専門知識や経験が豊富なハイキャリア人材には企業の「複業顧問」になるという選択肢がある

パラレルキャリア新時代の幕開け!専門知識や経験が豊富なハイキャリア人材には企業の「複業顧問」になるという選択肢がある

パラレルキャリア新時代の幕開け!
専門知識や経験が豊富なハイキャリア人材には企業の「複業顧問」になるという選択肢がある

ご存じない方が多いかもしれないが、実は最近、企業の「顧問」の採用ニーズがかなり増えている。それはなぜなのか。どういったニーズがあるのか。顧問にはどのような働き方があるのか。顧問として働きたい人はどんな人なのか。ハイクラス向け転職支援サービス「CAREER CARVER(キャリアカーバー)」では、2017年3月に、同サービスの会員を対象に「顧問ニーズに関するアンケート(以下、アンケート)」を取った。このアンケートをベースに顧問という働き方についてご紹介したい。

顧問求人スカウトを受ける

ここ数年で企業の顧問ニーズが増えている

「顧問」。企業の役職の1つに顧問があることは多くの方がご存じだと思いますが、実際に何をしているのかは意外と知られていません。ごく簡単に説明しますと、顧問とは「豊富な専門知識や経験に基づいて、経営陣や社員に実務的な助言をする仕事」です。意思決定の権限を持たず、ただアドバイスをするのがその役割です。別名、参与・オブザーバー・カウンセルなどとも言われ、「相談役」とも似ています。ちなみに、相談役は経営者を退いた方などが主に経営陣に対して助言する仕事ですが、顧問は外部から招くケースが多く、アドバイスをする対象も経営者とは限りません。一昔前は、顧問も相談役同様、引退した役員などが就くケースが一般的でしたが、現在はかなり状況が変わってきているのです。昔ながらの顧問のイメージを抱いている方は、ぜひこの機会にイメージを一新していただけたらと思います。

たとえば、こういった顧問がいます。

●営業部門のアドバイザーとして、ともに販路拡大を実現する
●マーケティング部門のアドバイザーとして、新たな広告戦略をメンバーと一緒に練る
●IT部門のアドバイザーとして、システム投資計画を立てる
●海外部門のアドバイザーとして、海外進出計画を立てる
●財務部門のアドバイザーとして、銀行との折衝を一手に担う
●経営企画部門のアドバイザーとして、経営陣にさまざまな経営戦略の提言を行う
●人事部門のアドバイザーとして、制度設計・採用戦略・人材育成などのプランを立てる
●コンサルティングアドバイザーとして、経営者・経営陣の相談相手になる

これらは顧問の働き方の一端に過ぎません。このような例でおわかりの通り、さまざまな職種の経験者が顧問になりえるのです。また、単なるアドバイザーに留まらず、「非常勤営業部長」「非常勤CFO」「非常勤CIO」といった働き方をする顧問も少なくありません。

今、日本ではこの顧問を採用したいという企業が増えてきています。その理由はいくつか考えられます。1つ目は、世の中の変化やテクノロジーなどの進化がどんどん速くなっており、社内の経験・知識だけでは「変化に対応」して、今後のビジネスを考えるのが難しくなっているためです。この理由から、ここ数年で企業のコンサルティングニーズが爆発的に増えていますが、まったく同じ理由で顧問ニーズも高くなっているのです。現代のビジネス環境では、顧問やコンサルタントなどから、新たな視点や新たな情報を迅速・的確に取り入れることが欠かせません。また、現役で大手企業の管理職などに従事している30代・40代の働き盛りのハイキャリア人材に、「複業」の外部顧問として、一定期間の協力を依頼する企業も出てきています。

2つ目に、「複業OK」の会社が増えたことがあります。アンケートでは、「複業が会社で禁止されている」と答えた方は36%に過ぎず、「複業OK」の会社が64%と大きく上回りました。最近は、働き方改革などの影響で複業できる方が増えてきており、企業が「複業顧問」を雇いやすくなったのです。その結果、現役でバリバリ働きながら、別企業の顧問を務めるという方が増えてきています。

3つ目に「人材採用が難しいこと」です。最近の採用市場は完全な売り手市場で、特にマネジャー層の人材採用の難易度はかなり高くなっています。また、仮に採用できたとしても、多くの会社は定着や育成といった人事課題をいくつも抱えています。特に、ビジネスが急速に伸びている会社ほど、人材面での悩みを抱えていることが多いのが現実です。そこで、顧問という形で優れたスキル・経験を持った方を即戦力で採用したいと考える企業が多いのです。また、顧問に人材育成や人材マネジメントの役割を担ってほしいと考える企業も数多くあります。

4つ目に「顧問に就きたい方の増加」があります。アンケートでは、現在複業で顧問をしている方は5%しかいないのですが、一方で、現在顧問に就いていない方のうち、複業で顧問に就きたい方は76%もおり、実は顧問への意欲が高い方が多いことがわかっています(図1)。顧問という新しい可能性に興味を持っている方は多いのです。

こうした理由から、今後はハイキャリアの方々の次のキャリアの有力な選択肢として、顧問という働き方が広まっていくことは間違いないでしょう。

「現在、複業で顧問をしている」に関するグラフと「複業でほかの企業の顧問をやることに興味がある」に関するグラフ

顧問の働き方・関わり方は企業や個人によってさまざま

顧問に興味を持っている方が気になるのは、「働き方」や「契約」ではないでしょうか。アンケートでは、複業顧問の方の勤務形態について質問しました(図2)。この結果を見ると、63%が週1回以下の勤務で、月1回以下というケースも多いことがわかります。逆に言えば、週1回以上勤務している方も37%いるわけで、複業顧問の働き方が企業によってさまざまなことが見えてきます。なお、当然ながら、出勤せずにメールや電話などでやり取りをしているケースもあるでしょうし、最近は電話会議も簡単にできますから、出勤を増やさずに役割を果たすこともできるはずです。

「複業で顧問をしている人の勤務頻度」に関するグラフ

また、契約期間に関しては、複業顧問は1年以上の長期契約が60%以上と多く、複業ではない企業顧問は1年以下の短期契約が50%を超えています。この辺りもケースバイケースで、企業と個人の関係や希望によって変わってくるものと思われます。やはり、顧問の働き方は多種多様なのです。

面白いのは契約業務(図3)です。複業顧問は経営・マネジメント系や管理系などが多く、比較的重複率が低いのですが、複業ではない企業顧問は契約職種がより多様で、重複率が極めて高いのが特徴的です。言い換えると、企業顧問はマルチなスキルを求められがちなのに対して、複業顧問はいくつかの専門分野に特化したアドバイスを求められる傾向があるのです。おおざっぱに分ければ、企業顧問はさまざまな相談を経営者・経営陣から受けるケースが多く、複業顧問は専門分野の熟達者として各部門で活躍していただくことを望まれています。

「複業で顧問をしている人の契約業務と重複率」に関するグラフと「企業顧問をしている人の契約業務と重複率」に関するグラフ

キャリアカーバーでは「顧問求人スカウトサービス」をスタートした

アンケートでは、顧問に興味があると答えた方に「顧問をやらない理由」を質問したところ、「複業で顧問という働き方があることが知らなかった」「案件がこない、見つけられない」という回答がかなり多くありました。しかし一方で、冒頭でお話しした通り、今は多くの企業が顧問を求めています。案件は確かにあるのです。

つまり、問題は企業とビジネスパーソンの「顧問求人マッチング」の場がないことなのです。

キャリアカーバーでは、顧問求人に興味がある会員様は、顧問求人のスカウトを受け取れるようになりました。顧問を求める企業の求人案件を保有する転職エージェントと、顧問に就きたい個人をマッチングする場を提供します。実は最近、顧問求人を扱う転職エージェントも増えているのです。ご興味のある方は、まずは転職エージェントから詳しい内容をお聞きいただき、ぜひ検討いただければと思います。

労働者人口の減少が進むなか、ハイキャリア人材の優れたスキルや経験をさまざまな場で活かしていただき、次の世代につなげていただくことは、現代日本に必要な働き方改革の1つでもあります。ぜひ、この顧問求人スカウトサービスを上手に利用していただき、多くの方に顧問という新たな働き方に一歩を踏み出していただけたら幸いです。

顧問求人スカウトを受ける

※顧問ニーズに関するアンケート
実施期間:2017年3月16日~2017年3月22日
回答者数:742名(複業顧問アンケート:520名、企業顧問アンケート:222名)
内訳:
30~39歳 年収600万円以上 16%
40~49歳 年収700万円以上 32%
50~54歳 年収800万円以上 22%
55歳~  年収800万円以上 30%

リクルートダイレクトスカウトは、リクルートが運営する会員制転職スカウトサービスです。リクルートの求職活動支援サービス共通の『レジュメ』を作成すると、企業や転職エージェントからあなたに合うスカウトを受け取ることができます。レジュメは経験やスキル、希望条件に関する質問に答えるだけで簡単に作成可能です。一度登録してみてはいかがでしょうか。