転職先が決まらない人に多い傾向は?内定を得るための対処法

同じように転職活動を行っているのにも関わらず、志望する企業にすんなり転職できる人もいれば、長期にわたり転職先が決まらない人もいます。転職活動がうまくいかない人には、どのような共通点があるのでしょうか。転職先が決まらない人によくある傾向と、内定を得るための対処法について、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏に解説していただきました。

転職先が決まらない人の傾向

転職先がなかなか決まらない人には、いくつかの傾向があります。ここでは、転職に苦戦する人の特徴や陥りがちなポイントについて紹介します。

転職回数が多い

複数回の転職は、以前ほど珍しいことではなくなりました。採用企業側も、業界・職種によっては求職者の転職回数を重要視しなくなってきています。とはいえ、新卒採用中心の企業では、定着性の観点から依然として転職回数を気にする傾向があることも事実です。転職回数が、選考を突破できない原因となっている可能性があります。

なお、トータルの転職回数より重視されるのが「直近の転職頻度・在籍期間」です。例えば「転職を3回経験している35歳」でも、20代のうちに3回転職しているのと、ここ2~3年のうちに3回転職しているのでは、企業からの印象が大きく異なります。傾向としては、直近の転職回数が多い場合の方が、企業から定着性の観点で疑問を持たれることが多いようです。経歴を隠すことはできないので、転職回数が多い、または直近で短期間のうちに転職している場合は、応募企業に理由をしっかり説明できるように準備しておきましょう。

軸が定まっていない

転職先選びの判断軸が定まっていないことも、転職先が決まらない要因のひとつです。特に40代以上で転職する場合、年収、ポジション、企業規模など、どうしても希望条件が多くなりがちです。最終的に何を優先するのかをあらかじめ決めておかないと、年収などの好条件につられて応募企業を選んでしまったり、面接に進んでも志望動機等をうまく伝えることができずに選考を通過できなかったりと、転職活動がうまく進まない可能性があります。

転職先に求める条件が高すぎて応募数が少ない

希望条件があまりに高いと転職先がなかなか決まりません。特に、現職(前職)の待遇が良く、「現職と同等かそれ以上」と条件にこだわりすぎると、条件に見合う求人がとても少なくなってしまいます。求人数が少なくなることに加えて、待遇の良い求人には応募者が集中するものです。求人を厳選して人気企業ばかり応募していると、なかなか選考を通過することができず、想定していた以上に転職活動が長引く可能性が考えられます。

応募書類や面接でのアピールが足りない

応募書類や面接でのアピールが足りないことも考えられます。「準備不足や練習不足で上手に伝えることができていない」「アピールしているポイントが、企業の求める人物像とマッチしていない」「できるだけ多くのアピールポイントを伝えようとして、人物像が一貫していない」など、アピール不足にはいくつかの原因が挙げられます。

他責傾向がある

失敗や問題の原因を自分ではなく他人や環境のせいにする「他責」の傾向が強いことが原因である可能性もあります。面接で転職理由を聞かれたときに、会社や上司に対する批判や不満が噴出してしまえば、「入社後も同様に社内の人を批判するかもしれない」というネガティブな印象を与えてしまいます。さらに「この人は、不満を感じたら解決の努力もせずにすぐ辞めてしまうのではないか」と定着性に懸念を持たれ、採用が見送りになる可能性もあるでしょう。

周囲に流されやすい

「こんなキャリアを積みたい」という明確な目的がなく、「同年代が転職して年収や役職が上がったから」などと周囲に影響を受けて転職活動を始めたケースが該当します。特に、転職経験がない人や、若い頃に一度転職に成功し、時を経てもその頃のイメージを持ったまま転職を検討しているといった人にも見られるようです。この場合は志望動機が曖昧になりやすく、キャリアの棚卸しや自己分析にもあまり熱心でないことから、自己PRも単なる経験の羅列になりがちです。30代、40代に対して高い専門性やマネジメントスキルを求める企業にとっては響くものがなく、なかなか採用に至らないかもしれません。

内定を得るための対処法

転職活動に苦戦している人が内定を得るためには、これまでの何を見直し、どのような対策を講じればいいのでしょうか。対処法を解説します。

転職回数が多い場合は対策を練る

転職回数が多い場合は、しっかりと対策を練ることが重要です。転職の理由を聞かれた時の回答を準備して、面接の練習をしておくのはもちろんのこと、職務経歴書の書き方なども工夫しましょう。職務経歴書は履歴書とは違って、必ずしも勤務先を時系列で記載する必要はありません。転職回数が多い場合、時系列で1社ずつ職歴を書いていくと転職回数の多さが目立つため、職歴を「営業」「開発」といった業務内容ごとにまとめ、メリハリをつけるという方法もあります。

また、転職回数が多くても、自身のビジョンが明確で、着実にキャリアアップを重ねているのであれば、すべてがマイナスに評価されるわけではありません。例えば、「飲食店ビジネスに興味があったので、飲食店に勤務して現場経験を積み、店舗拡大のノウハウを学ぶためにチェーン展開をしている企業に転職、その後、経営を学ぶためにコンサルティングファームに転職」など、キャリアが一貫していることを明確にし、採用担当者に対してはっきりと伝えるようにしましょう。

なお、転職回数が多いことをネガティブに捉える企業がある一方で、スキルや実績を重視し、転職回数を全く気にしない企業もたくさんあります。特に、IT・Web業界、外資系、成長段階のベンチャー企業などはその傾向が強いので、業界・企業の選択の幅を広げてみるといいでしょう。

自身の市場価値を正確に把握し、条件を整理する

自身の市場価値を高く見積もりすぎて、条件の良い人気企業ばかり応募していると、他の応募者と比較されて、なかなか選考を通過できないケースがあります。特に、年齢が上がっていくと結婚や育児、介護など、様々なライフイベントが発生し、転職先に対して譲れない条件が多くなることが一般的です。まずは、自身の市場価値を冷静に分析したうえで、「譲れない条件」と「望ましい条件」を整理し、優先順位を明確にしておくことで、選択の幅が増えるでしょう。

転職方法を見直し、応募数を増やすことも視野に入れる

転職活動の方法はひとつに絞る必要はありません。どうしても希望条件に合致した転職を実現したいのであれば、応募数を増やすことも一案です。転職エージェントからの紹介を受けながら、自分でも転職サイトに登録して希望に合致した求人に応募する、ビジネス系のSNSに経歴を入れてオファーを待つなど、さまざまな方法を積極的に活用することがおすすめです。

また、現在は多くの企業で「リファラル採用(社員の紹介で人材を採用する手法)」を導入しています。知人を経由して応募することができれば、採用に至るまでのプロセスを短縮できる可能性もあるでしょう。

企業へのアピールポイントを整理する

30〜40代を中途採用する企業の目的は「組織の業績改善」「事業の立ち上げ」「若手育成」など非常に具体的であり、求める人物像も明確です。従って、どれほど高度なスキルを多く備えていても、アピールするポイントが企業の求める人物像とマッチしていなければ、評価には繋がりません。まずは求人情報などを熟読し、企業の募集背景を把握したうえで、求められる能力と紐づいた自分の経験・スキルを洗い出し、書類や面接で伝えるべきポイントを整理しましょう。

また、「自分のできること」を主張するだけでなく、「入社したら○○をしたい」「○○で貢献したい」といった志望意欲を見せることも大切です。特に管理職の採用は入社後の周囲への影響力が大きいため、組織や事業に対してコミットする意欲があるかどうか、「この人と働きたい」と思えるかどうかも、企業にとって重要な判断材料となるからです。

面接対策を見直す

プレゼンなどで話すことに慣れている人ほど、あまり面接の練習をしない傾向があります。しかし、一問一答で自身のことを相手に伝えていく面接は、プレゼントとは別物。準備が足りなかったせいで、採用担当者に「なぜ?」と深掘りされて同じ答えを繰り返してしまったり、要点がまとまらないまま長く話し、内容が薄くなってしまったりする失敗も多いものです。限られた時間で強みや意欲をアピールするには、やはり事前準備と練習が大切。「転職理由」「志望動機」「自己PR」といった代表的な質問に対する回答を原稿にまとめ、何度か繰り返し口に出しておけば、本番でも慌てずに対応することができるでしょう。

転職エージェントを味方につける

転職先がなかなか決まらない時は、第三者に相談するのも有効です。キャリアのプロである転職エージェントにも、積極的に相談してみましょう。例えば転職回数や希望条件に不利な点があったとしても、経験・スキルがマッチしていれば、転職エージェントがフォローしながら企業に推薦してくれる可能性もあります。また、応募書類や面接の伝え方についても、プロの視点からアドバイスを受けることができます。転職エージェントが、転職成功のための心強い味方になるでしょう。

対処法とともに、基本姿勢も見直してみよう

30~40代で転職に苦戦する人に見られるのが、「自分の職歴・実績のアピールが中心となり、応募企業への理解や興味・関心が低い」傾向です。

「アピールしたいこと・できること」が多く、「この条件は外せない・こういったことをしたいし、できる」という希望条件や軸が明確になっているものの、採用する企業側からすると、「スキルセットなどはぴったりだけど、ウチに対する志望度がよくわからない」と捉えられてしまうケースです。自己アピールを強調した結果、「自分を評価してくれる企業ならどこでもいいように見える。それなら、職歴や実績が多少不足していても、しっかり調べて質問や提案をしてくれる熱意ある人材を採用したい」という判断になることも少なくありません。

また、管理職や専門職などのハイクラス層の場合、積極的なアピールが裏目に出て、自信家に見えてしまったり、言い方に尊大さが出てしまったりする可能性もあります。特にオンラインの面接だと表情が分かりにくくなるため、意図せずに印象を損ねているかもしれません。もちろん、面接でへりくだる必要はありませんが、印象で選考が通らないのはもったいないことです。「一緒に働きたい!」と思ってもらえるよう、笑顔を交えて表情を柔らかくするなど、伝え方を工夫してみましょう。

粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

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