長期的キャリアパスを決めキャリアプランに沿った転職先を見つけるお手伝いをしています

日系大手・外資系ベンチャー・外資系大手・事業会社と、35年でさまざまな職場を経験してきた

私は2012年にコンサルタントになりましたが、それまでに35年のキャリアがあります。初めて日本に輸入されたと言われるMacが設置されていた大学の研究室で情報工学を学んだ後、私は日系大手電機メーカーに入社し、ハードウェアエンジニアになりました。まだパーソナルコンピュータが世の中に出回っていなかったIT草創期のことです。そこで私は、大手メーカーなどが使用した法人用ワークステーションやグラフィックターミナルといった大型コンピュータの設計・開発に携わりました。その後、UNIXが広まってからは、UNIXサーバのデータベース開発などにも深く関わっています。

その会社に約20年勤めた後、私は1996年に外資系ソフトウェアベンダーに転職しました。クリエイターの方々が使うソフトを作っている会社で、業界では当時から有名でしたが、組織規模はベンチャー企業といってもよいほどで、元気の良い会社でした。続いて、1998年に外資系大手SIベンダーに移り、コンビニATMシステム開発プロジェクトをはじめとするさまざまな大規模プロジェクトでプロジェクトリーダー・プロジェクトマネジャーを経験しました。2006年、今度は日系銀行のシステム企画部門のアプリケーション開発トップとなり、インドやシンガポールの協力パートナーをマネジメントしながら、オフショア開発を進めていきました。

その間、外資系大手SIベンダーでも日系銀行でも、協力パートナーの選定や人材採用に深く関わりました。なかでも、日系銀行では年間50名ものITエンジニア採用を行っていたため、エンジニアの皆さんとは始終面接していましたし、ときにはキャリア上のアドバイスをしていました。その流れで、2012年から人材コンサルティング業をスタートしたのです。その後に縁があって、2016年にインフォエックスに入社しました。現在は、主にITコンサルタントやITエンジニアの転職をサポートしています。また、IT、SIのご経験のある方に業務コンサルティングへの転職をかなりの頻度でサポートしております。

私の最大の強みは、やはりこの35年のキャリアです。IT系職種については、これまでのキャリアのキーワードを伺えば、細かな仕事内容まで見当がつきますし、クライアント企業の求人票をざっと見ただけで、どういった方を求めているかが詳しいところまで想像できます。また、その35年で日系大手・外資系ベンチャー・外資系大手・事業会社とさまざまな職場を経験し、さまざまな企業文化を知っていますから、キャンディデートの方とお話しすれば、どういった会社が合っているかも見えてきます。もちろん、キャンディデートの皆さんの希望は最大限尊重していますが、その希望を踏まえた上で、こちらから最適の案件を選び、お勧めするケースが珍しくありません。最終的に、私がお勧めした案件で喜んでいただけることが多いのが、コンサルタントとしての誇りです。

東 尚史さん

仕事を辞めてから職を探すのは本当に良くない

私がコンサルタントとして気をつけているのは、「将来を見据えた転職」です。そのために、私は転職者の皆さんに「6つのルール」をお伝えしています。私は、このルールに則って、皆さんのキャリアづくりをお手伝いしています。1つ目は、転職したら「最低3年は在籍すること」です。特に新卒入社後の3年間は辞めないほうがいいでしょう。なぜなら、現在は「●●経験3年以上」の募集が多いからです。3年の経験を積まなければ、キャリアとは認められないのです。

2つ目は、「早いうちに長期的なキャリアパスを決めること」です。欧米の多くのビジネスパーソンは、35歳には自分の長期的キャリアを決め、すでに明確な強みを発揮できる人材になっており、そこからさらに専門性を磨いていきます。日本でも、長期的キャリアを早めに決めたほうがよいのは欧米と変わりません。3つ目のルールは、「長期的キャリアの軸をぶらさないこと」です。私はいつも、プロジェクトマネジャーならプロジェクトマネジャー、マーケティング職ならマーケティング職を極めることをお勧めしています。なぜなら、質の高いスキルを身につけるには、やはりある程度の年数がかかるからです。私は、必ずしも転職ありきのコンサルティングを行っていません。重要なのは、さまざまな選択肢のなかから最良の選択をすることです。今の会社に残ったほうがよいと思えば、そのようにお伝えするようにしています。少なくとも、次々に職種を変えるよりは、残ったほうがよいケースが多いと感じます。4つ目は「キャリアプランに沿った転職先を探すこと」です。給与が良いから、見栄えがするからといった理由で転職先を探しても、後悔するだけです。長期的キャリアを決めたら、そのキャリアにプラスとなる転職先に絞っていくのが正道です。

5つ目は、「会社を辞めてから職を探さないこと」です。最近、会社を辞めてから次の仕事を探そうとする方が増えていますが、これは本当に良くありません。良い転職先がなかなか見つからずに焦ってしまい、あまりお勧めできない転職先に決めてしまうケースが頻発しているのです。会社を辞めてから職を探すことは、求職者側のマイナスしかありませんから、十分に注意してください。最後の6つ目は、「英語を勉強すること」です。今は、「優れたスキル+英語力」のある方には、明らかに紹介できる案件が多い時代です。これからのキャリアには、英語が必須だと思ったほうがよいでしょう。

東 尚史さん

やはりキーワードはクラウド・フィンテック・IoT・AI・RPA、そして英語

現在のコンサルティング業界、IT業界のキーワードは、やはりクラウド・フィンテック・IoT・AI・RPAです。なお、気をつけなくてはならないのは、こうしたテクノロジーが関係する案件には「ポテンシャル採用が少ない」ことです。「AIにチャレンジしたいから、転職先を探す」といった考え方は、基本的には通用しないのです。また、クラウド・フィンテック・IoT・AI・RPAなどを自ら勉強しているコンサルタントやITエンジニアを採用するという案件も、極めて少ないのが現状です。転職するには、専門的な経験が必須なのです。ですから、現職で異動するなどして経験を積むか、あるいは自分の専門性を活かして転職し、その転職先でスライドしていくか。いずれにしても、どこかである程度の経験を積んでから、ステップアップしていくほかありません。この点は、コンサルタントもITエンジニアも共通しています。

もう1つ、コンサルティング業界の最近の特徴は、日系コンサルティングファームの海外展開に伴う「海外勤務案件」が増えていることです。グローバルコンサルティングファームの場合、すでに海外拠点が充実していますから、入社後の社内異動の可能性はあっても、海外勤務スタッフの募集はほぼありません。しかし、日系コンサルティングファームは、日系クライアント企業の海外展開に伴って海外拠点を増やしているケースが多く、それと合わせて、海外拠点に駐在するコンサルタントの募集をよく行っているのです。海外勤務にチャレンジしたい方は、ぜひこの波に乗ることをお勧めします。

最後に、私自身の今後の目標をお伝えすると、英語力をさらに磨き、「英語だけを使う求人案件」にもっと対応できるようにしたいと思っています。最近は、日本語が不得意なキャンディデートが少しずつ増えており、英語だけを使う求人案件も多少出てきています。そうした案件が増えても困らないよう、毎日朝に1時間、夜に1時間、英語のリスニングを欠かさないようにしています。

東 尚史さん

東 尚史さん

株式会社インフォエックス シニアコンサルタント

東 尚史さん

東京工業大学卒業後、日本最大の電気機器メーカーに入社し、約20年にわたって勤務。コンピュータ事業部にてグラフィックターミナルなどのハードウェア設計、ワークステーション用リレーショナルデータベース関連プロダクト設計・開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーを経て、1998年に外資系大手SIベンダーに転職。航空会社システム統合、連結会計システムの構築プロジェクト、コンビニATMプロジェクトなど、多くの大規模プロジェクトのプロジェクトマネジメントを経験。2006年、日系銀行のシステム企画部門のアプリケーション責任者になった後、2012年頃からコンサルタント業をスタートし、2016年にインフォエックス入社。

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