
工作機械業界の中でも、中村留精密工業株式会社は独自の存在感を放つ企業です。複合加工機に特化し、いくつもの国で高いシェアを獲得する同社は、単に機械をつくるのではなく、「現場の負担を削る」ことを起点に価値を磨いてきました。ハードだけでなくソフトウェアや自動化領域まで自社で踏み込み、顧客の生産現場を根本から変えていく。その挑戦を牽引するのが、代表取締役社長の中村匠吾氏です。本記事では、同社が見据える業界の未来、常識にとらわれない開発姿勢、そして技術者が成長できる環境について伺いました。
中村 匠吾
東京大学にて博士(工学)を取得、2015 年中村留精密工業入社。IoT 及びICT システムの開発と工場現場での定着を目指すプロジェクトや複合加工機の新製品及び新機能開発に参画し、2018 年からは専務取締役として自社の主力である工作機械事業を統括。 2022 年4 月代表取締役社長に就任。
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| 年収 | 430~700 万 |
|---|---|
| 会社名 | 中村留精密工業株式会社 |
| 勤務地 | 石川県白山市 |
| 職種 | 機構設計 |
| 年収 | 400~560 万 |
|---|---|
| 会社名 | 中村留精密工業株式会社 |
| 勤務地 | 石川県白山市 |
| 職種 | 組込/制御設計/開発(PLC/ラダー/シーケンス制御) |
| 年収 | 800~1100 万 |
|---|---|
| 会社名 | 中村留精密工業株式会社 |
| 勤務地 | 石川県白山市 |
| 職種 | プロダクトマネージャー |
| 年収 | 430~530 万 |
|---|---|
| 会社名 | 中村留精密工業株式会社 |
| 勤務地 | 石川県白山市 |
| 職種 | その他製品開発(機械/電気/電子製品専門職) |
目次
工作機械メーカーでありながらIT企業でもある

── 貴社の事業について教えてください。
当社の主力は工作機械事業ですが、その中でも一貫して取り組んできたのが複合加工機です。素材から完成品までを一台で仕上げる。この領域にあえて特化してきました。多くのメーカーが幅広い製品群の一つとして扱う中で、私たちは専業に近い形で深く掘り下げてきました。だからこそ複合旋盤の分野では、いくつかの国でトップシェアを獲得し、グローバルでも確かな存在感を発揮できているのだと考えています。
ただ、私たちが目指しているのはシェアそのものではありません。「世界でもっとも高い価値を提供する」という一点です。ここでいう価値とは、単なる性能やスペックの優劣ではなく、お客さまが現場で実感する価値です。顧客満足、単価、付加価値といった指標を通じて、どれだけ意味のある変化を生み出せたかを重視しています。機械の性能向上はあくまで手段であり、現場の課題が解決されて初めて価値になると捉えています。
お客さまが求めているのは、より複雑な部品を、より高精度に、しかも少ない工程で仕上げることです。そのためにはミーリングの加工能力をさらに高める必要がありますし、複雑形状における表面品質の向上も欠かせません。加えて、これまで専用機が担ってきたギア加工のような領域も、複合加工機で実現していく必要があります。こうしたテーマにはまだ大きな伸びしろがあり、技術革新の余地があると見ています。
そして、この「少ない工程で高い価値を実現する」という考え方そのものが、これからの製造業において重要な意味を持つようになっています。単なる加工技術の高度化ではなく、現場の在り方そのものを変えていく。その視点から、私たちは複合加工という領域に向き合い続けています。
── 製造業全体の課題と、それに対する御社のアプローチについて教えてください。
私たちが技術を磨き続けるのは目の前のお客さまのためだけではなく、世界中の製造現場で顕在化している「人手不足」という構造的な課題を見据えた結果です。長期的に見れば、生産年齢人口は確実に減少しており、日本においてもこの30年で約450万人が減っています。これは一国の人口規模に匹敵するインパクトであり、製造業における担い手の不足は、もはや一時的な問題ではなく不可逆的な潮流だと捉えています。さらにその傾向は日本に限らず、海外においても同様に顕在化しています。
だからこそ私たちは、「限られた人に過度に依存しない現場」をいかに実現するかを重要なテーマとしてきました。工程集約を進めることで機械の台数や工数そのものを減らし、少ない人数でも安定して生産が回る状態をつくる。一台の機械が担う役割を広げることで、現場の運用をシンプルにし、属人的な作業からの脱却を図る。この積み重ねこそが、これからの製造業において求められる価値であり、お客さまにとっての本質的な競争力につながると考えています。
── IT分野にも力を入れているとお伺いしました。ソフトウェア領域について教えてください
「限られた人に過度に依存しない現場」を実現していくうえで、もう一つ欠かせないのがソフトウェアの領域です。工程集約を進め、一台の機械に複数の役割を持たせていくほど、その機械をいかに使いこなせるかが現場の生産性を大きく左右します。つまり、ハードの性能を高めるだけでは現場の変革は完結しません。操作性や使い勝手といったソフトの部分まで含めて設計していく必要があります。
実際に、複合加工機は高い能力を持つ一方で、プログラミングの難易度が上がりやすいという課題があります。そこで当社では、そのハードルそのものを下げるために、独自ソフトウェア「Protona」を開発しました。従来は多くのGコードやMコードを理解する必要がありましたが、このソフトによって直感的に扱える環境を実現しています。実際に、これまでプログラム作成が難しかった方でも、短時間で加工プログラムを完成できたケースがあります。
私たちは、工作機械メーカーであると同時に、ソフトウェアを自社開発するIT企業でもあると捉えています。機械の性能を高めるだけではなく、「誰もが使いこなせる状態」まで落とし込んで初めて、価値として成立します。加工技術とソフトウェアを一体で設計することで、現場全体の生産性を底上げしていく。このアプローチこそが、これからの製造業において重要になると考えています。
その根底にあるのが、「本当に削りたいのは材料ではなく、現場の負担である」という考え方です。ものづくりは本来、非常に面白い営みです。その一方で、現場にはまだ多くの負担が残っています。だからこそ、その負担を軽くし、ものづくりの楽しさを感じられる環境を広げていきたい。その実現に向けて、複合加工という領域に向き合い続けています。
この取り組みは単なる製品開発にとどまりません。ITの力も掛け合わせながら、製造業の未来そのものを進化させていく挑戦だと捉えています。
これまでの常識を疑え。答えはお客さまの中にある

── 大切にしている価値観や貴社の特徴について教えてください。
当社の開発において大切にしているのは、業界の常識や慣例にとらわれないことです。といっても、奇抜なことをやろうという話ではありません。あくまで起点はお客さまの現場にあります。何が当たり前とされているかではなく、現場で何が起きているのか、どこに負担があるのか。そこに徹底的に向き合うことが、結果として常識を越えることにつながっているのだと思います。
具体的には、営業、サービス、加工技術といった現場に近いメンバーが日々ニーズを収集し、それをデータベースとして蓄積しています。ただ、要望をそのまま形にすることはほとんどありません。その裏にある潜在的な課題は何か、本当に解決すべき本質はどこにあるのか。そこまで掘り下げて初めて、開発テーマとして成立します。私自身も含めて企画開発のメンバーは、その情報をもとに毎週議論を重ねています。お客さまの頭の中を自分の中に再現できるレベルまで想像できると、何をつくるべきかが自然と見えてくるのです。
独自性についても同じ考え方です。他社と同じことをしていては、価値は高まりません。むしろ、それは他の優れたメーカーに任せればよい領域だと考えています。当社は規模の拡大を目的としていません。目指しているのは、世界で最も信頼され、「どうしても中村留の機械がほしい」と言っていただける存在になることです。そのためには、お客さまにとって意味のある独自の価値をつくり続ける必要があります。結果としてそれが、他社から見て真似しにくい強みになっていくのだと思います。
その思想が象徴的に表れたのが、「NT-Flex」という複合旋盤です。奥行き1.38メートルという、従来よりも一回り小さいサイズでありながら、それ以上の加工能力を実現しています。一般的には、このサイズの機械では難しいとされていたミーリング能力や工具搭載数を両立させており、新しい市場を切り拓くきっかけとなりました。特に印象的だったのは、この1.38メートルという寸法に、開発メンバーが強くこだわったことです。お客さまの工場に導入するためには、このサイズでなければ成立しない。その制約を前提に、メンバーが知恵を出し合い、実現方法を積み上げていきました。結果として、これまでにない価値を持つ製品が生まれたわけです。
さらに当社では、開発の対象を自社製品に限定していません。Bridg3事業部では、IoTや自動化を軸にした「Dr.Tool」や「RoboSync」といった製品を展開していますが、これらは他社製の機械にも取り付けられるよう設計しています。世界中には長年使われている工作機械が数多く存在しており、現場の価値を高めるにはそれらも含めて改善していく必要があるからです。自社の製品だけで完結させるのではなく、業界全体の現場をより良くしていく。その視点で開発を行っている点も、当社の特徴の一つだと考えています。
常識にとらわれないとは、特別なことをするという意味ではありません。現場にとって本当に必要なことを突き詰めた結果、従来の枠を超えていく。その積み重ねこそが、独自の価値を生み出し続ける原動力になっていると感じています。
個の挑戦を、チームの議論で価値へ昇華する

── 社風について教えてください
当社において挑戦は特別なものではなく、日常の延長線上にあります。その起点となるのが、現場から蓄積される膨大なニーズです。営業やサービス、加工技術のメンバーが収集した声はデータベースとして整理され、全社で共有されています。企画開発の場では、その情報をもとに「いま何が求められているのか」「本質的な課題はどこにあるのか」を出発点に議論が進みます。現場に裏付けられたテーマだからこそ、アイデアは具体性を持ち、価値創出へとつながっていきます。
そのうえで大切にしているのが、メンバー一人ひとりの挑戦心と、それを組織で受け止めて磨き上げる議論の文化です。企画はトップダウンではなく、現場から自然と生まれてくるものが中心です。技術部門に限らず、営業や生産など多様なメンバーが集まり、「どうすればより良い形になるか」を起点に議論を重ねます。初手で可能性を限定することはせず、視点を広げながら発想を具体的なアウトプットへと導いていく。このプロセスそのものが、当社の開発力の源泉になっています。
さらに、こうした議論を支えているのが徹底した情報共有です。企画開発の場は定期的に設けられ、各自がテーマを持ち寄ると同時に、会社の状況や課題、財務情報も含めてオープンに共有されています。経営と同じ目線で考えられる環境があるからこそ、個々の提案はより解像度の高いものになります。現場のリアルと経営の視点、その両方を踏まえた議論が、価値ある意思決定を生み出しています。
人事制度においても、挑戦と議論の文化を後押ししています。成果はボーナスに反映しつつ、能力の伸長は基本給や昇格に紐づけています。達成率だけでなく、ストレッチの効いた目標に挑戦した過程や、他部署を巻き込みながら価値を生み出した経験も評価対象としています。個人の挑戦を組織で受け止め、議論を通じて磨き上げていく。その積み重ねこそが、新たな価値創出の原動力になっています。
キャリアは与えられるものではなく、ともに描くもの

── キャリア支援について教えてください。
キャリア支援において大切にしているのは、「どこを目指すのか」というゴールを本人と一緒に描くことです。そのために面談の機会を重視し、目標設定を単なる業務の延長ではなく、個人の意志と結びつけて設計しています。私自身、「世界で一番やりたいことを後押しできる会社でありたい」と社員に伝えています。最初から明確な目標を持っている必要はなく、仕事を通じて見つかることも多いと考えています。大切なのは、それを見つけたときに言葉にできること、そして会社としてそれを実現できる環境があることです。
また、キャリア入社の方には、自分の意見や個性を持ちながら、周囲を尊重してチームで価値を生み出せる方を求めています。個の成長はもちろん重要ですが、それがチームと重なったときに、より大きな成果につながります。強い個が組織の中で活きることで、相乗効果が生まれる。その状態をつくり続けることが、当社のキャリアの考え方です。
現場とともに成長し、価値の総量を広げていく

── 今後の展望と、読者の方にメッセージをお願いします。
今後の展望として私たちが目指しているのは、「現場の負担を削る」という価値の総量を最大化していくことです。一社一社の課題解決にとどまらず、その積み重ねを通じて、製造業全体にポジティブな変化を広げていきたいと考えています。そのためには、お客さまの現場と継続的に向き合い続けること、そしてそこに関わる自社のメンバーが成長し続けることが不可欠です。
仕事の中で「面白い」と感じられる瞬間があり、その経験が成長や達成感につながる。さらに次の挑戦へとつながっていく。その循環が生まれることで、個人と会社は同じ方向を向いて成長していきます。結果として、お客さまの現場に提供できる価値もさらに大きくなっていく。私たちはその好循環を大切にしています。
ものづくりに携わる人の可能性を広げ、現場をより良いものにしていく。その想いに共感し、ともに価値を生み出していける仲間と出会えることを楽しみにしています。同じ目標に向かいながら、チームとして達成感を分かち合える。そんな環境をこれからもつくり続けていきます。

中村留精密工業株式会社が募集している求人はこちら
| 年収 | 430~700 万 |
|---|---|
| 会社名 | 中村留精密工業株式会社 |
| 勤務地 | 石川県白山市 |
| 職種 | 機構設計 |
| 年収 | 400~560 万 |
|---|---|
| 会社名 | 中村留精密工業株式会社 |
| 勤務地 | 石川県白山市 |
| 職種 | 組込/制御設計/開発(PLC/ラダー/シーケンス制御) |
| 年収 | 800~1100 万 |
|---|---|
| 会社名 | 中村留精密工業株式会社 |
| 勤務地 | 石川県白山市 |
| 職種 | プロダクトマネージャー |
| 年収 | 430~530 万 |
|---|---|
| 会社名 | 中村留精密工業株式会社 |
| 勤務地 | 石川県白山市 |
| 職種 | その他製品開発(機械/電気/電子製品専門職) |
| 年収 | 600~750 万 |
|---|---|
| 会社名 | 中村留精密工業株式会社 |
| 勤務地 | 石川県白山市 |
| 職種 | 機構設計 |
| 年収 | 430~800 万 |
|---|---|
| 会社名 | 中村留精密工業株式会社 |
| 勤務地 | 石川県白山市 |
| 職種 | 機械フィールド/サポートエンジニア |
| 年収 | 430~700 万 |
|---|---|
| 会社名 | 中村留精密工業株式会社 |
| 勤務地 | 東京都江戸川区 |
| 職種 | 機械フィールド/サポートエンジニア |
| 年収 | 430~700 万 |
|---|---|
| 会社名 | 中村留精密工業株式会社 |
| 勤務地 | 大阪府東大阪市 |
| 職種 | 機械フィールド/サポートエンジニア |
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。