中途採用の面接では、「転職理由」を聞かれることが多々あります。外資系や海外の企業を受ける際は、英語での面接が一般的なので転職理由ももちろん英語で答えなくてはなりません。今回は、英語の面接で転職理由を伝えるときのコツや企業が重視する点をご紹介します。また、ネガティブな転職理由をポジティブに言い換えるポイントや回答例も合わせて解説します。
英語の面接における転職理由の伝え方
英語でも日本語でも、転職理由の基本的な伝え方は変わりません。ただし、英語に自信がない場合は、以下の伝え方を踏まえて事前に練習をしておくと、自信を持って面接に臨めるでしょう。
積極性・向上心を持って伝える
転職理由は現職のことも応募企業への期待も、できるだけポジティブに伝えましょう。
ポイントは下記2点です。
1.現職の職務内容も気に入っていることを伝える
2.転職理由は自身のキャリアを考えた上での新たなチャレンジであることを伝える
例えば、
What’s the reason for leaving your current job?
(なぜ転職しようと思うのですか?)
と聞かれたとき、下記のようなイメージで「今やっている仕事の+αの経験をしたいから」ということを伝えると、積極性と向上心を伝えられます。
I have experiences expanding our product to Japan market at my company, but I would like to challenge for an opportunity where I can leverage my skillset in a global company like XXX.
(現職では自社製品を日本のマーケットに広げる仕事をしていますが、御社のようなグローバルカンパニーで自身のスキルを更に活用させたいと思ったからです)
「+α」を伝えるときは、応募企業が大切にしている価値観を交えて転職理由を伝えましょう。例えば、その会社が現在教育市場に力を入れているとします。その場合、転職理由は「御社の教育市場への投資に関して深く共感しますし、自分も教育市場での活躍の場を広げたいと考えている」と伝えるイメージです。
また、”Great opportunity for me” や”New challenge”といったポジティブな単語を活用して転職理由を伝えると印象もポジティブになるため有効です。
具体的なエピソードを準備する
転職理由を答える際に、自身の経歴やスキルも合わせて伝えたい場合は、参加したプロジェクトや達成した成果がわかるように具体的なエピソードを添えましょう。そうすることで、採用担当者がぐっとイメージしやすくなります。
ウソや前職への不満を言わない
ウソや前職への不満は信頼を失ってしまうので気をつけましょう。
外資系企業では転職も一般的なので、同業界であれば共通の知人がいることも少なくありません。「ウソをついて転職してしまった結果、成果も出ず業界に悪い噂が広がってしまい、なかなか次の職が見つからない…」といった事態にならないようにしましょう。前職への不満も同じです。前職の不満を面接等で言ってしまうと、ネガティブな印象を持たれてしまいます。
企業が転職理由で重視する点
面接担当者は、転職理由を聞くことで応募者のどのような点を見ているのでしょうか。詳しくみていきましょう。
自社のカルチャーや職務内容にマッチしそうか
面接担当者は、複数の候補者から誰が最も自社のカルチャーや職務内容にマッチしそうかを見極めています。募集要項や会社で働いている人のインタビュー記事などで予習し、それらにマッチする自身のキャリアやスキルをアピールしましょう。
長く働いてくれそうか
前職や現職での勤続年数が短い場合は、すぐに辞めてしまわないかが懸念されてしまいます。「今の仕事も十分に楽しいけれど、もっとステップアップがしたい」という意志を伝えましょう。
ネガティブな転職ではないか
前職や現職でのネガティブな出来事は伝えなくても問題ありません。「今が不満だから転職したい」のだと伝わってしまうと、また同じことが起こるのではないかと面接担当者に想像されてしまいます。もし転職理由の一番大きいものがネガティブな理由での転職だったとしても、応募企業にそのままは伝えないようにしましょう。その他で自身が思っているポジティブな転職理由やネガティブな理由をポジティブに言い換えるなどして伝えることがポイントです。
現職でネガティブな感情があり転職を考えている際は、ウソのない範囲でポジティブな伝え方に変換しましょう。
大切なことは「事実を伝えること」と「ポジティブに伝えること」です。あなたのこれまでのキャリアと今後の意気込みをしっかりと伝えましょう。
英語面接で転職理由をポジティブに伝えるコツ解説(例文付き)
「現職に不満がある場合」と「体調不良で退職した場合」の2つの例を基に、転職理由を伝えるコツを解説します。
現職に不満がある場合の伝え方
「給与が上がらないor低いことに不満がある場合」「年功序列の要素が強い、なかなか昇進・昇格できない」→「ステップアップしたいと思っている」「御社の成果主義な社風に魅力を感じている」と変換しましょう。
Deciding to change my job, I would like to challenge myself and develop my career as a Sales. I was attracted by XXX product, and I would like to suggest XXX product my existing customers. And then I attracted XXX culture for result-oriented and customer first.
(営業として御社の商品に魅力を感じていて、私の既存の顧客にも提案したいと思いました。そして御社の成果主義であったり顧客第一であったりする文化にも魅力を感じています)
体調不良によって退職した場合の伝え方
大切なことは事実を伝えることと、現在は仕事に就くことに前向きであり、以前の課題を既に解決できていることを伝えることです。もし、同じ条件の人で休職せず現在も働いている方と比較されてしまった場合、不利になりかねません。
あなたのこれまでのキャリアと今後の意気込みをしっかりと伝えましょう。
In my previous job, I got sick and took a leave of absence. Nowadays, I have no problem with my health condition, it does not interfere with my work, and I am full of energy. I have become able to manage my health and tasks now, so I would like to take advantage of my experience and actively work on my work.
(前職では、働きすぎで体調を崩し休職を経験しました。結果的に、体調不良により退職することになりました。現在では健康状態に問題なく、業務に支障をきたすことはないですし、仕事に対するやる気で満ちています。体調を崩した経験を通じて、健康管理やタスク管理はできるようになったので、過去の経験を活かし、積極的に仕事に取り組んでいきたいと思っています)
英語の面接で転職理由を伝える際は「ポジティブ」を意識する
「積極性」「向上心」「ポジティブ」が大切と記載しましたが、本当に行きたい企業ややってみたい仕事であれば企業研究を進めれば進めるほどそれらの感情が自然に湧いてくるでしょう。そして自然に湧いたポジティブな感情は面接担当者にも伝わります。
面接の準備をするにあたって、あらためて「今後どのようなキャリアを形成したいのか?」「どのような働き方をしたいのか?」など自分の気持ちや考えを整理することで転職理由を深掘りしてみましょう。最初からまとまっていなくても、準備を進めていくうちに自身の気持ちが整理できて転職理由が明確になっていくことがあります。
【執筆者】
Mako(六角まこ)
大手外資メーカー、国内スタートアップで営業や営業企画を経て、現在は外資SaaSベンダーにてインサイドセールスチームのマネジメントに従事。仕事もプライベートも充実させられるようなバランスキャリアをテーマに、キャリア論・転職術を発信中。