現場力とテクノロジーで、社会インフラの未来を変えていく。ベイシスが挑む、社会基盤のアップデート。

スマートフォンがつながる。電気やガスの使用量を遠隔で確認できる。街や施設のセンサー、カメラが、安全や利便性を支えている…。そんな“当たり前”の裏側には、通信機器やIoT機器を設置し、動く状態に整え、維持し続ける仕事がある。

ベイシス株式会社は、通信インフラの構築・運用を起点に成長してきたインフラテック企業。モバイル通信で培った知見を強みに、現在はIoTエンジニアリング、ITインフラ、現場DXへと事業領域を広げている。

創業から25年以上。2021年には、東証マザーズ市場(現・グロース市場)に上場した同社は、なぜインフラにこだわり続けるのか。どのような仲間と、どんな未来をつくろうとしているのか。代表取締役社長の吉村公孝氏に聞いた。

吉村 公孝

広島県出身。大学卒業後、独立系通信エンジニアリング会社に入社。携帯電話の通信インフラ構築に携わる。1996年に独立し、個人事業主として通信エンジニアリング事業を開始。2000年に法人化し、現在のベイシス株式会社を設立。

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必要性の高い事業で、多くの人の役に立ちたい。

── まず、吉村社長のこれまでの歩みについて教えてください。

学生時代から、いつか起業したいという思いはありました。ただ、「この事業で起業する」と決めていたわけではありません。社会人として働きながら、事業のチャンスを探そうと考えていました。そして、大学卒業後に入社した通信エンジニアリング会社で出会ったのが、現在のベイシスの事業につながるモバイル通信インフラの仕事です。

1995年当時は、携帯電話が普及し始めた時代です。これからの社会は、通信によって大きく変わっていく。誰もが携帯電話を使える環境づくりは、今後必ず必要になる。そう確信し、この分野で事業を立ち上げることを決めました。入社から1年半ほどで独立し、まずはフリーランスとして事業をスタート。その後、数年間で資金を貯め、2000年に法人化しました。それがベイシスの始まりです。

── 創業当時から現在まで、経営者として大切にしてきたことはありますか。

大切にしてきたのは、社会にとって必要性の高い事業を通じて、多くの人の役に立つ会社にすることです。学生時代に起業したいと思っていた頃は、「かっこいい」「成功したい」という、単純な憧れもありました。ただ、社会人になってインフラの仕事に関わる中で、考え方が変わっていったんです。

電気、ガス、水道、通信……インフラは、社会にとって絶対に必要なもの。そうした領域で事業をつくり、社員も顧客も増やしながら、より多くの人に貢献できる会社にしたい。その思いは、創業当時から今も変わっていませんね。

4次請けから全国展開へ。勝ち筋を見つけてきた軌跡。

── ベイシスは、創業から現在までどのように変化してきた会社なのでしょうか。

創業当初は、広島でモバイル通信インフラの仕事を手がけていました。当時の業界は多重下請け構造が強く、私たちも最初は4次請けのような立場です。実績も信用も、人もお金もない。だからこそ、まずは現場で一つひとつ仕事を積み重ねていくしかありません。

ただ、そこで終わるつもりはありませんでした。実績を積んだタイミングで東京に進出し、全国展開を推進。創業から10年ほどで、地方の小さな会社から、全国規模で事業を展開する会社へと変わっていきました。

次のフェーズでは、通信キャリアとの直接取引に挑戦しました。競合になるのは大手企業です。正面から同じ領域で戦っても勝ち目はない。そこで意識したのが、「競合と戦わない」ことでした。

大手が得意な大規模工事ではなく、通信キャリアの中で人員や技術が不足している部分を支援する。顧客先に入り込み、業務支援や技術支援、プロジェクトマネジメントを担う。大手が積極的にやりたがらない領域で信頼を積み上げていったことが、成長の大きな要因になりました。

── 会社の歴史の中で、転機になった出来事はありますか。

いくつかありますが、そのひとつがIoT領域への挑戦です。

モバイル事業が好調だった時期に、次の成長の柱をつくろうと考え、IoTに関連する複数の新規事業に投資しました。たとえば、ハードウェアの販売や、SaaSに近いサービスの提供にも挑戦してきました。

ただ、実際に進めてみると、そこには機器の製造や品質管理、ソフトウェア開発、販売体制づくりなど、私たちがそれまで培ってきたものとは異なる力が必要でした。結果として大きな赤字を出し、資金繰りや組織の雰囲気が苦しくなった時期もあります。

一方で、その過程で見えてきたこともありました。IoT機器を現場に設置し、運用・保守し、プロジェクト全体を管理する。そこは、モバイル通信インフラの現場で培ってきた私たちの強みを活かせる領域だったのです。

そこで、自社に足りない領域からは撤退し、機器の設置・メンテナンス、現場のプロジェクト管理に集中することを決めました。その選択が、現在のIoTエンジニアリング事業の成長につながっています。失敗があったからこそ、自分たちの持ち場を見極め、選択と集中の大切さを学ぶことができたのだと思います。

現場力とテクノロジー。その両方を持つことが強み。

── 吉村社長から見て、ベイシスらしさや強みはどこにあると感じていますか。

一番の強みは、現場を知っていることです。

通信インフラ、基地局、スマートメーター、センサー、カメラなど、私たちはさまざまな現場で機器を設置し、運用・保守に関わってきました。進捗管理、写真や書類の管理、品質確認、顧客や協力会社との調整。そうしたリアルな業務を理解していることが、私たちの土台です。

一方で、現場の仕事は労働集約的になりやすい。人手に頼るだけでは、生産性にも品質にも限界があります。そこで重要になるのが、テクノロジーの活用です。その象徴が、現場作業DXクラウドのBLASです。

もともとは、外部に売るためではなく、自社の業務を効率化するためにつくった仕組みでした。現場の進捗、写真、作業データを一元管理し、リアルタイムで把握できるようにすることで、紙やFAXが残るような業界の中で、作業の標準化や品質向上につなげてきました。

一般的なIT企業は、現場の細かな実態まではわからないことがあります。一方で、現場の会社は、システム化やデータ活用が得意とは限りません。ベイシスは、その両方をつなげられる会社です。現場を知っているからこそ、使われる仕組みをつくれる。そこが、インフラテック企業としての強みだと思っています。

── ベイシスでは、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)も大切にされています。

はい。ベイシスのMissionは、「社会の基盤を創り、人と社会の未来と幸福を支える」です。通信やIoTのインフラは、暮らしや産業の土台。その基盤をつくり、支えることが、私たちの存在意義だと考えています。

Visionには「Update The World」を掲げています。現場の仕事にテクノロジーを掛け合わせることも、多重下請け構造のような業界課題に向き合うことも、このVisionにつながっています。

Valueは、「Ownership」、「Respect All」、「Breakthrough」、「Keep Growing」、「Open Talk」の5つ。自律と責任を持ち、関わる人を尊重し、前例を超えて挑戦し、学び続け、本音で対話する――。こうした価値観を、日々の行動に落とし込むことを大切にしています。

技術やビジネスモデルは、いずれ模倣されます。しかし、カルチャーは簡単には真似できません。だからこそ、ベイシスでは人間性や価値観をとても大切にしています。

求めているのは、変化を一緒につくる仲間。

── 今、どのような仲間が必要だと考えていますか。

今のベイシスは、次の成長に向けた転換期にあります。モバイル通信インフラで培ってきた事業基盤を土台に、IoT、ITインフラ、現場DX、AI活用へと領域を広げ、深化させていく。その変化を一緒につくっていく仲間が必要です。

創業期から変わらず大切にしているのは、当事者意識です。自分の仕事を、単なる担当業務として捉えるのではなく、会社や顧客、社会にどうつながっているのかを考えられる人。課題を見つけ、自ら動ける人にとっては、面白い環境だと思います。

また、Mission、Vision、Valueに共感できることは、とても重要です。給与や勤務地などの条件ももちろん大事ですが、それだけで会社を選ぶと、長く働く中でミスマッチが起きやすいと思います。就職は、ある意味で結婚に近い。会社の価値観や目指している方向性に共感できるかどうかが、長く活躍するうえでは大切です。

ベイシスでは、学歴や職歴、年齢だけで人を判断することはありません。スキルは後から身につけることもできます。大切なのは、変化を前向きに捉えられるか。周囲と信頼関係を築けるか。自分自身を成長させようとする意欲があるかです。

── 経験やスキルの面では、どのような方が活躍しやすいのでしょうか。

通信インフラ、ネットワーク、サーバー、クラウド、IoT、施工管理、プロジェクトマネジメントなどの経験は活かしやすいと思います。ただし、通信業界の経験者だけを求めているわけではありません。顧客折衝、工程管理、チームマネジメント、業務改善などの経験も活かせます。ITエンジニアであれば、現場の課題を理解し、業務そのものを改善していくことに関心がある方は相性がいいはずです。

ベイシスには、若いうちから様々な機会を得られる環境があります。年功序列ではなく、意欲と力のある人には任せていく。これから入社する方にも、大きなチャンスがあると思います。

社会の当たり前を支えながら、変化の最前線に立つ。

── 社員にとって、働く面白さや成長機会はどこにあると思いますか。

一つは、社会インフラに関わる仕事であることです。携帯電話がつながる。IoT機器が動く。電気やガスのインフラが安定して利用できる。そうした社会の当たり前を、私たちの仕事が支えています。普段は目立たない仕事かもしれませんが、必要性は非常に高い。そこに誇りを感じられる仕事だと思います。

もう一つは、変化の大きい領域であることです。情報通信の世界は、技術の変化が速いです。安定した必要性がありながら、変化も大きい。その両方を経験できるのは、ICTインフラに関わる仕事ならではの面白さです。

さらに、ベイシス自体も変化の途中にあります。完成された会社に入るというより、これからのベイシスを一緒につくっていくフェーズです。新しい仕組みづくりや事業づくりに関わりながら、自分自身も成長していける環境だと思います。

── これからは、どのような方向へ事業を広げていくのでしょうか。

今後も、通信インフラで培ってきたノウハウを土台に、IoT、ITインフラ、現場DXの領域を伸ばしていきます。

これからはより一層、あらゆる場所にセンサーやカメラ、通信機器が設置され、データが活用されていきます。そうした仕組みを実際に動かすには、現場で機器を設置し、運用し、維持する力が欠かせません。ベイシスは、その社会実装を支える存在でありたいと考えています。

同時に、業界構造そのものも変えていきたい。インフラの現場では、人手不足や多重下請け構造といった課題があります。中間業者が担っている管理業務の一部を、BLASやAIによって効率化できれば、無駄なコストを減らし、現場で働く人たちにより多くの価値を還元できるはずです。

── 最後に、これからベイシスに興味を持っている方へメッセージをお願いします。

ベイシスは、社会に必要とされるインフラを支えながら、自分たち自身も変わり続けている会社です。安定した領域でありながら、変化も大きい。現場のリアルを知りながら、テクノロジーで業界を変えていける。そうした環境に面白さを感じる方には、大きなチャンスがあると思います。

条件だけで会社を選ぶのではなく、自分が何に共感できるか、どんな人たちと働きたいかを大切にしてほしいですね。Mission、Vision、Valueに共感し、自分の仕事を通じて社会を良くしたいと思える方と、ぜひ一緒に未来をつくっていきたいです。

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