企業と候補者、そして我々の三者がwin-win-winになるマッチングを徹底。候補者一人ひとりに寄り添い、徹底的にフォローし尽くします。

人材紹介会社で不動産金融分野を担当、この分野に特化してキャリアを積むことを決意

人材業界に飛び込んだのは、約10年前。人と関われる仕事に就きたい、かつ自分自身を鍛えて成長したいという思いから、人材派遣会社の法人営業を選びました。

仕事の厳しさは、予想以上。朝9時丁度から新規開拓の飛び込み営業を行い、多いときは1日100件飛び込むことも。顧客が増えた後も、客先の派遣スタッフ常時150名程をフォローしながら飛び込み営業を続けるという日々が続きました。毎日目が回るほど忙しかったですね。

ただ、一方でこの仕事の面白さ、奥深さも感じていました。当時、私がやり取りしていたのは、企業の現場マネージャークラスがメイン。人手が足りない、戦力がほしいという現場の切実な声に触れ、企業の人材に関する課題を目の当たりにしましたし、派遣スタッフの方々の話を聞く中で一人ひとりのキャリア観、人生観に触れることもある。企業とスタッフ双方のリアルな声を聞き、双方の思いをかなえる役割にやりがいを感じましたね。

しかし、私はあくまで法人担当で、派遣スタッフの初回面談は別の担当。企業側からの要望は詳しく派遣スタッフ担当者に伝えはしますが、どんな方が来るのかは企業面談の当日までわからないことに不安感ともどかしさを覚えるように。もちろん、派遣スタッフ配属後は定期的なフォローを行っていますが、登録面談時から求職者に関わることで、双方にとってよりよいマッチングを図りたいと思うようになったんです。また、派遣スタッフだけでなく正社員の採用にも関わってみたいという思いも徐々に強まり、転職を決意。企業側と求職者側、両方に一気通貫で関われる環境を目指し、2012年に人材紹介会社に人材コンサルタントとして入社しました。

その会社で担当することになったのが、不動産金融業界。不動産ファンドやJリート関連の求人がメインです。全く知識がない分野だったので、初めはとまどいましたね。不動産金融は特殊な専門用語が多く、それを覚えるだけでも一苦労でした。メンターに教えてもらったり、本やネットで独学したりして知識を習得しましたが、クライアント企業やキャンディデート(候補者)の方々に教えていただくことが多かったですね。

不動産金融は、非常にニッチな分野。Jリートに関わる企業数でいえば、50社強ほどしかなく、Jリート以外の日系・外資不動産投資会社を含めてもせいぜい300社ほど。そのため、マーケット全体を把握しやすいのが特徴です。狭い業界内で人材が動いているので、経験を積むにつれてあらゆる企業に人脈ができ、さまざまな情報が耳に入ってくるようにもなります。知識や情報を総動員して、企業側のニーズと候補者のニーズをマッチングでき、双方に感謝された時、大きなやりがいを覚えましたね。

「もっとこの分野に特化できる環境で、キャリアを構築したい」と思うようになり、金融・不動産業界に特化した人材紹介会社である現在の会社、Apexに転職しました。現在は不動産ファンドを中心にPE投資ファンド、政府系ファンド、銀行、コンサルティング・ファームの不動産部などを日系・外資問わず担当し、候補者とのより良いマッチングに力を注いでいます。

石川 行洋さん

面談には時間をかけ、レジュメ添削、面接対策も徹底。より良いマッチングのため伴走し続ける

私が大切にしているのは、「win-win-win」。クライアントも候補者も、そして我々も、三者全員がハッピーになれる転職が大切であり、どれか一つでも欠ける転職支援は絶対にしないと心に決めています。いくらその方にぴったりだと思う求人案件であっても、候補者のキャリア志向に合致しなければお勧めはしません。

そのため、候補者の方々との面談にはじっくり時間をかけています。最低でも1時間、だいたい2時間程度はお話しさせていただき、その方のご経歴や希望、どんなキャリアプランを描いているのかなどを聞き出します。我々ができることは最大限行いたいので、レジュメの添削や面接対策も徹底的に行います。レジュメの誤字脱字は一文字たりとも見逃しませんし、応募先企業のタイプやニーズをもとにした面接対策にもぬかりはありません。最初から最後まで、徹底的にフォローし尽くします。

こういう姿勢を貫いているためか、候補者の方から、別の転職希望者をご紹介いただくことがとても多いですね。結果的に、ほかのエージェント経由で転職が決まった方からも、「とても良くしていただいたので、彼のこともぜひ支援してほしい」と同僚や知り合いをご紹介いただくことも多く、喜びを感じています。

一方で、クライアント側のニーズを深く知るために、極力社長もしくは経営層にお会いしています。今後の目標、事業展望などを伺う中で、潜在的なニーズを引き出し、新しいポジションを作っていただくこともあります。常時、候補者100人超のデータを記憶しているので、頭の中ですぐにマッチングを行い、「こういうことをやろうとされているならば、ピッタリの方がいますので、こういうポジションを新たに設けてはいかがでしょう?」などと提案しています。クライアントの進む方向を理解できているからこそできる提案であり、よりベストなマッチングにつなげられているのではと自負しています。おかげで、クライアントから別の企業をご紹介いただくことも多いですね。コンサルタント冥利に尽きます。

この業界で一通りの経験を積み、業界内の情報もつかめるようになった今でも、各社の事業内容、事業展望などといったタイムリーな「業界動向」は、クライアントや求職者の方々に教えていただいています。ただ、業界内の「人材の動き」に関する情報は、我々にしかわからないと思います。どの会社が活況で、どの会社が元気を失っているかを人の動きで見ています。マクロの動向+人材の動きを把握できるのは、この業界の人材コンサルタントならでは。求職者の方々とは、ぜひお互いに情報交換をしながら、よりよい転職を実現していきたいですね。

石川 行洋さん

求人ニーズは総じて活況、インフラファンドの動きに注目

今までは各企業とも、フロントではアセットマネージャーとアクイジションの募集が多かったのですが、2016年に入ってからはアクイジションの募集が減り、アセットマネージャーが増えました。そのほか、経理・IR・コンプライアンスといったミドルバックなど、あらゆる職種に対してまんべんなくニーズがあります。

マーケットは活況ではありますが、やや過熱気味にあり、あらゆるアセットの価格が高騰しています。そのため、不動産の仕入れ・取得を担当するアクイジションのニーズが減っているという印象。一方でアセットマネージャーの求人は安定しています。

不動産投資は、オフィス、レジデンシャル、商業、物流、ホテル、ヘルスケアなどさまざまなアセットタイプにわかれていますが、現在活況なのはホテルと物流。直近では大手デベロッパーや外資系ファンドがリートを立ち上げるなど、新規参入も増えています。オフィスとレジデンシャルは円熟してはいるものの、不動産の投資対象としては王道。安定的に求人ニーズがあります。

徐々に動きが出始めているのは、太陽光発電などのインフラファンド。新規だけでなく、既存のファンドがインフラ関連を立ち上げるケースも増えています。現時点で、東証に上場しているインフラファンドは1社のみ。税制改正によりこれから拡大が期待できる領域であり、求人ニーズも増えています。

一方、以前から注目されてはいるものの、動きがスローなのはヘルスケア。オペレーションが難しいと言われる領域でありますが、超高齢化社会の進行に伴い、老人介護施設や病院などに投資する動きは必ず出てくるはずで、今後に期待したい分野です。

どの職種においても言えることですが、英語力を求める求人が非常に多いですね。不動産投資はまだ国内市場がメインであり、外資のファンドも多いものの、他業界に比べてドメスティックな業界。今後は日系企業の海外投資も増えていく見通しにあるうえ、既存のファンドでも海外の機関投資家とのやり取りが増えているので、必然的に英語の必要性が高くなっています。業界知識を持ち、経験豊富な方であっても、英語ができる、できないだけで、ご紹介できる求人数が3倍ぐらい変わってきてしまうのが現状です。

石川 行洋さん

現在は日系企業であれば文章読解、英語でのレポーティング、簡単な日常会話程度でもOKとするところが多いですが、外資系ファンドはビジネスレベル以上を求められます。日系企業も徐々にハードルが上がることが予想されるため、英語力の習得に関してはぜひ力を入れてほしいですね。

また、英語力に限らず、特定領域でスペシャリストであることも求められます。不動産金融の求人は基本中途採用。即戦力がほとんどであるため、特定領域での経験、知識をどん欲に吸収しようという意欲、熱意は、この業界で永続的に求められる資質であると感じます。

石川 行洋さん

株式会社Apex シニア・コンサルタント

石川 行洋さん

大手人材派遣会社で法人顧客に対する人材コンサルティング業務に従事。その後、企業、候補者両方に関わり一気通貫でマッチングを行いたいと考え、人材紹介会社に転職し、不動産金融領域を担当する。2015年8月、より不動産金融領域に特化してキャリアを構築したいという思いからApexに転職。不動産ファンドを中心にPE投資ファンド、政府系ファンド、銀行、コンサルティング・ファームの不動産部などを専門とするシニア・コンサルタントとして活躍中。

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