三菱UFJ銀行が、デジタルテクノロジーに関わるインフラエンジニアを求めている。社内に多くのエンジニアがいるにもかかわらず、なぜ積極的に外部から人材を求めているのか。その人材に、いったいどのような活躍を期待しているのか。同行を傘下とする三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のデジタライゼーション戦略や、求める人材について、システム本部 システム開発運用部 業務基盤Gr 上席調査役 橋本亨氏に伺った。
目次
国内金融機関としていち早くAPIを公開し、デジタル通貨「coin」も開発中
MUFGはデジタルトランスフォーメーションの最先端を担う
なぜいまインフラエンジニアを求めているのでしょうか?
一言で言えば、MUFGがデジタルトランスフォーメーションに本気であり、当行はその一翼を担っているからです。まずここで、MUFGのデジタルトランスフォーメーション施策についてお話しします。FinTech、ブロックチェーン、RPA(Robotic Process Automation)、AI、ビッグデータ、ビジネスプロセスマネジメント、アプリ開発、クラウド活用…。私たちはいま、全方位でデジタルトランスフォーメーションを進めています。
たとえば私たちは、2017年に国内金融機関としていち早くAPIを公開し、並行してAPIサービスのポータルサイト「MUFG{APIs}」や、開発者向けAPIポータルサイト「三菱UFJ銀行API開発者ポータル」を開設しました。また以前から、起業家・ベンチャー企業の方々と革新的なビジネスの立ち上げを目指す「MUFGデジタルアクセラレータ」、最新イノベーションにまつわるハッカソン「Fintech Challenge」などを先駆的に始め、積極的に拡大しています。そうした施策を通じて社外のさまざまなパートナーと協力関係を築きながら、私たちはいま、デジタル通貨「coin」のほか、スマートスピーカーに話しかけるだけで利用できる金融サービスや、口座開設・手続に関するスマートフォンアプリ等、次々に開発しています。さらに、2019年1月には、全面的にデジタル化を進めた機能特化型店舗「MUFG NEXT」の第1号店を学芸大学駅前にオープンしました。他にも多数のプロジェクトが動いています。
つまり、私たちはいま、新しいことにどんどんチャレンジしているのです。それをさらに加速するため、インフラエンジニアを必要としています。
社内はどのような体制になっているのですか?
私たちのデジタルトランスフォーメーション推進の中核は「デジタル企画部」です。デジタル企画部のメンバーたちは、日本だけでなく、シリコンバレーやロンドン、シンガポールにも拠点を構え、世界の最新技術を最も近いところでリサーチしています。
こうしたデジタル企画部等のITを活用した業務戦略を検討する部署の想いやニーズを受け、システム本部では、サーバ構成・ネットワーク・運用設計などの要件定義を行い、開発ベンダーやクラウドベンダーと協力しながら、デジタルトランスフォーメーションを支えるシステム基盤を実現しています。銀行単体のプロジェクトはもちろんのこと、MUFG全体のデジタルへの取組を支えるインフラ作りを担っているのが当行のシステム本部です。
もちろん、その裏側では、経営陣がデジタル企画部や私たちのようなエンジニアを後押ししてくれています。社内ではデジタルトランスフォーメーションに関わるプロジェクトに多くの経営資源を投下しています。デジタルを活用した新しいことにチャレンジしやすい環境が整っていることは間違いありません。
システム基盤の設計開発ノウハウがあり
革新性・スピードとセキュリティのバランスを取れるエンジニアが必要
今回求めるインフラエンジニアには、どのような活躍を望んでいますか?
いま、私たちが求めているのは、従来の枠組を超えた、新しいテクノロジーを得意とするインフラエンジニアです。
このインフラエンジニアに最も求められる能力は、「革新性・スピードとセキュリティのバランス」を取ることです。できるだけ速く、できるだけ大きな事業変革を進めたいと考えている一方で、当行は極めて責任の大きなビジネスを行っており、「セキュリティ」の面で手を抜くことは決して許されません。私たちにとって、システム障害やシステム運用上のトラブルは、ビジネス全体の大きな毀損につながりかねないのです。そこで、セキュリティ品質を充分に担保しながら、ユーザー部門の想いをスピーディーに形にして、デジタルトランスフォーメーションを実現していくのが、今回求めるインフラエンジニアのミッションです。
どのような方を求めていますか?
第一に、「システム基盤の目利き力」のある方です。ユーザー部門の想いを実現するには、どのクラウドサービスを使えばよいのか、それらのサービス構成、サービスの完成度を限られた時間と情報の中で見極める必要があります。また、当行のセキュリティ要件を満たすために必要な追加対応は何か、どのような障害を想定して障害対応を設計に盛り込むのか、も重要なポイントです。そのために必須なのは、システム基盤の設計開発経験です。特に、新たなテクノロジーを相手に自分で手を動かし、試行錯誤をしながら設計を仕上げた経験をお持ちの方には活躍いただけると思います。現場はスピード重視のため、システム基盤を最短で形にすることが求められるようなプロジェクトが多数走っています。正解集や前例がない中でプロジェクトをさらに迅速に、強力に牽引するために、自ら情報収集し、自ら試し、問題解決する力をもつ方を必要としています。
加えて、クラウドサービスに関する知見や業界情報をお持ちの方には経験を活かしていただけると思います。特にクラウドベンダーでの業務経験のある方などは大歓迎です。この領域は日進月歩で進化しており、最新技術・最新情報のキャッチアップが欠かせないためです。なお、金融業界の知識・知見・経験は、入社時点では必要ありません。この世界に飛び込む覚悟が出来ている方であれば、入社後に学んでいただければ充分です。
第二に、「新しいもの好き」な方です。FinTech、ブロックチェーン、RPA、AI、ビッグデータ、ビジネスプロセスマネジメント、アプリ開発、クラウド活用などの全方位に興味をもち、システム基盤の技術進化を前向きにキャッチアップしていける方なら、やりがいを感じていただけると思います。たとえば、AWSを使った開発経験がなかったとしても、自らAWSのアカウントをつくり、自学自習でノウハウを身につけていくような方を求めています。
ちなみに、私たちはアジャイル開発環境を整備しており、アプリケーションの高度で迅速なリリースを可能にしています。システム開発にアジリティが求められる時代ですから、開発環境の整備には常に力を入れています。
職場環境はどのようになっていますか?
全体的に適材適所が進んでおり、キャリアに関する希望を申告する機会は充分にあります。当行はグローバルでビジネスを展開していますから、海外のプロジェクトに関わるチャンスも多くあります。また、働き方改革が進んでおり、在宅勤務制度の利用や、時差勤務による始業・終業時刻の繰上げ・繰下げといったフレキシブルな働き方も可能となっています。
キャリアパスとしては、インフラエンジニアとして経験を積むほか、たとえば、将来的に業務部門に異動してFinTech等最先端技術をビジネスに活用する立場を経験することも考えられますし、大組織をマネジメントする管理職としてのスキルを磨く機会も多くあります。選択の幅は非常に広くなっています。
この記事を見て気になった方は、実際にお会いしてお話しできたらと思います。さらに詳しく、いろいろとお伝えしたいことがあるからです。お待ちしています。
【三菱UFJ銀行の概要】2006年(平成18年)「三菱東京UFJ銀行」が設立。2008年(平成20年)の旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行のシステム本格統合(Day2)プロジェクトは、IT Japan Award 2009の経済産業大臣賞(グランプリ)を受賞しています。その後、グループ一体運営を国内外に明示しブランドの統一を図るべく、2018年(平成30年)4月、名称を 「三菱UFJ銀行」(英語名:「MUFG Bank」)へ変更しました。「世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ」を目指す三菱UFJフィナンシャル・グループの中核を担う三菱UFJ銀行。信頼・信用を礎に、広くグローバルなフィールドで常に挑戦を続けています。
設立:1919年(大正8年)8月15日
資本金: 17,119億円(単体)
従業員数:34,101人(2018年3月末、単体)
経常収益:4兆2,778億2,000万円(2018年3月期)
株式会社三菱UFJ銀行 システム本部 システム開発運用部 業務基盤Gr 上席調査役 橋本亨氏
日系SIerにて、システム開発に従事した後、外資系ベンダーにてミドルウェア製品のエンジニアを経て、2011年に当行。入行後は基盤設計担当として、システム基盤設計、基盤標準設計の策定、標準設計のクラウド化を担当。
担当ヘッドハンターの目線
株式会社リクルートキャリア ハイキャリアコンサルタント 安来裕爾氏
1997年新卒で大手通信会社入社。営業、サービス企画、ソリューション推進部門を経験。2001年に大手人材紹介会社に転職。IT領域の転職支援に従事。2006年より現職。IT領域キャリアアドバイザー、再就職支援業務を経て、2011年より、IT領域で求人・ご年収800万円以上の求人・個人担当として、大手・ベンチャーの情シスやITサービス企画、コンサル、営業、プリセールス職種など、累計約300社担当。約6,000名様のご相談、約1,000名様の転職支援を実現。
実は、中途入社のITエンジニアがやりたいことにチャレンジしやすい会社
私はこれまで、多くの中途入社の方を三菱UFJ銀行のIT部門にご紹介してきました。その経験から言えることがいくつかあります。第一に、「金融業界未経験」の方が数多く活躍していることです。特に、今回募集するインフラエンジニアに関しては、業界経験を問わない傾向にあります。
第二に、「やりたいことにチャレンジできている」方が多いということです。たとえば、海外プロジェクトに関わりたい方にとって、三菱UFJ銀行はお勧めできる転職先です。同行は海外展開を積極的に進めており、そこにエンジニアも関われる可能性が比較的大きいからです。実際、私がご紹介した方々の中には、海外プロジェクトを希望し、その希望通りに携わっている方が少なくありません。さらに言えば、三菱UFJ銀行は国内で最もIT投資に力を入れている金融機関の1つで、IT部門の立場が比較的強いことも確かです。全体的に見て、中途入社のITエンジニアがやりたいことにチャレンジしやすい会社だと言ってよいでしょう。また、インフラエンジニアからFinTech周辺のアプリケーションエンジニアに進む道もあるなど、キャリアパスの面でも魅力が大きな環境だと思います。新しい技術を使って面白いことをしたい、日本・世界で話題になるようなイノベーションを起こしたい、とお考えの方には、自信をもって三菱UFJ銀行をお勧めします。