グローバル化やIT・技術革新の進展により、産業構造が大きく変わりゆく昨今。社会や企業は未曾有の難題に直面しています。そうしたなか、持続的な発展に寄り添う伴走者として、シンクタンクに対するニーズは高まるばかりです。なかでも、社会・お客様から強い期待を寄せられているのが、国内屈指の総合シンクタンクである三菱総合研究所。経済、企業経営から政策・公共・科学技術分野に至る幅広い領域で、社会や企業に対し、時代の羅針盤としての役割を担い続けています。同社は「未来共創」を旗印に、あるべき未来社会の創造に向け、多様な課題を解決へと導く経営コンサルタントを求めています。同社の理念、そして活躍できる人材像について、経営コンサルティング事業本部長の瀬川秀俊氏(写真左)に伺いました。
政策・事業の20年先を見据えたダイナミズム
社会貢献度の高い仕事で未来を創る
御社の特徴について教えてください。
当社は三菱グループの100周年事業の一環として1970年に創業以来、官公庁からの調査・研究の受託により発展して参りました。そのなかで、民間企業からアドバイスを求められる機会が増えたことから民間企業へのコンサルティング事業にも乗り出し、今日に至るまで日本企業の成長と共に歩んできました。
国の政策は10年から20年後を見据えて長期に予測しビジョンを作ります。そこで養われた予測力やビジョン構築力を民間企業にも展開できるところが強みであり、中長期目線に立ったソリューションの提供には自信があります。
また、約800名在籍している研究員の約7割が理系出身のため、基礎的素養として科学的なアプローチを身に付けていると共に、“技術的な目利き力”を強みにしており、企業の技術力評価や技術起点の新規事業開発提案は多くのお客様から高い評価をいただいています。
お客様には、どのような企業が多いのでしょうか?またそうしたお客様を相手にコンサルティングを行う醍醐味はどのようなものでしょうか?
お客様のほとんどは国のリーディングカンパニーで、名前を聞けばご存知の企業も多いと思います。お客様から当社への期待でいえば、短期的な目標達成のためというよりは、10年20年後を見据えてどのように事業展開を図るべきかについての提言が求められています。こうした未来を見据えた提言を行うが故に、いわゆる最先端分野に触れる機会に恵まれているというのは間違いないと思います。
また、当社の組織構造上は、シンクタンクとコンサルティングで分かれていますが、プロジェクトは共同で実施することが多く、異なる専門性を持つ研究員がチームを組んで仕事に取り組んでいます。たとえば都市インフラやライフサイエンス分野での新事業開発、エネルギー分野での人材開発など、シンクタンクの専門性とコンサルタントのビジネス知見を組み合わせ包括的なアプローチができるのも当社の特徴と言えます。
これらに加え、当社には「国や社会の役に立ちたい」「日本の産業をもっと良くしたい」という理想を持った人材が多いのですが、仕事を通じて、こうした想いに一歩ずつ近づけていると実感できるのも大きな醍醐味かと思います。
時代の転換期に必要なコンサルタントの役割は“変化の触媒”
時代の先を読み、お客様にコミットできる能力
今回のコンサルタント募集の背景について教えてください。
端的に言うと、業務の大幅拡大による増員です。IoTやAIなど様々な技術の進化にともない、これまでのビジネスの在り方が変容しています。たとえば、かつて広告はマスメディアに載せることが王道でしたが、いまはインターネットやAIを活用したデジタルマーケティングに移行しています。このように、新しい波に乗らないと勝負の土俵にさえ立てない状況下にあります。しかし、企業は、既存事業のビジネスモデルを急には転換できないので、先導的なアドバイス、いわゆる変化のためのきっかけ、触媒が必要になります。その担い手として、コンサルタントのニーズが高まっているのです。
コンサルタントとして、御社で活躍するために必要な能力とはどのようなものでしょうか?
コンサルタントに普遍的に求められる論理的な問題解決力の高さはもとより、“変化を加速させる力”“お客様が次のアクションに移る力を与える力”が必要になります。たとえば、いま自動車業界は、自動運転や情報通信の分野にフォーカスしています。しかし、当然ながら、自動車業界において、そうした分野に精通している人は非常に少ない。そこを我々が動向を読んで、少し先を行かないといけないわけです。
コンサルタントに求められるものは、かつては専門性でした。もちろんそれは変わりませんが、今後の役割を考えると、専門性を可変していける柔軟性と、新たな分野を迅速にキャッチアップできる学習能力の高さが求められると思います。
また、コミュニケーション能力も欠かせないと思います。一つは、論理的思考によるコミュニケーション。考えていることを的確に言葉にして相手に正しく伝える力です。ただ、それだけではなく、もう一つ感情がこもったコミュニケーションができるか否かも重要です。お客様に対して、「ぜひこのような改革を行いましょう」「このような事業を起こしていきましょう」と提案するとなると、無味乾燥なコミュニケーションでは人は巻き込めません。それを踏まえると、論理的な思考表現に加えて、感情のやり取り、いわゆる共感性も求められます。
御社では、どのようなキャリアアップが望めるでしょうか?
外資系のコンサルティングファームなどと比べれば、当社は長期スパンでお客様に携わるという特性もあり、じっくり腰を落ち着けて仕事ができるのではないかと思います。
キャリアパスとしては、若い段階では、プロジェクトマネージャー(以下、PM)の下で様々な案件を担当し、コンサルタントになる力を付けてもらいます。その後、PMになりましたら、自分で提案書を書いて受注し、文字通りプロジェクト全体のマネジメントをしてもらいます。力を付けてベテランになった後は、マネジメントに進む、PMとしてより専門性を深める、さらに昨今だと弊社の新規事業の推進役、といったキャリアが選択可能です。
また、日々のプロジェクトアサインに関しては、どのプロジェクトにどれくらいの時間関与しているかを個人別に管理しているので、そうしたデータを参考にしつつ、本人の希望に沿っているか確認しながらアサインを進めています。仕事を通じて自己実現したい方、ハードながらも一定のライフワークバランスを求めている方、成長意欲の高い方、色々な分野を見てみたい方にとっては、満足できる職場であると自信を持ってお伝えすることができます。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。
“世のため人のため、そして社会のため”に課題を解決するためには、数年単位ではなく、少なくとも10年20年のスパンで考える必要があります。よって、キャリア形成の途中で短期間立ち寄る企業ではないと思います。当社としても長期での勤務が可能になるよう、育児期の女性社員支援や男性社員の育休取得を後押ししています。また、旧態依然とした上意下達の企業風土ではなく、ステイタスによらずどの社員の意見も積極的に取り入れていく風通しの良さもあるので、働きやすいと思います。社会課題の解決や、日本の産業発展のために貢献したいと思う方は、ぜひ仲間になっていただきたいと思います。
【三菱総合研究所の事業概要】国の政策や企業戦略の立案・設計からその実現に至るまで、総合シンクタンクのフロントランナーとして、シンクタンク・コンサルティングとITサービス事業を展開。
設立:1970年5月
資本金:63億3,624万円
従業員数:単体896名 連結3,741名(2016年9月30日現在)
売上高:869億400万円(2016年9月30日現在)
担当ヘッドハンターの目線
株式会社リクルートキャリア コンサルタント 青木 一憲氏
社会・企業のあるべき姿を追求するため、
考え抜ける人におすすめしたい企業
三菱総合研究所の魅力は、社会起点で仕事ができることです。政府関係の仕事も多く、国や経済にダイレクトに関わることができます。また、社会課題に向き合う企業が増えているなかで、国の施策についての知見を踏まえての視点で支援をしていこうとされています。様々な分野のプロフェッショナルが揃っているなかで、他部署のメンバーと連携して、案件に複合的に関わりながら、お客様への価値提供を実現されています。なかには十年単位で担当しているお客様もいるということで、強固な信頼関係を築けていることが分かります。
お客様も中長期的な視点を期待しているので、先の目線で考えられるコンサルタントを期待しています。こうした期待値も、信頼関係を築くうえでのコミュニケーション能力や、知識の深さが評価されてのことだと思います。事例の水平展開ではなく、顧客に入り込みコミットしていくことから、企業や社会がどうあるべきかを主体的にとらえて、課題を考え抜ける方が活躍できると考えています。