
IT業界では、技術力や成長機会が語られる一方で、ライフイベントとの両立は個人の工夫に委ねられがちです。株式会社キットアライブは、そうした前提に疑問を投げかけてきました。同社が目指してきたのは、性別やライフステージに関係なく、誰もが安心して働き続けられる環境を整えることです。その象徴的な取り組みが、DEIの考え方を具体的な制度と運用に落とし込んだ「KidsAlive(キッズアライブ)プロジェクト」です。本記事では、取締役管理部長の内田みさと氏の言葉を軸に、キットアライブがどのようにDEIを実装し、働きやすさと事業成長を両立してきたのかを紹介します。制度の背景にある思想や、日常に根づく具体的な取り組みを通して、同社ならではの企業像をひもといていきます。
内田みさと
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| 年収 | 312 万 ~ |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社キットアライブ |
| 勤務地 | 北海道札幌市北区 |
| 職種 | web/オープンSE |
| 年収 | 350 万 ~ |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社キットアライブ |
| 勤務地 | 北海道札幌市北区 |
| 職種 | web/オープンSE |
| 年収 | 600 万 ~ |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社キットアライブ |
| 勤務地 | 北海道札幌市北区 |
| 職種 | web/オープンSE |
目次
IT業界と地域の課題にメスを入れる、KidsAliveプロジェクト

── DEIに取り組む背景について教えてください。
キットアライブがDEIの取り組みとして向き合ってきたのは、「性別や育児を理由にキャリアが断絶されてしまう構造」そのものです。IT業界は人材のスキルによって付加価値を生み出す産業であり、実際の仕事のパフォーマンスに男女差はありません。一方で現実には、長時間労働を前提とした働き方や、ライフイベントへの配慮不足により、特に女性がキャリアの継続を諦めざるを得ない場面が数多く存在してきました。
この課題は、北海道という地域性とも深く結びついています。全国的に見ても北海道は男女の賃金格差が大きく、女性がサービス業などに就く割合が高い傾向があります。首都圏と比較して賃金水準自体が低いことも、女性のキャリア形成をより難しくしてきました。その結果、結婚や出産を機に仕事を続ける選択肢が狭まり、積み上げてきたスキルを十分に活かせないまま、地域や業界から離れてしまう。キットアライブは、こうした状況を個人の問題ではなく、構造的な課題として捉えてきました。
その背景にあるのが、「性別に関係なくスキルアップとライフイベントを両立できる環境こそが、社員と会社が共に成長していく土台になる」という明確な思想です。IT企業にとって最大の資産は人であり、その人材が長く力を発揮できる環境を整えることは、単なる福利厚生ではなく、経営そのものだと考えてきました。
この想いを象徴する取り組みが、「KidsAlive(キッズアライブ)プロジェクト」です。社内で育児と仕事の両立に直面する社員の姿をきっかけに、社長自らがこのプロジェクトを名づけ、育児とキャリアを天秤にかけなくて済む環境を、会社として仕組み化していくことを決断しました。その意思こそが、KidsAliveプロジェクトの出発点となっています。
制度設計において重視してきたのは、「誰にとって不公平にならないか」を徹底的に考え抜く姿勢です。男性の出生時育児休業中の就労可否を議論した際には、産前産後休業中の女性との公平性を踏まえ、就労不可と判断しました。業務用携帯電話の持ち方一つをとっても、男性の服装を前提としない形へ見直すなど、小さな違和感を見過ごしません。
KidsAliveプロジェクトは、手当や制度の集合体にとどまらず、こうした日常の判断基準そのものとして、キットアライブのDEIを支えています。
残業を前提としない生産性重視の働き方を実現する

── KidsAlive(キッズアライブ)プロジェクトについて詳しく教えてください。
KidsAliveプロジェクトでは、「在宅勤務」「KidsAlive寄付」「育児短時間勤務」など、さまざまな制度設計や取り組みを進めてきました。その中でも、このプロジェクトを語るうえで欠かせないのが、「残業を前提としない」という明確なスタンスです。IT業界には、納期前の長時間労働や、残業ありきで業務を回す慣習が根強く残っています。当社でも残業をゼロにすることはできませんが、月平均10〜15時間程度に抑えられており、残業は1分単位ですべて精算。みなし残業も設けず、「時間をかけた人が評価される」仕組みにはしていません。限られた時間の中で、どれだけ価値を生み出せるか。その考え方が、組織全体の前提として共有されています。
この環境があるからこそ、育児短時間勤務の社員ならではの強みが、組織全体で活かされています。社内では以前から、「育児短時間勤務の社員は、限られた時間で成果を出すための逆算力が非常に高い」という評価が共有されてきました。業務時間に制約があるからこそ、何を優先し、どこに時間をかけるべきかを常に考え抜く。その姿勢は個人の工夫にとどまらず、「この働き方こそ、全社で取り入れるべきだ」という考え方へと発展しています。育児中の社員だけを特別視するのではなく、時短勤務で培われた計画性や集中力を、全社員のスタンダードにしていく。その発想が、キットアライブの生産性を支えています。
── 具体的な取り組みについて教えてください。
はじめにお話ししたいのが、ハイブリッドワーク制度です。2020年4月、コロナ禍をきっかけに本格導入されましたが、当社にとってリモートワークは一時的な対応ではありませんでした。創業当初から客先常駐を行わず、コロナ以前からオンラインでのプロジェクト推進に取り組んできたからです。お客様に対しても、Web会議ツールの使い方をレクチャーするなど、オンラインで協業することを前提とした関係づくりを続けてきました。その結果、オフィス勤務と在宅勤務を業務状況や個人の事情に応じて柔軟に選択できる体制が整い、北海道外の企業からの引き合いも着実に増えています。
育児を担う社員を直接支える仕組みとして機能しているのが、「KidsAlive(キッズアライブ)手当」です。2022年1月から、満18歳未満の子どもを養育する社員に対し、子ども1人あたり月1万円を支給しています。特徴的なのは、社会保険の扶養加入を条件としていない点です。男女の賃金格差により、共働き家庭であっても収入の多い側の社会保険に子どもが入るケースが多く、時短勤務を選択した側が手当の対象外になってしまう。この構造を不公平だと捉え、当社では住民票や仕送りの記録などから養育実態を確認する独自基準を設けました。実際に育児を担っている社員が、確実に支援を受けられる仕組みを整えています。
さらに、「KidsAlive手当」と同額を四半期ごとに会社から地域へ寄付する「KidsAlive寄付」も実施しています。札幌市や大学応援プロジェクトなどへの寄付を通じて、子どもを持たない社員も地域の子育て支援に参加できる形をつくりました。制度が特定の層だけのものにならず、社会への還元にもつながっていることが、組織全体の納得感と連帯感を高めています。
日常の運用面でも支援は続きます。育児や介護を理由とした時差出勤の導入、人事による個別面談を通じた育児休業取得の具体設計、子どもの発熱による当日欠勤や早退を自然に共有できる風土づくり。いずれも、「限られた時間で成果を出す」という前提を崩すことなく運用されています。
こうした取り組みの積み重ねにより、創業以来、出産や育児を理由とした退職は一度も発生していません。育児短時間勤務や男性の育児休業取得も着実に広がり、管理職を含めた実績が生まれています。残業を前提としない働き方が、多様な人材のパフォーマンスを引き出し、高い生産性と事業成果につながっている。KidsAliveプロジェクトの真価は、その因果関係を制度と実践の両面で示している点にあります。
働きやすいから、顧客に向き合える――キットアライブの好循環

── キットアライブで働くやりがいについて教えてください。
KidsAliveプロジェクトは、それ自体を目的とした取り組みではありません。育児や介護と両立できる環境を整え、生産性を高めてきた結果として生まれているのが、「お客様にしっかり向き合える仕事」と「実感のあるやりがい」です。時間に制約があっても成果を出すことを前提にしているからこそ、目の前の業務をこなすだけでなく、お客様の課題そのものに意識を向ける余裕が生まれています。
当社が掲げるミッションは「ChallengeTogether.」。技術を提供すること自体を価値とするのではなく、技術を通じてお客様にどのような変化をもたらせたかを重視しています。そのため、プロジェクトの多くは直受け、あるいはエンドユーザーに近い立場で関われるものです。要件を受け取って作るだけの関係ではなく、「何を作るべきか」「どうすれば業務が良くなるか」をお客様と一緒に考え、提案し、形にしていく。こうした関わり方が、仕事の確かな手応えにつながっています。
この姿勢は、結果としてお客様からの信頼にも表れています。安定した品質と対応を積み重ねてきたことで、「丸投げ」ではなく、お客様自身も改善にコミットするプロジェクトが集まるようになりました。現在は、紹介や引き合いによって案件が循環しており、アウトバウンドの営業活動に多くの時間を割く必要はありません。働きやすさに本気で向き合ってきたことが、結果として事業の信頼性や利益率の高さにつながっています。
働く社員にとってのやりがいも、まさにこの点にあります。お客様と直接やり取りしながら、自分が考えた提案が採用され、実際の業務で使われ、その反応を受け取れる。下請けであってもプロジェクトの中心を担う場面が多く、「言われたものを作る」だけでは終わらない仕事が日常です。自分の技術や考え方が、目の前のお客様の業務改革にどう貢献しているのかを実感できることが、大きなモチベーションになっています。
こうしたやりがいを支えているのが、成長支援への投資です。独自の学習支援制度「もっとアライブ」では、年間60時間を上限に、業務に関連する学習時間を残業扱いとして支給しています。資格取得という結果だけでなく、学ぶプロセスそのものを評価する考え方です。技術力の向上はもちろん、業務理解やコミュニケーション力を高める学習も対象となり、「お客様に応える力」を磨くことが目的に据えられています。
社員の働きやすさに本気でコミットしてきたことが、結果として顧客への価値提供を高め、信頼を生み、案件獲得の好循環につながっている。キットアライブで働くやりがいは、こうした循環の中で、自分の仕事が誰の役に立っているのかを実感できる点にあります。
北海道で、仕事も人生も積み重ねていくために

── 今後の展望について教えてください。
KidsAliveプロジェクトは、完結したわけではありません。むしろ、「ここからどう続け、どう広げていくか」が重要だと考えています。KidsAlive手当と寄付を組み合わせた仕組みも、導入当初から明確な正解があったわけではありません。子どもがいない社員や独身社員にとって、不公平に映らないだろうか。そうした迷いを抱えながら、一歩ずつ制度を形にしてきました。
その不安を払拭したのは、社員から寄せられた率直な声でした。「自分は子どもがいないけれど、この形で地域の子育て支援に貢献できるのはうれしい」。この言葉をきっかけに、KidsAliveは「特定の誰かのための制度」にとどまらず、働き方や価値観そのものを見直すきっかけになり得ると確信しました。社内の納得感を超えて、社会や業界にも広がっていく可能性を、この取り組みの中に見出しています。
小規模な企業であっても、できることはある。キットアライブは、その実例であり続けたいと考えています。特に中小企業の労務担当者にとって、制度設計は悩みの尽きないテーマです。だからこそ、完成された姿だけでなく、試行錯誤や改善のプロセス、法改正への向き合い方まで含めて発信していく。「地道な改善活動の積み重ねこそが大切」。そんなメッセージを、これからも丁寧に伝えていきたいと考えています。
── この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
北海道へのUターンや就職を考えるとき、「働く場所はあるが、成長できる環境が少ない」と感じる方もいるかもしれません。キットアライブが提供したいのは、札幌で腰を据えて働きながら、お客様と真摯に向き合い、自分の力を着実に積み上げていける環境です。
派手な実績や急成長を掲げる会社ではありません。ただ、働きやすさに真剣に向き合い、生産性を高めることで、お客様からの信頼を一つひとつ積み重ねてきました。その結果として、やりがいのある直案件が集まり、社員一人ひとりが「自分の仕事が誰の役に立っているのか」を実感できる環境が生まれています。
真面目に仕事と向き合い、日々の積み重ねを大切にしたい。ライフイベントがあっても働くことを諦めず、自分の力を磨き続けたい。そんな価値観に少しでも重なる部分があれば、キットアライブはきっと自然に馴染める場所だと思います。北海道で、仕事も人生も、無理なく積み上げていく。その選択肢の一つとして、心に留めていただけたらうれしいです。

株式会社キットアライブが募集している求人はこちら
| 年収 | 312 万 ~ |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社キットアライブ |
| 勤務地 | 北海道札幌市北区 |
| 職種 | web/オープンSE |
| 年収 | 350 万 ~ |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社キットアライブ |
| 勤務地 | 北海道札幌市北区 |
| 職種 | web/オープンSE |
| 年収 | 600 万 ~ |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社キットアライブ |
| 勤務地 | 北海道札幌市北区 |
| 職種 | web/オープンSE |
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。