採用される確率を上げるために、「バーチャル面接官」になって自分自身を面接してみよう

キャリアカーバーで転職活動をされていらっしゃる皆様は幹部、経営職にある方が多く、自社採用の面接官を務められている方も多くいらっしゃることと思います。
そんな皆さんが、転職する側に回りますと、なぜか忘れてしまいがちなのが「面接官の視点」。

今回は、ご自身が採用される確率を上げるための手立てとして、「採用する側からの見え方、感じ方、判断の仕方」をシミュレーションしてみることをお薦めしたいと思います。自分自身を採用する「面接官」になってみて自らをバーチャル面接してみることで、転職活動で気がつかなかったあなたの強みや弱み、意外な落とし穴を発見してみましょう。

キャリアカーバーで転職活動をされていらっしゃる皆様は幹部、経営職にある方が多く、自社採用の面接官を務められている方も多くいらっしゃることと思います。
そんな皆さんが、転職する側に回りますと、なぜか忘れてしまいがちなのが「面接官の視点」。

今回は、ご自身が採用される確率を上げるための手立てとして、「採用する側からの見え方、感じ方、判断の仕方」をシミュレーションしてみることをお薦めしたいと思います。自分自身を採用する「面接官」になってみて自らをバーチャル面接してみることで、転職活動で気がつかなかったあなたの強みや弱み、意外な落とし穴を発見してみましょう。

※今回、転職応募者であるあなたのことを『応募者』と表記します。

面接官として、あなたの職務経歴書・履歴書を読んでみる。

まず書類選考です。ご自身の職務経歴書、履歴書を手元に用意します。書かれている情報だけで判断するようにしてくださいね。

さて、『応募者』の経歴は理解できましたか?単にこれまでの会社名、部署名や肩書が分かっただけではいけませんよね。そのときどきに、どのような職務をされていたのか?そこでどのような成果をあげたのか?それはなぜ、そうした成果をあげることができたのか?
これらを通じて、『我が社』が採用したいと思える経験・スキル・専門性がリアリティを持って書類から読み取れたでしょうか?
なによりも、その一連の記載情報から、何か<グッと惹かれるもの>はありましたか?

読み手に伝わる職務経歴書(・履歴書)を提出するところから、勝負はスタートします。その割には、特に職務経歴書の記載に力を充分に入れていない方が多くいらっしゃるように思います。応募書類を読んでもらわないことには、何も始まりません。ぜひ、気合を入れてレジュメのセットアップをお願いいたします。

面接官として、あなたの話を聞いてみる。

次は対面での面接です。ちょっと難しいですが、面接官に向かって話をしてみつつ、それを面接官として聞いている、話す姿を見ているというイメージをしてみてください。

『応募者』の経歴や強みは端的、具体的に語られていましたか?聞いているあなたに、分かりやすく、腑に落ち、共鳴できるものでしたでしょうか?プロアクティブに業務に取り組む姿勢、実際に成果をあげてくれそうな気配を感じましたか?
一方では、陥りがちな面接での失敗として、「自分の言いたいことばかり話していて、聞き手が聞きたいこと、質問に対して的確に答えていない」というものがあります。『応募者』は、あなたの質問や聞きたいこと、そもそもこの会社の当該職務に応募したことにつながる話を出来ていたでしょうか?

私は面接アドバイスで、キャリアカーバーユーザーのようなミドル・シニアクラスの方々の転職においては、「面接と思わずに、商談だと思ってください」と言っています。皆さんが応募されるような幹部クラスのポジションは、会社や事業の課題解決をしてくださる方を求めています。そのポジションで解決すべき課題やテーマについて、どのように相対すればそれが実現できるかについてのディスカッションが面接の場でできることが望ましいのです。

さて、『応募者』がそのポジションに就いたときに、うまく課題解決や業務推進をしてくれそうだと、面接官のあなたは強く感じることができましたか?

面接官として、あなたの人物を見てみる。

さてもう一度、同じく面接シミュレーションですが、今回は最終面接として社長になって『応募者』を面接してみましょう。

社長が見るのは、その候補者の総合力です。そもそも我が社の既存社員たちに良い印象、影響を与えそうなオーラを感じますか?途中であきらめたり投げ出したりせずに、しっかり任された職務をやり続けてくれそうでしょうか?タフな局面にあったとしても、奮闘しやり切ってくれると信じられそうでしょうか?我が社において、新たな価値を生み出してくれそうでしょうか?

最終的に、これらの評価を通じて、ぜひとも一緒に働きたい、この『応募者』に我が社の職場にいて欲しいと思ったでしょうか?

バーチャル面接官体験を通じて、どのような要素が揃えば相手企業があなたを「ぜひとも採用したい」と思うのかについて理解、把握できましたか?

『応募者』を論理的、構造的に把握することも大事ですし、感情的、体感的に把握することも非常に重要です。具体的にどのようなことに注意すべきか、見られるのかについては、ぜひこの連載のバックナンバーも参考にしていただき、対策を練って頂ければと思います。

「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」の実践こそ、転職成功の要諦。
ではまた、次回!

井上 和幸氏

株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

井上 和幸(いのうえ かずゆき)

1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。

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