【転職・二次面接対策】評価ポイントやよく聞かれる質問・回答例

転職活動の二次面接の通過率を上げるためには、どのような対策を行えばいいのでしょうか。組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタントの粟野友樹氏に、二次面接における評価ポイントや具体的な質問・回答例、やっておきたい準備と対策について伺いました。

【アドバイザー】

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

一次面接と二次面接の違いとは?

二次面接は、面接担当者も評価ポイントも異なります。まず、一次面接は企業の人事担当者が行う傾向があります。履歴書や職務経歴書の記載内容を確認し、応募者の経験・スキルが「募集している人材要件にマッチしているか」という点を評価します。また、人柄やコミュニケーション能力なども評価のポイントとなるでしょう。

二次面接は、採用後の配属先となる部や課の責任者などが担当するケースが多く見られます。一次面接の評価を二次面接・面接担当者が引き継いでいることが多く、応募者の経験・スキルをより掘り下げて確認します。同時に「一緒に働ける人物か否か」を見極めるために、仕事の進め方やチームとの相性など、実践的な面でマッチする人材であるかを評価します。 また、二次面接を最終選考とする企業もあります。こうした場合は、経営層などが面接を担当し、企業理念や企業文化とのマッチングなども含め、採用判断の最終確認を行うケースが多いでしょう。

二次面接の評価ポイント

二次面接で企業が評価するポイントについて解説します。

二次面接ではどのような点を評価されるのか?

二次面接では「自社で活躍できるか=入社後の貢献性」「社風にマッチしているか=入社後の定着性」を主に評価しています。応募者の経験・スキルをより具体的に確認し、入社後に担当する業務を任せられる人材であるかを判断します。また、これまでの仕事の進め方や仕事に対する価値観などから、自社の社風にマッチするかを判断します。

管理職・専門職の場合、二次面接ではどのような点を評価されるのか?

現場の管理職などの責任者が面接を担当する場合は、過去に担当した業務やプロジェクトの内容や、取りまとめた人員数・予算などの規模感、達成までの期間、挙げた成果などをより具体的に質問されるでしょう。入社後に担当する業務内容に対し、任せられるだけの経験値や発揮できるスキルがあるのかを詳細に確認した上で評価します。 さらに、プロジェクトを成功に導くまでに工夫したポイントや考え方、失敗した点と改善の取り組みまで聞かれるケースも少なくはないでしょう。これらによって、自社の業務内容・仕事の進め方と、応募者の仕事に対する姿勢・価値観に、細かい部分まで接点があるのかを判断・評価します。一方、役員などの経営層が面接を担当する場合は、企業理念・事業展望などに対するビジョンや、業界展望について聞かれる可能性があります。

また、管理職・専門職は、一般社員よりも社内への影響力が大きいポストと言えるため、入社後の定着性がより重視される傾向もあります。企業文化との相性や、応募者自身のキャリアビジョンが自社にマッチしているかどうかなども評価のポイントになるでしょう。

二次面接でよく聞かれる質問と採用側の意図、回答のポイント

二次面接の質問例とその意図、回答の際に意識したいポイントを解説します。

転職する理由

【質問例】

「現職でも活躍されている中、転職を考えた背景をお話しください」

【回答例】

「より企業の経営に近い部分でマネジメント経験を積みたいと考え、転職を決意いたしました。現職では、主に担当部署のマネジメント業務に携わってまいりました。直近の約3年間、担当部署の組織再生プロジェクトにゼロから取り組み、人員の入れ替えから業務の仕組み化まで徹底して行ったことで、目標を達成できる強い組織へと変化させることができました。今後は大きな組織の中で1つの部署をマネジメントするだけではなく、経営視点を学びながら組織全体の改革に携わりたいと考えております」

【回答のポイント】

 入社後の定着性・キャリアの一貫性を判断するために、転職理由は必ず聞かれると考えましょう。転職理由として、現状への個人的な不満を伝える方もいますが、ネガティブに受け取られる可能性があるので、よりポジティブな理由を伝えることが大切です。語る内容は、転職のきっかけや理由に終始するのではなく、今回の転職で実現したいことにより多くの時間を割き、キャリアの軸や転職の目的を明確に伝えると良いでしょう。

今までの経験や実績

【質問例】

「これまでの仕事で、工夫した点・注力した点は何ですか」

【回答例】

 「常に情報共有と、スピード感ある修正変更を大切に、仕事に取り組んでおります。組織再生プロジェクトを手掛けた際は、自分のみで施策を決定することなく、周囲を巻き込み、施策がうまくいかない場合は間違いを認めて迅速に修正することを繰り返していきました。周囲と連携しながら、柔軟かつ迅速に組織の仕組みを作り上げた経験は、御社のような変化が速い組織でも活かせるのではないかと考えております」

【回答のポイント】

採用ポジションにおける能力・スキルについて判断・評価されます。「どのような規模感・レベルの業務に取り組んだのか」を具体的に伝え、入社後の活躍・貢献にも紐付けて語ることがポイントです。また、職場との相性なども判断されるので、チームワークなどの働き方、仕事に対する価値観なども伝えると良いでしょう。一次面接の回答からより深掘りして聞かれるため、一貫性のある回答をすることも意識することが大切です。

志望動機

【質問例】

 「弊社を志望した理由についてお聞かせください」

【回答例】

「御社の従業員数は現在100名規模まで成長し、年間で倍近い人員増強をされています。今後、上場も見据えた人員増強を重ねていく中で、組織上のさまざまな課題が生まれると考えております。現職で、多くの課題を抱えていた組織を再生させた経験を活かし、御社が100名規模から300名、500名規模へと成長していくステップに貢献できると考えております。また、私自身もその過程の中、組織を急速に成長させる経験を積み成長したいと考え、御社を志望いたしました」

【回答のポイント】

入社意欲の高さや入社後の定着性を判断・評価されます。「応募企業のどんな点に魅力を感じ、自身とどう接点があるのか」「これまでの経験やスキルをどう活かせるのか」「どのようなことを実現していきたいのか」を伝えると良いでしょう。

今後どのようなキャリアを描いていきたいか

【質問例】

「弊社でどのような経験を積みたいと考えていますか」

【回答例】

「まずは現職での経験を活かし、10名規模の組織のマネジメントを担当させていただき、社の業績を牽引する組織を作ることで、現在の成長率をさらに上回る成長に貢献したいと考えております。同時に、御社の「ミッション、ビジョン、バリュー」を体現し、メンバーがやりがいを持てる組織づくりも目指し、実績を積んだ後に、1つの事業部を任されるような存在になっていきたいと考えております」

【回答のポイント】

入社後のキャリアビジョンから、企業との方向性の合致、定着性、活躍の可能性を判断・評価します。これまでの経験・実績・スキルと、応募企業の事業展開などを紐付け、活躍の範囲を広げていくイメージにつなげると良いでしょう。また、マネジメントへの意欲も見せると、リーダー候補として評価につながりやすいでしょう。管理職の場合は「役員を目指したい」と伝える方もいますが、ポストが少ないため「将来的に離職する可能性がある」判断されるケースもあります。

希望条件や他社の選考状況

【質問例】

 「弊社以外の選考状況と、入社の際に希望する条件について教えてください」

【回答例】

「御社と同様に、成長フェーズにある3社の選考に進んでおりますが「成長性の高い業界」「サービスの魅力」という観点で、御社に強く興味を持っております。条件面につきましては、現年収が○○○万円であり、来年の昇給で△△△万円となる予定のため、そのベースを保つことができればと考えております。また、現職の引き継ぎ期間を踏まえて、入社予定日は2カ月後を想定しております」

【回答のポイント】

入社の可能性を探り、条件のすり合わせをするために聞かれます。選考状況は詳細に回答する必要はないので、概要と応募企業への興味を伝えましょう。希望年収を伝えることを躊躇する方もいますが、選考が進んだ後でミスマッチを起こさないために確認した方が良いでしょう。選考を並行しているほかの企業と比較するためにも必要な情報となるはずです。入社日は想定できる最短の日程を伝えましょう。

二次面接を通過するための準備と対策

選考通過の可能性を高める準備と対策についてご紹介します。

二次面接で注意したいこと

二次面接でよくある失敗としては、以下のようなものが挙げられます。

  • スキルや実績をアピールしすぎると強みがぼやけ、評価につながらない
  • エピソードを聞かれて概要のみを話し、価値観や考え方が伝わらない ・希望条件や待遇の話をしすぎて、扱いにくい人物と判断される
  • 逆質問の際に、調べたらわかるようなことを聞き「自社への興味が低いのでは?」と判断される

こうした失敗をしないように注意することが大切です。以降で対策を述べるので、参考にしましょう。

対策1 一次面接の振り返りをする

二次面接では、一次面接との一貫性も見られるので、何を話したか整理しておきましょう。一次面接よりも深掘りして聞かれるので、具体的なエピソードや話の要点をまとめておくことが大切です。スキルや実績のみでなく、各エピソードで自分の行動、考え、成果を伝えることを意識しましょう。また、一次面接で人事担当者などと面識を得たことで、フランクな態度を取ってしまう方もいますが「一次面接と印象が違う」という違和感を持たれないよう、一貫した姿勢で臨むことも意識しましょう。

対策2 企業のミッション・ビジョン・バリュー・クレドなどを確認する

応募企業のミッション・ビジョン・バリュー・クレドなどを確認し、共感できる部分や活躍・貢献できる領域などを整理しておきましょう。自身の価値観や考え方とマッチしている点を伝えることで「定着性や帰属意識に期待できる」という評価につながりやすくなります。経営方針や事業の方向性を理解していれば「企業研究をしっかり行っている=入社意欲が高い」という評価も得られるでしょう。

希望条件や入社可能な予定日などを整理する

二次面接の時点から年収などの希望条件や入社可能な予定日を確認されるケースもあります。また、企業によっては二次面接を最終面接とするケースもあるので、その場で回答できるように整理しておきましょう。ただし、求人票に記載された年収幅を上回る希望を出せば「自社の人材要件にマッチしない」と判断されるので、しっかりと確認しましょう。

逆質問に備えて自分をアピールできる質問を整理しておく

逆質問を受けた際に「企業研究をきちんとしていること=入社意欲の高さ」が伝わるよう、自分なりに聞きたいことをまとめておきましょう。事業展望を調べたり、経営者の価値観が理解できるインタビュー記事などを読んだりしておくと良いでしょう。また、自身にとっても、直接聞かないとわからない点などもあるため「希望にマッチする企業か」を判断する材料として、質問できる機会を役立てることをお勧めします。

転職エージェントやスカウトサービスは振り返りにも役立つ

転職エージェントやスカウトサービスでは、一次面接終了後に、二次面接に向けたフィードバックを行うため、振り返りや回答内容の修正に役立てることができます。企業に一次面接の評価点・懸念点を確認し、二次面接に向けたアドバイスをするケースもあるので、より選考に通過しやすい対策ができるでしょう。

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