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不採用通知をメールで送る際には、文字だけで結果を連絡するため、書き方によっては応募者に冷たい印象を与えてしまい、自社に対して不満を抱かれる可能性もあります。そのため、不採用通知メールの文面には配慮をすることが必要です。本記事では、不採用通知をメールで送る際のポイントや書き方、作成事例などについて解説します。

不採用通知メールに記載する内容

不採用通知メールは、応募者に選考試験結果をわかりやすく伝えるために、以下のような項目を記載します。文章を書く際には、応募者への配慮を欠かさない意識が必要です。

  • 宛名:応募者のフルネームを間違えないように記載する
  • 差出人名:会社名と部署名、必要であれば担当者名を記載する
  • メールタイトル:一目でわかるように「選考試験結果のご連絡」などと記載する
  • 応募の御礼:多くの企業から自社を選んで応募してもらった感謝を伝える
  • 選考結果:今回の選考では不採用になった旨を簡潔かつ丁寧に伝える
  • 応募者の心情への配慮:「ご希望に添えず申し訳ございません」など、受け取る応募者の心情に配慮した文章を、結果に続けて記載する
  • 応募書類の処置:個人情報が記載されているので、破棄か返却のどちらかの処置をするのか、自社規定に沿って記載する
  • 締めの言葉:応募者の今後の活躍を祈念する言葉を添える

なお、具体的な記載内容については、選考段階に応じた事例をもとに後述します。

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不採用通知メールの書き方のポイント

不採用通知を行う際には、応募者への配慮が必要不可欠です。ここでは、不採用通知メールを書く際のポイントについて紹介します。

件名はひと目で差出人・内容がわかるものにする

メールの件名は、応募者が差出人や内容を一目で理解できるように書きましょう。

応募者は同時に複数の会社に応募している可能性が高く、さらに転職活動以外のメールも多く受け取っていることでしょう。そのため、メールの件名で差出人や選考結果についての連絡と判断できなければ、他のメールに埋もれて気づかれない恐れがあります。

「【選考結果のご連絡】○○(会社名)」のように、【すみつきかっこ】などを用いて目立たせる工夫も大切です。

選考結果は丁寧な言葉遣いで端的に記載する

選考結果は、端的かつ丁寧な言葉遣いで書きましょう。

応募者は不採用の連絡を受けると、少なからず気持ちが落ち込んでしまい、今後の転職活動に影響する恐れもあります。そのため、丁寧な言い回しを意識するのはもちろん、「ご期待に添えない結果となりました」など、配慮をしつつ伝えることも大切です。

不採用理由の記載は不要

不採用通知をメールで送る際、理由の記載は基本的には不要です。
選考結果の通知内容について労働法上の定めはなく、不採用にいたった理由を伝えなくても問題ありません。

再選考の可能性について考慮する

現時点の選考結果では不採用でも、再選考の可能性があるならば通知内容にも配慮が必要です。

例えば、不採用にいたった理由が以下のようにやむを得ない理由だった場合、再選考の実施についての記載も考慮しましょう。

  • 経験やスキル、人柄ともに採用したい人材だったが、年収条件だけが合わなかった
  • 1名採用枠でやむを得ず不採用にしたが、採用したい人材であるため別部署でぜひ選考に参加してほしい など

このような場合は、メールで不採用にせざるを得なかった理由を伝えたうえで、別途面談などを行いたい旨などを追記し、再選考への参加が可能か問い合わせるといいでしょう。

応募書類の取り扱いについて明記する

応募書類の取り扱いについても、応募者に不安を抱かせないように明記します。

履歴書や職務経歴書、ポートフォリオなどの書類には、応募者の住所や氏名、生年月日、学歴などの個人情報が記入されています。個人情報の漏洩というコンプライアンス上のトラブルは避けなければならないので、応募書類の「破棄」および「郵送での返送」など、取り扱いについて自社の規定に沿って明記しましょう。

不採用通知メールの送付時の注意点

不採用通知の対応内容によっては、応募者が会社の対応に不満を感じてしまうこともあります。ここでは、不採用通知のメールを送付する際の注意点を3つ紹介します。

最低1週間以内に送付する

不採用通知のメールは、選考が終了してから最低でも1週間以内に送付しましょう。

応募者は連絡が遅くなるほど不安になるのはもちろん、その後の活動が後ろ倒しになり、会社の対応に不満を感じることもあります。

応募者への配慮が足りなかったことが、結果的に自社の信用を損なう事態に陥ってしまう恐れがあるので、不採用通知のメールを送る際は最低でも1週間以内を意識し、少しでも早く送付できるように心がけましょう。

なお、リファレンスチェックや他の応募者との比較に時間がかかる、決済者の不在や多忙などさまざまな理由で、どうしても1週間以内の返信が難しい場合もあるかもしれません。その場合は、選考状況や結果を連絡できる目安の時期を応募者に事前に伝えておくようにしましょう。

宛名・送り先の確認を必ず行う

不採用通知メールを送付する前に、宛名や送り先を必ず確認します。

応募者はメールが届かないのはもちろん、送られてきたとしてもメールの宛名に間違いがあれば、会社の配慮のなさを不愉快に感じてしまうかもしれません。また、誤送信によって個人情報が漏洩する恐れもあります。

メールを書く際には応募書類を参考にし、宛名はフルネームで記載し、送り先のメールアドレスは以前送付したメールなども確認しながら正確に記入しましょう。

メールを送付し終わったら、正常に送付されているかをメールシステムの「送信済み」フォルダで確認することも大切です。

転職エージェントを経由している場合は、転職エージェントの担当者に連絡する

転職エージェントから応募者の紹介を受けた場合は、転職エージェントの担当者に不採用通知をしてもらいましょう。

基本的に、転職エージェント経由の募集をしている場合、応募者と企業が直接やり取りをすることはありません。不採用通知に限らず、応募者に伝えたいことがある際は必ず転職エージェントを通すようにします。

また、転職エージェントに応募者が不採用になった理由を伝えることで、今後紹介を受ける人材の基準について擦り合わせる機会にもなります。

不採用通知メールの例文

不採用通知メールを送る際には、応募者に配慮したわかりやすい文面を意識する必要があります。ここでは、選考段階に分けて例文を3つ紹介します。

書類選考

書類選考段階での不採用通知では、丁寧な表現を意識しつつ、あまり冗長にならないように手短に結果を伝えましょう。

件名:【書類選考結果のご連絡】〇〇(会社名)

〇〇 〇〇(フルネームで記載)様

〇〇(会社名)採用担当でございます。
この度は、弊社求人にご応募いただきまして、誠にありがとうございました。

慎重に書類選考を重ねました結果、
誠に残念ながら今回についてはご期待に添えない結果となりました。

なお、お預かりさせていただいた応募書類につきましては、郵送にてご返却いたしますので、よろしくご査収ください。/弊社で責任をもって破棄いたします。

末筆になりますが、〇〇様の今後一層のご活躍をお祈り申し上げます。

面接(最終面接以外)

最終面接以外の面接で不採用となった応募者に対しては、面接に参加してもらったことに感謝しながら、丁寧な表現を心がけてメールを送りましょう。

件名:【面接結果のご連絡】〇〇(会社名)

〇〇 〇〇(フルネームで記載)様

〇〇(会社名) 採用担当(必要に応じて名前を記載)でございます。
先日はお忙しい中、面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。

慎重に選考を重ねました結果、誠に残念ながら今回についてはご期待に添えない結果となりました。

今回の選考では思いがけず多数の応募があり、弊社としましても苦慮した上での判断となりました。
大変恐縮ではございますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

なお、お預かりさせていただいた応募書類につきましては、郵送にてご返却いたしますので、よろしくご査収ください。/弊社で責任をもって破棄いたします。

末筆になりますが、〇〇様の今後一層のご活躍をお祈り申し上げます。

最終面接

最終面接で不採用になった応募者に対しては、これまで複数回の選考に参加してもらったことに謝意を述べつつ、丁寧に伝えるようにしましょう。

件名:【面接結果のご連絡】〇〇(会社名)

〇〇 〇〇(フルネームで記載)様

〇〇(会社名)採用担当(必要に応じて名前を記載)でございます。
この度は、多数の企業の中から弊社にご応募いただきまして、誠にありがとうございました。
また先日はお忙しい中、最終面接にお時間を割いていただきましたこと、重ねて御礼申し上げます。

厳正なる審査の結果、誠に残念ではございますが、今回は採用を見送らせていただくこととなりました。

何度もご足労いただいたのにも関わらず、ご希望に添いかねる結果となり恐縮ではございますが、ご了承くださいますようお願いいたします。
なお、お預かりさせていただいた応募書類につきましては郵送にてご返却いたしますので、よろしくご査収ください。/弊社で責任をもって破棄いたします。

末筆になりますが、人事部一同、〇〇様の今後一層のご活躍をお祈り申し上げます。

応募者に配慮した不採用通知の作成を

不採用通知の連絡手段はさまざまですが、メールで連絡する際には応募者への配慮が特に必要です。一目でわかるタイトルをつけ、応募してもらったことに対する謝意を添えたうえで、丁寧な文面の作成を心掛けましょう。

採用活動を通して自社の信頼性を高める意識を忘れず、応募者の心情に沿った対応を意識することが大切です。

この記事の監修者

粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

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