
金融犯罪への対策は、いまや世界中の金融機関にとって不可欠な取り組みとなっています。特に「AML(Anti-Money Laundering/マネー・ローンダリング防止)」と呼ばれる金融犯罪対策業務は、専門職として一大領域へと発展。その最前線で金融犯罪リスクと向き合っているのが、世界最大級の金融グループである三菱UFJ銀行、グローバル金融犯罪対策部に所属する藤田那々子さん。前職で電子部品メーカーの営業企画部に所属していた藤田さんは、異業界からこの専門性の高い領域へとチャレンジしました。本記事では、藤田さんのキャリア選択と挑戦、そしてAML業務のダイナミズムと三菱UFJ銀行という舞台の魅力に迫ります。
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| 年収 | 600~1300 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社三菱UFJ銀行 |
| 勤務地 | 東京都千代田区, 東京都中野区 |
| 職種 | コンプライアンス |
| 年収 | 600~1300 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社三菱UFJ銀行 |
| 勤務地 | 東京都千代田区, 東京都中野区 |
| 職種 | 社内システムエンジニア |
| 年収 | 600~1300 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社三菱UFJ銀行 |
| 勤務地 | 東京都千代田区, 東京都中野区 |
| 職種 | 社内システムエンジニア |
目次
「もっと社会に、直接的に貢献できる仕事がしたい」
── 前職ではどのようなお仕事をされていたのでしょうか。また、転職を考えた背景は?
前職では、電子部品メーカーの営業企画部でマーケティング業務を担当していました。市場動向を分析しながら販促戦略を立案したり、展示会の企画運営を進めたりと、製品の拡販を後押しする立場でした。製品は、自動車やスマートフォンなどに使われる精密部品。高度な技術が支える日本の“ものづくり”に関われる面白さがありましたね。
一方で、日々の業務に取り組む中で「自分の仕事が、社会全体にどう貢献できているのか」という問いが少しずつ膨らんでいきました。もちろん、優れた製品が世界中で評価され、使われていることに誇りを持っていましたが、もっと社会や人々の暮らしに直接的なインパクトを与えられる仕事に、挑戦してみたいと思うようになったんです。
── 金融業界、三菱UFJ銀行を志望された理由を教えてください。
金融業界に対して特別な馴染みがあったわけではありませんが、情報収集を進めていく中で「お金」という仕組みそのものが、社会や経済の根幹を成していることにあらためて気づかされました。とりわけ銀行は、個人の生活や企業のビジネス、そして国家間の取引にまで深く関わる存在。そんな場所で働くことで、より広く、より直接的に社会の仕組みを支えられるのではないかと感じました。その中でも三菱UFJ銀行は、世界トップクラスの資産規模を誇るメガバンクであり、海外拠点も多数展開するグローバル企業。働くフィールドのスケールの大きさに魅力を感じましたし、そこで社会課題と直結する領域に携われることに強く惹かれました。
入社を検討する中で出会ったAML業務は、それまで聞いたことのない職種でしたが、調べるほどに、その意義の大きさが伝わってきました。マネー・ローンダリングや、テロ資金供与といった金融犯罪を未然に防ぐこの領域は、国際的な規制強化を背景に各国の金融機関が取り組みを強化している注目分野でもあります。社会の安全と信頼を支える仕事であることに、強い意義と可能性を感じたんです。

世界水準の視点で挑む、AMLの最前線。
── 現在の業務内容について教えていただけますか。
近年、世界中でマネー・ローンダリングの手口はますます巧妙かつ複雑になり、悪質化の傾向が強まっています。そうした背景のもと、私はグローバル金融犯罪対策部において、AML業務に従事しています。主な役割は、「モニタリング」等によって検知された取引データの集計とその手法の高度化です。具体的には、膨大な取引のモニタリングを通じて、金融犯罪の観点から疑わしい動きを示唆している口座を見つけ出し、該当する案件数等を集計・分析します。その中で私は、検知手法を高度化し、より精緻なモニタリングを実現する業務に携わっています。
たとえば「この金額の動きはなぜ発生したのか」「なぜこのタイミングでこの国と取引しているのか」といった不自然さや疑問が残る際には、チーム横断で関係するメンバーと協議し多角的な検証を行います。過去の傾向や業種の特性、国際情勢なども踏まえたアナリストのような分析力も求められます。また、こうしたデータ集計・蓄積の基盤を整備するにあたっては、社内のシステム部門や外部ベンダーとの連携も重要です。業務要件の整理やシステム開発に向けた調整も、所属するチームの大切な役割の一つとなっています。
── グローバルなやりとりも発生するとお伺いしましたが、どのような場面で海外と関わるのでしょうか?
金融犯罪対策の先進国アメリカにあるグローバル金融犯罪対策部の本部機能とも連携しており、ルールの解釈やリスク判断が必要な場面では、現地のチームと意見交換を行うこともあります。メールやオンライン会議等でのやりとりが中心ですが、グローバルな視点や基準を意識する機会が日常的にありますね。入社当初は、専門用語やスピード感についていくのが精一杯でしたが、言語面だけでなく、仕事の質においても世界水準が求められるこの環境は、自分を確実に鍛えてくれていると思います。まだまだ学ぶことは多いですが、将来的には自分が中心となって、国境を越え、自行はもちろん、他行や関係当局とも連携しながら、金融犯罪対策に貢献するーー。そんな役割を担えるようになりたいです。

知識ゼロからのスタート。それでも、前に進めた理由がある。
── 金融業界も、AML業務も未経験だったとのことですが、最初はどのような壁がありましたか?
やはり、専門知識のキャッチアップは大きな壁でした。AML業務には独自の専門用語やルールが多く、しかもそれが国内だけでなく国際的な枠組みともつながっているので、最初は資料を読むだけでもかなりのエネルギーが必要でした。加えて、業務がいくつもの領域に分かれていて、それぞれに高度な知識が求められます。全体像を掴むまでには、相応の時間がかかりました。
── その状況を、どのように乗り越えていかれたのですか?
まずありがたかったのが、知識を段階的に学べる環境が整っていたことです。たとえば、行内には業務マニュアルや、各部署の役割をまとめた情報サイトがあり、いつでもアクセスできる状態になっています。不明点が出てきたときには、自分で調べて理解を深めるための土台が整っていました。
また、入行後すぐに受けた研修では、AMLや金融犯罪分野の基礎を体系的に学ぶことができ、そこで得た知識がその後の実務の理解に大いに役立ちました。現場に出てからも、まわりにはそれぞれの分野に精通した知見者が在籍しており、質問すれば必ず明確な視点を持って答えてくれます。
さらに、キャリア入社に対するフォロー体制が充実しているのも印象的でした。私の場合は、違う部署に所属するキャリア入社の先輩がメンターとしてついてくださり、ちょっとした疑問や働き方の相談もしやすい環境がありました。プロパーとキャリア入社の間に壁のようなものを感じておらず、むしろ多様なバックグラウンドの人がいること自体が強みになっているように思います。

自分のキャリアを、自分で広げていける。
── 三菱UFJ銀行の制度や環境面で、魅力に感じていることはありますか?
実感しているのは、「キャリアの可能性を広げていくのを応援してくれる空気がある」ということです。たとえば「チャレンジリーブ」制度では、一定期間会社を離れて留学や起業を経験し、そこで得た知識や気づきを業務に生かすために再び戻ってくることができます。また、「社内副業制度」を使って、所属とはまったく別の分野の業務への挑戦もできるんです。私も将来的にそうした制度を活用して、より広い視点から事業課題や社会課題に向き合う力を培いたいと考えています。
── 前職の経験が活きていると感じる場面はありますか?
前職の展示会運営や販促企画などを通じて、社内外の関係者を巻き込みながら推進していた経験は、いまの仕事でもとても活かされています。AML業務は、情報収集や分析だけで完結するものではなく、調査結果をもとに他部署と協議したり、レポートを整理して伝えるといったコミュニケーションの比重も大きい。情報を整理し、わかりやすく伝えるスキルは、前職時代に身につけたものでした。
また、AMLの領域では、さまざまなバックグラウンドを持つ人が活躍しています。銀行業務や金融犯罪対策の実務経験がある方はもちろん、システム開発・運用・管理の経験、マーケティングの経験、コンプライアンスやリスク管理、監査、英語などのスキルを持つ方も、それぞれの視点から力を発揮しています。「社会的な意義に共感し、自分の力をどう活かせるかを考えられること」。その姿勢が、なによりも大事だと思いますね。

金融犯罪に挑みつづける。次の挑戦は、世界の動きを読み解くこと。
── 藤田さんが、これからめざしていきたいことを教えてください。
AMLの仕事に携わるなかで、自分の判断や分析が金融システムの健全性や透明性に直結している実感を日々得られることに、大きなやりがいを感じています。今後はさらに、金融犯罪対策に関わる幅広い領域で、専門性を深めていきたいですね。同時に、定型的なルールでは捉えきれない、データの背後にある“兆し”や“動き”を見極める力も高めていきたいです。世界の金融犯罪のトレンドを自分なりに読み解き、グローバルな動きや各国の制裁方針、犯罪手口の変化を横断的にとらえる。そんな視座を持てる人材をめざしています。将来的には、海外でのAML業務にも挑戦し、国や金融機関をまたいで介在価値を発揮できる、橋渡しのような存在になれたらと思っています。
── 最後に、転職を検討している方々へのメッセージをお願いします。
転職は、自分のこれからを見つめ直す転機です。私自身、異なる業界・職種に挑戦することに不安もありましたが、いま振り返ると、視野や可能性を広げることができた、大きな一歩でした。
AMLの仕事は、“見えないところで社会を支える”という静かな使命があります。社会の安全や信頼性の土台を守る責任を感じながら働けるのは、ならではのやりがいだと思いますね。私も、選考のなかで面接いただいた方々と対話するうちに、AML業務の奥深さや社会的なインパクトに触れ、もっと知りたい、挑戦してみたいといった気持ちが生まれました。もし少しでも関心を持ったなら、情報収集からでも構いません。新しい分野にチャレンジすることは、きっと自分自身を成長させるきっかけになります。あなたらしいキャリアの可能性を、ここで見つけてみてください。

株式会社三菱UFJ銀行が募集している求人はこちら
| 年収 | 600~1300 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社三菱UFJ銀行 |
| 勤務地 | 東京都千代田区, 東京都中野区 |
| 職種 | コンプライアンス |
| 年収 | 600~1300 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社三菱UFJ銀行 |
| 勤務地 | 東京都千代田区, 東京都中野区 |
| 職種 | 社内システムエンジニア |
| 年収 | 600~1300 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社三菱UFJ銀行 |
| 勤務地 | 東京都千代田区, 東京都中野区 |
| 職種 | 社内システムエンジニア |
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