【未経験でコンサルに転職】日系と外資系ファームの違いは?

コンサルティングファームと言えば「外資系」を思い浮かべる方も多いようですが、日系のファームにも魅力的な企業は数多くあります。未経験で転職する場合は、日系と外資系のどちらを、どのような観点で選べばいいのでしょうか。

そこで今回は、コンサルティング、投資ファンドやM&Aプロフェッショナル、経営企画や経営幹部の転職支援を行うキャリアインキュベーション株式会社のディレクターである大谷 幸子氏にインタビューし、日系ファームと外資系ファームの違いやメリットとデメリットについてご紹介いたします。

大谷 幸子氏

大谷 幸子氏

大学卒業後、通信系SIerを経て人材紹介会社に転職。法人営業としてコンサルファーム、IT、コンシューマなど多岐にわたる業種を担当。キャリアアドバイザーではエンジニア、営業、バックオフィス職種の転職支援に携わる。現在は、両面のキャリアコンサルタントとして、コンサルティングファーム全般と、事業会社、スタートアップを担当。

コンサルティングファームと言えば「外資系」を思い浮かべる方も多いようですが、日系のファームにも魅力的な企業は数多くあります。未経験で転職する場合は、日系と外資系のどちらを、どのような観点で選べばいいのでしょうか。

そこで今回は、コンサルティング、投資ファンドやM&Aプロフェッショナル、経営企画や経営幹部の転職支援を行うキャリアインキュベーション株式会社のディレクターである大谷 幸子氏にインタビューし、日系ファームと外資系ファームの違いやメリットとデメリットについてご紹介いたします。

※前編、未経験からコンサルティングファームに転職するには?を読む

INDEX

・外資系と日系コンサルティングファームの違い
・外資系コンサルティングファームの役職名と階層
・将来のイメージに合わせて「転職先」を考えよう

外資系と日系コンサルティングファームの違い

「外資系=外資系カルチャー」とは限らず、日系ファームでも外資系出身者が多く、組織によっては外資系のカルチャーが根付いている企業や、出身のファームによって部署ごとに傾向が異なる企業もあります。そこで、カルチャーではなく、制度やマーケットの観点で外資系と日系ファームの特徴をご説明します。

日系ファームのメリットとデメリット

独立系のファームもありますが、日系ファームの多くは大手企業のグループに属しているケースが多いです。そのため、すべてではありませんがグループ向け案件を持っていることが日系の強みと言えるでしょう。案件により、大きな意思決定は親会社が行うこともありますが、戦略コンサルティングに携わる機会もあります。また、グループのSIerと連携して業務コンサルティングを行ったり、景気が下向きになってもコスト削減戦略が入ったりするなど、景気の波に比較的左右されず、安定しているというのが日系ファームのメリットのひとつです。

日系の特徴として、入社後の育成を重視するので、未経験者に対して育成プランを立てているケースも多く、性急に結果を求めずに1~3年程度の中長期スパンで成長を見守ってくれる点も安心材料のひとつ。外資系よりも評価や業務スピードが比較的緩やかなので、ワークライフバランスが保たれる可能性も高くなるでしょう。

外資系ファームのメリットとデメリット

研修制度が充実しているのが外資系の特徴。世界共通の教育プラットフォームが整っているファームもあります。ファームによっては海外研修に行くチャンスがあったり、eラーニングだけでも何万ものコースを用意していたりと、「機会が十分に提供されるので活かすのは自分次第」である点が外資系のメリットと言えるでしょう。eラーニングを駆使して短期間で力をつけたり、海外オフィスとコミュニケーションして語学力を磨いたりと、成長したい人にはうってつけの環境です。

また、グローバルで展開する外資系ファームの方が、対峙するマーケットは圧倒的に広がります。「マーケットの広がり」と、何万、何十万人といるグローバル人材の上位を目指すという、「人材の層の厚み」の2軸で成長できる点も、外資系の大きなメリットです。

グローバルの頂点を目指して働くことで視野も広がりますし、目標が高いのでレベルが上がるスピードも速くなります。もちろん、スピードの速いグローバル企業で活躍し続けるプレッシャーもありますが、不確実性の高い現代において、世界を見て仕事をした経験は貴重な資産となり、将来のキャリアの選択肢も広がるでしょう。

外資系コンサルティングファームの役職名と階層

企業によって呼称に違いはありますが、外資系ファームの役職名は「アナリスト/アソシエイト」からスタートし、経営に携わる「パートナー/プリンシパル」まで複数の階層があります。これらの呼称は面接で使われる可能性が高いので、外資系ファームにチャレンジする場合は、事前に把握しておきましょう。

役職名と階層図

コンサルティングファームを目指す場合は、将来像を描いておく

コンサルティング業界の場合、長く業界に居続けるのではなく「短期間で成長して起業したい」「いずれ事業会社に戻りたい」「家業を継ぎたい」など、“卒業”を視野に入れている方が多いのも特徴です。入社後のキャリアは面接でも聞かれる項目ですが、描いている将来像によって「ファームの選び方」や「ファームの過ごし方」が変わってきます。

例えば「短期間で成長して起業したい」のであれば、ファームで何を吸収し、具体的に何年間で成長したいのかを明確にした方が得るものがあります。経営視点を学びたいなら戦略系ファームという選択肢が挙げられます。「いずれ事業会社に戻りたい」のであれば、どの部署に戻りたいのか。経営企画や海外オフィスに行きたいのであれば、経営が学べる戦略系ファームや、グローバルプロジェクトの多い外資系ファームを選択した方がキャリアは鮮明になるでしょう。「家業を継ぎたい」のであれば、どんな家業なのか、何を学ぶのか。例えば工場ならものづくりに特化したファームや総合系の製造部署、日本式を学ぶのであれば日系ファームも選択肢に入ってくるでしょう。

もちろん、卒業を見据えずに「ずっとファームで経験を積みたい」という場合も、どのような環境で働きたいのかは重要です。いずれパートナー/プリンシパルを目指す気概があるのか、それとも特定領域のスペシャリストを目指すのかによっても、ファームの選択肢は変わってきます。

もし転職エージェントを利用される場合は、描いている将来のイメージをお伝えいただいた方が、有用な情報提供を受けることができるでしょう。

コンサルティングファームの魅力と向いているタイプとは?

コンサルティングファームの業務は「未来を創る仕事」だと思っています。もちろん、業務改善やIT化といった業務もありますが、これまでにない新しいことや、“ゼロから1”を生み出すことを求められるのがコンサルティングファームの仕事です。新しいことを生み出すことで、より豊かな未来を創出できる点がコンサルティングファームの魅力と言えるのではないでしょうか。

“ゼロから1”を生み出すために必要なのは好奇心。新しいことが好きで、世の中の変化を前向きに捉えて「面白い」と感じられる方であれば、コンサルティングファームはとても向いている職場だと思います。短期間で成長できるハードな環境にやる気を感じられる方は、ぜひ一歩を踏み出して、日本や世界の未来を創っていただきたいと考えています。

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