地方から、世界が驚くモノづくり。東洋ビューティで叶えるU・Iターンキャリアの最適解。

■生産本部 山口剛史本部長(写真右)と𠮷尾公男副本部長

化粧品メーカーの委託を受け、企画~デザイン~設計~開発~製造~納品までを請け負う化粧品ODM・OEMのリーディングカンパニーとして、日本の地方から世界基準のモノづくりを発信する東洋ビューティ株式会社。今回は、同社の生産部門を牽引する生産本部の山口剛史本部長と、𠮷尾公男副本部長の2人をお迎えしました。関東に宇都宮第一工場・宇都宮第二工場(栃木県芳賀郡)、関西に上野工場(三重県伊賀市)、そして九州に佐賀工場(佐賀県神埼市)を展開する同社が、なぜ地方での生産にこだわり、いかにして地域経済の発展(地方創生)に貢献しているのか。都市部からのU・Iターン就職がもたらす新しいキャリアの可能性や、地方で暮らし働くことのリアルな豊かさ、そしてこれからの生産現場が求める労働観について、トップの視点から熱く語っていただきました。

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地方拠点が支えるグローバル戦略と「アジリティ」

── 東洋ビューティの事業概況と、あえて地方(宇都宮、三重、佐賀)に生産拠点を展開している戦略的な背景について教えてください。

山口:当社は化粧品のODM・OEMの分野で、業界トップクラスの規模を持つ企業です。私たちが展開するビジネスの本質は、単なる下請けの製造代行ではなく、国内外のブランドメーカー様と強固なパートナーシップを結び、ヒット商品を生み出す「価値創造型ビジネス」にあります。現在、市場は大量生産から消費者の多様なニーズに即応する「小ロット多品種」へと完全に移行しており、何よりも開発・生産のスピード感、つまり「アジリティ(機敏さ)」が勝負を分けます。私たちが宇都宮、三重、佐賀という地方に大規模な生産拠点を構えているのは、まさにこのアジリティを極限まで高めるための戦略的な選択なのです。

𠮷尾:地方への拠点展開には、大きく2つの狙いがあります。1つは「デリバリーコストの最適化と安定供給」です。昨今の物流費の高騰は凄まじく、お客様の物流デポ(拠点)に近い場所でモノを作り、迅速に届ける体制はコスト面で大きな強みになります。そしてもう1つが、リスク管理、いわゆる「BCP(事業継続計画)」の徹底です。当社は2011年の東日本大震災で宇都宮工場が被災し、操業が3ヶ月間停止するという苦い経験をしました。当時は宇都宮と三重の2拠点体制だったため、お客様に多大なご迷惑をおかけしてしまった。この教訓から「何があっても供給を止めないために、さらに西の地域に拠点を構えるべきだ」と考え、九州の佐賀に新たな工場を立ち上げました。万が一、どこか1つの地域が被災しても、別の拠点が即座にバックアップできる体制を整えることで、国内外のお客様からの信頼を勝ち得ているのです。

── 競合他社と比較した際、地方の生産現場から生み出される「独自の強み」はどこにありますか?

山口:私たちの最大の強みは、あえて「得意領域を確立させている」という点にあります。化粧品市場は非常に広いですが、東洋ビューティが歴史的に設備投資を続け、技術を磨き抜いてきたのは、ヘアケア・スキンケアを問わず「液体状のものからクリーム状(半固形)のもの」の領域だけです。色を扱うメイクアップや、固形クレンジング、エアゾール製品などにはあえて手を広げず、得意なフィールドにすべての経営資源を集中させてきました。この「尖った専門性」を支えているのが、地方工場の持つ圧倒的な生産キャパシティと、それを使いこなす人的リソースです。

𠮷尾:地方に拠点を置くことで、都市部では確保できない広大な敷地と、最先端の巨大な生産・研究開発設備を導入することが可能になります。私たちは「技術力を売る会社」を掲げているため、研究開発や最新鋭の工場設備に対する投資量は、競合他社と比べても圧倒的です。ただし、3つの工場は単に同じ設備を並べているわけではありません。例えば三重工場は、敷地面積が5,000坪ほどと比較的コンパクトなため、巨大な自動機よりも半自動の機械を多く並べ、あえて「ロットが小さく、細かな切り替えが必要な仕事」を集中して担うといった、拠点ごとの特性を活かした最適配置を行っています。この地方ならではのハードの強みと、現場の職人技とも言える高い技術力が融合することで、「液体・クリームの領域ならどこにも負けない」という絶対的な優位性を確立しているのです。

地方の雇用創出と「三位一体」のモノづくり

── 「地方の工場」における雇用の現状や、現場環境について教えてください。

山口:地方における大手生産拠点として、私たちは地域での「安定した雇用の創出」という重要な役割を担っていると自負しています。化粧品という業態もあり、地元の新卒の方やU・Iターンを希望される方からの応募は非常に多いです。現場環境は、最終工程に近い「パッキング(包装)」エリアは、冷暖房も完備されていて非常にクリーンで快適な設備が整っています。一方で、上流工程である「製造(中身の調合・仕込み)」のエリアは、ある程度の我慢を強いられる作業があります。

𠮷尾:化粧品の中身(バルク)の製造過程において、原料の溶解や混合などで加温を行います。熱効率の観点から巨大な真空乳化装置の周りを冷房で冷やすわけにはいかないため、製造エリアではどうしても温度や湿度が高い中での作業が必要になります。こうした「モノづくりのリアルな部分」を理解せずに、クリーンでオシャレなイメージだけで入ってこられると、間違いなく大きなギャップに驚くことになります。だからこそ私たちは、リアルな景色を選考段階で100%オープンに見せるようにしています。納得して入社してもらうことが、地方での長期的なキャリア形成に不可欠だからです。

── 化粧品の製造において、完全なマニュアル化が難しいと言われる理由と、現場での職種間の連携について教えてください。

山口:化粧品の製造は、マニュアルを一読して誰でもすぐに同じ品質で作れるような単純なものではありません。なぜなら、今の消費者が好む「天然由来」の成分は、今年採れたものと去年採れたもので色や粘度にどうしてもバラツキが生じるからです。その不安定な原材料を均一にブレンドし、毎回全く同じ高い品質に仕上げるためには、現場オペレーターの長年の経験に基づく熟練した「目利き」や、絶妙なさじ加減が必要になります。とはいえ、昔ながらの「技を盗め」では人は育ちませんから、現在はそのベテランのノウハウを徹底的に言語化し、マニュアルとしてドキュメント化する取り組みを現場主導で進めています。

𠮷尾:そのマニュアル作成や、生産ラインの条件設定、トラブル対応において力を発揮するのが、現場の「製造(オペレーター)」「生産技術」「エンジニアリング」という3職種の「三位一体」の連携です。当社の製品は、お客様ごとに容器の形状も中身の粘度も異なる、ほぼすべてが「オーダーメイド」の世界です。製品ごとに自動化のアプローチも違えば、どうすれば最も効率的に作れるかの方法論も変わってきます。自動機の初期設定を機械が勝手にやってくれるわけではありませんから、人間の感覚と技術的な計算が必要になります。自動化・省人化が進む時代だからこそ、その高度な機械を完璧に使いこなすための「人間の扱い手としてのスキル」を3職種が知恵を出し合って極めていく。ここに、地方のモノづくり現場で働く本当の面白さがあります。

上流と現場を繋ぐデータ連携とプロセス開発

── 新商品の製品化(スケールアップ)において、工場の現場と都市部の研究部門はどのように連携しているのでしょうか。

山口:新しい仕事や商品の立ち上げが決まると、私たちは初期の準備段階から、研究開発や購買といった上流部門と綿密に協議を重ねます。研究開発がラボで組んだ処方を、工場の設備を使って安定的に大量生産できるのかを検証するのですが、この製品化に向けたスケールアップの段階では、上流と現場の間で綿密なすり合わせが行われます。大事なのは、「スケールの違いによる物理現象の変化」です。研究員はラボでビーカーに入ったわずか200〜300gのサンプルを見ていますが、工場現場にはそれがドラム缶や巨大な1トンコンテナというスケールで入ってきます。ラボの小さな試作機では綺麗に混ざっていた処方でも、工場の10トンクラスの真空乳化装置にスケールを拡大した途端、粘度や抵抗がかかりすぎて攪拌(かくはん)機がトリップして止まってしまう、といった問題が起こるのです。

𠮷尾:例えば、特定の「粉」の原料を大量に投入する際、そのまま入れると水面に浮き上がって全く混ざりません。そこで現場から「先に少し加水してから粉を入れ、その上から重しになる別の液体を投入してサンドイッチ状に挟み込んで抑え込もう」といった、投入順序の変更を提案します。立ち会いにきた研究員が「まさかこんなことになるとは」と驚くことも多いですね。現在は、この研究・営業・工場間のデータベースを直接繋ぎ、工場側からでも上流の処方データがリアルタイムに引き出せるシステム連携プロジェクトを動かしています。このシステム設計においても、管理側だけで決めず、現場の担当者を巻き込んで使う側の要望を徹底的に落とし込んでいます。

地方創生とU・Iターンがもたらす新しいキャリア

── 東洋ビューティで働くこと、特に地方拠点でキャリアを築くことの最大のメリットは何でしょうか。

山口:最大のメリットは、「日本の地方から世界基準のモノづくりを発信する」という、非常にスケールの大きい仕事に挑戦できる点です。地方に居ながらにして、誰もが知るグローバルブランドや大手メーカーの最先端の製品開発に深く関わることができる。これは、一般的な地方の町工場や単なる製造代行会社では絶対に味わえない、当社ならではのキャリアの魅力です。

𠮷尾:また、会社全体の仕組みとして「従業員のために」という思いが非常に強く、法令遵守はもちろん、労働時間の短縮や夜勤の削減など、働く環境のホワイト化が急速に進んでいます。都市部の大企業に負けない充実した福利厚生や労務管理のもとで、安心して長く働き、エンジニアやマネジメントの専門性をじっくりと磨いていくことができます。キャリアアップに伴う転勤の可能性はありますが、人事は個人のライフステージや希望を本当に丁寧に聞いて考慮してくれます。地元の経済を支え、地方創生の一翼を担っているという誇りを持って働ける環境が、ここにはあります。

── 実際に都市部から地方(宇都宮、三重、佐賀)へUターン・Iターンして働く際の、生活環境の魅力について教えてください。

𠮷尾:生活面の豊かさは、都会の暮らしとは比べものにならないほどのメリットがあります。まず、あの凄まじい満員電車に乗る通勤ストレスが一切ありません。多くの社員が車通勤をしていますが、通勤距離も近いため、自分のために使える自由な時間が圧倒的に増えます。また、物価や家賃が都市部ほど高くないため、若くしてマイホームを持ったり、経済的にも精神的にも余裕のある生活基盤を築きやすいという大きな魅力があります。

山口:プライベートの充実度も高いですね。例えば、佐賀工場がある神埼なら、一山超えれば玄界灘で最高な釣りが楽しめたり、温泉巡りスポットもありますし、宇都宮工場なら道路環境が抜群に良いのでドライブやアウトドア好きにはたまらない環境です。三重工場も歴史と自然に囲まれた非常に落ち着いた場所です。「大好きな地元に戻って親の近くで暮らしたい」というUターン希望の方はもちろん、「自然の豊かな場所で子どもをのびのびと育てたい」という都市部からのIターン移住者にとっても、これ以上ない理想的なワークライフバランスを実現できる環境が整っています。

求める労働観と未来の仲間へのメッセージ

── 働く環境が優しく変化していく中で、これからの正社員に求める「労働観」やマインドを教えてください。

山口:先ほど、働く環境のホワイト化が進んでいるとお話ししましたが、生産部門の責任者としては、ただ楽をするだけの「効率改善」になっては困るという強いジレンマも抱えています。労働時間が短くなっても、会社としての供給責任や売上を守らなければならないからです。だからこそ、新しく入ってきてくれる若い世代の皆さんには、正しい「労働観」を持っていてほしい。システムが新しくなったり現場が改善されて、毎日の作業時間が30分余ったのであれば、その余った時間を自分自身のスキルアップや、さらなる現場の新しい改善のために使ってほしいと思います。

𠮷尾:会社に与えられた環境の中で受け身で働くのではなく、余った時間を使って「次は何をしようか」と前向きに考えられる主体性が求められているということですね。

山口:その通りです。前向きに「これもやります、あれもやっていきます」と、1.5人分くらいのエネルギーと熱意を持って自発的に行動できる人を、私は非常に評価しますし、これからの当社の正社員として求めていきたい姿です。工場という場所は、1人では何一つ成し遂げられないチームでの「共同作業」の世界ですから、高い協調性を持ちながらも、周囲ときちんと専門的な意見交換ができるグループ主義の人材に、将来の工場を引っ張るリーダーへと育ってほしいと願っています。

── 最後に、U・Iターンを検討している求職者の方へメッセージをお願いします。

𠮷尾:東洋ビューティの地方工場には、都会の喧騒から離れて、じっくりと腰を据えて本物のモノづくりに向き合える環境があります。豊かな自然と温かい地域社会に囲まれながら、プライベートを犠牲にすることなく、確かなキャリアを築いていくことができます。「地方だから成長できない」ということは絶対にありません。むしろ、広大なフィールドがある地方だからこそ、あなたのポテンシャルを最大限に発揮できるチャンスが転がっています。

山口:私たちは、最初にお話しした通り、暑い場所や体力のいる大変なエリアも含めて、現場のリアルな環境をすべてオープンにお見せします。そのリアルな熱気を自分の目で見た上で、それでも「この巨大な設備を動かしたい」「地方から世界を驚かせる化粧品を作りたい」と、覚悟とワクワク感を持って飛び込んできてくれる意欲ある方に出会いたい。自分なりの5年後、10年後の目標を持ち、地方での暮らしを楽しみながら、私たちと一緒に工場を、そして地域の未来を進化させていける仲間を心から楽しみに待っています。

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