採用活動のプロセスでは、応募者とのメールのやりとりが発生します。メールの文面によって印象が変わり、応募者の入社意欲が高まることもあれば不信感を抱かれる可能性もあります。採用通知・不採用通知および選考に関するメールの文例、送信時の注意点やチェック項目、好印象を与えるポイントについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
採用メールの書き方のポイント
選考結果を伝えるメールでは、結果を明確に伝えるのはもちろんのこと、事務的になりすぎないように配慮したいものです。「採用」を伝える場合、「不採用」を伝える場合、それぞれについてメール作成のポイントをお伝えします。
採用通知メールの場合
応募者は複数の企業に応募し、比較検討している可能性があります。メールの文面が企業の印象を左右し、どの企業を選ぶかの決断に影響を及ぼすこともないとは言えないでしょう。
そこで、「応募への感謝」「入社への期待」などのメッセージを添えることで、印象アップにつながり、内定辞退を防ぐ効果が期待できます。 また、「入社までのスケジュール」「入社手続きに関する提出書類」など、入社準備のための連絡事項も必須項目です。
メール文面への配慮はもちろん、なるべく早いタイミングで送信することも大切です。他の企業でも選考が進んでいる、あるいは他の企業にも応募を検討している場合は、いち早く採用を伝えることで、自社を選んでもらえる確率が高まります。
不採用通知メールの場合
応募者は不採用通知を受け取ると、気分が落ち込むものです。冷たさを感じる文面であればなおさら、企業に対してネガティブな印象を抱くこともあるでしょう。自社社員として迎えないにしても、自社の商品・サービスを利用する顧客となったり、ビジネス上の取引先になったりする可能性もあります。自社のイメージを損ねないよう、誠意が感じられる丁寧な文面を心がけましょう。
そこで、不採用通知メールでは、まずは応募への感謝を伝え、「不採用です」だけではなく「誠に残念ながらご期待に添えない結果となりました」といった表現を使うことで印象が和らぎます。可能であれば、選考過程においてプラスの評価をしたポイントなどを伝えてもいいでしょう。なお、「不採用にした理由」について記載する必要はありません。
文末には、応募書類の取り扱いについて記載します。「自社にて破棄」「郵送にて返却」など、自社の規定に沿って明記しましょう。個人情報が記されているものだけに、応募者に安心してもらうことが重要です。 最後は、応募者の今後の活躍を祈念するメッセージで締めくくります。
採用メールの文例
採用通知・不採用通知のメール文面の一例をご紹介します。こちらを参考に、状況に応じてアレンジしましょう。
採用通知メールの文例
件名：【採用決定のご連絡】株式会社○○
○○ ○○（フルネームで記載）様
株式会社○○ 採用担当の○○でございます。
このたびは弊社にご応募いただき、また度々面接にお越しいただき、
誠にありがとうございました。
選考の結果、○○様の○○に関するスキルとご経験を高く評価し、
採用させていただくことに決定しましたので、ここにお知らせいたします。
つきましては、ご入社にあたり、弊社にご提出いただく書類を本日発送いたしました。
必要事項をご記入の上、◯月◯日までにご返送くださいますようお願いいたします。
ご入社日・採用日は○月○日付の予定でございます。
提出書類や今後の手続きなどでご不明な点などございましたら、
ご遠慮なく下記連絡先までお問い合わせください。
社員一同、○○様と一緒に働けることを心より楽しみに、ご入社をお待ちしております。
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会社名
部署名
氏名
電話番号
メールアドレス
企業サイトURL
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不採用通知メールの文例
件名：【面接結果のご連絡】株式会社○○
○○ ○○（フルネームで記載）様
株式会社○○ 採用担当の○○でございます。
先日はお忙しい中、面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。
慎重に選考を重ねました結果、誠に残念ながら今回についてはご期待に添えない結果となりました。
今回の選考では思いがけず多数の応募があり、弊社としましても苦慮した上での判断となりました。
大変恐縮ではございますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
なお、お預かりした応募書類につきましては、郵送にてご返却いたしますので、よろしくご査収ください／弊社で責任をもって破棄いたします。
末筆になりますが、○○様の今後一層のご活躍をお祈り申し上げます。
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会社名
部署名
氏名
電話番号
メールアドレス
企業サイトURL
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選考に関するメール文例
選考プロセスで送るメール文面の一例をご紹介します。こちらを参考に、状況に応じてアレンジしてしましょう。
・応募受付メールの文例
・書類選考の通過メールの文例
・不採用通知メール（書類選考）の文例
・面接の日程調整メールの文例
・面接の日程案内メールの文例
・選考辞退・内定辞退に対するメールの文例
応募受付メールの文例
件名：【応募受付のご連絡】ご応募ありがとうございます／株式会社○○
○○ ○○（フルネームで記載）様
株式会社○○ 採用担当の○○でございます。
このたびは弊社求人にご応募いただき、誠にありがとうございます。
ご提出いただいた書類をもとに、選考を進めてまいります。
書類選考の結果は1週間程度以内にご連絡差し上げる予定です。
今しばらくお待ちいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
ご不明な点などございましたら、ご遠慮なく下記連絡先までお問い合わせください。
何卒よろしくお願いいたします。
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会社名
部署名
氏名
電話番号
メールアドレス
企業サイトURL
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書類選考の通過メールの文例
件名：【書類選考通過のご連絡】株式会社○○
○○ ○○（フルネームで記載）様
株式会社○○ 採用担当の○○でございます。
このたびは弊社にご応募いただき、 誠にありがとうございます。
書類選考の結果、ぜひ○○様と面接にてお会いさせていただきたく存じます。
1次面接はオンラインにて実施いたしますので、下記候補日程の中からご希望の日時を
お知らせいただければ幸いです。
※所要時間は1時間程度を予定しています。
＜面接候補日程＞
○月○日（○） ○○：○○～○○：○○の間
○月○日（○） ○○：○○～○○：○○の間
○月○日（○） ○○：○○～○○：○○の間
上記日程内でご都合がつかない場合、ご希望の日程を2～3ほどご提示ください。
ご不明な点などございましたら、ご遠慮なく下記連絡先までお問い合わせください。
何卒よろしくお願いいたします。
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会社名
部署名
氏名
電話番号
メールアドレス
企業サイトURL
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不採用通知メール（書類選考）の文例
件名：【書類選考結果のご連絡】株式会社○○
○○ ○○（フルネームで記載）様
株式会社○○ 採用担当の○○でございます。
このたびは弊社にご応募いただき、 誠にありがとうございます。
慎重に書類選考を行いました結果、誠に残念ながらご期待に添えない結果となりました。
今回の選考では思いがけず多数の応募があり、弊社としましても苦慮した上での判断となりました。
大変恐縮ではございますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
なお、お預かりした応募書類につきましては、郵送にてご返却いたしますので、よろしくご査収ください／弊社で責任をもって破棄いたします。
末筆になりますが、○○様の今後一層のご活躍をお祈り申し上げます。
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会社名
部署名
氏名
電話番号
メールアドレス
企業サイトURL
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面接の日程調整メールの文例
件名：【○次面接のご案内】株式会社○○
○○ ○○（フルネームで記載）様
株式会社○○ 採用担当の○○でございます。
このたびは弊社の◯次面接にご参加いただき、 誠にありがとうございました。
前回の面接でのお話をもとに検討した結果、ぜひ次の面接に進んでいただきたいと存じます。
○次面接は弊社オフィスにて、対面で実施いたします。
下記候補日程の中からご希望の日時をお知らせいただければ幸いです。
※所要時間は1時間程度を予定しています。
＜面接候補日程＞
○月○日（○） ○○：○○～○○：○○の間
○月○日（○） ○○：○○～○○：○○の間
○月○日（○） ○○：○○～○○：○○の間
上記日程内でご都合がつかない場合、ご希望の日程を2～3ほどご提示ください。
ご不明な点などございましたら、ご遠慮なく下記連絡先までお問い合わせください。
何卒よろしくお願いいたします。
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会社名
部署名
氏名
電話番号
メールアドレス
企業サイトURL
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面接の日程案内メールの文例
件名：【面接日時のご案内】株式会社○○
○○ ○○（フルネームで記載）様
株式会社○○ 採用担当の○○でございます。
面接日程につきまして、ご希望をお知らせいただき、ありがとうございました。
以下の通り、面接日時を確定させていただきました。
●日時
○月○日（○）○○：○○～○○：○○
●場所
（面接会場の住所／アクセス方法など）
※オンライン面接の場合はURL
●持ち物
（履歴書・職務経歴書などの書類や筆記用具など）
ご不明な点などございましたら、ご遠慮なく下記連絡先までお問い合わせください。
○○様にお会いできますこと、楽しみにしております。
何卒よろしくお願いいたします。
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会社名
部署名
氏名
電話番号
メールアドレス
企業サイトURL
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選考辞退・内定辞退に対するメールの文例
件名：【ご辞退メール受領のご連絡】株式会社○○
○○ ○○（フルネームで記載）様
株式会社○○ 採用担当の○○でございます。
ご連絡いただき、誠にありがとうございます。
選考辞退（内定辞退）の旨、承知いたしました。
誠に残念ではございますが、数ある求人の中から弊社に興味を持っていただき、
ご応募いただきましたこと、心より感謝申し上げます。
今後、もしご状況が変わることがございましたら、ぜひご連絡いただければ幸いです。
なお、お預かりした応募書類につきましては、郵送にてご返却いたしますので、よろしくご査収ください／弊社で責任をもって破棄いたします。
末筆になりますが、○○様の今後一層のご活躍をお祈り申し上げます。
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会社名
部署名
氏名
電話番号
メールアドレス
企業サイトURL
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採用メールを送信する際の注意点
採用や選考結果のメールを送信する際には、以下のポイントに注意しましょう。
わかりやすい件名をつける
採用メールの「件名」は、送付者と要件が一目でわかるものにしましょう。例えば、次のような書き方です。
【選考結果のご連絡】株式会社○○○（社名）
【面接結果のご連絡】株式会社○○○（社名）
応募者がメールボックスを開いた際、すぐに選考結果の連絡だと気付かなければ、大量のメールに埋もれて見過ごされてしまう可能性があります。特に「採用通知」の場合、メールに気付くのが遅れると、他社への入社を決めてしまったり、入社手続きが滞ったりすることになりかねません。 スパムメールなどと混同しやすい件名は避けましょう。
3日～1週間以内を目安に送信する
採用／不採用の通知メールは、選考終了後3日～1週間以内を目途に、なるべく早く送るようにしましょう。
応募者は結果を待つ間、不安な気持ちを抱えて過ごしている場合もあります。また、結果がわからないことで、次のアクションを起こすのが難しいこともあるでしょう。応募者の気持ちや立場に配慮し、早めの対応を心がけましょう。採用通知が遅れれば、他社への入社を決め、内定を辞退される事態も起こりえるのです。
ただし、他の応募者の選考に時間がかかる、リファレンスチェックを行うなど、選考終了後1週間以内に連絡できないケースもあるかもしれません。その場合は、いつ頃に結果を連絡できるか、目安となる時期を事前に伝えておくといいでしょう。また、メールの送信後には、「送信済みフォルダ」を確認し、正常に送信されているかどうかも確認しましょう。
採用メール送信前のチェック項目
採用に関する通知メールを作成したら、送信前に以下について見直しましょう。
誤字・脱字はないか
文面に誤字・脱字があると、雑な印象を与えてしまう恐れがあります。誤字・脱字や不自然な表現がないか、入念にチェックしましょう。
宛先・記載情報に誤りはないか
応募書類を参照しながら、宛名のフルネームの表記に誤りがないかを確認します。採用通知の場合は、入社予定日や書類提出期限などが正確かどうかもチェックします。他の応募者に送った文面をコピー＆ペーストした場合などは、ミスが起こりやすいため注意が必要です。
文章の構成・表現に問題はないか
必要な連絡事項が漏れなく記載されているかどうかを確認しましょう。
- 応募者の氏名
- 自身の所属部署・名前
- あいさつ
- 応募・面接来訪へのお礼
- 選考結果
- （採用の場合）今後の手続き／スケジュール／疑問点の問い合わせ先
- （不採用の場合）応募書類の取り扱い
- 締めくくりのメッセージ
- 署名
また、相手に誤解を与える表現、不快感を抱かせるような表現をしていないかを見直します。
応募者に好印象を与えるポイント
採用・不採用いずれの結果であっても、自社を選んで応募してくれたことへの感謝の気持ちを持つこと、自社に対する印象や信頼感を高める意識を持つことが大切です。
メール文面では「事務連絡」に終始せず、感謝を表しましょう。また、入社予定者に対しては、一緒に働くことへの期待や歓迎など、「気持ち」を伝えることをお勧めします。
企業側の温かい気持ちを感じ取れれば、採用した人は入社意欲が高まり、不採用になった人にも好印象を残すことができるでしょう。
粟野 友樹（あわの ともき）氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。
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