英語で行われることの多い、外資系企業や海外の企業の中途採用での最終面接は、日系企業の最終面接とどのような点が違うのでしょうか。今回は、英語の最終面接までの流れやポイント、最終面接でよく聞かれる質問や回答のコツなどをご紹介します。
外資系や海外の企業の最終面接までの流れ
応募する企業や職種、役職によって異なりますが、外資系企業や海外の企業の面接は3回程が一般的です。
日系企業との違い
日系企業と面接の流れや回数は大きく変わりませんが、外資系や海外の企業の場合は英語で面接が行われることがあります。また、現地スタッフや本国のメンバーとの面接が入ることもあります。そのため、日程調整に時間がかかったり、一次面接と二次面接は対面で行われたけれど、最終面接のみ本国の役員が参加できるようにオンライン面接になったりという可能性もあります。
一次面接:人事面接
一次面接は、人事が面接を担当することが多いです。人事面接は、電話やオンラインのみで完結する場合もあります。現在募集している職務内容と応募者のマッチ度を判断し、次に進めるべきかを判断します。応募企業が複数のポジションを募集している場合は、他のポジションを紹介してくれることもあります。
二次面接:上司・部門長面接
二次面接は、配属予定となる部署の直属の上司や部門長が担当します。また、二次面接と同時もしくは三次面接で、一緒に働くことになる他部門のメンバーや部門長面接が入ることもあります。
上司や部門長面接は、主に過去の実績を聞かれます。また実際に一緒に働くメンバーになるので、会社やチームの雰囲気に合うかなどの相性も判断されます。
最終面接:役員面接
一般的に、最終面接の面接担当者は役員もしくは社長です。マネジャー職以上の役職の場合は、本国のメンバーが加わることもあります。最終面接で企業が知りたいことについては、次項で詳しくご紹介します。
英語の最終面接で企業が知りたいこと
前述した通り、最終面接は役員もしくは社長が担当します。彼らは、最終面接前までのあなたの評価をメンバーから聞いているので、最終面接ではスキルや実績などより、コミュニケーション能力を始め、以下の4点について確認したいと考えています。
- どれだけ会社のことを理解しているか
- 会社への志望度が高いか
- 会社に貢献してくれるか
- 社風に合っているか
候補者が複数名いる場合、面接担当者は応募者を比較することになります。自分自身をアピールできるように、これらの4つについて、自分自身の考えを整理しておくと良いでしょう。
また、社長や役員のインタビュー記事を探して最終面接前に読んでおくのも有効です。「どのような考えで事業をしているのか」「どのような価値観を持っているのか」などを知ることができるからです。インタビュー記事は応募企業のHPに載っていたり、他のサイトで取材されていたりすることもあるので、調べてみましょう。
英語の最終面接でよく聞かれる質問と回答例
続いて、最終面接でよく聞かれる質問と回答をそれぞれ例文でご紹介します。
条件面
質問例:
Q:When can you start working with us?
(内定が出たらいつから働くことができますか?)
回答例:
I think it will be possible to join in about a month. Let me confirm with the current company.
(1カ月程度で入社が可能と思います。現職と確認させてください)
この質問を通して、会社への志望度を見られています。
上記の回答例のように、前向きな回答をしましょう。
キャリア感
質問例:
Q:What do you want to do at 〜?
(〜社で何をしてみたいですか?)
回答例:
At first, I want to familiar with the products and make an achievement. Then I’d like to lead the sales team.
(まずは製品のことを熟知し結果を残し、ゆくゆくはチームをリードできるような存在になりたいと思っています)
向上心があるかどうか、すぐに辞めてしまうことがないか、ということは面接担当者が気になるポイントです。中長期的な自身の目標を伝えましょう。
事業について
質問例:
Q:What do you know about our business?
(当社の事業について知っていることを教えてください)
回答例:
I think the strong point of the product/service of A company is XXX, and I heard same opinions from my clients as well. That made me to hope to contribute to this product/service and I believe that I can make it with my sales experience.
(A社の製品は自分の顧客から質問をいただくことが多く、xxxという点が大きな強みだと思っております。私自身もこのプロダクトに携わりたいと思いましたし、これまでの営業経験を活かして会社に貢献したいと思っております)
社長や役員は、自分の会社がどのように見られているか知りたいと思う人も多いです。このような質問に対しての回答も用意しておきましょう。その際、応募企業の強みを理解し、伝えられることが大切です。自社のこと、自社製品のことをどれだけ知っているか、それらにどれだけ興味を持っているかを伝えることは、社長や役員の納得感を得ることができます。
また、応募企業の製品が他社から見てどのように見えているか、どのような他社との差別化ポイントがあるかなどを伝えることも有効です。応募企業に自身の事業理解度を知ってもらうことができます。
カルチャーフィットについて
質問例:
Q:What interests you about our company?
(弊社のどのような点に興味を持たれましたか?)
回答例:
Initially I was interested in the product/service of A company. But in the process of interviews, I found that all members in this company are so passionate as well as thoughtful, that motivated me more to work with them for company A.
(元々A社の製品に興味をいだいていましたが、面接を進めていく中で、皆さんとても情熱的で温かく、A社で働いてみたいという気持ちがさらに高まりました)
この質問では、応募企業の事業や製品の熟知度に加え、応募者が自社のカルチャー(既に働いているチームメンバーとの相性など)とマッチするかというポイントも見ています。嘘偽りのない形で、自身とマッチしていると思うポイントをアピールしましょう。
最終面接の逆質問で聞きたいこと【質問例】
最終面接で逆質問の場を設けられたら、積極的に質問してみましょう。この時、企業研究を重ねていく中で気になっていたこと、面接の中で疑問に思ったことなど、何でも質問して構いませんが、企業のHPなどで調べたらわかることは質問しない方がいいです。「調べたらわかるのに、自社に興味がないのでは?」と誤解をされてしまう可能性があります。
では、英語の最終面接で使える逆質問例をご紹介します。
企業や事業について
I read(heard) that A is focusing on XXX now. When it comes to the plan in the future, do you have any other area you are thinking about putting more resources in?
(A社は昨今xxxという商品に注力されておりますが、今後他に注力したい分野などはあるのでしょうか?)
求められるスキルを知るための質問
Could you let me know what kind of people are making good result in XXX? Do they have any characteristic in common?
(御社で活躍されている方の特徴を教えてください)
キャリアについて
What are the skills you’re looking for in this role?
(あなたがこの職種に求めているスキルはなんでしょうか?)
「どうすればマネジャーになれるでしょうか?」「どのような人材がプロモーションするのでしょうか?」など、方法を聞くような質問はしないようにしましょう。
「〜のようなキャリアを築きたいと思っているのですが、そのためには御社ではどのようなスキルが求められるのでしょうか?」といった主体性のある質問はOKです。
最終面接で自分自身をしっかりアピールしよう
最終面接では、あなたが応募企業でどのように活躍できるのか具体的なアピールが求められています。「自分の意見をしっかりと伝えること」「質問には端的に答えること」「目を見て話すこと」を意識して、面接に臨みましょう。
【執筆者】
Mako(六角まこ)
大手外資メーカー、国内スタートアップで営業や営業企画を経て、現在は外資SaaSベンダーにてインサイドセールスチームのマネジメントに従事。仕事もプライベートも充実させられるようなバランスキャリアをテーマに、キャリア論・転職術を発信中。