国家の安全保障を支え続け90年超。最先端のテクノロジーと向き合い、チャレンジできる環境とは

「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現」をパーパスとして掲げるNEC。そんな同社において、90年以上にわたって国の安全・安心を守るソリューションを提供し続けているのが、現在の「エアロスペース・ナショナルセキュリティビジネスユニット」である。
いつの時代にも最先端領域を拓いてきた事業は、今まさにNECグループ全体をリードしている。

本稿では、同ビジネスユニットにおいて電波収集の技術開発にあたる相摸杜武さんに話を聞いた。
エンジニアとしての成長、ここでしか経験できないこと、そして働く環境について……。
転職からまだ1年2か月あまりというフレッシュな視点は、NECをどう捉えているのだろうか。

相摸 杜武

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AIやセキュリティに軸足を移したNECで、ソフトウェア技術を磨きたい

── NECに転職する前は、どんな仕事をされていたのですか?

大学では電気電子工学を専攻し、大学院では、原子分子レベルの質量を測定する質量分析装置の研究開発に取り組んでいました。電気電子工学とセンシング技術の知識を活かしたいと考えて大手メーカーに新卒入社し、計測機器の開発に携わっていました。筒の中を通る流体の量を測る流量計です。

身近なところでいうとガスメーターのようなものですが、私が担当していたのは家庭向けではなく、主に発電所や浄水施設、下水施設などのインフラ関連や工場などで使われる計測機器になります。たとえば医薬品や飲料の製造現場で使う流量計では、異物混入への対応やトレーサビリティも求められました。

── やり甲斐のありそうなお仕事だと感じますが、入社約2年半で転職を選択した理由はどんなところにあったのですか?

世の中の人々の生活を支える製品の開発に携われることには、確かに意義を感じていました。ただ、製品の特性上、既存製品の整備などがメインの仕事になり、新製品開発などを通じたエンジニアとしての技術力研鑽が難しい環境に、物足りなさを覚えるようになったのです。

もう1点、前職ではハードウェア設計を担当していましたが、近年話題のAI技術などはソフトウェアの領域であり、技術革新の速さや柔軟性に魅力を感じ始めていました。きっかけは、他部署で3か月研修した際、SIのような事業部で目にした光景です。自ら開発したソフトウェア商材をサブスクリプションで販売するというビジネスモデルも、開発のスピード感や職場の活気も、売上の急激な伸び具合も、すべてが新鮮であり驚きでもありました。

そこで、社内での異動願いも考えつつ、ITやソフトウェアの技術者を目指していける会社を探すことにしたのです。

── そうして、2024年6月にこちらに来られたわけですが、NECに惹かれたポイントはどんな点ですか?

大手メーカーや通信会社なども受けた中で、もっともピタッとはまったのがNECです。まず、募集の段階で、「防衛分野での電磁波センシングシステムなどを開発する部門」と明示されていましたから、大学と前職で培ってきた経験が活かせるに違いないと思いました。

加えて、ソフトウェアにかなり力を入れているのも決め手の一つです。NECは過去に経営危機に陥ったことがありますが、DXによるさまざまな構造改革により乗り越えてきました。通信技術やAI、セキュリティなどの強みをさらに磨き、社会インフラや企業のDXを支援するビジネスにシフトしたのです。ソフトウェアのエンジニアを志した自分にとって、これほどの環境はありません。

世界トップレベルの技術者たちとの、ローマの夕べ

── 前職の「社会インフラ」から、「防衛装備」へと分野が様変わりしました。それはどう感じていますか?

なんとなくのイメージで誤解されることもありますが、あくまで「防衛」であって、我が国を守るものです。以前は社会インフラで生活を支えていた、今度は防衛装備品で日本の安心を守っている。どちらも世の中のために貢献している点では、そう変わらないと思っています。

大きく異なるのは、触れられる技術レベルの高さです。同じビジネスユニット内で扱っている人工衛星もそうですが、開発テーマが「宇宙」や「防衛」となると、そこに求められる技術は最先端でなければなりません。国際間の開発競争も熾烈ですから、世界でもっとも優れたものを目指す技術開発に、つねに携われるのです。

まずは、電波を収集して解析するシステムの開発に取り組んでいますが、もちろん最高峰の技術を提供することが、私たちのチームに課せられたミッションです。

──機密上、言えないことも多いと思いますが、防衛装備庁が電波収集機という無人飛行機の情報を公開しています。これに搭載するシステムをつくっているのですか?

陸上・海上・航空とさまざまな場所で電波収集は行われますから、当部としては、その環境に適したプラットフォームに搭載できるシステムを提供しています。現在は、数十人規模で数年かかる、かなり大掛かりなプロジェクトに携われています。

明確に言えるのは、仕事の範囲が大きく変わったことです。前職では、図面作成等の設計業務のみが仕事でした。いまは、要素技術の研究開発、製品開発、お客様との調整、提案活動といった幅広い業務を任せられています。

──そうした中で、「NECに来て、この仕事に就けてよかった」と思う瞬間はありますか?

入社から8か月の頃、防衛技術の学会がローマで開催されることになりました。「今年は誰が行く?」という部長の声にすかさず手を挙げて、「よし、頼んだぞ」と送りだしてもらいました。防衛関係の名だたる他メーカーも含めて、オールジャパン体制で渡航したのです。昼は学会に出席してEU連合の防衛意識の高さと連帯感に触れ、夜は参加者たちと情報交換をしながら会食する。じつに貴重な体験に恵まれた5日間でした。

前職のメーカーでは、海外出張というと現地工場のある東南アジアがメインで、私は技術指導する側でした。NECに来てからは、技術先進国の学会に足を運び、世界中のエンジニアからいろんなことを学べている自分がいます。いい刺激にもなりますし、入社して本当に良かったと感じている一つです。

余談ですが、NECには出張時に休暇を繋げられる制度があります。これを活用して、渡航先のイタリアで2日間の休暇を過ごしました。仕事だけに埋没せず、働くことを愉しんでいけるようにという会社の意図の通り、オフの時間も満喫してきました。

都心でも、郊外でも。業務や都合に応じて働くオフィスが選べる

── 勤務形態について、以前と変わったところなどありますか?

エアロスペース・ナショナルセキュリティビジネスユニットの主な拠点は府中事業場ですが、他にも川崎市にある玉川事業場や港区にある本社ビルなど、防衛の情報を扱える事業場がいくつかあります。たとえば、出張帰りや都心の顧客との打合せの際には、そのまま港区の本社に立ち寄って仕事ができる。通勤時間が長い社員は、打合せのとき以外は通いやすいオフィスで仕事をして構いません。自由に働く場所を選び、フレックスに時間も選んで働けるので、いい気分転換にもなりますし、開発により集中できる環境だと思います。また、防衛情報は自宅には持ち帰れませんが、開発業務以外の事務処理、教育の受講などにあてる日は、在宅勤務も可能です。

── 入社から1年2か月になりますが、そのなかでの変化などはありましたか?

私の場合は前職がハードウェア開発でしたから、ソフトウェア開発に対するハードルは感じていました。当社では、ビジネスユニットとしての定期的な研修や技術者向けのさまざまな教育メニューにより、主体的に必要な知識を身に付けることができます。その一方で、教育では身に付かないNEC独自の技術やお客様への説明で培われる知識なども学ぶ必要があり、幅広い知識をどのように学んでいけばいいか、逆に悩んでしまった時期もありました。

ある日、顧客との打合せの帰り、同行していた上司がこう言いました。

「今日のプレゼン、しっかり説明できていて、良かったよ。大丈夫、いまのままで進んでいけばいい」

入社後の定期面談で悩みを相談していたのですが、ずっと様子を見守っていてくれたのです。自分の力が試されるプレゼンという場の直後に声をかけられたことで、ストンと腹に落ちるものがありました。

はたして自分は、自身の成長や顧客のため、チームのために役に立てているのだろうか。じつは、そんな疑問を抱いていた日々が続いていましたが、「そうか、ここに来てやってきたことは、間違っていなかったんだ」と、少しずつ自信がついていきました。

── 最後に、相摸さんのように「NECという新たな舞台でチャレンジしたい」という技術者の方に向けて、メッセージをお願いします。

これからキャッチアップしないといけない部分もたくさんあると思いますが、そうした点もNECで働く魅力に含まれると捉えています。AI通信、セキュリティなど成長分野の最新技術に果敢に投資していて、売上も伸ばしているからこそ、次のチャレンジも可能になる。そんな好循環が巡っている環境だと思います。キャッチアップの必要性があるからこそ、自分自身も成長できるのです。公私とも充実しつつ、自分の技術力を磨いていける。将来きっと活躍する技術者になれると思います。私自身、まずは防衛という分野の製品開発を通して、技術者としてのスキルを磨いていきたいと思います。

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