【2023年】IT通信業界の転職市場は今後どうなる？

IT通信業界の2023年転職市場の求⼈・求職者の動きを、業界に精通した株式会社リクルートの人材領域で活躍するキャリアアドバイザーがレポートします。「2023年の転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。

【IT業界編】転職市場 最新トレンド｜リクルートダイレクトスカウト ビジネストレンドビュー

1.【IT通信業界】業界・企業側の動き

全体としては、引き続き中途採用は活発で2023年も一定の水準を維持しそうです。外資を中心とする一部の企業では、景気の不透明感の影響もあり、採用を抑える動きは出てきていますが、エンジニア採用を中心に業界全体としては活発な状況です。2022年11月1日に発表したプレスリリース、「2022年7－9月期 転職時の賃金変動状況」では、IT系エンジニア職の「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者の割合」は38.7％となり、前回に引き続き過去最高値を更新。Sler（システムインテグレーター）だけでなく技術者派遣の企業でも引き続き未経験採用は行われており、エンジニア不足は顕著です。

企業はさまざまな施策を講じて人材確保を進めています。最近では、元々ITの素養がある産育休中や産育休明けの方の採用を、リスキリング施策と併せて行う動きもあります。在宅勤務が前提となり、フルフレックス制度を整えた企業ならではの環境に惹かれ入社される方は多いです。企業はいかにこの状況で制度を整えられるかが求められています。

採用ニーズが高いポジションは、マーケティングやプロダクト企画、ビジネスプロデューサーなどの企画系の職種です。業界全体では、もちろんエンジニア系の職種が数としては多いですが、ここ最近はビジネス職種の割合が増えている印象です。

2.【IT通信業界】求職者側の動き

エンジニア獲得競争は変わらず激化しているため、求職者にとってはチャンスと言えます。とはいえ、景気後退局面をにらんでいる企業もあるのは事実のため、この求人が多いうちに、たとえ転職をしないという選択になっても、一度市場環境や今の自分のキャリアが社外からはどのように評価されるのかを知っておくのは良いことです。すぐに転職とはならずとも、市況感は常に変化するため、情報収集は行っておくと良いでしょう。

未経験で応募できる求人が増えているため、異職種からエンジニアを志望する方は増えています。求職者側が企業を選ぶ、という構図ではありますが、未経験だからこそ、「なぜこの業界を目指したのか」「どんなエンジニアになりたいのか」という基本的なところが改めて問われており、選考においても大切なポイントになることが多いです。今後のキャリアプランもしっかりと準備する必要があります。

また、エンジニアの方にとっては、多種多様な求人がある状況だからこそ、どのポジションで選考を受けるかが重要になっていると言えます。自身の経験によっては、似ているポジションであっても通過率が変わることもよくあります。どのポジションで何が実現できるのか、自分のやりたいことと近いものは何かについて、キャリアアドバイザーやコンサルタント、場合によっては企業の人事と相談しながら進めることができるため、第三者の視点も参考にすると良いでしょう。

＜IT通信業界の転職動向＞

出所：リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析