TikTok for Business から学ぶ ~メンバーの現場活躍を最大化!人材育成プロセスの実態~

リクルートダイレクトスカウトでは、キャリアの見つめ直しに役立つさまざまなイベントやコンテンツを提供する「働くをひらくDAYS!」を開催。その中、「TikTok for Business」内の営業組織における組織開発・人材育成を担当する大塚深冬氏に、 組織内メンバーの成長・活躍を最大化するための「人材育成プロセス」について語っていただくセミナーを実施しました。今回はそのセミナーの模様を紹介します。

登壇者

大塚深冬氏

株式会社電通に新卒入社(2015~2022年勤務)。デジタルメディアの部署を長く経験した後、社内公募でグローバルPR部署へ異動。社内外の有志で運営するDEIウェブメディア組織では、副編集長として組織運営にも携わる。

2022年6月に転職し「TikTok for Business」に参画。経営戦略とセールスオペレーションを担う部署に2年在籍し、主に社内CRMや業務効率化などを担当。2024年6月に現部署へ社内異動、現在は営業組織の開発や人材育成などを担う立場で、社内の営業強化研修の開発や運営などを行っている。現部署の業務の他にも、社内カルチャーを醸成するチームにも携わっている。

TikTok for Businessのイベント風景

「TikTok for Business」営業組織の人材育成の仕事とは?

まずは「TikTok for Business」について説明します。「TikTok」を見ているとたまに広告が出てきますが、この広告を扱う組織が「TikTok for Business」と考えていただいて良いです。
「TikTok for Business」の中には様々なチームがあります。たとえば、企業に向き合い広告ソリューションを提供する営業チーム、広告商品開発を担当するチーム、そして、私が所属しているトレーニングチームもあります。

イベントのタイトルを見ると、全社的な人事や採用、育成に関わっているというイメージを持たれるかもしれませんが、そうではなく、「TikTok for Businessという営業組織」に関わる分野のみを担っています。

具体的には、4つのカテゴリーにわけることができます。

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1つ目は「入社研修・社内ネットワーク」。新しい人が入社してきたとき、早期に営業組織に馴染めるよう、様々なオンボーディング研修を行います。社員同士をつなげるような仕組みも考えています。

次に「情報共有・アップデート」。
この業界は目まぐるしく変化しているので、いかに情報をアップデートし続けるかが重要です。そのため、例えば毎週最新のプロダクトを勉強する時間を取ったり、営業の成功事例を皆で共有する機会を作ったりしています。

3つ目は「営業トレーニング・能力向上」。
当社は日本だけでなく、さまざまな国や地域にオフィスがありますが、各地域がそれぞれのやり方で進めるべきことと、統一性をもってすべきことがあります。例えば、過去の成功事例などをもとに営業の「型」を決めたり、商談前のロープレ(壁打ち)サポートのようなことも行っていたりします。

そして4つ目は、「ツール・分析・組織開発」です。
例えば、上記のロープレの評価項目を考えたり、営業スキルをデータにして見える化したり分析することで一人ひとりに対して適切な助言や研修を実施したりします。
営業メンバー全員を見ている立場なので、「組織のさらなる成長のために私ができること」を模索し続けています。

TikTok for Businessのイベント風景

「グローバル」「率化」という視点で転職を決める

前職では、広告のセールスや運用業務に担当したデジタルの部署を長く経験しました。クライアントや社内の関係部署などいろいろな人とコミュニケーションを取る日々でした。

今の会社を選んだのは、大きくわけて2つの軸からでした。
1つ目は、「グローバル」という軸。小さなころから海外に興味があり、遠くに行ってみたいという気持ちが強い子どもでした。幸運にもアメリカの大学に通うことができ、世界を股にかけ堂々と働く人ってかっこいい、自分もそうなりたいと思っていました。ただ一方で、どこに行っても自己紹介するときは「I’m from Japan.」から始まるので、「自分は日本人だ」と思い知らされる場面が多かったんです。
そのため、世界で働く前に、一度日本で修業したほうがいいと考え、帰国後に就活して、優秀な人が圧倒的に多いと感じるとともに仕事の難易度も高い国内の企業で社会人生活を始めることにしました。

そこで長らくデジタル広告の現場で経験を積み、その後、グローバルな仕事に関わりたいという理由から社内公募でグローバルPR部署へ異動。日本政府の国際広報事業などを経験しました。

もう1つの軸は、「仕事内容」です。昔からアイディアを表現したり企画を設計することが好きだったのですが、社会人になってから、新しいものを生み出す「0→1(ゼロイチ)」や、生み出したものを大きくする「1→10(イチジュウ)」の仕事よりも、業務を整理したり効率化したりする「10→1(ジュウイチ)」の方が好きで得意だと気づきました。

このような10→1の要素が強く「グローバル」もかけ合わせた仕事を探していた時に、「TikTok for Business」で顧客データの管理やシステム改善、業務効率化などを担当するポジションの募集を見つけ、転職してきました。

自分のキャリアをざっくりと10年スパンで考えているのですが、異動の前後がちょうど10年目に入るころでした。その頃、「今の仕事をあと10年やりたいかどうか」を悩み、「これを極めるよりも違う領域に挑戦したい」との思いに気づかされたんです。前の部署の仕事は好きだったのですが、個人や組織を成長させる仕事に就いてみたいと思うようになりました。

背景には「今の会社が好き」という気持ちがあります。更に会社に貢献し、自分も成長するにはどうすればいいのか考え、自分の志向とも結びついたのが、今のトレーニングチームです。今までのキャリアとは全く異なる分野ですが、キャリアチェンジするぐらいの覚悟で挑戦しました。

私はどちらかと言うと意志が強く、何事からも逃げない性格ですが、逃げないために「逆に順応しようとする」タイプとも言えます。
たとえ好きでも得意でもない類の仕事が与えられても、うまく順応しながら一生懸命臨んできました。このようなスタンスでさまざまなことに挑戦したことで多くのチャンスを得られましたし、新たな自分の志向や能力にも気づくことができました。

人材育成では、常にデータドリブン×スピード感を意識

TikTok for Businessが現在目指しているのは「Learning Culture」と「Always Day 1」の2つです。

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まずは「Learning Culture」について。我々トレーニングチームが目指すのは、学び続ける文化を醸成し、学び続ける人材を育成することです。
変化が激しい時代に臨機応変に対応するためには、学び続ける姿勢こそが重要。学び続けられれば、どんな変化が起こってもある程度適応でき、乗り越えられるようになるでしょう。そういう人材を数多く生み出すのが、目指すべき姿だと考えています。

そしてもう1つの「Always Day 1」とは、当社が掲げる6つのコアバリューのひとつですが、これを人材育成においても大切にしたいと考えています。
「Always Day1(常に創業1日目のマインドで)」は過去の実績や成功に捉われすぎず、常に挑戦し続けようという姿勢を会社が掲げています。我々のチームも営業組織のLearning Cultureを推し進めながら、会社の掲げるバリューに近づいていきたいと考えています。

目標実現に向けて、人材プロセスのデータドリブン(データに基づいて判断・アクションを行う)が重要だと考えています。ありたい姿を目指すときに、ともに目標に向かう人たちの意見や気持ちを汲みながら突き進むことも大切ではありますが、その意見や気持ちを正当化するためにも、データによる客観的な指標をもとに進めていくことが大事です。この匙加減が難しいところではありますが、私の役割の中でも特に重要であると捉えています。

例えば「Aさんは営業として優秀」と皆が言っているとして、何をもって優秀なのかを客観的に証明することが組織としては重要です。データをもとに優れたポイントを明確に洗い出せれば、それを真似すれば他の人も成果が上げられるかもしれないし、Aさん特有のスキルなのであれば「○○の部分はAさんに任せて、他の人は別のことに注力したほうがいい」という判断になるかもしれません。現状を正しく判断し、無駄なく目標に近づくためにも、データは重要であり、これからも向き合い続けたいと考えています。

データの活用は、当社に限らずあらゆる組織で行っていると思います。当社の特徴があるとしたら、データを実行に移すスピードが非常に速いと思います。
たとえ組織全体を巻き込むような大きな判断であっても、まずは今あるもので作り始めてみて、後は走りながら補強や拡大をしていこうというスタイルだと感じています。

自分の人生を前向きに設計していくことが大切

今の仕事において、役立っている私自身の過去の経験やスキルは大きく4つ挙げることができます。

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まず挙げられるのは、「信頼を常に獲得」するために努力してきたことです。
便利なコミュニケーションツールは世の中には様々ありますが、「最後は人対人」だと考えています。目の前の人を喜ばせるために、最善を尽くす。そしてその頑張りが、最終的にはほかの誰かの心にも届く。そのことを常に意識して仕事をしてきました。

信頼を得るのは簡単ではありません。この会社に転職してきたばかりの頃は、関係性構築のために「毎日“1”初めまして」を自分に課していました。つまり毎日必ず、誰か新しい人と交流を持つということ。これにより、少しずつ社内に知り合いが増え、半年ぐらいで「初めましての人がいない」状態になり、仕事がしやすくなりましたし意思疎通も円滑に図れるようになりました。

次に「知識と視点の多様性」。前職でも現職でも、自分よりはるかに年上な人や、経験が豊富な人たちと対等に話し、時に動いてもらう必要がありました。そのときに重要なのは知識量です。私自身は一つの分野に長けた専門家ではありませんが、これまでの経験で得た情報や知識をストックしつつ、ネットワークをフルに活用して新たな知識を仕入れるようにしています。人を動かすときに「この人は分かっている」と思ってもらえるだけの知識や視点が、自分を助けてくれました。

そして「基礎スキル、処理速度」。せっかく関係性ができても、仕事のスピードが遅かったり、間違いが多かったりすると、信頼関係は築けません。ビジネスパーソンとしての基礎スキルやスピード感は、ベースとして必要だと感じます。
例えばですが、前職でデジタル広告運用の担当をした際には、VLOOKUPなどのExcel関数をよく活用していました。単純に業務の速度と精度を上げるだけでなく、関数が必要な状況を論理的に理解することで、別の業務にも応用できましたし、自ら新しい関数を見つけるという行動にもつながりました。この頃に培った知識は今も大いに活きています。

4つ目は、「何かに打ち込んだ経験」です。これは周りの人を見ていても思うのですが、仕事の中で学び取る力がある人、新たに開発する力がある人は共通して、自分の業務の枠を超えて頑張り、一生懸命打ち込んだ経験を持っています。そして、そういう経験のある人は、いくつになってもキャッチアップができるし、上達スピードも速いと感じます。長いキャリアの中で身につけるべきスキルは変わるので、何かに一生懸命打ち込んだというベースがある人は強いと思います。

TikTok for Businessのイベント風景

人材育成の業務に関わっていて思うのは、「自分の人生に前向きになる」ということの大切さです。よく「あの時○○をやっておけばよかった」という声を聞きますが、いくつになっても遅くないと信じています。ぼんやりとでも「自分はこうなっていたい」というイメージがあれば、紆余曲折しながらでもいつかたどり着けると信じています。自分の人生を肯定的にデザインしていきましょう。

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