求人票にない企業の本音。言葉にならない候補者の想い。その交差点から、未来の可能性を広げる。

『RECRUIT DIRECT SCOUT HEADHUNTER AWARD 2025』にて、「ハイクラス部門(年収800万〜1200万)」第1位を受賞した、株式会社コンフィデンス・インターワークスの小澤ゆきのさん。企業・候補者の双方から特に評価されているのは、求人票だけでは見えてこない企業のニーズを掘り起こす力、候補者の想いや不安を言語化していく力です。その支援姿勢からは、単なる“背中を押す存在”ではなく、「一緒に可能性を広げていく伴走者」としての在り方が伝わってきます。今回は、そんな小澤さんのキャリアの歩みと、転職支援に込めた想いを伺いました。 

小澤ゆきの

求人はこちら

本当に必要な選択肢を届けられる人でありたい。

── 前職は人材業界ではなかったそうですね。

新卒では、Webリスクコンサルティング会社に営業職として入社しました。企業のブランドや信用を守るため、検索エンジンの表示対策やSNS上の風評監視など、いわゆる「レピュテーションリスク」に関するソリューションを提案していました。営業スタイルはアウトバウンドが中心で、1日に100〜150件の電話をかけるのが当たり前。アポイント取得数や決定率を常に意識しながら走り続ける日々でした。正直に言えば大変でしたが、この経験を通じて「粘り強さ」や「結果に向き合う姿勢」が自然と身についたと思っています。また、カスタマーサクセスのポジションも担当し、受注後の企業に対してSNS監視の運用支援や、新たな課題に応じた追加提案なども行っていました。提案から運用まで一貫して関わる中で、お客様から「困ったときに相談したい相手」として見てもらえる喜びを知ったことは、今の人材支援にも通じています。 

── 人材業界への転職を決めた理由を教えてください。

前職でも、やりがいを感じる瞬間はたくさんありました。ただ一方で、「提供できる選択肢が自社サービスに限られる」というもどかしさも抱えていました。お客様の本当のニーズと、必ずしも一致しないケースもある。けれど営業である以上、「この中から選んでください」と提案せざるを得ない。その葛藤が、少しずつ積み重なっていったのです。そんな折、人材紹介業に携わる知人から話を聞く機会がありました。「エージェントの仕事は、企業と候補者、それぞれの想いや背景に寄り添いながら、人生の大きな節目に関われる仕事なんだ」。その言葉に本質的な魅力を感じ、「本当に必要な価値を届けられる環境で働きたい」という想いが芽生えました。そして入社を決めたのが、コンフィデンス・インターワークスです。 

中でも弊社が、企業と候補者の両方に関われる“両面型エージェント”であることは、私にとって大きな魅力でした。一方通行ではなく、双方の想いや課題をつなぐからこそ生まれる納得感がある。前職で感じていたジレンマを解消しながら、より本質的なマッチングを追求できる点に惹かれました。さらに、取り扱う案件の8割以上がミドル〜ハイクラス層であることも、決め手のひとつでした。前職では経営層と接する機会も多く、相手の視座に立って物事を考える力を培ってきたつもりです。その経験を活かして、戦略的な支援ができると感じました。 

求人票には書かれない「リアル」を伝える。 

── 入社後すぐに、専門性の高い領域を担当されたそうですね。

入社後の1年間は、化学業界を中心とした技術職を主に担当しました。文系出身で、人材業界も未経験だったため、最初はどのような職種があるのかを知ることからのスタートでした。当然、知識もなく不安だったのをよく覚えています。そこで私は、「わからないことは素直に聞く姿勢」を徹底しました。「この職種はどんな役割を担っているのか」「使うツールは何か」「現場で起こりやすいトラブルは何か」など、一つずつ丁寧に確認しながら、知識を積み重ねていきました。自分自身がしっかりイメージできるよう、解像度を少しずつ高めていくことを意識していましたね。

── 企業側との関係性づくりも、意識されてきた点ですね。

はい、私は「求人票だけでは、本質的なマッチングはできない」と考えています。求人票に記載されているのは、あくまで“最低限の情報”に過ぎません。その背後には、チーム体制の変化や職場の雰囲気、求められる人物像の微調整など、言語化されていない“変化する背景”が常に存在します。だからこそ、企業の人事担当者や現場責任者と密に連携し、日々の対話を通じてそうした背景を掘り下げていくことを大切にしています。「組織変更があった」「方針が微調整された」「評価の観点が変化した」といった小さな変化も見逃さず、候補者には“その時点での最新のリアル”を届ける。さらに、面接官の人柄や質問傾向の情報も事前に把握しておくことで、「この会社では、こういった点が重視されます」と具体的にアドバイスが可能になります。そうした入念な準備の積み重ねが、候補者の自信や言葉の説得力につながり、より納得度の高い選考結果へと結びついていくと考えています。

── 現在は、どのような領域を担当されているのでしょうか。 

主にエネルギー業界を中心に担当しています。以前に化学業界の技術職を担当していた経験から、エンジニアリング会社のプラントエンジニアや施工管理といった技術職の支援も継続しています。また担当している企業においては、技術職に限らずバックオフィス系や営業職等幅広くご支援しております。 

ヘッドハンターは、可能性を広げる伴走者。 

── これまで印象に残っている支援事例を教えてください。

食品系プラントの設備エンジニアとして長年活躍されていた方を、水素関連の化学プラント設計職へご推薦した実績があります。本来は化学プラントでの実務経験が求められるポジションでしたが、その方の図面設計スキルや工程管理の知見、現場で培った対応力を見て、「きっと活躍できるはずだ」と感じました。企業には「こういう観点でスキルを転用できます」と具体的な根拠を示してご提案し、ご本人にも企業の課題や期待を包み隠さずお伝えしました。面接準備にもじっくり取り組み、無事に内定を獲得。入社後も周囲の信頼を得て、今も第一線でご活躍を続けていらっしゃいます。 

また、原子力領域で一定のブランクがあった技術者の方の支援も、強く記憶に残っています。企業は原子力分野の技術者採用を急いでおり、まさにその方のご経験が求められているタイミングでした。候補者の方のこれまでのキャリアや再挑戦への想いを一緒に整理し、企業にも丁寧に背景や魅力を伝えた結果、こちらも内定へとつながりました。「ブランクが不安だったけど、自分にもう一度挑戦するチャンスがあると思えた」とおっしゃっていただけたことは、今でも心に残っています。どちらの支援でも実感したのは、候補者の「これから」に目を向け、ご本人も気づいていない可能性に光を当てることの大切さです。そして、その未来を信じて伴走することこそが、私の果たすべき介在価値だと感じました。

「小澤さんに相談してよかった」と、言っていただくために。

── ヘッドハンターを利用するメリットやコツを教えてください。

「利用するとお金がかかるんですよね?」「紹介されたら、必ず選考を受けなければならないのですか?」といったご質問を受けることがありますが、それらはすべて誤解です。もちろん費用が発生することはありませんし、選考途中・内定獲得後の辞退もまったく問題ありません。むしろ、ヘッドハンターを通すことで、非公開求人に出会えたり、応募先企業に関するリアルな情報が得られるなど、メリットがたくさんあります。 

また、スカウトを受け取った際に「この人に相談してみよう」と思えるかどうかは、文面の中身が大きな判断材料になります。そのヘッドハンターがどの業界に強いのか、どんな実績があるのか、自分の状況に寄り添った提案をしてくれそうか。そういった視点で見ていただくと、自分に合ったパートナーが見つかりやすくなるはずです。まずは気になったヘッドハンターと、気軽に話してみることから始めてもらえたらと思います。 

── 小澤さんは面接対策に力を入れていると伺いました。

私にとって面接対策は、単に質問への答え方を教える場ではなく、候補者自身が自己理解を深める大切な機会だと捉えています。ハイクラス採用の場合、これまでの成果だけでなく、組織をどう動かすか、異なる価値観をどう受け入れるかなど、より高度な観点も問われる場面が増えます。そうした問いに対し、自分の言葉でしっかり語るためには、自身の価値観や行動原理を深く理解していることが重要です。だからこそ私は、面接前に候補者の想いを一緒に深掘りし、「なぜその選択をしたのか」「何に最もやりがいを感じてきたのか」といった視点から丁寧に整理していきます。そして、それを“自然と語れる状態”にして面接に臨んでいただく。そこまで伴走するのが、私の面接対策のスタンスです。

── 日々の仕事の中で、やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

やはり「小澤さんに相談してよかった」と言っていただける瞬間です。転職活動には誰しも不安や迷いがつきものですが、特にハイクラス層の方々の場合、年齢やキャリアの展望、人生設計などの複数の要素を同時に考えなければならないため、その負担はより大きくなります。そんな中で「この人になら安心して話せる」と感じていただけたとき、自分の存在意義を強く感じますし、「信頼に応えたい」という想いも自然と湧いてきます。「知らない会社だったけど、受けてみたいと思えた」「面談を通じて、大事にしたい考えや希望の整理ができました」――こうした言葉をかけられるたびに、人の可能性を一緒に見つけ出し、信じていくヘッドハンターの仕事の意義を、あらためて実感しています。

ベストな転職タイミングも、一緒に見つけていきましょう。

── 最後に、転職を考える方へのメッセージをお願いします。

今すぐ転職をする必要はなくても、「どんな選択肢があるのか」を知ることは、自分のキャリアを見つめ直すうえで、とても意味があると思います。実際にお会いする中でも、「まだ転職するつもりはないけれど、話だけ聞いてみたかった」という人は少なくありません。私は、そうした方々にも誠実に向き合いたいと思っています。半年後でも、1年後でも構いません。信頼できる誰かと話すことで、自分の価値や可能性に気づけることもあります。そして気持ちや考えが整ったそのときに、納得して次の一歩を踏み出す。それが理想の転職タイミングだと考えています。これからも、リアルな情報と信頼を大切にしながら、一人ひとりと丁寧に向き合い、企業と候補者をつなぐ存在であり続けたいです。 

 

求人はこちら

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。