転職活動中は、企業の採用担当者や転職エージェントと、何度もメールでやり取りすることになります。メールでの連絡が発生するシーン別に、返信メールの書き方のポイントを、例文とともに解説します。
目次
【アドバイザー】
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。
転職活動で、メールのやり取りが発生するタイミングとは?
転職活動においてメールで連絡を取り合うのは、「面接の日程調整」、「内定承諾」、「入社の時」などです。なお、転職エージェントを利用している場合は、基本的に転職エージェント経由で連絡することになるため、求職者が企業と直接やりとりすることはありません。
中途採用は、企業が募集を始めて、要件にマッチする人材が内定承諾した段階で、採用枠が充足し募集は終了となります。企業・転職エージェントいずれの連絡においても、メールの返信に時間をかけていると、その間にライバルとなる他の求職者に内定が出て、募集枠が埋まってしまう可能性があります。メールはできる限り早く返信することを心がけましょう。
転職エージェントからの面接の日程調整連絡への返信メール
転職エージェントから、面接の日程調整の連絡が来た場合の、返信メールの例文をご紹介します。
株式会社〇〇エージェント
△△様
お世話になっております。●●です。
株式会社■■の面接の日程調整、ありがとうございます。
以下の日時で承知いたしました。
〇月△日(□)00:00~
△△様にアドバイスをいただいた点を踏まえ、
しっかりと事前準備をして面接に臨みたいと思います。
引き続きよろしくお願い申し上げます。
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氏名
電話番号
メールアドレス
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【ポイント】
ポイントは、日時を確認した旨をきちんと伝えることです。転職エージェントから連絡をもらった面談日時を、返信メールに引用して記載しましょう。また、面接に向けた意気込みや、アドバイスを受けたことへのお礼を述べておくのもよいでしょう。
面接の日程調整への応募企業宛の返信メール
応募企業から面接の日程調整の連絡が来た場合の返信メールの例文です。応募企業宛に自ら面接候補日を提示する場合と、応募企業から提示された候補日に対して返信する場合の3パターンをご紹介します。
自ら応募企業へ面接候補日を提示する場合
〇〇株式会社
人事部 □□様
お世話になっております。●●でございます。
書類選考通過のご連絡をいただき、ありがとうございます。
面接の希望日程をお知らせいたします。
下記日程でしたら、面接が可能です。ご調整いただけますと幸いです。
【1】 〇月〇日(〇) 〇時開始~〇時終了
【2】 〇月〇日(〇) 〇時開始~〇時終了
【3】 〇月〇日(〇) 〇時開始~〇時終了
お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
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氏名
電話番号
メールアドレス
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【ポイント】
面接希望日を提示するように連絡を受けた場合は、採用担当者が日程調整をしやすいように最低でも3つ程度の候補日程を挙げるようにしましょう。
応募企業から候補日をもらい、返信する場合
〇〇株式会社
人事部 □□様
お世話になっております。●●でございます。
面接日程のご連絡をいただき、ありがとうございます。
いただきました日程の中から、下記で面接させていただければと存じます。
〇月〇日(〇) 〇時
お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
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氏名
電話番号
メールアドレス
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【ポイント】
応募企業側から候補日を提示された場合は、そのお礼を述べ、希望する面接日時を本文内に引用して返信します。その際、日にち、曜日、時間に間違いがないか必ず確認しましょう。
応募企業から候補日をもらったが、調整できずに別の日程を返信する場合
〇〇株式会社
人事部 □□様
お世話になっております。●●でございます。
面接日程のご連絡をいただき、ありがとうございます。
大変申し訳ないのですが、いただいた日程で調整が難しく、
代わりとなる日程候補をお送りいたします。
こちらでご調整は可能でしょうか?
【1】 〇月〇日(〇) 〇時開始~〇時終了
【2】 〇月〇日(〇) 〇時開始~〇時終了
【3】 〇月〇日(〇) 〇時開始~〇時終了
お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
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氏名
電話番号
メールアドレス
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【ポイント】
応募企業から提示された日程で調整できない場合は、調整ができない旨とお詫びを伝え、別の候補を提示するようにしましょう。
内定承諾の返信メール
企業または転職エージェントからの内定通知に対して、承諾する場合の返信メール例文をご紹介します。
企業宛の返信メール
〇〇株式会社
人事部 〇〇様
お世話になっております。●●でございます。
この度は内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。
心より感謝を申し上げ、謹んでお受けいたします。
これまでの自身の経験を活かし、貴社の戦力として貢献できるよう
努力する所存でございます。
今後の入社までの手続きや流れについて、ご教示いただけますと幸いです。
引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。
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氏名
電話番号
メールアドレス
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【ポイント】
採用担当者を待たせることがないようにできるだけ早く返信するようにしましょう。内定のお礼を述べたうえで、入社の意思を明確に伝えるのがポイントです。
転職エージェント宛の返信メール
株式会社〇〇エージェント
△△様
いつもお世話になっております。●●でございます。
株式会社■■の内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。
心より感謝を申し上げ、謹んでお受けいたします。
株式会社■■の皆様にもお礼をお伝えいただけますでしょうか。
第一志望の株式会社■■から内定をいただけたのは、△△様のおかげです。
これまできめ細かいサポートをいただき、本当にありがとうございました。
今後の入社までの手続きや流れについて、ご教示いただけますと幸いです。
引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。
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氏名
電話番号
メールアドレス
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【ポイント】
企業への返信メールと同様、できるだけ早く返信することが大切です。
内定通知へ(内定を保留したい場合)の返信メール
企業または転職エージェントからの内定通知に対して、内定保留の返信メールを送る場合の例文をご紹介します。
企業宛の返信メール
〇〇株式会社
人事部 □□様
お世話になっております。●●でございます。
内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。
本来であれば、すぐにでも承諾の返事をすべきところですが、
他にも選考中の企業が複数あるため、
選考結果が出た上で最終的に判断したいと考えております。
勝手なご相談で大変恐縮ですが、
〇月〇日(〇)までにはお返事できると思いますので
そこまでお待ちいただくことは可能でしょうか。
こちらの事情で申し訳ございませんが、
ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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氏名
電話番号
メールアドレス
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【ポイント】
返事を保留したい場合は、言いづらくてもすぐに連絡しましょう。応募企業は内定を出した人が辞退した場合、次の候補者を検討しなければなりません。回答の遅れが企業側の採用活動にも影響を与えてしまいます。
内定の保留をお願いする際は、「内定のお礼」「保留することへのお詫び」「保留の理由」「回答期日」を伝えるようにしましょう。
転職エージェント宛の返信メール
株式会社〇〇エージェント
△△様
いつもお世話になっております。●●でございます。
この度は、株式会社■■の内定のご連絡をいただき、
誠にありがとうございます。
本来であれば早々に承諾の返事をすべきですが、
他にも選考中の企業が複数あるため、
選考結果が出た上で最終的に判断したいと考えております。
〇月〇日(〇)までにはお返事できると思いますが、
そこまでお待ちいただくことは可能でしょうか。
お手数をおかけしてしまい申し訳ございませんが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
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氏名
電話番号
メールアドレス
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【ポイント】
企業への返信メールと同様、保留の連絡はできるだけ早めにするのが鉄則です。転職エージェントに連絡を入れ、正直な保留の理由を告げたうえで、今後の転職活動に関する助言を仰ぐのもよいでしょう。
内定辞退の返信メール
企業または転職エージェントからの内定通知に対して、辞退する場合の返信メール例文をご紹介します。
企業宛の返信メール
〇〇株式会社
人事部 〇〇様
お世話になっております。●●でございます。
このたびは内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。
貴社の事業内容や面接でお会いした方々にとても魅力を感じており、
頂戴した内定条件を含めて慎重に検討させていただきましたが、
誠に申し訳ございませんが、内定を辞退したくご連絡を差し上げました。
大変貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、
勝手なお願いで誠に申し訳ございません。
本来はお伺いすべきところですが、
メールにて内定の辞退をご連絡させていただきましたことを
重ねてお詫び申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
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氏名
電話番号
メールアドレス
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【ポイント】
設定された回答期限を守り、可能であれば結論が出てからできるだけ早くメールを返信するのが鉄則です。辞退する旨を伝え、謝意を示しましょう。辞退の理由については、あえて詳細を伝える必要はありません。
転職エージェント宛の返信メール
株式会社〇〇エージェント
△△様
いつもお世話になっております。●●でございます。
ご紹介をいだいた■■株式会社からの内定ですが、
誠に恐縮ながら、辞退させていただきたく、ご連絡を差し上げました。
条件などを熟考した結果、やはり現職と同程度の年収で働きたく、
引き続き転職活動を続けたいという思いに至り、
辞退することを決意した次第です。
お手数をおかけしまして大変恐縮ですが
■■株式会社の採用ご担当者様にも、辞退の旨とお詫びを、
お伝えいただけますでしょうか。
ご尽力いただいたにもかかわらず、
内定を辞退する結果となり、大変申し訳ございません。
スピーディな日程調整や的確なアドバイスなど、
△△様のサポートが本当に助かっております。
取り急ぎメールでのご連絡、失礼いたします。
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氏名
電話番号
メールアドレス
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【ポイント】
転職活動を継続する場合も、転職活動を終える場合も、転職エージェントへのお礼を伝えます。内定を辞退する場合、転職エージェントから理由を聞かれることが多いので、具体的な辞退理由を添えておくと良いでしょう。