創るのは、誰もが平等に機会をつかめる社会。

「世界中に、もっとフェア・トレードを」。それが、株式会社MOTAの掲げるミッション。同社は2019年に車買取の入札制一括査定サービス『MOTA車買取』を生み出し、成熟市場と言われていた業界に最後発で参入しながら、査定台数トップを誇るほどに成長を遂げました。第二創業期を迎えた今、さらにギアを上げて自動車以外の領域にも公正な取引(=フェア・トレード)を拡げていく挑戦がはじまっています。挑戦を率いるのは、27歳で起業家人生を歩み出し、MOTAの社長就任後に赤字続きだった経営を僅か1年で黒字へと導いた代表の佐藤大輔氏。現在の仕事観に繋がる幼少期の原体験から、事業再生までのストーリー、サービス開発の舞台裏、そしてMOTAが向かう未来像までを語っていただきました。

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発明少年から起業家へ。挑戦を貫いてきたキャリア。

── 今の仕事観に繋がる原体験はあるのでしょうか。

小学生時代の私は“将来の夢”がテーマの自由作文に“発明家”と書くほど、新しい物事をアレコレと考えることが好きでした。なかでも「大発明だ!」と誇らしく思ったのは、学校で遊べるRPGです。当時は『ドラゴンクエスト』が流行っていましたが、我が家でプレイできるのは1日1時間まで。学校でもドラクエができないか?と考え、ノートにダンジョンを、鉛筆の角に攻撃ゲージを書き、“1が出たら通常攻撃、6が出たら会心の一撃”といったルールのゲームを思いつきました。これは画期的だと友達にウケて、たちまち学年のブームに。自分の発想でみんなが喜んでくれるのが嬉しくて、新しいモノを生み出して沢山の人を喜ばせたいという、今の仕事観につながっていると感じています。

また、会社を経営していた祖父の影響も大きいと思います。自宅兼職場の隣に従業員寮がある環境で、社員たちとの交流を間近に見て育ってきました。普段は穏やかで優しい祖父が、経営者として人を率いて何かを成し遂げようとする姿が、少年の私の眼に格好良く映ったのです。漠然とですが、ビジネスへの憧れは当時から抱いていました。

── 起業を意識しはじめたきっかけはあったのでしょうか。

大学生になった頃、Windows 98の登場に衝撃を受けました。これまでテレビや雑誌から一方的に情報を伝えられる側だったのが、自分から世界に発信できるようになった。何かできるかもしれないとワクワクして、インターネットを使って事業を興してやるぞという想いが湧きました。まずは初歩的なHTMLやJSを独学で勉強して、友人と集まって夜通しアイデアを語り合いました。しかし、学生の知識には天井があり、熱意はあるもののマネタイズまでには至らず。結局、次第に本気で向き合うのは数人だけになり、やがて仲間はそれぞれの進路を歩んでいきました。私も一度は就職をしてビジネスを学ばなければと思い、当時インターネット業界で頭角を表していた、人材ビジネスを手掛ける企業に入社します。

はじめは全員営業と言われていましたが、“発明”にこだわりたかった私は、どうしても商品・サービスを生み出す部署に行きたかった。そこで、入社後は開発部に入るために役員のメールアドレスを突き止め、新サービスの企画案を毎月2本送り続けるという作戦に出ました(笑)。返事はなかったのですが、新人の配属発表の際に「佐藤はうちがもらう、商品・サービスを開発する部署に配属だ」と名指しで告げられたのです。役員から「企画は大したことないが、熱意は伝わった」と言っていただきサービス開発に携わることになります。当時の世相は、紙媒体からWEBへと急速にシフトする真っ只中で、事業全体が根本からデジタル化されていきました。そのダイナミズムのなかで求人広告のシステム開発に携わり、ユーザーが気持ちよく利用できるUIや業務を効率化させる仕組みをゼロから設計した経験は、後に繋がる大きな財産になりました。5年間みっちり学んだ後、自分のサービスをつくろうと一度目の起業に挑みます。

── どのような領域で起業をされたのでしょう。

車好きだったこともあり、最初は中古車業界でサービスを立ち上げようと考えていましたが、先発組かつ大手が市場シェアを占めており、到底敵いませんでした。発想を転換して「バイクはどうだ?」「それも、海外メーカーに絞れば?」と、当時国内人気が高まりはじめていたアメリカンバイクに特化したマッチングプラットフォームをつくりました。ロゴや車両画像の使用許可をいただいてからは、販売店と契約を結ぶため津々浦々のバイク屋にひたすら営業に向かう毎日。中古車検索コンテンツとWEB記事を充実させたことでユーザーが増え、バイク愛好家の間で反響を呼び、業界関係者からは「もっと色んなメーカーの専門サイトも欲しい」と声がかかるほどに。バイク領域ではトップレベルのプラットフォームに成長させることができました。その矢先、投資会社から「会社を売ってほしい」と声がかかったのです。

リーマンショック直後、IPO(新規株式公開)が難しい時期で、大企業が市場に出ない有望企業を買収して成長の糧にする機運が高まっていました。この事業をより高いステージへ引き上げてくれるパートナーだと確信し、信頼して会社の売却を決断。この一連の成功体験を通して自信を得て、将来的にもっと大きな規模で世の中に貢献できるサービスを開発したいという想いが芽生えます。次のステージへと進むためには、人力に頼りすぎず、品質とスピードを両立させながら回るプロダクトの設計力を身につける必要がある。その修行先として、数々の大規模プロダクトを走らせていたリクルートで学ぼうと転職を決意します。

── そこから、MOTAの社長就任にどのように繋がっていくのでしょう。

転職後、新規事業開発部門でチームを持たせていただき、いくつかの新サービスを立ち上げる機会を得ます。この時期に顧客起点の発想や、事業や組織についてのあらゆることを叩き込まれました。そして、3年ほどリクルートで働くなかで「そろそろ次の挑戦をしたい」という気持ちが強まっていきました。もう一度、リスクを背負う環境で挑もうと、再び起業に踏み切ります。

二度目の起業は、訪日外国人向けの旅行Webサービスでした。立ち上げ時は苦戦しましたが、何とか黒字経営を維持できはじめた頃、とある事業会社から買収オファーが入り、再び売却を決断します。

それからほどなくして、オートックワン(現・MOTA)から社長就任を打診されました。しかし、私は一度断ります。その理由は二つありました。一つはリクルート時代に自動車業界の流通構造を調査して「この分野での挑戦は相当難しい」と痛感していたこと。そして、同社が赤字続きで経営環境が厳しい状況だったからです。しかし、断るという判断を下した後、振り払えないモヤモヤが残りました。勝率の高い戦いばかりを選ぶのは、本当の挑戦と言えるのか?インパクトある挑戦、社会課題を解決するほどの挑戦は、難しくて当然じゃないか——。自問自答の末に、「自分が会社を建て直します」と誓って社長を引き受けたのです。

再建の誓い、折れかけた心、コアビジネスの誕生まで。

── 2018年にMOTA再建を託され、1年で赤字会社を黒字化。具体的にどういった取り組みをされたのですか?

決して派手なことではなく、既存事業の立て直しからはじめました。幸いにも自社サイトやメディア事業など、伸びしろのあるプロダクトがいくつか残っていました。まずは収益性の低い取り組みをストップさせ、ポテンシャルのある領域にリソースを集中させる。サービス内容を見直してユーザー満足度を上げていく。そうした地道な改善を重ねた結果、就任1年目で黒字転換を実現できました。赤字続きで士気が沈んでいたメンバーも自信を取り戻し、私も念願だったサービス開発とその拡大に挑戦しようと意気込んでいました。しかし、この後すぐに大きな困難が待ち受けていました。

── 順風満帆に見えましたが……、どのような困難に直面されたのでしょう。

中古車の一括査定プロセスにおける、“非効率と不透明さ”を解消する新サービスを作ろうと、『MOTA車買取』の前身となるプロジェクトを立ち上げたのです。従来の一括査定は一度に複数店へ査定を依頼できる便利さがある反面、申し込んだ途端に何十社もの買取業者から営業電話がかかってくるデメリットがありました。ひどい場合は数十件以上の着信があるとも言われ、お客様の大きな“不満”になっていました。また、一括比較と謳いながらも、実際には比較できていない課題もありました。オンライン上では具体的な価格提示がなく、結局は家まで来てもらって査定してもらう必要がある。多くのお客様は相場観が分からないまま、最初に来た買取業者に売ってしまいます。つまり、価格や品質ではなく、スピードだけの競争になっている抜本的な問題があったのです。その構造は、お客様にも、買取業者にとってもフェアじゃないと考えました。

そこで、電話が来ない一括査定ができるサービスを考案しました。具体的には、お客様の情報を一切渡さず、車両情報だけを出して全国の買取店に入札してもらう。締切後、提示額のランキングだけを見せる。電話連絡は原則禁止という仕組みです。しかし、これが驚くほどうまくいきませんでした。何度ピボットしても状況は好転せず、社内では失望感が漂いました……。白状すると、私自身も心が折れかけていました。

── どのように乗り越えられたのでしょうか?

メンバーには「ごめん、作戦を練り直す」とだけ伝え、一人で箱根の温泉宿に籠りました。すると、2日目か3日目の明け方に、非接触すぎるのでは?とひらめきました。ユーザー視点に立ち返って考えを巡らせた結果、完全非接触という極論の設計が、かえって“不便”になっていたことに気づきます。ひっきりなしにかかってくる営業電話が不満なのは事実、しかし全く連絡が来ないのも不安。相手が見えないのは信頼性に欠けるし、誰にも相談できないため決めきれない。そこで、やり取りは最小限だけど、確実に比較できる落とし所を探りました。すぐに東京に戻り、ラストチャンスのつもりで皆に頼みました。誰一人弱音を吐かず、全員が最後の砦を守るような熱量で取り組んでくれて形にすることができました。こうして誕生したのが『MOTA車買取』です。

世の中の“不(不便・不満・不快)”をなくす『MOTA車買取』の革新性とビジョン。

── 従来の一括査定サービスと『MOTA車買取』の違いを教えてください。

『MOTA車買取』の特徴は、お客様と買取業者の公正な取引を実現したことです。その仕組みは、はじめに車を売りたいお客様の個人情報は開示しないまま、全国最大20社の買取店に入札形式で査定額を提示していただきます。高額を提示した上位3社のみにだけお客様の連絡先を開示し、そこから商談がスタートします。これなら20社分の提示額を比較できる上に、営業電話も最大3社からしかかかってきません。スピード勝負にならず、かつたくさんの候補から比較検討して高く売れるという、双方が納得のいく構造をつくれたと自負しています。リリース当初から「電話が減ってストレスがない」「納得の価格で売れた」と高い評価をいただきました。

── 現在は『MOTA不動産』を筆頭に事業拡大を進められています。他にはどんな領域があるのでしょう。

2024年、MOTAは新たに『世界中に、もっとフェア・トレードを』というミッションを掲げ、第二創業期の挑戦を本格化させています。根底には、世の中の“不”(不便・不満・不快)をなくしていきたいという想いがあります。誰もが正しい情報にアクセスでき、平等に価値を掴める社会を実現することが私たちのビジョンです。自動車領域で培った成功モデルを他領域に展開し、フェア・トレードの輪をもっと世界中に広げていく。そのために、臆さずどんどん仕掛けていきます。

私は自動車領域以外にもまだまだ“不”は残っていると考えています。不動産購入や転職活動といった、人生で何度も経験しない重要なイベントにこそ、情報格差や不透明さがあるのではないでしょうか。そうした考えのもと、『MOTA不動産査定』という新たなマッチングサービスをリリースしました。その先には、他領域のサービスが生まれる可能性も十分あり得ます。

“Move On, Travel Around” 挑戦と探究のカルチャー。

── 社員同士の「共創」を促す組織づくりを大切にされていると伺いました。

共創を促すには、誰もが発想や想いを届け合える環境であるべきです。それを促す一つの例が “Pizza MOTA”。 部署や役職の垣根を超えて、若手から役員まで、関係値を深めながらカジュアルに意見を交わせる場があります。また、トップダウンで方針を伝えるのではなく、一人ひとりがビジョンを描いて自走できるように、全社員でMOTAの未来についてディスカッションする『Shared Vision Meeting』を実施しています。

意思決定のスピード感も落としません。いい事業案があれば、現場の判断でどんどん進められるように裁量を与えています。MOTAの社名は、“Move On, Travel Around”という言葉からできています。つまりは、挑戦と探究。明確な答えのない状況で、自分なりの仮説を立てて検証し、トライ&エラーを繰り返して修正していく。その失敗は会社が受け止めます。メンバーも不確実性を楽しめるマインドの人ばかりです。

個人の努力や気質に委ねるだけではありません。私自身が起業や前職での経験で思い知ったのは「事業は結局、人がつくる」という事実。だからこそ、スキルアップ研修や資格取得の奨励、外部講師を招致する勉強会『Study MOTA』など、一人ひとりの力を最大化させる仕組みや費用の補助を常に充実させています。

Message:未来の仲間へ、この壮大なミッションに名を刻んで欲しい。

── 最後に、これからMOTAでのキャリアに挑戦しようとする方々へメッセージをお願いします。

私たちは今、世の中に深く根づくあらゆる課題に、真正面から向き合おうとしています。その挑戦は自動車を超え、人々の人生に関わる領域へと拡がっています。常識を疑い、前例のない仕組みをゼロから創る道は、決して平坦ではないでしょう。だからこそ、面白い。

ここには、誰も見たことのない景色に辿り着こうとする仲間に溢れています。あなたの心に、「世界に新しい価値を生み出したい」「社会をもっと良くしたい」という想いがあるなら、ぜひ扉を叩いてください。MOTAが挑戦の舞台になるはずです。「誰もが平等に価値を掴める社会」を叶えに行きましょう。この壮大なミッションにあなたの名を刻んでください。

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※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。