
『ウェルネス産業を、新次元へ。』そんなミッションを掲げる株式会社hacomonoの事業は、ウェルネス業界向けのオールインワン・マネジメントシステム「hacomono」の開発・提供。フィットネスクラブや各種運動スクール、公共運動施設の業務プロセスをDX化し、顧客体験・スタッフ体験を変革しています。さらに、ウェルネス・スポーツを軸としたまちづくり、運動人口の増加、健康寿命の延伸につながる事業を展開中です。代表取締役CEO蓮田健一さんはいかにして同社を創業し、業界での圧倒的なシェア獲得に成功したのか。その一連のストーリーを伺いました。
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| 年収 | 500~900 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社hacomono |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | プロダクトブランディング 営業企画 |
| 年収 | 400~1100 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社hacomono |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | IT/通信製品法人営業 |
目次
憧れはプロのサッカー選手から、エンジニアへ
── 起業されるまでのキャリアをお教えください。
キャリアというよりも人生自体の話になりますが、子どもの頃からサッカー少年でした。幼稚園から小中高、大学までずっとボールを追いかけていました。もともと父親が電気工事職人で中小企業を経営していて、自由に生きていました。幼少期からそんな姿を見てきて職人ってかっこいいなと漠然と思っていたのもあり、社会人ではエンジニアになることを決めました。
── そこから先は順風満帆、キャリアを積まれていったのでしょうか?
そういうわけでもありません。1社目は2年半ほど働きましたが、最初はとにかく出来が悪くて。開発をしてもぜんぜんピンと来なかった。でも、途中からエースとしていろいろな開発に抜擢されるようになりました。その後2社目の入社時に出会った上司となるJさんとの出会いが私のエンジニア人生を前に勧めてくれました。Jさんは技術力もあれば、ビジネスセンスもある。いろいろと話をする中で「この人と働きたい!」という想いが募り、25歳の時にJさんの会社に転職しました。
それから10年間、徹夜もあるような日々で新規のプロダクト開発に没頭する毎日でした。Jさんはスティーブ・ジョブズみたいな人で、こだわりがとにかく強い。詰めきれていないプランを提案しようものなら、本気でキレる人でした。そんなJさんのもとで開発責任者として企業向けのソフトウェア開発をゼロからやらせていただきました。サポート部署を立ち上げたり、大手クライアントには自ら営業も行い、最終的にそのソフトウェアは国内No.1のシェアを獲得しました。とても良い経験をさせてもらいました。
── 厳しい環境の中で鍛えられつつ、エンジニアとして順調にキャリアとスキルを伸ばしていったんですね。
そうですね、そこまでは。しかし、そこで予期せぬことが起きました。2011年、東日本大震災が発生したのを機に父親が経営していた会社が傾いてしまったのです。私は昔から継ぐ気はまったくなかったのですが、子どもの頃からいつも父親は私に何でも自由にやらせてくれました。サッカーをするにも、海外旅行に行くにも、一人暮らしをするにも何をするにも。そんな風に好き勝手をさせてくれていた父親の会社が潰れるというのは、ショックで…。それでエンジニアを辞めてこの会社を何とかしようと思ったのです。
── 未練はありませんでしたか?
正直、非常にありましたね。担当していたソフトウェアもこれからグローバル対応というフェーズでしたし、IPOも見えていましたから。そして、不安も同じくらいありました。経営のことなんて何も知りませんでしたからね。キャッシュフローも絶望的なほど苦しかった。自己破産しようと何度も思うことがありました。経営の勉強会に参加するなど、いろいろと学びながら会社の立て直しに奔走しました。父親の会社の中で母親が別事業として介護事業をやっていたのですが、最終的には電気工事ビジネスを縮小して、そちらに大転換。介護タクシーのサービスを新規に立ち上げるなどして銀行からの借入を返しつつ、黒字化させるまでに会社を立て直しました。

日本にまだないユーザー体験を提供する
── せっかく黒字化した会社を辞めて、なぜ起業しようと思ったのですか?
経営を学ぶ上で、どうせやるならより高い水準で経営をやりたい、挑戦したい、成長したいと思いました。事業規模の大きさだけではありませんが、やはり自分の得意なプロダクトビジネスで勝負したいと。それで独立・起業を決意し、2013年に株式会社まちいろを設立しました。まだ、hacomonoに社名変更する前です(社名変更は2021年に実施)。
「まちいろ」という社名は、『まちに明るい未来に彩り』をという意味を込めて名づけました。この「彩り」とは個性や多様性を象徴しています。私たちは、プロダクトを通じて、誰もが取り組める単純作業を減少させ、その人ならではの個性が活きる働き方、生き方を支援することをミッションに掲げて創業しました。ちなみに社名変更したのは、創業時からウェルネス業界向けのプロダクト「hacomono」を開発・販売していたのですが、次第にそちらが業界で有名になり、イベント出展する際、お客様が「hacomono」で探されるのでプロダクト名をそのまま社名にしたほうが分かりやすいだろうということで変更しました。「hacomono」という名前は、ライブハウスなどを指す「ハコ」からインスピレーションを得ています。街中のさまざまな店舗(ハコ)で、広く使われるソフトウェアを目指して名付けました。また、CTOもゲームや可愛いものが好きなので、ポケモンのような親しみやすいネーミングを取り入れたかったからです。
── そのプロダクト「hacomono」はどうやって生まれたのでしょうか?
上海やニューヨークなど海外に行った際、レストランなどと同様、フィットネスジムもスマホで完結します。来店する前にスマホで手続きしておけば、お店に着いたらもう「Hi,Ken!」と声をかけられ、すぐにサービスを受けられる。日本はWebで予約をする際、いろいろと入力するのにお店でまた紙に必要事項を書かされます。この海外での早さ、初めて訪れた場所・お店なのにもう自分のホームグラウンドだと思える体験…、このユーザー体験が日本には足りないと感じたのです。お客様もハッピーですが、働くスタッフも同様です。お客様と話すこと、フィットネスが好きで働いているのに、事務手続きに長々時間をかけることはナンセンスです。そういう無駄な時間を省くことで、もっとウェルネスな働き方、つまり、心身ともにイキイキとした働き方ができます。それを実現したいと思ったのです。
でも当初、このプロダクトを決め打ちでやろうということはせず、様々なプロダクトを開発してリリースしました。現在のプロダクト「hacomono」と特に関連しているのは、飲食店向けのセルフレジ、モバイルオーダーのプロダクト、企業の日報のプロダクト、EC系のプロダクトなどでしょうか。今、振り返っても良いサービスを開発していたと思います。最初はそれなりに順調でしたが、そのうち売れなくなりました。売れ行きが伸び悩むと多少不安もありますが、これは以前のソフトウェア会社でも味わっていたことだったので慣れっこでした。良いものをつくったとしても、時代が味方しないと上手くいきません。良いプロダクトだけでなく良い営業、良いタイミング、社会環境など、様々な要素が揃わないと事業は伸びません。
飲食業界向けのプロダクトは、当時は時代が少し早かった。一回きりの来店のためにエンドユーザーがアプリを登録するのは手間ですし。そんな中で月会費制の形態が多いフィットネスクラブなどのウェルネス業界向けのプロダクト、「hacomono」をリリースし、手応えを感じました。プロダクト開発だけでなく、学生時代のサッカーを通して培った人脈や、介護タクシー立ち上げの際に行政機関とやりとりした経験・ノウハウも役に立ちました。
── なるほど。起業から現在まで、特に大変だったことはありますか?
思い出せないほど激動の世界を生きているので、特にこれといったものはありません。いろいろありましたが、親の会社の再生と比べるとたいしことはありません。それにハードシングスはチャレンジしている勲章だと思っています。あって当たり前、なくちゃダメなものだと思います。「難しい」という報告を社員から受けると、心の中でニヤニヤしているところがあります。成長するってそんなもんだよね、と。そんな挑戦を続ける中で業界でもダントツのシェアを誇るまでに「hacomono」は大きくなりました。

異なる個性を組み合わせ、最強のチームをつくる
── これからhacomonoをどんな組織にしたいですか?
ソフトウェアビジネスの面白いところは、作るプロと売るプロが必要なこと。タイプの違う人同士がチームをつくるのが面白い。サッカーや漫画の「SLAM DUNK」みたいな感じです。全く異なる個性だけど、組み合わさると最強になる。そういう多様性を大切にしています。企業によっては同質性を高めていこうとする会社もあるかもしれませんが、それだとこじんまりしてしまう。右向け右で軍隊的にやっていても新しいモノ、コトを創造することはできません。これまでにないもの、社会に“非連続”を創出するためには、それぞれが個性を活かして自ら考えて行動する集団であることが必要です。
── そんな組織であり続けるために、大切にされていることはありますか?
成長環境を整えることが、いちばん大切かと思います。まず、任せる。社員に戦略を考えることを求めていく。そして視座の高さを求めることです。たとえば甲子園の優勝を毎年目指すチームと甲子園に出場することを目指すチームでは、カルチャーも日々の練習レベルが違います。私たちはスタートアップを超えて、インフラ企業になる。ウェルネス業界向けのプロダクトNo.1を超え、街づくりのプラットフォーマーになる。自分たちの仕事によって、社会のレベルを上げていく。そんなミッションドリブンな働き方をするのが当社の特徴であり、大切にしていることです。昨対比2倍という売上目標も、平気で掲げています。
また、人事制度は信賞必罰ではありませんが、貢献度が高い人が認められる評価制度をとっています。年功序列ではなくチャンスやゲインはがんばっている人、成長している人のためにあるというのが信条です。一方で、一時的な営業数字の良し悪しでボーナスを出すこともしていません。私たちはブームをつくろうとしているわけではなく、ロングタームでビジョンを追いかけ、ビジネスをやっていますから。表面的な数字、ラッキーパンチはあまり評価せず、しっかり日々仕事している社員が昇格する制度設計となっています。

ウェルネスな社会を創る人こそ、ウェルネスな人生を
── 今、どんな人材を採用したいとお考えでしょうか?
専門性と汎用性でいくと、どちらかと言えば汎用性を大事にしています。汎用性の高い人であれば新しいこともすぐに吸収し、専門性を身につけられる。モノゴトの本質を見極めにいこう、吸収しようという人を採用したい。何かしらに専門性があってもそれはすぐ過去になりますからね。時代とともに新しいものが必要となります。過去をトレースするのではなく、産業構造を変えていきたい。未来のサービスを創りたい。そういった挑戦を楽しめる人と働きたいですね。
また、当社はフルリモート、フルフレックスの勤務体制となっていますが、人によってはそれが難しいと思うかもしれません。でも、そこで難しいで終わらせず、自分たちらしい働き方を創っていきたいと考えています。そういう“新しさ”にも柔軟な方が良いですね。東京で皆と同じ時間に満員電車で通って、この高い土地のところで暮らす、というのを何の疑いもなくやることに、私としてはとても疑問を感じます。その時間に好きな音楽を聴いたり、何かを学んだり、クリエイティブな気持ちになれることをした方がウェルネスだと思うのです。それで給与水準も良ければ、その人生自体もウェルネスなものになっていく。ウェルネスな社会を創る会社ですから、我々自身がロールモデルとなってウェルネスな働き方、生き方ができればと思います。

hacomonoは、まちづくりのプラットフォーマーへ
── 最後に、今後実現したいこと、hacomonoのビジョンをお願いします。
現在、国内シェアNo.1を獲得し、2023年新規に出店したフィットネスジムの実に70%までが「hacomono」をご利用いただくまでになりました。シェアNo.1という立場は、業界の未来を担う非常に責任あるポジションです。クライアントやウェルネス業界のポテンシャルをどれだけ高められるか、そこで働く人たちの年収をどれだけ上げられるか、やりがいを高められるか…。それは私たち、プラットフォーマーの責任です。また、toC(消費者)に対してもその意味は大きい。過去にフィットネスやスポーツをやってみたけれど、長続きしなかったという人は多いのではないでしょうか。利便性を高め、サービスを快適に受けられるようにすることで、運動人口を増やすことにも寄与できます。ここまでが今後実現したい第1ステージです。
その先には第2ステージがあります。「hacomono」というプロダクトはウェルネス業界というニッチな市場を対象にしていますが、そのシェアを取ることはとてつもなく大きな市場に繋がっている。シリコンバレーの成功した起業家ピーター・ティールのゼロ・トゥ・ワンの考え方ですね。つまり、ウェルネスという業界で得たノウハウ・知見を活かして、hacomomoは2Cやまちづくりのプラットフォーマーへと成長する。ウェルネス以外の業界へのプロダクト展開という意味もありますが、ウェルネスを軸としたスマートシティ構想もあります。今後、地域がどんどんスマートシティになっていきますが、単にスマートだと無機質な都市になってしまう。
Jリーグやプロ野球も各地域にスタジアムを置いてホームタウン制を取っていますが、地域の自治体・企業と連携し、ウェルネスなスマートシティをhacomonoが実現したい。共働き世帯が増える中でも生涯にわたってスポーツを続けられる、スポーツを愛せる地域、活気ある社会を創造できたらと思います。これからはますます、ソフトウェアの時代、AIの時代です。具体的にどんなサービスを仕掛けていくか、それはまだシークレットですが、hacomonoには“未来の種”がたくさんあります。そんなプロダクト開発と社会創造を一緒にやりたいという方と、ぜひお会いしたいと思います。

株式会社hacomonoが募集している求人はこちら
| 年収 | 500~900 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社hacomono |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | プロダクトブランディング 営業企画 |
| 年収 | 400~1100 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社hacomono |
| 勤務地 | 東京都 |
| 職種 | IT/通信製品法人営業 |
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。