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【30代・首都圏の活躍人材→起業して地域企業の新規事業開発を受託】全く新しい「マッチングのかたち」を創出 

中村隆之氏
(GOOD AGENT AWARD 2021 金賞)

株式会社Tryfunds

首都圏在住の活躍人材と地域企業のマッチングでは、「待遇が合わない」「これまでの社風や慣習から、異能の人材を活かせない」という問題が発生しがちだ。中村氏は、その難問をクリアする新しいマッチングのかたちを創出した。活躍人材が起業し、地域企業の案件を受託するのだ。地域企業の発展に寄与し、活躍人材の新たな挑戦を生み出した中村氏の取り組みとは。“GOOD AGENT AWARD 2021”金賞を受賞したマッチングを紹介したい。

首都圏で活躍する30代の人材。地域企業にとって十二分な知見も備えていた

中村氏が所属するTryfunds(トライファンズ)は、単なる転職エージェントではない。主に事業開発、事業再生・再成長のコンサルティングや企業投資を主業とし、顧客企業の経営戦略実現のためにエグゼクティブサーチを行っている。中村氏自身、エージェントとして活躍する一方、主務はTryfundsの投資先企業の代表取締役社長として経営に従事している。

「私たちは、ビジネスを進めるなかで多くの地方金融機関様とネットワークを築いてきました。今回の事例も地方銀行様からのご紹介でスタートしています。地銀も投資をしている地域優良企業D社に関して、最初のご相談はIPO関連の組織整備についてでしたが、"本当は新規事業開発ができる、若くて優秀な人がいればいいんだけどね”という淡い願望のような一言がきっかけでした」(中村氏)。既存事業の堅実な成長とIPOへのロードマップがあり、D社にとって緊急性が高い課題とは言えなかったが、事業の優位性に関心を持った中村氏は独自に動き出した。

早速、候補者をサーチした中村氏は、首都圏の大手企業で30代半ばにして部長職として活躍しているCさんの存在を発見した。「Cさんは大企業での新規事業開発経験が豊かでしたが、現職ではやりきった感覚をお持ちで、漠然とチャレンジしたいという想いを抱いていました。事業領域に親和性があったのはもちろんのこと、海外で外資―日系企業間のJV立ち上げや大手企業間の事業提携・出向経験もあり、異文化に入っていくのも得意とのこと。D社にとって、十二分な知見をお持ちだと考えました」。中村氏は人材を紹介するとき、半分自社採用として捉えて、「自分自身が経営者として雇用したいかどうか」という基準で厳しく判断するという。なぜならTryfundsの主業であるコンサルティングや投資において、候補者は入社後も協業するパートナーとなるからだ。中村氏はCさんを、組織に適応するかはさておき、事業として必要な知見を持っていると見立てた。

一方で、中村氏はこのマッチングの難しさも感じていた。

「転職」には双方否定的、そこで「起業・受託」スキームで乗り越える

「一旦、CさんとD社を引き合わせてみましたが、相互に興味は持ちつつ、一緒に働けるイメージはまったく湧かないと言われました」(中村氏)。簡単に言えば、価値観・スピード・社風・待遇など、多くの面で大きな乖離があった。「事前にこうなることは想定していました。多くの場合、首都圏での活躍人材が地域企業に転職するのは容易ではないと思います。経営者の考え方や社風、地域の生活に馴染めないこともよくあります。活躍人材であればあるほど、裁量権や待遇面では乖離が大きくなる。一方で、地方企業側が異能な人材を活かすために、変わらなければいけないことも多いと感じますが、歴史ある企業において変革は難儀です。今回も、”よくあるケース”だったと思います。」(中村氏)。

一方で、CさんはD社との面談を通じて新規事業のシナリオを一つ見出していた。中村氏はCさんと議論を重ね、「Cさんが起業して、D社の新規事業開発案件を受託する」というスキームでD社に提案を持ち込むことにする。雇用関係ではなく、協働あるいは業務委託という関係なら、様々な支障を解決しやすいと見立てたからだ。その際、文化や流儀の異なるCさんとD社の間に調整役として入り、事業計画書や財務モデリングを作成、D社役員会での投資決裁獲得を支援。様々な問題を乗り越え、両者の業務委託契約締結を実現した。中村氏自身もD社と事業開発アドバイザリーの契約を結び、CさんとD社を継続的に支援するスキームとした。経営者の顔も持つ中村氏だからこその動きだ。「Cさんは起業に意欲的で、D社は事業提案を聞いた瞬間に目の色が変わりました。新規事業の成功を中心に置き、弊社を含めたステークホルダーが、それぞれの立場を尊重しながら、各自の強みを最大限活かせるスキームを考え続けました」(中村氏)。

こうして、「求職者が起業して企業案件を受託する」というスキームにより、新たなマッチングが実現した。Cさんは現職が兼業・リモートワーク可能だったため、D社の地域に移住し、副業として新規事業開発を手がけている。この時代ならではの選択肢が生まれたといえよう。

地域企業から信頼される起業家が、新たに一人生まれた

中村氏は、このモデルは汎用性があると考えている。「なぜなら、多くの地方企業が、新規事業を生み出したいと思う一方で、アイデアと人材の不足に悩んでいるからです。新規事業開発のノウハウ、ベンチャー企業のテクノロジーや大手企業とのコネクションを持つ首都圏人材が、ビジネスパートナーとしてハンズオンで関わり、一緒になって新規ビジネスを創る、という仕組みは大きな可能性を秘めていると思います」。

実際、CさんとD社のパートナーシップは順調に進んでいる。ステークホルダーからの信頼も厚く、現在は新規事業案の実証実験中だ。D社との協働成功の暁には、Cさんは首都圏企業の先進技術や豊富なアセットと、地域企業のユニークネスを結ぶ事業を、本格的に事業展開していく意向だ。つまり中村氏は、地域企業から信頼を得る起業家を一人生み出した、というわけだ。

中村氏の慧眼による、この斬新なマッチングスタイルは、能力と意欲を持ち合わせた都市部の人材と、事業成長を願う地域企業にとって、大きな可能性を示してくれたといえよう。

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株式会社Tryfunds

中村隆之氏

九州医事新報社 代表取締役社長、兼、Tryfundsエグゼクティブサーチ事業責任者。リクルート(リクルートキャリア)にて新卒・中途採用メディアの営業マネジャーを経て、2019年より現職。