
人が介在せず、タブレット1台で来客受付できるシステム『RECEPTIONIST』。2017年にリリースされ、業界トップクラスのシェア、継続率99.5%を誇るプロダクトです。このシステムを手掛ける株式会社RECEPTIONISTの創業者である橋本真里子さんの前職は、受付。起業のノウハウもテクノロジーの知識も持っていなかった橋本さんが起業に至った経緯や、プロダクトへの想いをお聞きしました。
株式会社RECEPTIONISTが募集している求人はこちら
年収 | 400~800万 |
---|---|
会社名 | 株式会社RECEPTIONIST |
勤務地 | 東京都 |
職種 | IT/通信製品法人営業 |
年収 | 400~800万 |
---|---|
会社名 | 株式会社RECEPTIONIST |
勤務地 | 東京都 |
職種 | IT/通信製品法人営業 |
年収 | 600~750 万 |
---|---|
会社名 | 株式会社RECEPTIONIST |
勤務地 | 東京都 |
職種 | その他IT web/オープンSE |
目次
“個性を消す”就職活動に疑問を感じ、フリーターの道へ
―橋本さんの前職は受付だったと伺っています。起業家としては異色の経歴かと思うのですが、これまでのキャリアを教えてください。
受付の仕事をする前に、実は1年ほどフリーターをしていました。というのも、就職活動を早々に辞めてしまったんです。
大学3年生のときに合同説明会に行ったことはあったのですが、当時はいわゆる就職氷河期。やりたいことを叶えるよりも内定をもらうことが最優先という空気でした。みんな髪を黒く染め、リクルートスーツを着て、個性を消して自分を売り込む。そんな雰囲気に違和感がありました。そこで親と“1年限定”と約束し、卒業後はコールセンターや接客などのアルバイトをしていました。
その後、約束通り就職活動を再開。ファーストキャリアはビジネスマナーや所作といった汎用的なスキルを学べる仕事にしようと考え、選んだのが受付でした。また、受付は20代女性という暗黙の了解があり、今しかできない仕事だと思ったのも、決め手の一つです。ただ、まだまだ就職氷河期は続いており、派遣社員としての就職でした。
実際に仕事をはじめると、想像以上にやりがいや面白さがありました。“会社の顔”として皆さん誇りを持って働いており、お茶出し一つとっても、相手に合わせてコミュニケーションを使い分けます。
また、取次をしているとどの部署にどのような人が出入りしているのかが見えてきますし、来客状況の変化で会社の成長を感じることもできました。そうやって組織の全体像を把握できる職種は、なかなかありません。「受付の仕事を極めてみたい」と考えるようになり、結果的にIT系メガベンチャーなど4社を渡り歩きました。

「自分にしかできない」という確信があったから、起業への不安はなかった
―受付の仕事にやりがいを感じていた橋本さんですが、なぜ起業しようと思ったのですか?
30歳を過ぎたあたりで、今後のキャリアを考えるようになったのが、起業のきっかけです。
受付の仕事は大好きだったのですが、やはり20代が中心の職場であり、周りを見ても私のような10年選手はほとんどいませんでした。しかし、次のキャリアを検討したときに、総務などへのジョブチェンジも、受付のコンサルタントへのキャリアアップも、何か違うなと感じたんです。10年以上、受付を続けてきた稀有なキャリアを存分に活かして、広く世の中に還元できないか。そう考えたときに思いついたのが、取次や来客管理を無人化する受付システムというプロダクトでした。
当時いろいろな業務がDXされ、自動化されていましたが、受付という仕事は長年アップデートされていませんでした。どの会社も紙の受付表に記入して、内線で取り次いで、来客履歴も手入力。しかし、受付というのは本来、来客対応や会議室の清掃といった人にしかできない“おもてなし”に注力すべきで、そのような雑務に時間を割くのは本質的ではありません。そこで受付業務を自動化し、新しい受付の形を実現しようと考えました。
起業のノウハウやテクノロジーの知識はありませんでしたが、会社を立ち上げることに不安はありませんでした。いずれにせよ新しい一歩を踏み出さなければならず、失うものはありませんでしたし、何よりも「これこそが自分にしかできない仕事だ」という確信があったんです。
―起業のノウハウなどを持たない中で、どのようにして会社を立ち上げ、軌道に乗せたのですか。
ノウハウについては、本を読み漁ったり、人から話を聞いたりすることで勉強しました。特に活用したのがSNSです。たとえば気になる起業家がいれば、ダイレクトメッセージを送ったり、共通の知り合いを見つけてつないでもらったり。SNSを最大限に活用して人脈を広げていきました。
また、起業の想いやプロダクトの構想を、職場をはじめ、いろいろな場で発信することを意識しました。そうすることで、想いに共感してくださり、プロダクトに興味を持って出資してくださる投資家と出会うことができました。
プロダクト開発に関しては、以前の職場でプロジェクトマネージャーをしていた現COOの真弓に声を掛けました。そして2016年に、ベータ版をリリースしました。プロダクトの基本的な仕様は、この頃すでに完成していました。
営業戦略としてこだわったのは、スタートアップのSMBをメインにアプローチすること。受付というと、歴史ある大手企業をイメージされるかもしれませんが、新しいプロダクトに敏感なスタートアップ企業の方が、導入のハードルは低い。さらにベンチャーマインドがあるため“一緒にプロダクトを育てていく”という感覚を持っている企業が多いと考えたんです。
実際にその戦略が功を奏して、機能や操作性に関してたくさんの有益なフィードバックをいただけました。正式リリース前にブラッシュアップできましたし、ベータ版を導入してくださった企業の多くは、現在も継続してプロダクトをご利用いただいています。

プロダクトを通じて、企業の“おもてなし”を考えるきっかけをつくる
―2020年からは、国内で新型コロナウイルスが流行しました。人々の外出自粛は、受付システムを提供する貴社にも少なからず影響を与えたのではないでしょうか。
たしかに新型コロナウイルスによってリモートワークが推奨され、オフィスを縮小する企業も出てきたことで、風向きが変わりました。進めていた商談が長期化したり、ペンディングになったりすることもありました。既存のお客様でいえば、オフィスを手放してシェアオフィスに移行したことで、解約になってしまったケースもあります。
しかし一方で、“受付”という存在にスポットライトが当てられる機会にもなりました。出社は控えなければならないとは言え、配達の受け取りなどがあり、会社としては受付をなくすわけにはいきません。それまでは有人が当たり前だった受付業務に対して、“おもてなし”のあり方やコストなど、さまざまな角度から議論されるようになったんです。そんな中で、当社のような受付システムが注目を集めることにもつながりました。
―株式会社RECEPTIONISTが、これから目指したいことはなんですか?
“おもてなし”のリーディングカンパニーとして、ビジネスコミュケーションをアップデートしていくことです。
“おもてなし”の定義は、時代によって変わります。コロナ前は人を介在させることが“おもてなし”の大前提でしたが、コロナ禍では、いかに人が介在させないかが重要になりました。そんな中で当社はRECEPTIONISTというプロダクトを提供することで、最適な“おもてなし”とは何なのかを問い続けていきたい。「こうあるべき」と押しつけるのではなく、会社の顔である受付を通じて、企業カラーを表現する一助になりたいと考えています。
よく「このプロダクトは、受付の仕事を奪ってしまうのではないか」と言われることがありますが、私はそうは思いません。RECEPTIONISTがあることで、人にしかできない業務に注力できるようになります。
RECEPTIONISTを使われているお客様の中には、導入をきっかけに新たに有人の受付を設置したという企業もありますし、私が以前働いていた職場の受付のメンバーからも「ぜひうちにも導入したい」という声をいただきました。私自身は、受付の仕事が大好きだったので、このプロダクトによって働く人がもっと輝けると良いなと考えています。
場面や仕事に合わせて、コミュニケーションを選べる環境
―ビジネスコミュニケーションをアップデートする企業として、自社内のコミュニケーションでこだわっていることはありますか?
プロダクトとも共通しますが、「コミュニケーションはこうあるべき」と押しつけるのではなく、選択できる環境をつくっています。
たとえば、会議の議事録はプロジェクトメンバー以外でも閲覧できるほか、私のスケジュールもオープンにして、社長室も設けていません。また、メンバーが集まってランチをする場合はランチ代の補助があります。活発にコミュニケーションがとれる環境を用意することで、他の人の考えなどに触れる機会を増やして刺激し合い、視座を高められるようにしています。
一方で、ビジネスチャットなどの非同期コミュニケーションツールも積極的に取り入れてきました。オフィスには集中ブースや電話ブースもあります。場面や仕事の特性に合わせて、さまざまなコミュニケーションを選べるようにすることで、パフォーマンスを最大限に発揮できるようにしています。

組織をリデザインし、100年続く企業へ
―今後どのような組織を目指していきたいですか?
RECEPTIONISTはきっと、時代が変わっても求められるプロダクトです。世の中のニーズに合わせて機能や使い方をアップデートし、100年続く企業を目指したいと考えています。そのためには、常に改善点を探す癖をつけ、成長に合わせて組織をリデザインしていくことが大切です。ただ、変わらずに持ち続けたいバリューは三つあります。
一つは「成果を出す」ことです。やはりスタートアップ企業であり、支援してくださる投資家がいるので、結果を出し続けることが求められます。チームでも、個人でも、成果にこだわる姿勢が成長には欠かせません。
二つ目は、「敬意を払う」ことです。当社のように、新しいプロダクトを生み出し、世の中を変えていくためには努力し続けなければいけません。ときにはリソース不足で忙しい時期もあります。しかし、そんなときこそコミュニケーションを疎かにせず、相手を思う気持ちがチームには必要です。
そして最後に「覇気を纏う」こと。覇気と聞くと尻込みする人もいらっしゃるかもしれませんが、要するにベンチャーマインドを持ち続けるということです。RECEPTIONIST は2024年の市場調査でシェアトップクラスのプロダクトになりましたが、それに甘んじることなく、サービスを磨いていくことが不可欠。だからこそ、当社のプロダクトの可能性を信じ、チャンスがあれば新しいことに挑戦できる人と一緒に働きたいと考えています。
人生は限りがあり、自分の時間をどう使うかが大切です。私自身は、20代は受付に捧げようという気持ちで過ごしてきました。その結果として、RECEPTIONISTという素敵なプロダクトをつくり上げることができ、素晴らしい仲間との出会いもありました。皆さんもぜひ、有限な自分の時間を何に費やすのがベストかを考え、キャリアを選んでいただければと思います。

株式会社RECEPTIONISTが募集している求人はこちら
年収 | 400~800万 |
---|---|
会社名 | 株式会社RECEPTIONIST |
勤務地 | 東京都 |
職種 | IT/通信製品法人営業 |
年収 | 400~800万 |
---|---|
会社名 | 株式会社RECEPTIONIST |
勤務地 | 東京都 |
職種 | IT/通信製品法人営業 |
年収 | 600~750 万 |
---|---|
会社名 | 株式会社RECEPTIONIST |
勤務地 | 東京都 |
職種 | その他IT web/オープンSE |