【2023年】外食・店舗型サービスの転職市場は今後どうなる？

外食・店舗型サービスの2023年転職市場の求⼈・求職者の動きを、業界に精通した株式会社リクルートの人材領域で活躍するキャリアアドバイザーがレポートします。「2023年の転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。

1.【外食】全体動向

採用は非常に活況で、求人数は来年度も継続して増加する傾向にあるでしょう。アルバイトの方の正社員登用も進んでいますが、そもそも人手不足のため、それにより正社員求人が減るということはありません。

郊外への進出や業態変更を背景に、店舗開発や施工監理の求人が増えています。いずれも経験者が少ないため、未経験者もターゲットになるケースが増えています。IT人材の採用は、給与や人事規定の見直しは始まっていますが、充足は依然難しい状態にあります。

人材採用・定着のためにも、働き方改革が進行している印象は受けます。各社BPR（Business Process Re-engineering）を進めており、その鍵になっているのがDX（Digital Transformation）です。レジシステムや券売機の導入、シフト作成・管理をデジタルへ移行し、業務時間を生み出すことで、人員不足による工数の不足を補い、本来取り組むべき仕事や未経験者への教育強化につなげています。

採用充足のためには、ターゲットの多様化や選考期間の短縮といった変化や工夫が求められます。経験者採用の難易度は高く、未経験者、とりわけシニアや事情がある方でも活躍できるような受け入れ体制づくりが求められています。同業界だけではなく、他業界の採用競合も念頭に、機動的な対応が必要な状況です。

2.【店舗型サービス】全体動向

コロナ禍で採用を抑えていましたが、ニーズの回復に伴い、人材採用が急務となっています。ターゲットの幅を広げた上で、地域限定正社員の導入など中長期的に働けるキャリア制度づくりが広がっています。また、外部労働市場を見て賃上げの検討を進めているケースもあります。採用強化に伴い、人事・採用や労務の体制を整える必要もあり、それらの求人も増えています。

コロナ禍で採用を止めていた影響で、中間層の社員が少なく、マネジメント層が現場に出ているケースもあります。その結果、教育が満足にできず、人材の定着に課題のある企業が出てきており、対応は急務となっています。中長期で人材を育てていくという考え方が非常に重要で、特に個人のキャリアが長くなる中、教育・育成に力を入れられるかどうかで人材の求心力は変わってくることでしょう。