
2011年に創業したMujinは、産業用ロボットを知能化するソリューションを提供する、日本発のロボティクス・メガベンチャーです。世界トップクラスのモーションプランニング技術を強みに、人手不足が深刻化する製造業や物流業界において、生産性の向上と効率化を実現してきました。これまでに累計232億円を調達し、2024年には国内特許ランキングでTOP20に入るなど、着実に成長を続けています。2024年1月には、アクセンチュア社との合同出資でAccenture Alpha Automation(株)を設立、同年4月には、各産業界の自動化をワンストップで支援する体制を構築するため、日本法人(株)Mujin Japanが事業を開始。本記事では、Mujin CEO 兼 共同創業者の滝野一征さんと、Mujin Japan CEOの荒瀬勇さんに、そのビジョンと挑戦の軌跡を伺います。
滝野 一征
米国大学を卒業後、ウォーレン・バフェットが保有し、製造業の中でも世界最高の利益水準を誇る事で有名なイスカル社でキャリアをスタート。生産方法を提案、構築する技術営業に従事し、営業成績1位の輝かしい実績を残すなど、数多くの受賞も経験。現場のプロとして多くの実績を積む。その後、ロボットの知能化により世界の生産性向上に貢献したいという想いを胸に、2011年にロボティクス分野の世界的権威者の一人であるデアンコウ・ロセン博士とMujinを設立。
荒瀬 勇
大学にて機械工学を専攻。卒業後は台湾や米国でのエンジニアインターンシップを経て、日本国内大手機械メーカーのシステムエンジニアとして海外工場立ち上げや新機種開発などの大型プロジェクトに従事。2017年に株式会社Mujinに参画後は数多くのプロジェクトを手掛け、エンジニアリング事業全体を統括。2024年4月に株式会社Mujin Japan 取締役CEOに就任。
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| 年収 | 700~1100 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都江東区, 愛知県岡崎市 |
| 職種 | 生産/物流コンサルタント |
| 年収 | 500~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都江東区, 愛知県岡崎市 |
| 職種 | 組み込み制御プロジェクトマネージャー |
| 年収 | 500~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 愛知県岡崎市, 東京都江東区 |
| 職種 | その他組込/制御設計/開発 |
| 年収 | 1000~1700 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都 江東区 |
| 職種 | web/オープンプロジェクトマネージャー |
目次
「人と同じことをしても意味がない」幼少期から変わらない想い。
── まずは、滝野さんのルーツをお伺いできますか。
滝野:私の原点は、幼少期にあります。父は「もっと面白いことをやれ」と常に言う人でした。自身も会社を立ち上げて上場まで果たした経験を持ち、よく「リスクを取るからこそ成果を手にできる」と口にしていましたね。日本ではリスクを避けることが良しとされがちですが、父からは「挑戦しなければ大きな結果は得られない」と教えられてきました。そんな環境で育ったせいか、私は小さい頃から「人と同じことをしても意味がない」と自然に思うようになりました。図工の作品づくりでも、みんなと同じものは作らず、どうすれば少しでも違いを出せるかを考えていたものです。普通に満足するのではなく、自分らしい工夫を加えて、突き抜けたい──その意識は、いまでも変わらず持ち続けています。
── 創業に至るまでのキャリアを教えてください。
滝野:大学を出て最初に選んだのは、世界的な工具メーカー、イスカル社の日本法人でした。ウォーレン・バフェット氏が保有する会社でも知られる企業で、私はそこで技術営業として全国の製造現場を回りました。お客様の生産工程をどう改善するかを一緒に考え、日本の製造業の厳しさや現実的な課題を肌で学びました。その経験は、のちに「現場をどう変えられるか」という視点を持つ上で大きな財産になりました。
── その後、共同創業者のロセン博士との出会いが転機になるのですね。
滝野:はい。2009年の国際ロボット展で、シリコンバレーの「Willow Garage」で研究していた彼と出会ったのが最初でした。そのときは一緒に会社をやるなんて想像もしていませんでしたが、彼は最初から「君と組む」と考えていたそうです。出会いのあとも何度も誘われましたが、当時は彼のアイデアが本当に社会の役に立つのか分からず、しばらくは断り続けていました。それでも諦めず、正月に突然「大阪に来た」と電話をかけてきて、御堂筋の喫茶店で延々と研究テーマを語られたこともあります(笑)。
その粘り強さに次第に心を動かされ、「成功するかは分からない。でも、これほど情熱を持ってしつこく挑み続けられる人なら、たとえ失敗しても一緒に立ち上がれるかもしれない」と思いました。そして2011年、ロセンと共に顧客も実績もない中でMujinを立ち上げたのです。まだ誰も実現していない産業用ロボットの知能化という領域に、「自分たちにしかできないことがあるはずだ」と決意して飛び込みました。

まだ世の中にない市場、価値をつくる。
── Mujinの事業内容と特徴について教えていただけますか。
滝野:Mujinの事業を一言で表すなら、「知能を持った産業用ロボットで完全自動化の世界を実現すること」です。そして、人々を過酷な肉体労働から解放し、より創造的な活動や技術革新に集中できる社会をつくることをミッションとしています。従来の産業用ロボットは、人がプログラムを組み込み、同じ動作を繰り返すだけでした。そのため、少しでも想定外の事態が起きると対応できず、物流倉庫での仕分けやピッキング作業の多くは人手に頼らざるを得ませんでした。加えて日本では人口減少に伴う労働力不足が進み、倉庫の人手不足をさらに深刻化させていました。
この構造を根本から変えるため、私たちはロボットの「脳」にあたるMujinコントローラと、「目」にあたる3Dビジョン技術を開発しました。これによってロボットは自ら見て判断し、人が逐一プログラミング(ティーチング)を行わなくても柔軟に動けるようになりました。さらに「MujinOS」という共通基盤を構築し、異なるメーカーのロボットやAGV、保管システムなどを一元的に制御できるようにしました。スマートフォンのAndroidやパソコンのWindowsのように、MujinOSを使えば多様なロボットやセンサーをシンプルに扱えるようになるのです。この技術はこれまでファーストリテイリング様やトヨタ自動車様、アスクル様、スターバックス様といった国内外の名だたる企業に採用いただき、大規模な物流拠点の自動化を実現しています。単なるアカデミックな研究開発ではなく、社会基盤やインフラを現実に変え始めているのが今のMujinです。
── 創業してから、直面した壁や葛藤はありましたか。
滝野:最初に苦しんだのは「そもそも市場そのものが存在しない」という現実です。2011年の創業当時は、リーマンショックの余波もあり投資家の目は産業用ロボットに向いていませんでした。説明に行っても「この分野に未来はない」と言われることも多かった。資金調達も難しく、生活費を稼ぐために昼は別の仕事をして、夜に開発を進めるしかありませんでした。そんな中でも諦めずに投資家を回り続け、事業計画や技術の検証データを示し続けた結果、UTEC様が最初の出資を決めてくれました。しかも「口だけではなく実際に手も動かすVC」で、契約や特許、決算の作業まで机を並べて支援してくれました。その伴走があったからこそ、ようやく開発に専念できる環境を整えることができました。
次に直面したのは、「本当に顧客に価値を伝えられるか」という壁です。存在しない市場に新しい技術を持ち込むことは、顧客にとっても想像がつかない世界です。例えば、炊飯器が世の中に出始めた頃のように、「本当にこれで生活が変わるのか」と思われて当然でした。だからこそ私たちは、机上の説明ではなく「現場で動くものを見せる」ことに徹しました。まだ不完全なシステムであっても現場に入れ、課題が出ればすぐに改善し続ける。ロボットが24時間365日止まらずに動くまでやり切る。その積み重ねで、顧客が少しずつ「これは本当に使える」と信じてくれるようになったのです。
こうして壁を一つずつ乗り越えてきたからこそ、いまMujinは大規模プロジェクトを任される存在になり、社会の仕組みを変える動きがリアルに、身近になってきました。かつて「不可能だ」と言われた挑戦も、今は時代の必然として求められるようになっていると実感しています。今では多くの企業がこの分野に参入を試みていますが、数年で追いつけるものではありません。私たちは15年も前から、道を切り拓いてきたのですから。

「こんな会社は日本で二度と出てこない」と、直感。
── Mujin Japan CEOの荒瀬さんが、Mujinにジョインしたきかっけを教えてください。
荒瀬:私がMujinに入社したのは2017年です。前職は大手機械メーカーで、物流システム部のエンジニアとして自動倉庫やリチウムイオン電池の生産ラインの構築を担当していました。工場の物量や稼働能力を踏まえて設備を設計・導入する仕事でやりがいはありましたが、「人にしかできない」と言われていた作業を自動化している企業があると聞き興味を持ちました。それが当時まだ、社員30名程度だったMujinです。ホームページに「気軽にオフィスに来てください」と書いてあったのをきっかけに訪問し、滝野と2時間も話し込んだ後に、「こんな会社は日本で二度と出てこない」と直感しました。滝野は一歩先だけでなく、三歩、五歩先を見据え、ソフトウェアの力で産業革命を起こそうとしていた。その明確なビジョンに心を奪われたんです。私自身、物流倉庫で12kgの段ボールを一日中運ぶ過酷な作業や、止まれば人命に直結する医薬品倉庫の現場を見てきました。だからこそMujinの挑戦に強く共感しました。世界中から優秀なエンジニアが集まり切磋琢磨している環境なら自分も必ず成長できると確信しました。そして「今入らなければ必ず後悔する」と思い、転職を決めたのです。
── 2024年にMujin Japanが事業を開始し、ご自身がCEOに就任されます。
荒瀬:入社後は営業や現場対応を幅広く担いながら、次第にエンジニアリング部門の統括を任されました。システム設計や工事、アフターサポートまでを一貫して見る体制を整えたことで、「技術力」に並ぶ、Mujinのもう一つの大きな強みである「現場力」を築けたと思っています。
そして2024年にスタートしたMujin Japanは、その現場力をさらに高め、世界中の顧客に一貫した高い価値・変わらず高品質のMujin製品を届けることを目的に立ち上げました。倉庫や工場全体の流れを最適化するために、戦略コンサルティングから設備設計、導入、アフターサポートまでをワンストップで担い、顧客とともに課題の本質を見極めて解決していく。その仕組みをつくり、推進していく役割を担うのがMujin Japanです。私自身がCEOを引き受けたのは、単なるキャリアアップのためではありません。Mujinが掲げる「過酷な労働から人々を解放する」というミッションを実現するには、自分がその舵を取ることのが最も本質的だと考えたからでした。

圧倒的な成長機会を約束します。
── 今後のMujin Japanの展望を教えてください。
荒瀬:Mujin Japanが目指すのは、部分的な自動化ではなく、工場や倉庫の全体最適化です。私たちは「MujinMI」という独自の機械知能を基盤に、コンサルティングからエンジニアリングまでを一貫して担う“ソフトウェア基盤を強みにしたトータルエンジニアリングソリューションの会社”として進化しています。つまり、ロボット単体の装置を入れるのではなく、全体を見渡した上で「どうすれば人の負担を最小化できるか」をコンサルティングから実装まで伴走するのが私たちの強みです。ゴールは、難しいロボット技術を誰もが簡単に使えるレベルまで引き上げること。まるでGoogle検索のように、裏側の複雑な仕組みを意識せずに自然に使いこなせるような世界を実現したいと考えています。物流・製造業は今後も主戦場ですが、時代やニーズに応じて、他産業への展開も視野に入れています。
── 現状の課題や注力ポイントはなんでしょうか。
荒瀬:最も大きいのは「採用」です。会社の成長スピードに対し人材が足りず、顧客からの引き合いに対応しきれていません。正直に言えば、人材が揃えば売上は例えば1.5倍から2倍にできるはずです。だからこそ、Mujinのミッションに共感し、社会を変えたいという強い思いを持った人を心から求めています。7つあるMujinのバリューのうち、私自身が特に大切にしているのが「Never Give Up, Never Surrender(最後まで諦めない)」と「Take Initiative, Be Independent(自ら主体的に動く)」の2つ。困難に直面しても粘り強くやり抜き、自ら課題を見つけて解決する──そんなオーナーシップを持つ人材は大歓迎です。顧客の要望の表層だけではなく、工場や倉庫全体を俯瞰して課題を見極められるマクロな視点も欠かせません。そして、世界トップレベルの仲間とともに挑戦し続けたいという意欲を持っている人であれば、Mujinは圧倒的な成長機会を提供できる会社だと自負しています。
特に今必要なのは、生産技術者やプロジェクトマネージャー、顧客対応ができるシステムエンジニア、そして営業です。国籍や年齢、学歴は一切問いません。実力と成果を正当に評価する環境があるからこそ、誰もが「やること」へのコミットメント次第で大きなチャンスが掴めます。Mujin Japanは、社会を変える挑戦に本気で取り組みたい人にとって、間違いなく最高の舞台になるはずです。

世の中のあたり前を変えたい。そんな人にこそ来て欲しい。
── 最後に、お二人から転職を考えている方にメッセージをお願いします。
滝野:私たちMujinのソリューションは、今では大手EC企業様やメーカー様に導入され、数百億円規模のラインを止めない技術として欠かせない存在になりました。これから挑むのは、日本だけでなく世界中の倉庫や工場を変えていくこと。新しいアルゴリズムや制御技術を生み出す仕事は、未来の産業構造を自らの手でつくる挑戦でもあります。たとえ産業ロボット分野の経験がなくても、「世の中のあたり前を変えてみたい」という想いがあれば歓迎します。人類の文明史に残るようなプロジェクトを一緒に手掛けていきましょう。
荒瀬:Mujinの強みは「ロボットを人の代わりに動かす」技術だけでなく、その価値を社会に届けきる力です。我々が担当する事業開発の現場では、海外の物流大手企業様やメーカー様と直接対話し、新しいソリューションを一から組み上げています。現場を訪れると「これまで人手でしかできなかった作業が、ロボットでここまでできるのか」と驚かれる瞬間が多くあります。その驚きを実際の導入につなげ、産業全体を変えていくダイナミズムが、この仕事の醍醐味です。「自分の仕事が世界を前進させている」──その実感を得られるフィールドがMujinにはあります。

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| 年収 | 700~1100 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都江東区, 愛知県岡崎市 |
| 職種 | 生産/物流コンサルタント |
| 年収 | 500~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都江東区, 愛知県岡崎市 |
| 職種 | 組み込み制御プロジェクトマネージャー |
| 年収 | 500~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 愛知県岡崎市, 東京都江東区 |
| 職種 | その他組込/制御設計/開発 |
| 年収 | 1000~1700 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都 江東区 |
| 職種 | web/オープンプロジェクトマネージャー |
| 年収 | 600~1300 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都 江東区 |
| 職種 | 生産/物流コンサルタント |
| 年収 | 500~800 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都 江東区 |
| 職種 | 生産/物流コンサルタント |
| 年収 | 500~900 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都江東区 |
| 職種 | 機械/電気/電子製品法人営業 |
| 年収 | 500~900 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 愛知県岡崎市 |
| 職種 | 機械/電気/電子製品法人営業 |
| 年収 | 600~900 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都江東区 |
| 職種 | 機械フィールド/サポートエンジニア |
| 年収 | 500~1000 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都江東区 |
| 職種 | 機械フィールド/サポートエンジニア |
| 年収 | 400~800 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都江東区 |
| 職種 | 採用人事 |
| 年収 | 700~1100 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都江東区 |
| 職種 | 管理会計 財務/ファイナンス |
| 年収 | 400~600 万 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Mujin Japan |
| 勤務地 | 東京都江東区 |
| 職種 | 財務会計 |
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。