【2022年下半期】SDGs・エネルギー・サステナビリティの転職市場は今後どうなる?

環境・エネルギー(グリーン)/サステナビリティ業界のイメージ画像

SDGs・エネルギー・サステナビリティの2022年下半期の転職市場の求⼈・求職者の動きを、業界に精通した株式会社リクルートの人材領域で活躍するキャリアアドバイザーがレポートします。「2022年下半期の転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。

SDGs・エネルギー・サステナビリティの2022年下半期転職市場の展望を一言でいうと

 

社会全体としてグリーンへの意識が高まり、対応する企業も増え求人も増加。
求職者は、働き方を重視。どのようなキャリアやスキルを身に付けられるかを見極め。

1.【SDGs・エネルギー・サステナビリティ】業界・企業側の動き

環境問題への社会全体の関心は高まり続け、現在では業界を問わず、サステナビリティやグリーン対応への関心は高く、ありとあらゆる業界から関連する幅広い求人が出ています。特に、GX(グリーントランスフォーメーション)に関わる求人が増加しています。GXを手がける人材には「技術の知見」「社内外のステークホルダーとのコミュニケーション力」「ルール策定力」が求められますが、現状では新しい領域のため経験者はほとんどいません。
そのため、異業界から素養のある人材を確保する動きがあります。中には、学生時代にLCAを学んでいたことを評価され採用となったケースも。官公庁で実際にグリーン戦略を考えていたような立場の方が、民間で実際に実行までやりたいと転職を希望するケースもあります。

環境専門の部署も各社で立ち上がっており、業務は増加する一方で採用も活発です。最近では、化学物質管理などの高度な専門性を必要とされる職種もこういった新規部署で求められるようになっています。

水素関連では引き続き採用は活発で、業界未経験でもLNGや石油に関わる何らかの知見や海外経験が活きることもあります。

環境安全マネジメント、品質マネジメント、労働安全衛生マネジメントなどの求人も増加傾向です。今年度はカーボンプライシング、二国間クレジット制度、カーボンクレジット、炭素税といったキーワードに関連した求人も増加しています。

また、政府渉外のポジションはさらにニーズが高まっています。GXを進めるプロセスでは、新しい社会課題に対する方針そのものを検討する必要があり、法律の整備、規制や標準化などが必要。そのためルールメークを担う人材のニーズが高まっています。経験者は非常に少ないため、各社取り合いになっているほか、ぴったりの経験は持っていなくても採用に踏み切る企業も出てきているようです。

新しい人事制度の策定には課題が残っています。競争力を持てるほどの変革はまだ起きていない印象で、働き方の自由度の高い、副業やリモートワークのできるスタートアップを選ばれる方や、結局処遇や条件をみて自社にとどまる選択をする方もいます。風通しのいい組織風土への改革もまだまだこれからという企業が多い印象です。外部人材を採用し活躍してもらうには、組織の風通しのよさは非常に重要になってくるので、各社早急な対応が求められます。

2.【SDGs・エネルギー・サステナビリティ】求職者側の動き

コロナ禍を経てリモートワークへの要望は加速しており、他業界同様に副業希望も増えています。求職者見ると、リモートワークが当たり前にできる環境であることは魅力だが、それを求職者から聞かれるまで積極的に開示していない企業もあり、少々もったいないと感じる状況です。求職者は、働きやすい会社かどうかを冷静に見極めており、働く場所や時間に融通が利くスタートアップの方が働きやすいと感じる方もいます。特に、地方に転勤や単身赴任の可能性がある中で、得られるメリットは何か、入った後に身に付けられるスキルは何かというのをシビアに見極めているでしょう。

羽田野直美

製造業のエンジニアを中心としたキャリアアドバイザーを経験後、2010年からは「環境・エネルギー・素材業界」を中心に、リーダーからディレクタークラス、また高度専門職のキャリアコンサルティングに従事。

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