最終学歴とは?履歴書への書き方や注意点、最終学歴にならないケースなど解説【見本あり】

履歴書

転職活動をしていると「最終学歴」を尋ねられることもあるかと思います。今回は、最終学歴についての正しい知識と、履歴書に記載する学歴の書き方に加えて、最終学歴を記載する際の注意点も合わせて組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏が解説します。

最終学歴とは「最も高い教育機関の卒業歴」を指す

最終学歴とは、学歴の中で最も高等な教育機関の卒業歴のことを指します。例えば、大学卒業後に専門スキルを身につけるために専門学校を卒業した場合には、「大学卒業」が最終学歴となります。「最終」という言葉から「最後に卒業した教育機関」と誤解しないように注意しましょう。具体的な順番については後述します。

学歴の書き方順と注意点

最終学歴として履歴書に記載する学歴の順番を以下にご紹介します。

最終学歴とする学歴の順番

1.大学院博士
2.大学院修士
3.大学
4.専門学校・高等専門学校・短期大学
5.高等学校
6.中学校

なお、短期大学、専門学校、高等専門学校(高専)は、教育機関としての水準が近いとみなされる傾向にあり、同水準の学歴が複数ある場合は、直近の卒業歴を最終学歴として記載しましょう。

「国公立」「学校法人」以外は、学歴として認められないケースもある

一般的には、学歴として記載するものは「国公立」「学校法人」のみとするケースが多いようです。そのため、文部科学大臣や都道府県知事から認可を受けていない民間の学校、予備校、語学スクール、職業訓練校などは、学歴とみなされない可能性もあります。専門学校の場合は、学校法人の認定を受けていないケースもあるので注意しましょう。 

在学中の場合も、最も高等な教育機関であれば最終学歴とされるケースもある

国公立もしくは学校法人の私立学校に在学中であり、その学校がこれまで通ってきた学校の中で、前述した学歴の順番が最も上位の教育機関である場合は、その学校が最終学歴とされるケースもあります。 

例えば「現在、社会人として働きながら大学院に通っている」などのケースもこれに該当します。直前の学校卒業歴が最終学歴とはならないので、在学中の場合にはこうした点にも注意しましょう。 

最終学歴とされないケースを解説

中退や短期留学など、最終学歴とされないケースについて解説します。自身に当てはまるものがないか確認しておきましょう。

中退した場合

中退した学校は最終学歴として基本的には認められないため、中退する前の卒業歴が最終学歴とされます。例として、高校卒業後に大学を中退した場合には、「高校卒業」が最終学歴となります。

短期間の留学の場合

海外の大学に留学した場合でも、学位を取得していれば学歴として認められます。しかし、日本の大学に入学し、在学中に一部の単位のみを取得する短期留学や語学留学などをした場合は、学歴とみなされないことがほとんどのため注意しましょう。

大学院で満期退学/単位取得退学をした場合

大学院においては、単位をすべて取得し、標準修業年限を満了した場合でも、論文の審査や試験に合格することができず、退学するケースがあります。

この場合は、「満期退学/単位取得退学」となるため、博士課程修了とはみなされず、「大学院の修士課程修了」が最終学歴となります。

卒業後、別の教育機関で学び直した場合

学校を卒業した後や社会人となった後に、大学・専門学校などの教育機関に再度入学して学び直した場合は、一般的に「最も高い卒業歴」が最終学歴とされます。

例として、大学を卒業した後、学校法人として認定されている専門学校で学び直した場合は、専門学校ではなく、「大学卒業」が最終学歴となります。

履歴書の学歴・最終学歴の書き方と注意点

学歴・最終学歴を履歴書に書く際に、押さえておきたい基本事項と注意点をご紹介します。

最終学歴と学歴の記入見本

学歴・職歴(各別にまとめて書く)
学歴
20XX3○○県立●●高等学校  卒業
20XX4○○大学△△学部××学科  入学
20XX420XX年3月までアメリカ合衆国■■大学に交換留学
20XX3○○大学△△学部××学科  卒業
20XX4●●大学大学院▲▲学研究科■■学専攻修士課程  入学
20XX3●●大学大学院▲▲学研究科■■学専攻修士課程  修了
20XX3○○専門学校△△科□□専攻 入学
20XX4○○専門学校△△科□□専攻 卒業見込み
 
職歴
※この場合、最終学歴は「●●大学大学院▲▲学研究科■■学専攻修士課程」

履歴書に学歴・最終学歴を書く際の基本事項

履歴書に学歴を書く前に、以下の基本事項を把握しておきましょう。

学歴は古いものから時系列に

履歴書に書く学歴は、時系列に沿って古いものから順に記入します。そのため、学歴欄の最後に記載する内容が最終学歴になるとは限りません。

学校名は正式名称で

学校名は正式名称で記載し、大学の場合は学部、学科、コース名まで記載します。専攻については、応募職種に関係する内容であれば記載した方がアピールになるでしょう。

なお、一つの学校における入学・卒業の経歴を書く際には、それぞれ正式名称の学校名を記載することが一般的です。学校名を省略して「同上」「〃」と記載することは避けましょう。

年号は応募書類全体で統一

入学・卒業年月など、応募書類に記載する全ての年号は、和暦もしくは西暦で統一しましょう。

学歴・最終学歴を書く際の注意点

学歴・最終学歴を書く際の注意点をご紹介します。

大学院の場合は「修了」と記載する

大学院の場合は「卒業」ではなく、「修了」という文言を使います。修士課程、博士課程を省略せずに「修士課程修了」もしくは「博士課程修了」と記載しましょう。

在学中の場合は「卒業見込み」と記載する

在学中の場合は、学校を卒業していないことがわかるように、「卒業見込み」と記載します。なお、大学院に在学中の場合は「修了見込み」と記載します。

中退した場合も履歴書に記載することは問題ない

先にも述べたように、学校を中退した場合は最終学歴にはなりませんが、履歴書に記載すること自体は問題ありません。この場合、学校を卒業していないため、「中途退学」と記載しましょう。

また、中退した理由をなどを採用担当者に事前に伝えておきたい場合は、履歴書に記載をしても問題がありません。

複数の大学を卒業した場合は、どれを最終学歴としても良い

複数の大学を卒業した場合、「最終学歴としてどの大学名を使用すればいいのか」と悩むケースもありますが、特に決まりはありません。

先にも述べたように、履歴書の学歴欄には全ての学歴を記載するため、複数の大学を卒業した場合も全ての学歴を記載します。しかし、最終学歴のみを求められた場合、どの大学名を伝えるかは自身の判断で問題ありません。

留学した場合は「1年以上」の留学経験を書く

一般的には、学歴欄に留学経験を記載する目安は、留学期間が1年以上との場合とされています。「1年未満の留学経験」は、履歴書の自己PR欄や職務経歴書に記載すると良いでしょう。

最終学歴の書き方見本

最後に、教育機関別の最終学歴の書き方について、書き方見本をご紹介します。

専門学校卒業の場合

学歴・職歴(各別にまとめて書く)
学歴
20XX3○○県立●●高等学校  卒業
20XX3○○専門学校△△科□□専攻 入学
20XX4○○専門学校△△科□□専攻 卒業
  
職歴

大学卒業の場合

学歴・職歴(各別にまとめて書く)
学歴
20XX3○○県立●●高等学校  卒業
20XX4○○大学△△学部××学科  入学
20XX3○○大学△△学部××学科  卒業
 
職歴

大学院博士課程修了の場合

学歴・職歴(各別にまとめて書く)
学歴
20XX3○○県立●●高等学校  卒業
20XX4○○大学△△学部××学科  入学
20XX3○○大学△△学部××学科  卒業
20XX4●●大学大学院▲▲学研究科■■学専攻修士課程  入学
20XX3●●大学大学院▲▲学研究科■■学専攻修士課程  修了
 
職歴

大学院修士課程に在学中の場合

学歴・職歴(各別にまとめて書く)
学歴
20XX3○○県立●●高等学校  卒業
20XX4○○大学△△学部××学科  入学
20XX3○○大学△△学部××学科  卒業
20XX4●●大学大学院▲▲学研究科■■学専攻修士課程(MBA)  入学
20XX3●●大学大学院▲▲学研究科■■学専攻修士課程(MBA)  修了見込み
 
職歴

大学中退の場合

学歴・職歴(各別にまとめて書く)
学歴
20XX3○○県立●●高等学校  卒業
20XX4○○大学△△学部××学科  入学
20XX3○○大学△△学部××学科  中途退学
 
職歴
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組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。