半導体ソフトウエア技術をコアとしたインテグレーター。社会実装を見据えた技術が、ここにある。

半導体業界には、IDMやファブレス、ファウンドリ、OSATなど、多様なプレイヤーが存在します。ミラクシア エッジテクノロジーは、そのいずれにも属さない稀有な企業。ハードウェアとソフトウェア双方の知見をもとに、顧客が実現したい価値から逆算して最適なハードウェアを選定し、ソフトウェアでインテグレーションするという独自の立ち位置を築いてきました。半導体に特化したインテグレーターとして、明確な競合のいないポジションを確立しています。

パナソニックグループにルーツを持ち、2020年には台湾の半導体専業メーカーであるWinbondグループと提携した同社。日本発の技術力を軸にグローバルな事業展開も視野に入れ、新たなステージへと歩みを進めています。

本記事では、CTOオフィス 基盤技術開発部 部長の小林圭太さんと、モビリティシステム開発センター 基盤開発部 部長の岩橋賢二さんへのインタビューを通じて、ミラクシアの技術と、エンジニアファーストなその環境に迫ります。

小林 圭太(Keita Kobayashi) ※写真左

岩橋 賢二(Kenji Iwahashi) ※写真右

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半導体を「活かしきる」ための技術思想。

── まずは、ミラクシア エッジテクノロジーの成り立ちと、現在の立ち位置について教えてください。

小林:ミラクシアの原点は、パナソニックグループの半導体設計専門会社にあります。1997年の設立以来、CPUのハードウェア回路設計から、その上で動くソフトウェア、そして最終的に商品として市場に出るまでを一貫して担ってきました。半導体の設計にとどまらず、社会で使われ続けることを前提に技術を積み上げてきた経験とノウハウが、今もミラクシアの技術的な土台になっています。

半導体というのは、性能だけを追えばよい世界ではありません。消費電力、発熱、コスト、量産性、安全性――どれか一つを取れば、どこかに歪みが生じる。その中で、どこに余白があり、どこが限界なのかを見極めながら設計していく。その感覚を持ってソフトウェアを構築してきたことが、半導体インテグレーションに特化した独自の開発スタイルにつながっています。

岩橋:2020年にパナソニックグループから独立して以降、「自分たちは何者なのか」を改めて問い直す時期がありました。メーカーの一部でもなく、SIerのように受託だけを行う会社でもない。その中で見えてきたのが、半導体技術の“中核”を担う存在であるという立ち位置です。

特定の製品を持たないからこそ、技術そのものに向き合える。社会実装まで責任を持つからこそ、途中で投げ出さない。そうした姿勢のもと、自動運転に向けた小型・省電力センサやアルゴリズムの開発、スマートカメラ向けのセンシング技術、エッジAI、カーナビやカメラの快適な動作を支える超高速起動Linux OS、さらには再生エネルギー分野における高効率電力変換やバッテリーマネジメントなど、幅広い領域で技術を磨いてきました。

また、先行開発、試作開発、量産向けソフトウェア開発、導入・展開・保守まで、半導体ソフトウェア開発の全フェーズを一気通貫で担えることも、ミラクシアの大きな特徴です。

── 技術力やソリューションにおいて、他社と比べたときのミラクシアの強みはどこにあるのでしょうか。

小林:技術的な強みで言うと、「挙動を理解したうえで設計できること」だと思います。与えられた環境や既存の仕組みありきで最適化するのではなく、処理速度や消費電力、安全性といった条件を踏まえて全体を設計しています。ソフトウェアで工夫すべきか、ハード自体を見直すべきか。その判断を、経験や勘ではなく、技術的な裏付けを持って行える点が、他社との大きな違いです。ブラックボックスを排除し、なぜそうなるのかを理解したうえで選択できることが、ミラクシアらしい技術力だと思います。

岩橋:「仕様の外側まで責任を持てる」点も強みだと思いますね。要件通りにつくること自体は多くの会社ができますが、実際には要件に書かれていない部分で問題が起きることのほうが多い。だからミラクシアでは、「条件が変わったらどうなるか」「運用が始まったあとに何が起き得るか」といった先のリスクを、構想段階から織り込んでいきます。例えばモビリティ分野では、完成車メーカーと「5年後にどんな車を実現したいのか」という話から入り、そこから必要な性能や制約を逆算して技術に落とし込むこともあります。

そして、言われた通りにつくるだけで終わらせず、プラスアルファの提案を重ねながら、お客様自身が技術を使いこなせる状態まで伴走する。いわば「手の内化」を前提にした関わり方が、「ミラクシアにしか頼めない」と言っていただけるほどの信頼につながっているのではないでしょうか。

自分の技術が、世の中を支えている手応えがある。

── お二人ご自身のキャリアと、現在の役割について教えてください。

岩橋:2001年に入社し、デジタルカメラや監視カメラの開発を経て、センシング技術やAI領域に携わってきました。現在はモビリティシステム開発センターで、車載分野の技術開発を担当しています。完成車メーカーやTier1メーカーと構想段階から関わり、必要な性能や制約条件を整理し、技術要件へと落とし込んでいくのが役割です。自動車業界がハードからソフトウェア主導へと変革する中で、新しい半導体技術を活用した開発を指揮しています。

小林:私は1999年に入社し、エアコンや携帯電話向けのOS開発から技術者としてのキャリアを積んできました。その後、デジタルカメラ、AI、セキュリティなど扱う領域は広がりましたが、一貫して取り組んできたのは、半導体の性能を最大限に引き出すための基盤技術です。現在はCTOオフィスに所属し、先行技術の研究開発に加え、全社で共通して活用できる技術基盤の整備など、現場を横断して技術を支える役割を担っています。

── 仕事のやりがいを感じるのはどんな場面でしょうか。

岩橋:自分が関わった技術が、製品として実際に世の中で動いていると実感できる瞬間に、一番やりがいを感じます。車載分野は制約が非常に厳しく、簡単に成立するものはありませんが、だからこそ、技術が製品を支えている手応えがあります。構想段階から関わり、最終的に世に出るまでを見届けられるのは、この仕事ならではだと思いますね。

小林:やりがいを感じるのは、「無理だ」と言われた条件を、技術で成立させられたときです。過去にはハードウェアの制約でメモリが使えない状況に対しても、回路レベルまで挙動を追い、別の使い方を見出すことで製品化にこぎ着けたことがありました。仕様や前提に縛られるのではなく、「なぜ動かないのか」「どうすれば動くのか」を突き詰めていく。その結果、ブレイクスルーできた時にエンジニアとしての誇りを感じます。

エンジニアが主役でいられる環境。

── お二人の話を聞いていると、キャリアを重ねてもエンジニアとして目を輝かせている印象を受けます。ミラクシアならではのエンジニアファーストな環境について教えてください。

小林:ミラクシアには、コンパイラを自作できるエンジニアをはじめ、OS、画像処理、AIなど、それぞれの分野で日本でもトップクラスの専門性を持つ技術者がいます。そうした人たちと日常的に技術の話ができること自体が、エンジニアとして大きな刺激になっています。上下関係というより、「分かっている人が自然と教える」文化が根づいていて、雑談の延長で深い技術議論に発展することも珍しくありません。

また、世の中に前例のない技術を扱うことが多いため、研修もすべて自前です。研修テキストはすべて自社で作成し、座学よりも実際に手を動かすことを重視しています。どうすれば性能を引き出せるのか、どこがボトルネックになるのかを、体感的に理解していくスタイルですね。

そして大切にしているのが、まず一つの技術を徹底的に深めてほしい、という考え方です。いわゆる「一芸に秀でる」状態をつくることで、技術を見る目の解像度が上がり、本質や限界が自然と見えてくる。その結果、周辺領域にも無理なく踏み込めるようになると考えています。

岩橋:本当にものづくりが好きな人が集まっている会社だと思います。仕事と遊びを分けすぎず、「楽しみながら技術に向き合う」ことが許されている環境ですね。その象徴が、スペアタイム制度です。業務を効率化して生まれた時間を、個人の技術研究に充てることができます。業務に直結しない取組みではありますが、技術を深めるという意味では、仕事の延長線上にあるものだと捉えています。

また、部活動という名目で職場を超えていろんな人達と様々な技術活動をしております。AI研究やはんだ部をはじめ、AIカメラを使って家庭菜園を自動化するスマート園芸など、少し変わった取り組みもあります。こうした活動に対して、会社が業務認定を行ったり、予算や機材を支援したりすることもあります。技術を楽しみながら深掘りできる環境が、スペシャリストを育てているのだと思います。

── エンジニアが力を発揮するための制度についても教えてください。

岩橋:ミラクシアで働いて感じるのは、「エンジニアが最高のパフォーマンスを出し続けるための条件」がきちんと整っていることです。年間休日は129日あり、有給休暇も取りやすい。無理しない働き方が、当たり前になっています。

リモートワークについても制度ありきではなく、「どうすれば成立させられるか」を技術で考える文化があります。組み込み開発は実機が必要ですが、コロナ禍では遠隔から実機の電源操作や検証が可能な環境を自社で構築し、場所に縛られず開発に集中できる状態を整えてきました。

小林:評価の仕組みも重要なポイントです。ミラクシアでは、社員の約92%が技術者で、管理職もほとんどがエンジニア。だからこそ、設計の難しさや技術的な工夫を理解したうえで評価が行われます。特許出願も多数あり、個々の技術者が腰を据えて挑戦し続けてきた成果だと思います。

もちろん制度や数字はあくまで結果で、その根底にあるのは、「技術に長く、深く向き合える状態をつくる」という考え方です。休むこと、学ぶこと、挑戦すること。そのすべてが技術の質につながる。そんな考えが、ミラクシアのエンジニアファーストな環境を支えています。

技術を、つくるだけで終わらせない人たちへ

── ミラクシアで活躍する人の共通点や、ここで描けるキャリアについて教えてください。

岩橋:入社時に完成された技術者である必要は、まったくありません。それよりも大切なのは、「なぜだろう」と考え続けられることです。制御や組込みの世界には、決まった正解があるわけではありません。条件が変われば最適解も変わりますし、限られた制約の中で成立させることが常に求められます。だからこそ、「分からないことを分からないままにしない」姿勢が重要です。すぐに答えが出なくても、仕組みを理解しようと粘り続けられる人。そのスタンスこそが、エンジニアとしての確かな力になると思っています。

小林:技術やものづくりが好きで、それを世の中で使われるところまでやり切りたい人。これは本当に大きな共通点ですね。そして単に技術的に面白いかどうかに留まらず、「この技術がどこで使われ、どんな価値を生むのか」まで想像して向き合える人は、ミラクシアの仕事を心から楽しめると思います。

私たちは、研究や検証で終わらせるのではなく、現場や社会の中で機能させるところまで責任を持っています。日本の半導体・制御技術を下支えする存在として、社会の基盤を担う実感を持ちながら、技術を「つくる」だけで終わらせず、「成立させる」ところまでやり切る。ミラクシアは、そんなエンジニアとしての成長を選びたい人に来てほしい会社です。

岩橋:「自分の技術は、社会のどこを支えているのか」。その問いに、日々の仕事を通じて向き合える会社だと思います。止まってはいけない領域で、世の中が成り立つための基盤を形にし続ける。決して派手ではありませんが、確実に社会を動かしている。ミラクシアでは、そうした実感と誇りをエンジニア一人ひとりが持てるはずです。

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