私のキャリアの軌跡【株式会社サイバーエージェント】財務経理部マネージャー 高本将司氏|未経験での転職が大きな転機に。事業の「攻め」を「​護る​​​」強いバックオフィスを目指す 

メディア事業、インターネット広告事業、ゲーム事業など幅広い事業を展開する株式会社サイバーエージェント。メガバンクの法人営業から同社に転職し、現在は財務経理部門のマネージャーとして活躍する高本将司氏に、転職理由や感じている仕事のやりがい・醍醐味などについて伺いました。 

高本 将司氏

2013年4月 メガバンクに入行 法人営業としてクライアント対応に従事
2019年1月 株式会社サイバーエージェント入社 財務経理部へジョイン
財務全般(会社のキャッシュ周り)、金融機関対応、中途採用を担当

オファーを機にメガバンク営業から財務へキャリアチェンジを決意 

―高本さんのこれまでのご経歴を、簡単に教えていただけますか? 

高本:大学卒業後、2013年にみずほ銀行に入行し、支店にて法人営業を担当しました。一般的な法人営業職と同様、数十社の法人企業を担当し、融資や為替取引、各種法人向けサービスなどさまざまな提案を行いました。既存顧客向けの営業だけでなく、新規開拓営業にも携りました。

法人営業としていくつかの支店を経験し​、​約6年間同行に​勤​​​めた後、2019年にサイバーエージェントに財務担当として転職​しました​。現在は、財務経理部のマネージャーとして、財務をメインに経理など幅広く関わりながら、中途採用にも携わっています。

―全くの異業界・異職種へのキャリアチェンジですね。なぜ、前職を辞めて転職しようと思ったのですか?

高本:入行当初は「この銀行で腰を据えて頑張り、活躍したい」と思っていたのですが、2年目​く​​​らいから自身の成長曲線について考えるようになりました。メガバンクは知名度も高く信頼性もあるので、新人営業にとってはありがたいシーンが多かったのですが、徐々に「自分の力で勝負できているのだろうか?」と思うようになったんです。

同時期に、同年代の友人や、高校・大学時代の同級生がベンチャーで急カーブの成長をしているのを見て、つい自分と比較してしまい「このままでいいのだろうか」と考えるようになりました。

一方で、いろいろと思うこと​は​​​あったものの、せっかく縁があって入社したからには「組織やクライアント、市場に対して価値を発揮している」と実感できるまでは頑張ろうと考え、結果的に6年、法人営業として従事しました。

ー転職活動では、どういう企業群のどういう職種を見ていたのでしょう?サイバーエージェントに決まるまでの流れを教えてください。

高本:ずっと法人営業でしたし、経験を活かすならば営業だろうと漠然と考えていました。求人をチェックするときも、営業職ばかり見ていましたね。そんな中、たまたま面談のオファーをくれたのが、サイバーエージェントでした。

当時はサイバーエージェントについて「いろいろな事業を展開している会社」​という​​​認識しかなかったのですが、企業研究を進める中で、事業の幅広さだけでなく、企業カルチャーや理念など共感できるものが多かったので、興味を惹かれて面談に出向いてみました。

すると、人事担当者と話す中で、「バックオフィスの枠もあるから、もし興味があればチャレンジしてみては?」と言われたんです。ちょうどサイバーエージェントが​財務経理​​​も募集していたようなのですが、バックオフィスは特に考えていなかったので「​財務経理​​​という道もあるのか」と驚きました。

銀行での仕事と、財務経理の仕事は、共通点はあるものの真逆です。そして銀行とサイバーエージェントを比べると、社風やカルチャーも真逆。ただ、どうせ転職をするなら全く新しい会社、職種へチャレンジしたいという気持ちが強くなりはじめ​ました。​​​企業研究なども通して、仕事を楽しみながら働いている人が多いとも感じ、そのような環境の中で自分も働きたいと思い​、​入社を決めました。

ー実際に入社してみて、事前に思い描いていたイメージとギャップはありましたか?

高本:いえ、特にギャップを感じることはありませんでした。事前に思い描いていた通り、皆さん自身の仕事に真剣に向き合い、楽しみながら働いていると感じました。

入社する前は「独特のノリがあるのかな」と漠然と思っていたのですが、決してそんなことはなく、実際は人当たりがよくヒューマンスキルが高い人が多いのが特徴です。

​​​そうした人として魅力のある人が、また魅力ある人を引き寄せ、それが文化となり、人材要件として根付いたのだと思います。

未経験なのにいきなり大役を任されたことが大きな自信に

―現在は財務周りをメインに担当されているとのことですが、財務の仕事でやりがいを感じる点と、大変だと感じる点を教えてください。

高本:お金は会社にとって血液です。財務経理は、その血液たるお金をきちんと管理し、うまく循環させる役割を担っています。

サイバーエージェントは売上高数千億円の規模があり、東証プライム市場上場企業でもあります。このような社会的インパクトの大きい大企業の「血液部分」を担うのは、責任は重いものの​、​それだけやりがいも大きいと感じます。

とはいえ、大変なことも多いのも事実です。例えば、サイバーエージェントのグループ会社は​90​​​社ほどありますが、財務担当である私の少しの判断ミスやオペレーションミスで、​​最悪の場合​、​​​子会社の資金がショートしてしまう可能性だってあります。もちろん、そのようなことに陥らないよう、何重にもフィルターをかけてリスク回避していますが、それだけの責任を背負っているのだと​​常に自分に言い聞かせています。

だからこそ、決して安易な判断はできないし、たとえ小さなことでも会社全体への影響を​​熟考したうえで決断しなければなりません。ときに心身がすり減るような思いをすることもありますが、一方でそ​の分​​​やりがいのある仕事ができている喜びも感じますね。

―今までのキャリアの中で、一番の転機となったことは何ですか?

高本:サイバーエージェントに転職してきた当初のことです。

銀行​での​経験を活かすべく、金融機関周りの業務​​は全て​​巻き取ることになったのですが、実は当時のマネージャーから突然「今日からこの会社のありとあらゆる金融機関の業務は高本に任せるから!全て巻き取ってね」と言われたんです。財務未経験の転職者に、いきなり役割を任せてくれる思い切りの良さ。これで緊張感が一気に吹き飛びました。

本来、入って来たばかりの未経験者に重要な業務なんて任せにくいはず。多くの組織では「徐々にシェア」「小出しで様子見」にすると思います。にもかかわらず、​​​最初から​大きなミッションを与えてくれたのがありがたかったですね。進むべき方向性が明確になったことで、すぐに迷わず走り出すことができ、自信にもつながりました。明確なミッションをお互い​​が同じ解像度で見ることの重要性に気づいた瞬間でもありま​す​​​。

会社のためにさらに成長し、価値を提供し続けたい 

―高本さんが今後目指しているキャリアを教えてください。

高本:未経験の自分をここまで育ててくれた恩義があるので、これからもサイバーエージェントに対して何らかの形で、組織貢献をし続けたいですね。自分はまだまだなので、よりスキルアップして会社がさらにいい方向に向かうべく貢献したいと考えています。

社内では「目標は目線高く、足元は愚直に」という言葉がよく使われます。私も、会社の目指す方向や理想像などを常に意識し、視座を​上​​​げながらも、いま自分が任されているチームの管理やミッションは愚直にやり切り、足元を固めたいですね。

サイバーエージェントは今後も、時代の流れを読​んで​​​新たな事業を創出し、変化し続けながら成長する​​と思​って​​​ます。それを支えるべく、大きな変化や攻めのチャレンジに耐えうるバックオフィス体制を早急に整えたいと考えています。経営からのオーダーがあればすぐに最適解が出せるガバナンスを徹底的に磨きたいですし、攻めのスピードと並走できるぐらいの「​護り​​​のスピード」も確立したい。財務経理全体で、サイバーエージェントのチャレンジと成長を支えられるようになりたいですね。

―そんなチャレンジングな財務経理部門に、興味を持つ人も多いと思います。どういう経験・スキルを持った人であれば活躍できるでしょうか?

高本:現在は財務経理部門の基盤が固まり、さらなる強化を目指している時期なので、「サイバーエージェントで働きたい」という熱い思い​の​ある人と仕事がしたいです。

そのうえで、「素直でいい人」を採用することを特に心がけております。どんな立場の人とも気持ちのいいコミュニケーションができる人、他者からの意見を素直に受け入れられる人であることが重要です。

また「変化対応力」も必要だと考えております。事業が変わり、会社が変わり、当社を取り巻く社会もどんどん変化する中で、働く社員自身も変わっていく必要があります。自身に足りないものを見つけ、スキルアップの努力を怠らず常にアップデートし続けられる人にぜひジョインしてほしいですね。

高本:サイバーエージェントは1998年に設立され、27年目になりました。現在は人事制度や福利厚生、オフィス環境など、働きやすい環境が整備されていて、透明性も高いクリーンな会社です。

一方で、誰もが常に挑戦できる環境があり、その挑戦を継続できる体制も整っています。「○○がやりたい」と手を挙げれば希望が聞き入れられ、チャレンジを全力で応援してくれますので、熱い気持ちのある人には非常に魅力的な環境だと思います。

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。