
自動車部品メーカーとして世界に事業を展開する豊田合成。製造業は一般的に女性管理職の比率が低いとされてきましたが、同社はその常識を変えるべく「女性活躍推進」を経営戦略の一つに据えています。2030年までに女性管理職を100名に増やすという明確なKPIを掲げ、制度の整備と風土の改革を同時に進めることで、多様な人材が当たり前に力を発揮できる環境を実現しようとしています。その姿勢は、人事施策の域を超え、企業文化そのものを変革する挑戦です。そんな同社の取り組みについて、ダイバーシティを担当する執行役員の安藤浩子氏にお話を伺いました。
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| 年収 | 550~900 万 |
|---|---|
| 会社名 | 豊田合成株式会社 |
| 勤務地 | 愛知県清須市, 愛知県稲沢市, 愛知県あま市 |
| 職種 | その他コーポレートスタッフ |
| 年収 | 600~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | 豊田合成株式会社 |
| 勤務地 | 愛知県清須市, 愛知県稲沢市 |
| 職種 | 総務 |
| 年収 | 600~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | 豊田合成株式会社 |
| 勤務地 | 愛知県清須市 |
| 職種 | 人事企画/制度設計 評価人事 福利厚生/労務/給与管理人事 |
| 年収 | 600~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | 豊田合成株式会社 |
| 勤務地 | 愛知県清須市 |
| 職種 | 社員教育/研修人事 |
女性活躍推進は、企業の経営戦略。
── 女性活躍推進に取り組む背景について教えてください。
当社が女性活躍に取り組み始めたのは2000年代にさかのぼります。当時はまだ社内の意識も低く、女性管理職の数も限られていました。製造業という業界特性もあり、他産業と比べると圧倒的に女性比率は低かったのです。そこに危機感を持った私たちは、まず制度整備から着手し、その後、研修や人材育成の仕組みを拡充してきました。
現在取り組んでいる「2030事業計画」では、「多様な人材のウェルビーイングの実現」を人材戦略の大きなテーマとして掲げ、女性管理職100名という数値目標を明確に打ち出しました。2025年には45名、2030年に100名を実現するというロードマップです。
数値目標を外部にも明確に公表することは、会社全体としての強い覚悟の表れでもあります。単に「やれたらいい」という目標ではなく、組織の未来を左右する経営課題のひとつとして、本気で取り組んでいます。経営陣が集まるサステナビリティ会議などにおいても、DE&Iが議題に上がり、社外取締役も含めて活発な議論が重ねられています。当社の女性活躍推進は、単なる人事施策の一つにとどまらず、企業の経営戦略そのものと言っても過言ではありません。
── 具体的にはどのような取り組みを行っているのでしょうか。
女性がキャリアを継続する上で最大のハードルとなるのが、家庭との両立です。当社では、育児休業を法律で定められた基準より長い最長2歳までとしており、また祝日託児所(祝日が勤務日の場合に会社で子供を預かる施設)、キッズサポート休暇(子供の学校行事への参加や休園・休校の場合に取得できる休暇)なども導入しています。また、短時間勤務制度やテレワークなど柔軟な働き方も整備しており、特に2025年からは短時間勤務者にもフレックスタイム制を適用するなど、社員一人ひとりの状況にあわせたキャリア形成を支援しています。
また、男性の育児休業取得も推進しています。当社では、会社が組合とも連携し、上司自身が育休取得を後押しする仕組みを導入した結果、男性の育休取得率も63%に達しており、2030年には100%を目指すという目標も掲げています。制度の存在をゴールとせず、遠慮なく利用できるように企業文化として定着させることで、誰もが活躍できる環境をつくっていきたいと考えています。

意識を変革し、制度に命を吹き込む。
── 制度面のほか、意識や風土の変革についてはいかがですか。
制度整備は大前提ですが、それだけでは足りないと考えています。一人ひとりの意識が変わらなければ、制度が形骸化する懸念があります。そこで私たちが重視しているのは、社員の意識を変え、支え合う風土を育む取り組みです。
将来の女性管理職候補を積極的に育成し、キャリア意識を高めてもらうことに注力しています。2025年からはメンター制度を導入し、先輩女性管理職が候補者に1対1で伴走。さらに、管理職就任後も、不安を払拭できるようにフォローアップ制度を整え、役員との1on1ミーティングも随時行っています。
── ロールモデルが少ない中でも安心できるような体制を整えているんですね。
はい。また同時に、ロールモデル不足を補うための取り組みとして、社内外のネットワークづくりにも力を入れています。キャリア形成意識向上や社内人脈づくりを目的とした、女性管理職と中堅女性社員との交流会や、工場の女性社員が集まって職場環境の課題を話し合う「ハートリンク」と名付けた取り組みを行っています。他社交流も積極的に行なっており、同業界の女性リーダーと知見を交換する機会も増えてきました。他にも、一部の管理職候補の女性社員には、近隣の大学と提携して、リーダーシップを学ぶための社会人プログラムも提供しています。
── 全社的な意識改革の取り組みもされているそうですが、詳しく教えてください。
全社的な意識改革としては、多様な人材のウェルビーイングの実現を目指し、ウェルビーイング講演会、職場の心理的安全性を高める研修など上司の意識改革研修や、体験型のフェムテック講習、その他障がい者理解研修などを実施しています。これらの研修には経営トップも参加し、「多様性を理解すること」が企業文化として根付くように取り組んでいます。こうした活動を地道に積み重ねていくことで、女性が安心してキャリアを描ける風土につながっていくのだと考えています。また近年では、TGフェスティバル、駅伝大会、懇親会などを通じた社内全体のインナーコミュニケーションの充実にも力を入れています。部署や世代を超えた交流が生まれ、社員同士の相互理解が進むことで、多様な人材を理解し合う風土が醸成され、DE&I推進につながっていくという狙いです。

すべての社員が、働きやすい会社へ。
── 製造現場でも変革が進んでいると聞きました。
女性活躍推進はオフィスの中だけの話ではありません。製造現場においても、女性が安心して活躍できる環境づくりが進んでいます。たとえば、妊娠中の社員でも無理なく業務を続けられるように工程を見直した生産ラインを導入しています。また、重い製品の搬送を自動化したり、立つ・座る・屈むといった作業動作に対し、身体的な負担を減らす工夫も進めています。
こうした取り組みは、女性はもちろんですが、シニア社員や障がいを持つ社員など、多様な人材が活躍できるユニバーサルな環境へとつながっていくと考えています。女性が働きやすい環境を整備することは、結果的にすべての社員が働きやすい職場をつくることにつながるはずです。
── これまでの取り組みは、社会からどのように評価されていますか。
社外からも高く評価していただいていると思います。2024年には厚生労働省から、「子育てサポート企業」として高い水準の取り組みを行っていることを認定する「プラチナくるみん」を取得しました。また、2025年には愛知県から「あいち女性輝きカンパニー」の優良賞を受賞しています。
── 最後に、今後目指すことを教えてください。
多様性の確保は、時代や社会からの要請であるとともに、企業が未来を切り拓くための競争力にもつながると考えています。ご紹介したような取り組みに関しては、今後もさらに強化していく予定です。さまざまな理由でキャリアに足踏みをしている女性社員が、どんどん管理職を目指してくれるようになれば本当に嬉しいかぎりです。「男性だから」「女性だから」という区別が一切ない環境をつくっていきたいと思っていますので、ぜひ多様な価値観を持つ人に仲間に加わってほしいですね。

豊田合成株式会社が募集している求人はこちら
| 年収 | 600~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | 豊田合成株式会社 |
| 勤務地 | 愛知県清須市 |
| 職種 | CSR IR |
| 年収 | 600~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | 豊田合成株式会社 |
| 勤務地 | 愛知県あま市 |
| 職種 | 物流企画/管理 |
| 年収 | 600~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | 豊田合成株式会社 |
| 勤務地 | 愛知県清須市 |
| 職種 | 事業企画 管理会計 |
| 年収 | 600~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | 豊田合成株式会社 |
| 勤務地 | 愛知県清須市 |
| 職種 | 経営企画 |
| 年収 | 600~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | 豊田合成株式会社 |
| 勤務地 | 愛知県清須市 |
| 職種 | 法務 |
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。