義務教育で武道やダンスが必修化され、プログラミングも必修化に向けて検討されるなど教育の内容が大きく変化してきています。そんな中、学校外の子供の習い事にはどのような変化が起き、どれくらいの費用が必要なのか、ランキングと実情を調査してみました。
中学校で武道やダンスが必修科目になり、小学校でもプログラミングの必修科目が検討されるなど、義務教育の内容が近年大きく変化しています。そんな中、学校の授業以外で学ぶ「習い事」は、どのように変化しているのでしょうか。また、各家庭、習い事にどれくらいの費用をかけているのでしょうか。子供へ人気の習い事や、習い事にかける費用の実情を調査してみました。
※参考資料
平成26年度「子供の学習費調査」の結果について
ケイコとマナブ.net お稽古ランキング2015
習い事における費用の比較
まずは、各学年の別の習い事にかける費用を見てみましょう。
【学年別】
引用元:平成26年度「子供の学習費調査」の結果について
【傾向】
・「学校外活動費」(学習塾、習い事などへの支出)は、公立、私立のいずれにおいても、中学校、高等学校、大学等への進学が近づくにつれて増加傾向にある
・公立では中学3年生の約43万5千円、私立では小学6年生の約74万円が最も多くなっている
・「補助学習費」と「その他の学校外活動費」の割合を見ると、公立では小学6年生以降から、私立では小学5年生以降から、「補助学習費」の割合が「その他の学校外活動費」の割合を上回っている
※「補助学習費」とは、家庭での学習に使用する物品や教材の購入費、学習塾費等の支出を指し、「その他の学校外活動費」とは、体験活動や習い事(ピアノ、水泳、習字等)等の支出を指す。
続いては男女別を見てみましょう。
【男女別】
引用元:平成26年度「子供の学習費調査」の結果について
【傾向】
・公立・私立ともに、学校外活動費の合計は男女間でほぼ同様であるが、私立の高等学校においてのみ、女子よりも男子の支出の方が多い傾向にある
・学習塾費などの補助学習費を除いた「その他の学校外活動費」では、公立・私立ともに男子よりも女子の支出の方が多い
人気の習い事 ベスト5
続いて子供に人気の習い事ランキングです。
引用元:ケイコとマナブ.net お稽古ランキング2016
習っているランキングでは「水泳」「英語・英会話」が人気です。「水泳」においては、全体の約4割以上が習っており、2016年は小学校から高校まで全ての世代で1位となりました。
一方、習わせたいランキングでは、「英語・英会話」が全体トップ。また、小学生高学年では「パソコン関連(プログラミングなど)」が5位にランクインと、2015年の8位から大きく順位を上げています。子ども向けに教える事業者も増加傾向であり、今後も習わせたいというニーズが高まることが考えられます。
人気の習い事の目安費用
スイミング
月謝:5,000~8,000円程度(週1回)
その他、入会金、水着、ゴーグル、スイミングキャップ、スクールバッグなどが必要な場合もある。
英語・英会話
月謝:6,000~8,000円程度(週1回)
その他、入会金、教材費などが必要な場合もある。
体操教室
月謝:6,000~8,000円程度(週1回)
その他、入会金、教材費などが必要な場合もある。
ピアノ
月謝:6,000~8,000円程度(週1回)
その他、入会金、教材費などが必要な場合もある。
プログラミング
月謝:6,000~8,000円程度(週1回)
その他、入会金、教材費などが必要な場合もある。
まとめ
幼稚園(3歳)から高校卒業までの15年間を、すべて公立に通った場合の「学習費総額」は約500万円。一方で、すべて私立に通った場合はその約3倍以上となる約1,700万円の費用がかかります。
さらに、プログラミングの小学校必修化の検討やグローバル化など、子どもたちを取り巻く環境も大きく変化する中で、学習に直接結びつく習い事への需要も高まっていくと考えられます。それとは別に、子どもの体力作り、多様な興味関心を育てるための習い事も欠かせないと考えると、子どもの教育における費用は、膨大な金額となるのではないでしょうか。
だからこそ、『習い事』は子どものやる気や意思も尊重しながら、家計の収入や子どもの将来も考え、慎重に選ぶことが求められます。また、習い事は「辞め時」も重要。子どもの年齢やタイミングに合わせ、都度、子どもも含めた家族全員で話し合い、続けるか辞めるかを検討することも必要です。