
「日本では営業を軽視している企業が多い。優れた製品・プロダクトも、知られなければ存在しないも同じ」と語るのは、株式会社Grand Centralを率いる北口拓実さん。同社は競争の激しい営業コンサル業界で急成長を遂げ、クライアント営業戦略をデザインし、セールスDXの導入など多角的な支援で好業績を上げ続けています。米国ではGAFAMなど世界的プラットフォーマーが営業コンサル会社と包括提携を結ぶ巨大な市場が形成されているなか、「日本企業は営業コンサルにおいて立ち遅れている」と指摘する北口さんは、クライアントのビジネスを成長させ、営業に対する価値観まで変えていくビジョンを描いています。本インタビューでは、起業の経緯や社内文化、今後の展望まで、その想いをうかがいました。
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| 年収 | 850~1300 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Grand Central |
| 勤務地 | 大阪市淀川区 |
| 職種 | 戦略/経営コンサルタント 営業コンサルタント |
| 年収 | 850~1300 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Grand Central |
| 勤務地 | 東京都 港区 |
| 職種 | 戦略/経営コンサルタント 営業コンサルタント |
目次
営業コンサルで世界に立ち遅れている日本
── 株式会社Grand Centralは、どんな会社であると言えますか。
私たちのサービスをひと言で表すなら、「優れたサービスや商品を世の中に広げるための“橋渡し”をする」というものです。具体的には、クライアント企業の営業戦略の立案、マーケティングとの連携、インサイドセールスやフィールドセールスの実行支援といった業務を担っています。新規顧客へのアプローチ方法や営業KPIの設計、仕組み化のノウハウを提供し、クライアントの“売る力”を最大化することが私たちのミッションです。
また「営業が“ブルーカラー”のように見られる風潮を覆す」というのも狙いです。多くの人は「営業=足を使う泥くさい仕事」と捉えていて、戦略コンサルやIT、DXと比べると、どこか「華やかさに欠ける」イメージを持ちがち。でも実際は、物を作る力があっても“売る力”がなければ企業は伸びない。いかにクライアントの製品やサービスを世の中に広めるか、それを強化するのは営業です。ここに本気で取り組めば、間違いなく日本企業の存在感も高まるはずだと思っています。

── 北口さんは新卒でキーエンスに入社し、短期間でトップセールスの座を獲得。さらに3年半という早さで独立を果たされました。これほどスピーディに成果を上げながらも起業へと踏み切ったのはなぜでしょうか。
新卒で入社したキーエンスでは、周りの同期が高学歴であったり、学生時代から起業した経験を持っていたりと優秀な人が多く、学歴コンプレックスがありました。しかし、二年目で全社一位を獲得し、史上最年少売上レコードを達成するなどの結果を残していく中で、自分の持つポテンシャルや一人のビジネスマンとしてクライアントに提供する価値の高さを確信できた、というのが独立に至る一つのきっかけです。トップの座を取ってみて感じたのは「もっと外の世界で試してみたい」という欲求でした。会社の中で評価されるのはもちろん嬉しいのですが、自分が生み出すインパクトがどうしても社内に限定されてしまうと思います。もっと広いステージで価値を提供し、社会全体に影響を与えるような仕事をしてみたいと思うようになりました。
ちょうどその頃、新型コロナウイルスの影響で自分自身を見つめ直す時間が格段に増えました。これが大きな転機でした。「将来何をやりたいのか、どんな存在になりたいのか」を考えるうちに、キーエンスで証明した営業ノウハウや成果を一企業内に留めるだけではもったいない。むしろ、このノウハウを“世の中に必要としている人たち”へ広げていけば、もっと大きなインパクトを社会に与えられるのではないかと。そう思ったら一気に視野が開けて、迷いなく起業に向けて動き出しました。
こうして生まれたのがGrand Centralです。私だけでなく様々な企業でトップセールスの実績を持った営業のプロフェッショナルが集結し、クライアントの目標達成を営業支援により実現する国内最大級のセールスコンサルティングカンパニーを目指そうと考えたのです。社名はニューヨークの中心に位置するグランドセントラル駅から取りました。あらゆるセールステーマに最適なプロセスを提供し、社会にかけがえのない存在を目指すという意志を込めています。起業するにあたっては、不安よりも「これこそ自分達にしかできない」というワクワクが大きかったですね。

「プロダクトは人」という強みを持ってクライアントのニーズに応える
── 起業後は営業代行だけでなく、マーケティング支援やインサイドセールス、さらにはセールスDXの導入支援などへと急速に事業領域を広げていらっしゃいます。その背景を教えてください。
起業当初は営業代行・BPOが中心でしたが、自然と業務領域が拡大していったのは、クライアントから「ここも手伝ってほしい」という要望が絶えず寄せられたからですね。たとえば最初はテレアポや訪問営業の代行だけだったのが、徐々に「そもそもマーケ施策の上流から戦略を考えてほしい」「自社でインサイドセールスを立ち上げたいが、体制づくりからサポートしてほしい」といった相談が増えてきました。そこで「私たちがお手伝いすれば成果が出る」と確信できる分野には、積極的にサービスを広げていきました。
正直、不安はほとんどありませんでした。なぜなら「この事業は絶対にニーズがある」「今の営業支援だけでは不十分だ」と、お客様自身が声を上げてくださるわけですから。そこに対して私たちが持っているノウハウや人材を組み合わせれば、確実に役立つサービスを提供できると思いました。いわばクライアントの要望が“事業拡大の道”を示してくれているようなもので、「この領域もやってくれませんか?」と言われるたびに事業が広がっていったような感覚ですね。
── なるほど。“クライアントのニーズが事業を形作っていく”という考え方がベースにあるのですね。ただ、それでも競合は多いのではないですか? 勝ち残るための強みは何でしょう。
確かに営業代行やコンサルを標榜する企業は増えています。ですが私たちのプロダクトは人だと考えています。高い付加価値を生み出すのは、サービスの内容よりも優秀な人間が一社一社と向き合うことが鍵を握っています。そして最終的には「どんな人材が、どんなマネジメントや文化のもとで動いているか」に尽きると思っています。

組織を支える「筋肉質でドラスティック」なカルチャー
若手に裁量を与え、“失敗”を糧にスピード成長する仕組み
── マネジメントや文化に大きな特徴があると伺いましたが、具体的にはどのような意味合いで、どういう組織づくりをしているのでしょうか。
私たちはムダを削ぎ落とし、結果を出すために必要な要素へ徹底的に注力する姿勢を“筋肉質でドラスティック”と表現しています。“ドラスティック”という言葉には、変化を恐れず大胆に踏み込む姿勢や、成果を追い求めることを厭わないカルチャーを含んでいます。たとえば、「若いから経験が足りない」とか「入社したばかりだから無理」という発想はあまりなくて、むしろ20代前半でも成果を出せると思ったら即マネジメントを任せるようにしています。
そんなカルチャーに馴染むかどうかを見極めるのが、私たちの採用基準でもあります。もちろん前職での実績や学歴がプラスになる場合もありますが、それ以上に大切なのは「当社の“筋肉質でドラスティック”な環境で本気で成長したいかどうか」。営業という仕事は数字にシビアな面がありますし、事業拡大期のベンチャーは毎月のように新しい挑戦が出てくる。例えば“やる気はあっても変化は嫌い”というタイプだと、どうしてもカルチャーフィットが難しくなってしまいます。
── 短期間で組織が大きくなると、個人の数字や成果だけを追いがちにもなりそうですが、チームとして連動する仕掛けはあるのでしょうか。
私たちが特にこだわっているのは、「個人の100点」よりも「全員で80点を積み上げる」という意識です。そのために導入しているのが、全社利益連動のインセンティブ制度ですね。一人が突出した成果を上げても、それだけでインセンティブが大幅に変わるわけではありません。むしろ、全員で利益を生み出した結果がインセンティブに反映される仕組みになっています。
営業の世界では、よく「ノウハウや案件を独り占めして、自分の数字だけ伸ばそう」とする人も見受けられます。でも、それでは結局チーム全体の生産性は上がらないし、会社としても持続的な成長は見込めません。全社的に数字を取りに行くためには、情報やノウハウを積極的に共有する仕組みが欠かせません。これが「一人で100点を取りに行くより、みんなで80点を取る」という考え方につながっています。

── 若いメンバーも多いと聞きますが、新卒や中途の多様なバックグラウンドがどのように活かされているのでしょうか。
例えば人材系企業の出身者はクライアントの採用支援も絡めて包括的に提案できたりする。多様なバックグラウンドの人たちが“筋肉質でドラスティック”な企業文化にフィットして、短期間で頭角を現すことがよくあります。
さらに、弊社では20代前半からマネジメントを任せる“抜擢文化”が根づいています。たとえば入社2〜3年目のメンバーが5名ほどのチームを率いて営業案件を進めることも珍しくありません。もちろん最初からうまくいくわけではなく、メンバーとのトラブルやコミュニケーションのズレで“失敗”することも多い。でも、その失敗こそが最大の学びになり、結果的に本人と組織の成長スピードを引き上げるものだと確信しています。
私はキーエンス時代、若い頃から大きな裁量を与えられたことでマネジメントにチャレンジし、失敗と成功を繰り返す中で営業力を磨きました。その経験がベースになっているからこそ、「やってみてダメならまた次」という方針を掲げています。若手を大胆に登用し、失敗を恐れず動いてもらうことで個人も組織も早い段階で“筋肉質”になっていく――このサイクルが、今のGrand Centralを支える根幹だと思っています。

15年後、時価総額一兆円を目指す
── Grand Centralは日本企業の営業を変革する存在として急成長していますが、今後の大きなビジョンや目標はどのように描いているのでしょうか。
私は「上場が第一章」だと考えています。上場をゴールとするのではなく、そこから本格的にグローバルやM&Aなど、さらに大きな展開を視野に入れていくイメージですね。例えば近い将来に上場を果たし、資本市場から得られるリソースを活用して一気に世界へ打って出る構想を持っています。最終的には15年後に時価総額一兆円を目指す、この数字を堂々と掲げているのです。
もちろん、そこに行き着くまでには様々な課題をクリアしなければなりません。しかし私はむしろ、その課題こそが順当な成長プロセスを歩んでいる証明であり、企業を強くする過程であると確信しています。ちょうど最近まで、社内体制の整備やコンプライアンス対応などに力を注ぎ、組織を「どんなステージでも通用する形」に進化させました。ビギナーズラックで走り続けるのではなく、きちんと会社の基盤を固める――それが上場への道のりであり、世界で勝負するための“通過儀礼”でもあります。
── なぜそこまでのスケールを狙うのでしょうか。
理由は大きく二つあります。一つ目は、2020年代を代表する企業として日本を牽引したいという想いです。かつてはサイバーエージェントさんや楽天さん、リクルートさんが新しい産業を生み出し、国内のビジネスを盛り上げました。2020年代のベンチャー企業として、私たちは“営業コンサル”というフィールドで同じように日本を元気にしていきたい。これがまず一つ。
もう一つは、冒頭でもお伝えした「“ブルーカラー”のように見られる営業職のイメージを覆すこと」です。米国では、営業をコンサルティング企業に依頼するのは当然になっています。自社にない経営リソースは外部から取り入れるという柔軟な発想があるからです。日本でも今後同じ流れを辿るのは、間違いないでしょう。私たちは「世界と対等に戦える営業コンサルファームを創る」という壮大な目標を掲げていますが、それは創業から短期間でスケーリングした私たちにとって決して夢物語ではありません。営業の“格”を上げることで、日本企業全体の競争力を高める。「日本発のグローバルカンパニー、メイドインジャパンのコンサルファームが世界で認められる」――その未来を信じているからこそ、一兆円企業という高いハードルに真っ向から挑んでいきたいと思うのです。

営業というインフラを共に築く仲間を求めている
── ここまでお話を伺っていると、「営業」という仕事の枠組みが、貴社から大きく拡がっていくと感じます。最後に、転職を考える読者の方へのメッセージをお願いいたします。
世の中には“営業”という仕事を「辛い」「泥くさい」とネガティブに捉える方が、まだまだ多いのではないでしょうか。私自身も、営業はブルーカラー的な扱いをされがちだと思っていました。ですが実際は、物を売るだけでなく「売り方をデザインする」ことで企業や社会に大きなインパクトを与えられる、非常にクリエイティブで戦略的なフィールドです。
とくに若い方に伝えたいのは、「早いうちから無理をしてでも大きなチャレンジをしたほうがいい」ということ。私自身、20代前半で多くの試行錯誤を経験し、成功も失敗も含めて一気に成長しました。例えばマネジメントに挑戦したときは、当然うまくいかないことが山ほどありました。でも、そこでつまずいた分だけスピード感を持ってリカバリーし、結果的に圧倒的な実力が身に着きました。若いうちならば、失敗を糧に何度でも跳ね返って成長できると信じています。企業規模の拡大に応じて、社内体制や制度、働き方を整えました。しかし営業にとって仕事の最大の報酬は仕事だと私は考えています。より刺激的な仕事と社会へのインパクト、そして成果に応じたインセンティブには、どの会社にも負けないという自負があります。
また、営業が嫌われがちな風潮こそ最大のチャンスだと思います。多くの人が敬遠するからこそ、ここで実績を上げたり仕組みを作れたりする人材は貴重な存在です。企業にとって「売る力」は死活問題ですから、それを補ってくれる人材には大きな需要がある。そうした背景を踏まえれば、自分の可能性を信じて“営業”を極めた先で、社会や産業に貢献できるインパクトは計り知れないはずです。私たちとしても、営業を極めようとする方々がもっと増えてくれれば、この国の産業構造自体が大きく変わると確信しています。“物の売り方”を武器に、新たな道を切り拓く――それこそが、いま社会に求められる大きなイノベーションなのではないでしょうか。

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| 年収 | 850~1300 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Grand Central |
| 勤務地 | 大阪市淀川区 |
| 職種 | 戦略/経営コンサルタント 営業コンサルタント |
| 年収 | 850~1300 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Grand Central |
| 勤務地 | 東京都 港区 |
| 職種 | 戦略/経営コンサルタント 営業コンサルタント |
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