まり、時にはデジタルツール上で、手法は違えどコミュニケーションの質と量は意識しています。働く場所はバラバラでも一つのゴールを目指す。バリューチェーン全体で成果にこだわり、課題解決に挑む。この意識が非常に強く、営業だからここまで、設計だからこの先は関わらない、という線引きはありません。最初から最後まで一丸となって伴走します。
別軸の話にはなりますが、だからこそ、その気になればどこまでもキャリアを広げられる機会があります。商品開発、企画、マーケティングから設計、プロジェクトマネジメント、営業、施工管理まで、職種や部門を横断して幅広い領域に関わることも可能です。「営業だけど将来はマーケティング領域でも経験を拡張する」「空間設計だけどプロダクトデザインもやってみる」といった機会もこれから増やしていく予定です。GWPでの経験は社員の大きなキャリア財産になっていくはずです。

覚悟ある挑戦者と、次の120年を創りたい。
── 求める「挑戦者像」について、お聞きしたいです。
採用で重視しているのは、「変化を楽しめるか」と「覚悟があるか」です。変化を楽しめるかについては、未知の領域にも飛び込んでいける好奇心があること。コクヨを取り巻く環境も、これからは次々と変化がおとずれます。それを「面白い!成長のチャンスだ!何なら変化を先につくりにいこう!」と、ポジティブに捉えられる方はこの環境で大きく伸びると思います。もう一つの覚悟は、困難から逃げない姿勢とも言えます。新しいことに取り組めば当然うまくいかないことも出てきます。想定外のことに尻込みするのではなく、最後までやり抜く粘り強さを持っているかどうかが大切です。
── どのようなスキルを身につけていれば活躍できますか?
GWPは巨大な事業部のためポジションが多く枚挙にいとまがないのですが、全ポジションで共通することがあります。それはあたり前ですが、「顧客志向を徹底し、顧客の困りごとを徹底的に解決していくこと」。お客様の課題を深堀りして、お客様も気づいていない本質的なニーズを引き出すような、真の課題解決にこだわって仕事に向き合ってきた人は強いと思います。
── いま、コクヨで挑戦するメリットを教えてください。
大企業でありながらベンチャー的なダイナミズムがある現在のコクヨでは、活躍の場を自ら切り拓ける土壌があり、手を挙げれば重要なプロジェクトを任せてもらえるチャンスがあります。実際、キャリア入社の方が力を発揮している例が数多く存在します。ある社員は競合他社から転職してすぐに大型プロジェクトのリーダーを担い、ある社員は異業種出身ながらその発想力を買われて新規サービスの立ち上げメンバーに抜擢されました。
── 最後に、これから挑戦者集団の一員となる採用候補者へ、メッセージをお願いします。
コクヨは、今まさに第二創業期を迎えているといってよいでしょう。GWPの伸長によって、採用目標人数も当初の倍に拡大し、2025年度は年間80名規模のキャリア採用を実施するまでになりました。コクヨに長年いる私自身も、このタイミングを心から面白いと感じています。次の120年をともに創る、覚悟ある挑戦者との出会いを楽しみにしています。

※取材内容は2025年5月当時のものです。
コクヨ株式会社が募集している求人はこちら
| 年収 | 620~860 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | 事業企画 |
| 年収 | 620~860 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | 管理会計 |
| 年収 | 700~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 大阪府大阪市東成区 |
| 職種 | 生産管理 |
| 年収 | 500~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 大阪府大阪市東成区 |
| 職種 | 商品企画 |
| 年収 | 650~900 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | 建築意匠設計 |
| 年収 | 650~900 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | CM/コンストラクションマネジメント |
| 年収 | 650~900 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | 不動産事業開発 |
| 年収 | 600~900 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | 安全管理/環境保全 建築施工管理 |
| 年収 | 600~850 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | その他建築設計/デザイン |
| 年収 | 600~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | 建築意匠設計 |
| 年収 | 600~850 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | 建築施工管理 設計/施工監理 |
| 年収 | 600~850 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | 建築積算 |
| 年収 | 600~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | 安全管理/環境保全 |
| 年収 | 500~850 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 東京都港区 |
| 職種 | 建築法人営業 |
| 年収 | 550~850 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 大阪府大阪市北区 |
| 職種 | 建築施工管理 設計/施工監理 |
| 年収 | 700~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | コクヨ株式会社 |
| 勤務地 | 大阪府大阪市北区 |
| 職種 | 建築構造設計 |
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。