上場企業の子会社役員を不人気業界ベンチャーCMOへキャリアチェンジ
“GOOD AGENT AWARD 2020”金賞

転職意向ゼロの優秀人材を動かすにはどうしたらよいのか。東海林氏は、「もやもや×そもそも」の課題カオス採用で候補者に訴求する、という新たな手法を開発できたかもしれない、と語る。いったいどのような手法なのか。具体的な事例を通して紹介する。

S社は人材がなかなか定着せずに悩んでいた

東海林氏は、今回の事例を「もやもや×そもそも」の課題カオス採用だと語る。「もやもや=カオスな課題」と「そもそも=その人にしかできないという使命感」を掛け合わせることで、転職意向ゼロだった東証一部上場企業の事業責任者・Rさんが、不人気業界ベンチャーCMOへとキャリアチェンジを遂げたのだ。「実は先日、Rさん本人と議論して、Rさんの転職事例には再現性があるかもしれないという結論に達しました」(東海林氏)。「もやもや×そもそも」を提示することで、今後もRさんのような優秀層が動く可能性がある、というのだ。

東海林浩樹氏

「もやもや」していたのは、S社である。S社は、経営者が雑誌に取り上げられるような有名ベンチャー企業だが、東海林氏が接触したときは人材がなかなか定着せずに悩んでいた。経営層に詳しく話を伺い、人材が定着しない最大の要因は、ビジョンやバリューが十分に浸透していないことだと見えてきた。さらに不人気業界であることが、離職に拍車をかけていた。経営課題が多く、やるべきことが山ほどあり、いくつものポジションで人材が必要だったため、優先順位をつける必要があった。東海林氏は経営層とよく話し合った上で、真っ先に採用すべきは「ビジョンに強く共感してくれて、ミッションやバリューを深く理解し、0→1と1→10の両方で高い能力を発揮できるCMO(チーフマーケティングオフィサー)ではないか」と提案した。S社の了承を取った上で、東海林氏はその1名に狙いを定めた。

カオスな課題をすべて打ち明けたらRさんは本気になってくれた

「そもそも」をあらためて考えたのは、Rさんである。東海林氏とRさんは数年前からの知り合いだった。東海林氏から久々に声をかけて、ランチをしながら現状をヒアリングしたのだが、Rさんの転職意向はゼロだった。以前から所属する有名東証一部上場企業でちょうど新規事業を立ち上げたばかりで、充実感とやりがいに溢れていた。転職可能性は限りなく低そうだった。ただ1つだけ、東海林氏には気になったことがあった。S社について話したところ、「面白そうなビジネス領域ですね」と答えたのだ。

どうしても引っかかった東海林氏は、その日の夜にもう一度Rさんと会食し、なぜ面白そうだと思ったのかを尋ねた。実は、Rさんは家族や親戚がS社の業界で働いており、業界が身近だったのだ。その話がきっかけとなって、「本当はもっとヒリヒリしたい」「新しいチャレンジを求めている」といった本音を聞き出すことができた。東海林氏はその場で口説き、RさんとS社を引き合わせることに成功した。ところが、初回の場はうまくいかなかった。S社経営層がRさんに対して十分に心を開かなかったからだ。失敗を活かして、2度目の面談で会社のカオスな課題をすべて打ち明けてもらったところ、Rさんは本気になってくれた。

「2度目の面談で話が盛り上がり、最終的にはRさんがミッション・ビジョン・バリューの再構築を提案するところまで進みました。この時点で、Rさんは、S社でご家族・ご親戚と近い仕事に就くこと、カオスなS社を、ひいては業界全体を変革していくことを自分の使命と感じるようになっていました。ただ一方で、Rさんはお世話になった現職への恩や愛も強く、新規事業を中途半端にはできないという想いも持っていました」(東海林氏)。そこで、S社はRさんの想いを最大限尊重した。入社時期を後倒しし、入社後も現職の新規事業に関われるよう副業OKにして、給与・待遇面でも破格のオファーを行ったのだ。

ミッション・ビジョン・バリューの再構築やサービス改革などを次々に実行している

入社前から、RさんはS社の経営会議に出席し、マーケティング戦略を立案・実行して、将来の部下とも積極的にコミュニケーションを取った。結果的に、Rさんのおかげで離職寸前の社員を引き止めることにも成功した。入社後は宣言どおり、ミッション・ビジョン・バリューの再構築やサービス改革、マーケティング改革などを次々に実行している。

東海林浩樹氏

以上が、「もやもや×そもそも」の課題カオス採用のあらましだ。「今回の事例であらためてわかりましたが、最終的に人を動かすのは人です。人を動かせる人が強いのです。S社のような不人気業界の悩める企業でも、採用にかける力を本気で高めれば、Rさんのような優れた人材を十分に採用できるのです。私たちは第三者として、今後もお客様の採用力を高めるお手伝いをしていきます」(東海林氏)。

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東海林浩樹氏

株式会社キャリア・エックス

東海林浩樹氏

CEO/コンサルタント。株式会社リクルートに新卒入社、約10年在籍。同社人事部(現リクルートホールディングス)の採用チーム責任者を経験。2012年に新規事業としてWEB婚活サービス(現「ゼクシィ縁結び」)をリリース。2015年、株式会社キャリア・エックスを創業。

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