世界40の国と地域で、1日平均4,000万本を販売する【ヤクルト】が、海外駐在を前提とした<管理系(経理など管理部門責任者)>と<製造系(海外工場マネジメント業務)>の海外要員を大募集

日本を含む40の国と地域で1日平均4,000万本を販売しており、連結売上高の40%以上を国際事業が占めている株式会社ヤクルト本社が、海外駐在を前提とした<管理系(経理など管理部門責任者)>と<製造系(海外工場マネジメント業務)>の海外要員を大募集している。ヤクルトの国際事業にはどのようなこだわりがあるのか。海外要員の仕事内容やキャリアパスはどうなっているのか。どういった人材が活躍できるのか。現場で活躍する奥 善博氏(経理部 経理課 主事・写真中央)と印南 雄介氏(国際部 技術支援課 主事・写真右)に詳しく伺った。

ヤクルトレディによる宅配や現地生産にこだわる「農耕型現地主義」で
世界中でビジネスを順調に拡大しており、グローバルに活躍できる人材が求められている

ヤクルトの国際事業について詳しく教えてください。

奥:現在、ヤクルトは日本を含む40の国と地域で販売を展開しています。海外における乳製品の販売本数は、2019年には年間で1日平均4,000万本になりました。2020年度の連結売上高は3,857億円ですが、そのうちの1,654億円が海外での飲料・食品の売上です。つまり、連結売上高の40%以上を国際事業が占めているのです。また、長期ビジョン「Yakult Group Global Vision 2030」では、「世界の一人でも多くの人々に健康をお届けする」という定性目標を掲げており、今後もグローバル展開が強化ポイントの1つとなっています。ヤクルトにとって、国際事業は極めて大きな存在です。

印南:ヤクルトの国際事業は、1964年に台湾に進出したのが始まりです。私たちは、そのときから一貫して「現地生産・現地販売」にこだわっています。海外でも約48,000人のヤクルトレディが活躍しています。また、スーパー等の店舗に商品を納品するルート担当者も、自社社員として採用しております。彼らヤクルトレディやルート担当者を通じて、ヤクルトの習慣的な飲用の大切さを繰り返し広めています。国によっては菌を飲むことに抵抗感を持つ人々もおり、ヤクルトレディやルート担当者による地道な普及活動が効果をあげています。こうした「農耕型現地主義」によって、私たちは国際事業をここまで大きくしてきました。

奥:私たちは国際事業をさらに拡大していくために、海外事業所(工場を含む)をマネジメントする「海外要員」を質・量ともに強化していく必要があります。そこで今回、海外要員を大募集しています。

ヤクルトのロゴ

「海外要員」について詳しく教えてください。

印南:海外要員は営業系・管理系・製造系があり、今回は「管理系」と「製造系」で人材を募集しています。私は製造系で、奥は管理系です。

奥:私は2005年に海外要員として中途入社しました。7年間、国際部で海外事業所の新規進出支援や総務・経理支援に携わりました。その後、2012年にベトナムに赴任して、ベトナムヤクルトの管理部門責任者として、9年間、ベトナムヤクルトの経理・総務・人事に関するマネジメントおよび全日本人出向社員の現地での生活等に関する諸業務を担当しました。2021年に帰国し、現在は本社経理部で経理の専門知識を深めています。

印南:私は2006年に新卒採用で入社し、2013年までは国内工場で製造や品質管理などを担当しました。その後、2013年から2018年までは台湾に駐在し、台湾ヤクルトの工場で製造・品質管理全般をマネジメントしました。2018年に帰国し、現在は国際部に所属して、世界中の工場の日々の生産新技術導入・ライン増設などを支援する役割を担っています。日本で働きながら、必要に応じてアメリカ・中国・ヨーロッパなどに出張する日々を送っています。

奥:海外要員は、誰もが海外事業所に赴任する前提で働いています。特に製造系の場合は、国内工場で一定期間学んでいただくことになるとは思いますが、いずれにしても入社後は近いうちに海外事業所に赴任することになります。

海外事業所での管理系の仕事内容を詳しく教えてください。

奥:管理系は多くの場合、海外事業所の管理部門責任者として赴任し、赴任先事業所の経理・総務・人事等のマネジメント業務を担当することになります。海外事業所での業務の最大の特徴は、業務範囲の広さと裁量権の大きさにあります。もちろん成果は問われますが、自身の意思決定のもと、スピード感をもって進めることができる仕事も多くあります。ベトナムヤクルトは、私が赴任した2012年は社員数が250名程度でしたが、帰国した2021年には1,200人を超える規模になっていました。発展途上のベトナムヤクルトにおける私の課題の一つは、採用や社員の流出防止でした。なぜなら、ベトナムは日本と比べて離職率が非常に高く、大量の人員を絶えず採用しつづけなくてはならないからです。しかし、他社状況を調査・分析して人事制度や処遇を改善したり、福利厚生の質を高めたりしたことで、定着率が徐々に改善し、社員数が増え、かつ会社の業績向上にもつながりました。

また、ヤクルトレディやルート担当者等自社で販売社員を抱える当社ならではの特徴といえるかもしれませんが、管理部門であっても、営業現場との距離が極めて近いです。お客さまやヤクルトレディと接する機会がたくさんあります。例えば全社的な販売促進活動の一環として、管理部門の現地社員と共に私自身が現場に立ち、お客さまにヤクルト製品を直接お勧めすることもありました。他にも工場の生産現場や地方営業所での監査対応、地域の社会貢献活動への参加などもあり、一般的なデスクワークに留まらない業務も多々ありました。このように海外の現場に密接に関わりたい方には、とても向いている仕事です。もちろん、突発的なトラブル対応など大変なことも多々ありましたが、周りの現地社員と日本人出向社員や本社国際部から手厚いサポートをいただき、全体的には有意義で充実した9年間でした。なお、ベトナム語などの現地語はできたほうがよいですが、管理部門に所属する現地社員とは英語でコミュニケーションが取れたので、ベトナムでは英語ができれば仕事上の大きな支障はありませんでした。また現地語は赴任前・赴任後に学ぶ機会もあります。ベトナムは温暖で暮らしやすく、ベトナムの食も日本人に合っています。

海外事業所での製造系の仕事内容を詳しく教えてください。

印南:海外工場全体のマネジメントに携わります。製造・品質管理・設備管理・人材管理など、業務は多岐にわたります。法律や規制の変更など、赴任先の事情に柔軟かつ迅速に対応することも重要な業務です。私の場合は、2013年に台湾に赴任してすぐに、工場の建て替え期を迎えました。その場合は、工場建設にも携わることになります。

海外工場で働くおもしろさのひとつは、「業務改善」にあります。海外では、マネジメント業務を限られた日本人で対応するため、自分の色を出しやすく、さまざまな工夫ができるのです。製造でいえば、一部、日本と同じ材料を使うことができない場合がありますが、そうしたなかでも日本基準を目指し最高の品質を維持するのが、私たちの重要な役割の1つです。実際、私も試行錯誤を重ねながら、ヤクルト製品の品質を維持し続けました。

また、台湾工場の日本人社員は工場長と私の2人だけでしたから、非常に多くのことを任せていただきました。若くして、建設会社との折衝、設備選定、施工管理など、工場建設全般に関われた経験は得がたいものでした。

台湾ヤクルトは、私が赴任した年に50周年を迎えた歴史ある事業所で、定着率も高く安定した組織でした。現地の人は日本人に好意的で、食事もおいしく住みやすかったです。現地メンバーともすぐに仲良くなれました。良い思い出の多い5年間です。

奥 善博氏と印南 雄介氏

海外赴任後に帰国してスキルを磨くパターンもあれば
一国に長期間留まる者も、国から国へ移動するメンバーもいる

どのような方が活躍できますか?

印南:管理系・製造系に共通して必要なのは、「リーダーシップ」と「現地社員の意見を聞く力」をバランスよく発揮することです。ヤクルト製品の基本的な製造工程や乳酸菌の取り扱い方法など、変えてはならない部分、組織運営上も譲れない部分があります。しかし一方で、現地の裁量で行えることも多いのです。実際、国によってニーズは異なるため、そのニーズに合わせた商品展開が必要となります。そのニーズの把握は現地でしかできません。味の好みを現地に合わせたり、また、高機能商品が求められたりしますが、どのタイプを積極的に販売していくかは現地の裁量に任されています。また、先ほどお話ししたとおり、採用や待遇などの人事面も、同様です。

奥:海外事業所で工夫をしながら日々の業務を運営していくためには、現地社員・日本人出向社員・本社国際部など、仲間たちの協力が欠かせません。自分一人では何もできないのです。特にポイントとなるのが、現地の文化ややり方を尊重しながら現地社員たちと協調することです。周囲の意見によく耳を傾けて、協調性・柔軟性を大事にしながらリーダーシップを発揮できる方なら、きっと活躍できるでしょう。

印南:製造系でいえば、当然ながら食品工場での経験があればよいですが、なくてもかまいません。電気・機械系のスキル・経験はおおいに役に立ちます。また、乳酸菌飲料への興味・関心を持っていただくことも大事です。

奥:管理系で必須なのは経理のスキル・実務経験です。しかし前述のとおり、管理部門責任者としては経理だけでなく、人事・総務を含めた全社的な課題に対応しなければならないため、管理マネジメント全般に積極的に取り組みたい方が向いています。

印南:それから、海外赴任が前提の職種ですが、配属される国や地域はキャリア、適性、経験を考慮のうえ、決定されます。ぜひ、ご自身のキャリア、経歴等を振り返りアピールしてください。赴任国、地域の現地の文化に関心を持ち、その国の皆さんと仲良くできる方が大歓迎です。

キャリアパスについて教えてください。

印南:海外要員のキャリアパスは多様です。私や奥のように、海外赴任後にいったん帰国するパターンもありますが、ある国に長期間留まる者も、国から国へ移動しながらキャリアを積むメンバーもいます。日本に戻って、国際部などでスキルを磨いてもかまいませんし、海外事業所での経験を積み上げて、海外事業所の幹部社員を目指しても構わないのです。私自身は、今は日本で視野を広げている時期です。いずれは海外工場長として、再び赴任したいと考えています。

奥:私も今は日本で経理の専門スキルを高めていますが、いずれまたどこかの国で働きたいと考えています。私のように、海外に赴任して活躍したいと考えている方にとって、ヤクルトの国際事業は絶好の場所だと思います。ぜひともに頑張りましょう!

奥 善博氏と印南 雄介氏と別宮 潤氏

ヤクルト本社の概要

ヤクルトはライフサイエンス(生命科学)を基盤とした独自のプロバイオティクス研究の成果を製品化し、安全性と質の高さにこだわって製造。食品・化粧品・医薬品の領域で多くの商品を世に送り出し、皆さまの健康づくりをサポートしています。そしてヤクルトのプロバイオティクスは、今や世界40の国と地域に広がっています。

  • 創業:昭和10年(1935年)
  • 設立:昭和30年(1955年)
  • 従業員数:2,874名 ※出向者300人、嘱託161人を含む(2021年3月末現在)
  • 資本金:311億1,765万円
  • 売上高:3,857億円(2021年3月期)

株式会社ヤクルト本社 経理部 経理課 主事 奥 善博 氏大学卒業後、日系メーカーに入社して経理職・営業職を経験。営業職では海外出張ベースの海外販売を担当。本格的に海外で活躍したいと考え、2005年、ヤクルト本社に海外要員として入社。7年間、国際部で海外事業所の支援に携わった後、2012年から2021年までベトナムに駐在し、ベトナムヤクルトの管理部門責任者として活躍。2021年に帰国して現職。

株式会社ヤクルト本社 国際部 技術支援課 主事 印南雄介 氏
2006年新卒でヤクルト本社に入社。2013年まで国内工場で製造・品質管理などを担当。2013年から2018年まで台湾に駐在し、台湾ヤクルトの工場で製造・品質管理全般を担当。2018年に帰国して現職。

  • 【海外駐在】海外工場マネジメント業務

    年収:600万円 〜 1,000万円

    勤務地 中国 / 韓国 / 香港 / シンガポール / その他アジア / オーストラリア / アメリカ・カナダ / ヨーロッパ / その他海外
    業種 メーカー > 食品・飲料
    職種 化粧品・食品 > 生産技術・製造技術・プロセス設計
    化粧品・食品 > 生産管理・品質管理/保証・工場長
  • 【海外駐在】管理部門責任者候補

    年収:600万円 〜 1,000万円

    勤務地 中国 / 韓国 / 香港 / シンガポール / その他アジア / オーストラリア / アメリカ・カナダ / ヨーロッパ / その他海外
    業種 メーカー > 食品・飲料
    職種 管理 > 経理
    管理 > 管理会計

担当ヘッドハンターの目線

別宮 潤氏
別宮 潤氏
株式会社リクルート ハイキャリアコンサルタント

2013年に新卒で食品系商社に入社し、主にロジスティック企画、管理を経験後、2016年にリクルートキャリア(現リクルート)へ中途入社。岡山、鳥取エリアの法人側採用支援を経て、RGF HR Agent Vietnam(リクルートベトナム現地法人)にて駐在を経験。現在は東京本社にて、グローバル領域の幹部ポジション採用支援や、グローバル人材の転職支援に従事。

得意分野 ●海外/グローバルに事業展開を行う全業界(日系及び非日系)※特に食品を中心としたFMCG領域が得意 ●特に経営幹部や工場長、営業、管理部門系幹部ポジション ●海外事業展開における事業課題から活躍人材の紹介までワンストップ支援

海外駐在前提の職種でこれほど大規模な募集は聞いたことがない
しかも長期間の海外駐在が可能なケースは珍しい

今回ヤクルトは、管理系・製造系ともに、かなり多くの人数を募集しています。海外駐在前提の職種で、これほど大規模な募集は聞いたことがありません。食品業界で海外事業が最も成功している会社の1つ・ヤクルトだからこその募集案件です。

しかも、ヤクルトにおける海外駐在で珍しいのは、長期間かつ複数国の海外駐在が可能なことです。多くの日系企業では一国の駐在で終わることも多く、海外駐在が点のキャリアになりがちです。しかし、ヤクルトはある国からまた別の国へと、海外駐在経験を線のキャリアで捉えることができるのです。真にグローバルなキャリア形成を希望する方にとって、めったにないチャンスではないでしょうか。

管理系・製造系ともに、食品業界以外からの応募も可能です。ただし、受け身の働き方を求める方、定型業務を希望する方には向いていません。また、相応の英語力は必須ですが、英語以外で得意な言語がある方も大歓迎です。以上を踏まえたうえで、グローバルに活躍されたい方の応募をお待ちしています。