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「転職で年収アップ」実現のトリガーを知っておく

転職の目的は、もちろん皆さん、様々です。仕事の内容、人間関係、今後の可能性、足元の不安…。様々な転職理由、それを踏まえての次の会社の選択ポイントにおいて、第一優先か否かはともかくも、年収に関することは基本的には抜いて考えることはできないでしょう。
誰もが希望する、転職時での年収アップ。その実現法は?代表的な3つのパターンを紹介します。

転職先企業が、あなたを何としても採用したいケース

まず1つ目のパターンは、「あなたの現職までの経験・専門性・実績を、転職先企業が何としても欲しい」ケースです。

企業の成長拡大において、あるいはその中で上場準備に入りガバナンス体制の強化が必要であり、それを牽引できるCFOや関連各部のマネジメントが急務である。
SaaSビジネスのベンチャーなどが、ここまではデジタルマーケティングで顧客拡大をしてこれたが、ここからは大手法人へのダイレクトセールスが必要だ。それを牽引してくれるエンタープライズセールス部隊のトップが欲しい。 DXを推進するために、レガシービジネスの自社には存在しないデジタライゼーションを経験してきたマネジャーを招聘したい。

これらはいずれも、そのマネジメントをする人がいない限り、どうしようもない状況であり、自社のここからの成長あるいは生き残るための生命線となっています。
投資せざるを得ない幹部採用、投資するに値する幹部採用なわけです。
それを担ってくださるあなたが参画してくれるのであれば、年間数百万の給与上乗せは安いもの。

ここでのポイントは、「あなたの持つ専門性・スキル・経験・実績が明確化されている」「それが次の会社でも再現可能であると思える」ことと、「その専門性・スキル・経験・実績を求めている案件である」ことを掛け算することに尽きます。
前者はあなたがしっかり棚卸し準備すべきことですし、後者はあなた自身でしっかり案件のデューデリ(中身・価値やリスクなどの確認、調査)を行い、またヘッドハンターや人材エージェントにも見繕ってもらうべきことです。

このパターンでの転職に成功すれば、あなたも自信をもって新天地で成果を出せます。念のため気をつけるべきは、お互いの求めるもの・できることへの期待値の誤認識があった場合、入社後に本人もきついですし、企業側からすると「なんだ、できると言うから、高い給与で入社してもらったのに」と、逆に非常にネガティブな評価・見られ方になることです。くれぐれも、<本当に、企業が求めることに対して自分が必ず成果を出せる>か否か、確認し、話を進めましょう。

現職の給与が、本来の市場相場より低いケース

2つ目のパターンは、「あなたの現職の給与が、本来の市場相場より低い」ケースです。

給与水準はマクロに見れば、産業ごとの収益性に連動しているのは事実です。どの業界に所属するかでベースの給与水準、生涯年収水準が規定されます。
もしあなたの会社が属している業界が、全産業平均よりも給与水準の低いところであれば、今回の転職活動のテーマに異業界転職を置くことも悪くないでしょう。現在、同業界内での転職と異業界への転職はほぼ同比率です。チャンスは充分あります。

このケースで多いのは、前回の転職において前職給与から給与を落として現社に転職した場合です。職務内容や企業カルチャーなどに魅力を感じたため、給与はダウンするがやりがいを選択し転職した。このこと自体は悪いことではありません。実際、それでやりがいを得て、充実した仕事をされている方も多いですし、結果としてパフォーマンスをあげ会社も成長し、前職を上回る給与まで早い段階でアップされている方も多くいらっしゃいます。
ただ、残念ながら、それを期待しチャレンジしたものの、あいにく職務のフィットがなかった、組織との折り合いがあまり良くなかった。再度、仕切り直しでの転職に踏み切っている。この場合は、ぜひ、前職給与まで戻すことを前提にした転職活動をして欲しいと思います。それだけのアウトプットを出せるかたのはずですから。

応募先企業もエージェントも、あなたの給与が低すぎる場合はそれをしっかり見ています。妥当な給与水準まで戻すことに衒いはありませんので、ぜひ堂々と臨んでください。

応募先企業間でのオファー合戦となっている

3つ目のパターンとして、「あなたの採用が、応募先企業の間で内定オファー合戦となっている」ケースをあげておきましょう。

あなたの魅力で、2社、3社間での内定オファー合戦となっている際、報酬条件が切り札になりがちです。
ありがたい話ですが、給与の額(が最も高いという理由)で選択して、本来的な職務フィット、職場(カルチャー)フィットに欠けることのないよう、最大限気をつけましょう。給与額を第一に選択しての転職者が、業務内容の部分でミスマッチを起こし早期転職に至るケースも現実には、非常に多いですので。

また、オファーバブルは入社した企業に対しても、着任後に禍根を残したり、あなたへの過剰な期待値となってしまい、結果うまくいかなくなることも少なくないことは認識しておきたいところです。

このパターンは、あって良いが、行き過ぎないこと。また提示年収だけを並べて選択することなく、合わせて職務内容や企業への共鳴もしっかり加味して最終選択の判断をすることです。

 *   *   *

以上、転職時における年収アップの主なパターンをご紹介しました。これらのような背景があって年収アップは実現されます。 

こうしたトリガーなしに「キャリアアップ、年収アップ」を希望される方もいらっしゃいますが、要注意です。
あなたの希望、ご家族状況、生活水準の考え方はもちろんあるでしょうが、企業側からすれば、あなたが我が社の中でどのくらいの貢献をしてくれ、成果を出してくれるかに対して(のみ)報酬を支払うのです。

自分軸のみでの年収アップ希望は、逆にあなたの市場価値を落とす可能性があります。あくまでもあなたの適正なバリュエーション、ニーズとの見合いで転職先の年収を獲得すべし、ということは覚えておいてください。 

ではまた、次回!

井上 和幸 氏

株式会社 経営者JP / 代表取締役社長・CEO

井上 和幸(いのうえ かずゆき)

1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。