地球規模で活躍するAI人材に ヤンマーがデジタル技術で実現する未来

農業、マリン、エネルギー、建設、船舶エンジンなど、幅広い分野で事業を展開するヤンマーHD。創業から脈々と受け継がれてきたモノづくりのスピリッツはそのままに、新たな挑戦を始めています。いま世界が求めているのは、持続可能な社会づくり。食糧難を解決する農業生産の効率化や省力化をはじめ、工業やエネルギーの安定供給など、地球が発展し続けていくために解決すべき課題があります。その一つひとつに目を向け、技術と工夫で解決を図っていくのが、ヤンマーHDが描くビジョン。そのカギを握るのが、AI・DXを担うデジタル人材です。人事の司尾さんと和田さんに、ヤンマーHDがデジタル人材を求める理由と背景を質問してみました。そして、ヤンマーHDのデジタル化を推し進めるAI戦略推進部の山根さんには、具体的なプロジェクトやデジタル人材として働く魅力、やりがいを教えていただきました。

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世界の課題を解決する100年企業。地球の裏側でも愛されるヤンマー製品。

── 人事の目から見たヤンマーHDの事業の魅力を教えてください。

司尾:われわれヤンマーは、1912年の創業以来、モノづくりを通じて世界中で支持されてきた企業です。「技術で社会に貢献する」という創業者の意思が受け継がれ、ヤンマーのアイデンティティとなっています。事業フィールドは幅広く、大地、海、都市のさまざまな分野でヤンマー製品が活躍し、世界の発展に寄与してきました。私が個人的に魅力を感じているのが、ヤンマーの名前が世界で知られていること。以前、ブラジルに出張した際、アマゾン川でヤンマー製エンジンの船を愛用している漁師に出会いました。「こんなところでもヤンマー製品が使われているのか」と感銘を受けただけでなく、現地の漁師は自分がヤンマー製品のオーナーであることに誇りを持ち、われわれの製品に深い愛情を抱いてくれていることに感動しました。同様に、農地に行けばヤンマーのトラクターが大地を耕し、いろんな場所で活用されています。地球のいたるところがわれわれのフィールドであり、幅広い製品やサービス、ソリューションを通じて、現地で暮らす人々を支えているという事実が、ヤンマーHDで働く魅力だと思います。

── ヤンマーHDで働く人や社風をどのように捉えていらっしゃいますか?

司尾:私は新卒で入社してヤンマー一筋25年の社員です。最初は営業を経験して、現在は人事を任せてもらっています。当社に中途入社した社員が口をそろえて言うのが、「ヤンマーは人を大事にする」という言葉。同族経営で非上場という点もあるのでしょうが、新卒と中途入社による差は全くなく、国際色豊かな人材がのびのびと働いています。そういった面でとてもフラットな組織であり、困った人がいれば当たり前に助け、人を大事にするカルチャーが根づいた企業です。また、チャレンジする人を応援するのもヤンマーHDが誇る社風だと思います。

和田:私も同様のことを感じます。昨年4月に中途入社したばかりですが、専門とする採用領域ですでにいろんなことを任せてもらっています。まさにリクルートダイレクトスカウトはその一つです。今までのヤンマーはこうしたサービスをあまり使って来なかったのですが、私が提案して責任を持って担当させてもらえました。また、採用業務は営業や開発など他部門との連携や情報共有がとても多い仕事なのですが、ヤンマーHDの人は本当に協力的です。人事の取り組みに対してポジティブに支援する体制があり、いつも助けられています。こうした社風の良さは、過去5年間で3年後離職率7%という定着率の高さを見れば、きっと納得いただけると思います。

モノづくりをコアコンピタンスに、デジタル技術で生み出すソリューション。

── ヤンマーHDがAI・デジタル人材を必要とする理由を教えてください。

司尾:われわれを取り巻くビジネス環境は、デジタル分野を含めて非常に複雑化しています。これからさらに100年生き残る企業であるためには、複雑な状況の中で、本当に求められる製品やサービスを生み出していくことが欠かせません。より高度に、より効率的な生産活動を行っていく上で、AIやDXといったデジタルに注力していくことは非常に重要です。こうした分野には、これまでも力を入れてきましたが、よりスピードを上げて、さらにパワフルに推進していくためには、まだまだAI・デジタルに関わる人材の数も質も足りていないのが現状です。だからこそ、これからのヤンマーHDをけん引していくようなデジタル領域を強みとする人材を求めています。

── AIやデジタル技術が担うヤンマーHDの具体的な未来像についてはどうお考えですか?

山根:ここからは、当社のデジタル化を手掛けるAI戦略推進部から説明させていただきます。近年、当社に限らず、形あるモノを作るメーカーでは「モノ売り」から「コト売り」へと事業の形を変化させてきました。ヤンマーHDは技術を起点に成長してきたメーカーですから、これからも技術力を高めていくことは必要です。その一方で今後は、顧客やユーザーのニーズやペインポイント(課題)に密着した提案が、より強く求められていきます。分かりやすく言うと、ヤンマーの製品を使う前と後で、どのような違いや変化があり、それがどのように役立ったかという結果です。形ある製品は、そのプロセスの一部に過ぎません。このようなトータルソリューションを実現するためには、幅広い情報の収集と、得たデータを有効に活用する仕組みや体制が不可欠です。だからこそ、AIをはじめとしたデジタル技術の専門家が必要であり、活躍の場が広がり続けています。また、社内の業務プロセスにもデジタル技術を取り入れ、できる限りマニュアルワークを自動化し、意思決定やアイデア創出が必要な業務に人的リソースを避ける環境を構築することも重要です。このサイクルをいかに早く回していけるか。それがわれわれAI戦略推進部のミッションとなっています。製品やソリューションに対するデジタル技術と、社員が働く環境をより高度にしていくデジタル技術。両面での実現に向けて、デジタル人材が担う役割はますます大きくなっていくと言えるでしょう。

現場を変えるのは現場。周囲を巻き込むデジタル人材がヤンマーHDを変える。

── ヤンマーHDがAI・デジタルの活用で生み出そうとしている具体的な製品やサービスを教えてください。

山根:世界にはさまざまな課題があり、農業を例に挙げると「農業従事者の高齢化」「生産性の向上」「若手人材の育成」などがあります。こうした課題の一つひとつに対して、トータルソリューションを提案しようとしています。近年、耳にすることが多いスマート農業も、AIの活用が必須となっていくでしょう。まだまだデータが活用されていない部分が多く、新たなやり方で生産性の向上を図っていかなければなりません。また、ナレッジの継承も大きな課題です。農業には経験に基づいた判断を迫られる場面が多々あります。例えば、作物の完熟度合いや糖度の見極めは、素人にはできません。このような従来は経験豊富なベテランでなければ難しかった工程も、AIにデータを読み込ませて判断させたり、アプリを使って第三者に営農のアドバイスを仰ぐなど、デジタル技術の活用で解決を図れる問題は少なくありません。カメラが農家の目に代わり、AIが頭脳の代わりとなって最適な回答を導き出す農業が目の前に迫っています。労力が問われる業務に関しても、自動運転トラクターをAIで制御すれば、より少ない人の力で、より効率的な農業を確立することが十分に可能です。このほかにも、農地で大規模な太陽光発電を行ったり、ヤンマーHD自身が試験的にスマート農業を実践するなど、多角的に農業を発展させていく取り組みを行っています。

── 社内の業務プロセスにおけるAI推進についても教えてください。

山根:社外に向けたデジタル技術の活用と同等に重要なのが、社内での活用です。需要予測などにAIを活用しているほか、生成AIで業務の効率化を図るといった取り組みが行われています。ここで大切なのが、AIをAIの専門家だけのものにしないことです。それぞれの現場からAIを活用して、みんなが能力を養っていくカルチャーづくりが重要になると考えています。われわれAI戦略推進部が中央でできることには限界があります。現場を変えるのは、やはり現場なのです。ヤンマーHDでは、こうした考えがしっかりと根付いていて、自動機械学習ツールや生成AIの利用率が着実に高まってきています。営業、設計、開発、生産など、幅広い業務領域で、まだまだAI活用の余地が残されているのは間違いありません。現場からAIを活用するため、社内向け勉強会を開催するのですが、毎回100人以上の社員が自主的に参加してくれます。参加者の中から、取り組むテーマごとにプロジェクトメンバーを募るのですが、10人~20人が手を挙げ、主体的に取り組みを行っています。こうした部分にも、ヤンマーHDの社員の人柄や社風がよく現れているのではないでしょうか。現在も50~60のプロジェクトが進行中です。AIは使ってみて初めて、その良さが分かる技術です。これからも、当たり前にAIを使うカルチャーを広めていきたいと考えています。

── デジタル人材にとって、ヤンマーは成長できる環境と言えるでしょうか?

山根:間違いなく成長できる環境があります。そう言い切れる一番の理由は、自由度が非常に高いからです。自分でやりたいことを見つけて提案し、周りを巻き込みながら形にしていくのが、われわれAI戦略推進部のやり方になっています。やらされるより自分でやるからこそ、本当に仕事が楽しくなり、楽しいからこそ新しい仕事にチャレンジしたくなり、自身の成長につながっていきます。また、ヤンマーHDの事業は多角的に展開されていますが、事業の垣根を超えて横断的にAIやデジタルを推進していくこともできます。さらに、世界に広がるヤンマーブランドだけに、グローバルに活躍することも十分に可能です。実際に海外と関わる機会も多く、こうした面でも大きなやりがいを感じられるでしょう。

── 最後に、こんな人と一緒に働きたいという理想があればお願いします。

山根:先ほども申し上げたように、やってみたいことがある人にとって、ヤンマーHDは恵まれた環境です。逆に言えば、目標や目的がない人にとっては、あまり魅力的ではないかもしれません。たとえ高い技術や知識があったとしても、指示を待っているだけのタイプでは、本当の仕事のおもしろさに気づけないと思うからです。自律的に動ける方は、心から歓迎したいと思います。また、自分の仕事が、どこの・誰のためになっているかを意識できる人も歓迎です。さらに、自分の仕事が自分の成長にどうつながるかを意識できると、より良いでしょう。そんな考え方の人は、どんどん仕事が楽しくなると思います。

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