A.T. カーニー

米国シカゴにて誕生し、今や世界的な経営コンサルティングファームであるA.T. カーニー。1995年に一度情報サービス企業であるエレクトロニック・データ・システムズの傘下に入ったものの、2006年に経営陣によるMBO(マネジメント・バイアウト)により独立。新体制となったこの10年の間に、これまでより幅広い地域、多様な産業・企業の経営支援を手掛けており、グローバル展開する戦略系ファームとして更に前進しています。そんな同社において、今後ますます高度化するコンサルティングを担っていくためにも新たな人材が必要不可欠と語るのが、日本代表の岸田雅裕さん。A.T. カーニーで手掛ける仕事の醍醐味や、同社が掲げるビジョン、ミッションについてお話を伺いました。

ストラテジーとオペレーションの両輪が、A.T. カーニーらしさ。
グローバルにおける日本の役割が大きいのも特徴。

世界展開する戦略ファームはいくつかある中で、御社ならではの特徴とは何だと思われますか。

A.T. カーニーはその歴史の中でクライアントのビジネスにおける具体的な実行策である「オペレーション」の分野に秀でた経営コンサルティングファームだという評価をいただいてきました。これと同時に、戦略(ストラテジー)策定やビジョン策定においても豊富な知見を有しており、「ストラテジーとオペレーション」を両輪で磨いてきたファームだというのが実際の私たちの強みであり、更に磨き続けていきたいと考えています。企業において、ストラテジーとオペレーションには本来上下関係はなく、相互に影響を与えシナジーを生み出していくもの。そのためには、コンサルタントがクライアントである経営層から悩みや相談を持ちかけられるような信頼関係を築きながら、各組織の担当マネージャーのミッションや想いを協働で実現していくことも必要です。必然的に、コンサルタントがクライアント企業へ常駐し深く入り込むようなプロジェクトが多いですね。だからこそ、特に若手のコンサルタントの方には入社直後から、「まずは現場に行ってみよう」「クライアントのところに行こう」という育て方になると思います。

A.T. カーニーのロゴ

グローバルな視点でA.T. カーニーを捉えた時に、日本法人が独自に果たすべき役割はありますか。

前日本代表(現:日本法人会長)である梅澤高明が、コンシューマー・リテール(消費財・小売)プラクティスのグローバルリーダーに任命された例もあり、日本出身の人材がグローバルで重要な役割を担っています。このようなファームは業界全体を見渡しても他になく、A.T. カーニーの東京オフィスの位置づけがグローバルにおいても非常に高いものであると同時に、日本におけるコンシューマー・リテール業界のプラクティスが世界を牽引するレベルにあるのだと言えますね。だからこそ、日本からグローバルに対する発信力、発言力は他のファームに比べても強いように感じます。その分果たすべき役割は大きなものとなりますが、国際的に活躍するコンサルタントへと成長するにはチャレンジングな環境だと思います。

他方で、すでに世の中は1国だけで完結しないコンサルティング案件が増えています。例えば、日系企業が買収した海外の企業の価値向上を私たちが手掛けることもあれば、外資系企業の日本事業立ち上げに関するプロジェクトに対して、複数のオフィスで協働して取り組むこともあります。A.T. カーニーはグローバルで「One Firm」という考え方ですので、例えどの国のプロジェクトであっても、各国のコンサルタント同士が連絡をとってベストなチームをつくることが当たり前に行われている環境。これから入社する方にとっても、もしかしたら初めてのプロジェクトがグローバルチームの一員になることも決して珍しい話ではないと思います。だからこそ、たまたまA.T. カーニーでのキャリアが日本でスタートするだけで、グローバルファームの一員であるという意識が大切かもしれませんね。

岸田 雅裕氏

目に見えるソリューションで、顧客とともに進化していく姿を目指そう。
個人にコミットすることで、組織を活性化させる視点も大切。

御社のコンサルタントは、世の中からどう期待されているのでしょうか。

クライアント企業から度々いただくのは、「A.T. カーニーは一緒に腕まくりしてくれる」という言葉。前述した通りではありますが、ストラテジー(戦略)とオペレーション(実行策)を兼ね備えたコンサルティングにご期待をいただいているのだと感じます。実際に私たちが大切にしているのは、実践的な提言内容。明日からでもすぐにクライアントが実行に移せる具体性のある提言をし、それを実行することによって目に見えた変化が起こり、企業の改革が前に進んでいくというのが私たちの信念です。また、どんなに革新的なソリューションであっても、「これをやってください」ではなく「一緒にやりましょう」と言えることが大切です。クライアントにとっては、従来の仕事のしかたを変えることは、少なからず抵抗があるはず。その気持ちを理解して最初の一歩を共に踏み出してみることで、成功するイメージをつけていただき、進化が加速していくことが理想の姿。「共感し、共感される力」をコンサルタント一人ひとりが大切にしてきたことも、当社が選ばれてきた理由の一つだと思います。

では、この姿を実現するために私たちが常日頃どんな意識でいるのかと言えば、クラインアントは企業であると同時に、目の前の経営者や経営幹部などの個人であるという感覚が強いですね。「会社をより良くしたい、変革したい」と悩み、頼ってくださるその人にコミットしていく気持ちも大切だと、私は思っています。初めてのプロジェクトでは課長や部長であった方が、私たちと共に成果を出し続けることで、役員や社長に就任されることもあるでしょう。人にコミットしていると、こういった出来事は本当に嬉しいもので、まるでマラソンランナーに常に適切なアドバイスをしながら完走を見届ける伴走者のような感覚もありますね。

岸田 雅裕氏と久留須 親氏

岸田さんご自身は、今後A.T. カーニーをどのような会社にしたいとお考えですか。

コンサルティングファームというと、これまでは個々が独立した集団というイメージが強かったかもしれません。しかし、私としては個人の強みを活かしながらも、チームとしての力や強みを活かせる集団にしていきたいと思っています。なぜなら、世の中は常に流動的で、その局面によって有効な「技」は変わっていきます。そうした中で、集団が持つそれぞれの力を発揮できればシームレスにクライアントのニーズに応えられるのではないかと考えていますね。近年は、これまでのコンサルタントの力だけでは応えられないニーズも多くなってきています。日本企業による積極的なグローバル戦略によりプロジェクトが複雑化しているのはもちろんのこと、ファームの中だけで完結するのではなく、例えば外部のクリエイティブチームとの協働なども増加するでしょう。コンサルティングファームが担う役割そのものも変化するかもしれません。だからこそ、これから入社する方々にも、それぞれの個性・強みを伸ばしていただきたいですね。多少時間がかかったとしても、長い目でみた成長を後押ししていきたいというのが、私たちの方針。次世代のコンサルタントを育てていくことも私の使命ですので、若くても経験が浅くても「顧客がまず最初に相談したい相手」になれるよう、一つ一つの仕事に向き合って実績を積み上げてほしいと思っています。

久留須 親氏

担当ヘッドハンターの目線

株式会社ムービンストラテジックキャリア パートナー&マネージングディレクター 久留須 親氏

東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。新卒で株式会社電通国際情報サービスに入社。プロジェクトマネージャーとして、主に金融系システム開発に従事。その後、IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社の事業戦略グループにて、戦略コンサルタントとして事業戦略立案、中期経営計画立案、市場成長予測といったプロジェクトやPMOとしてクライアントの実行支援に携わった後、株式会社ムービンストラテジックキャリアに入社。主にコンサルティング業界を中心に、戦略系・総合系ファームを目指す方々やコンサルティング経験者のキャリアコンサルタントとして、個人の抱える悩みや想いに向き合う日々。

事業経営のプロフェッショナルを目指すなら、
最高のステージがあります

日々多くの転職希望者とお話しさせていただいておりますが、A.T. カーニーに対して間違った認識をされている方が非常に多いと感じています。今回の岸田さんのお話にありましたように、A.T. カーニーは「オペレーション」の分野に強いのですが、この「オペレーション」をコスト削減やBPRのことだと思っていらっしゃる方がとても多いですね。A.T. カーニーはあくまで戦略策定から行う経営コンサルティングファームであり、A.T. カーニーの「オペレーション」とは戦略を実行しクライアントに「目に見える成果」をもたらすことである、というのを正しくご理解いただけますと嬉しく思います。また、近年のA.T. カーニーは変革期にあると思います。これまでは個々人が際立ったご活躍を行うことでA.T. カーニーとしての成長が実現されてきましたが、近年は東京オフィス内だけでなくグローバルでの連携がこれまで以上に行われるようになっており、さらなる成長を目指していらっしゃるのが伝わってきます。 MBOから10年近くが立とうとしているのもあり、今後はグローバルで「One Firm」としてのプレゼンスがさらに高まっていくと思います。また、A.T. カーニーのコンサルタントの方々は、コンサルティングを通じてクライアントや社会に貢献したいという強い「志」を持っていらっしゃいます。変革期と感じる一方で、これはA.T. カーニーの根底にある普遍的なものだと感じています。このような「志」を共有し、クライアントに「目に見える成果」をもたらすために自らを変革してさらなる成長を目指している環境は、これからコンサルタントを目指す方にとって自身と共にファームの成長も感じることができる大変魅力的な環境だと思います。

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