面接で落ちてしまうのはなぜ?一次、二次、最終面接で落ちる理由を解説 

面接 落ちる

面接で落ちることに悩むケースには「一次面接で落ちてしまう」という場合もあれば、「二次面接までは通過できても、最終面接で落ちる」という場合もあるでしょう。面接で落ちてしまう理由と対処法や、一次・二次・最終面接といった段階別の対処法などを組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

面接で落ちてしまう主な理由と対処法

転職の面接で落ちてしまう場合、どのような理由が考えられるのでしょうか。識者の経験を基に、その理由と対処法の一例をご紹介します。

1:面接での印象が良くない

面接では、自身が与える印象がその場のムードに影響することも少なくありません。「声が小さい」「表情が硬い」「ボソボソと話す」「焦って早口で話す」などの場合は、自信がない印象や面接に臨む意欲が低い印象を与えてしまう可能性があります。また、面接に遅刻した場合も、ビジネスパーソンとして良い印象にはつながらないでしょう。 

合否の判断では、経験・スキルに加えて「一緒に働きたいと思えるか」「社内で活躍するイメージができるか」なども重要であり、面接での印象に左右されてしまう可能性があります。

ビジネスパーソンとしてきちんと振る舞うことはもちろん、「ハキハキ話す」「声のトーンを上げる」「笑顔を心がける」など、印象を良くするように努めることもポイントです。 

2:質問の意図に沿っていない回答をする

面接担当者が質問をする際には、回答を通じて確認したいことがあるものです。相手が何を聞きたいのかを踏まえ、意図に沿った回答を心がけることが重要です。 
質問の意図を理解せずに回答したり、長々と話す中で回答内容が逸れてしまったりした場合は、コミュニケーション力や論理的思考力などに疑問を抱かれる可能性もあるでしょう。 

何より、面接担当者が確認したいこと=合否の判断材料を提供できなくなってしまいます。 

質問の意図を把握できない場合や、より明確に知りたい場合は、その場で確認することもできます。しかし、何度も確認を繰り返せば、理解力が低いと受け取られてしまう可能性もあるので、集中して臨み、しっかり把握することが大事です。 

3:質問に対し、回答できず言葉に詰まる

面接では、さまざまな角度から回答を掘り下げられます。一次面接、二次面接、最終面接など各面接の段階では、面接担当者の職位やポジションが異なることが多いため、同じ要素について聞く場合でも、異なる視点で掘り下げられることが考えられます。 

自己分析や企業・業界研究、面接対策などの準備をきちんと行っていないために、言葉に詰まって回答できなくなるケースもあるようです。その結果、準備不足と受け取られて「入社意欲が低い」と判断される可能性もあるでしょう。 

 「その場に行けば話せる」と思わず、自己分析やキャリアの棚卸しを行い、企業・業界への理解を深めておきましょう。その上で、想定質問に対し、何を伝えるのか整理しておき、簡潔に回答することがポイントです。

4:自身に合っていない企業に応募している

経験・スキルが十分にあっても、応募者の仕事やキャリアに対する考え方・価値観などがマッチしていない場合は、「企業文化や社風にマッチしていない」「早期離職するかもしれない」などの判断をされる可能性があります。 

 企業研究を行わず、「大手だから」とイメージのみで選んだり、年収などの条件面のみを重視したりする場合は、自身に合わない企業に応募してしまうケースもあり、面接で苦戦しやすいと言えます。 

まずは転職先に望むことを洗い出し、譲れない条件なども検討した上で、希望にマッチしている企業を選ぶことが重要だと考えましょう。 

【一次・二次・最終面接】段階別に見る「落ちる理由」と対処法

アドバイザーの粟野氏の経験を基に、一次・二次・最終面接という各段階別に「落ちる理由」と対処法をご紹介します。 

一次面接で落ちるよくある理由

一次面接は、人事や現場の社員などが担当する傾向があります。 

募集しているポジションに対し、「採用基準を満たす経験・スキルを持っているか」を確認すると同時に、「応募者の人柄が社風や職場にマッチしているか」「社会人として培ったコミュニケーション力があるか」なども見ているでしょう。 

<人事担当者が選考を見送る理由の例>

・転職理由や志望動機が漠然としている。
・前職への不満のみが転職理由になっている。
・自社の社風に合わないように感じる。
・志望動機が薄く、自社の情報を調べていない。
・キャリアプランが自社のキャリアパスと合致していない。

<現場社員が選考を見送る理由の例>

・経験スキルが合致していない。
・即戦力としての活躍が難しい。
・入社後の育成でキャッチアップできそうなポテンシャルが見えない。
・現場の風土に合致していない。
・一緒に働くイメージができない。

<対処法>

基本的に、企業は入社後の「活躍可能性」と「定着可能性」という2つの軸から判断をしていますが、現場の社員の場合は前者、人事担当者の場合は後者を中心に確認する傾向があります。応募企業が求めていることに合致するような自身の経験・スキル・人柄などをアピールすることで選考の通過率を高めることができるでしょう。

二次面接で落ちるよくある理由

二次面接は、現場の責任者や配属予定の部署の上長などが担当する傾向があります。

現場の視点から「募集ポジションの業務を遂行できるだけの経験・スキルがあるかどうか」を確認すると同時に、職場の風土や配属予定の部署のメンバーとの相性も判断しているでしょう。 

未経験で異業界・異業種・異職種に応募している場合は、これまでの経験・スキルを入社後にどう活かせるのかを確認するだけでなく、自ら学ぶ意欲や成長性があるのかを判断されている可能性があります。 

<二次面接で選考を見送る理由の例>

・現場の業務に必要な経験・スキルが不足している。
・自ら創意工夫した点や専門性を発揮した点が見えず、活躍可能性に期待できない。
・ほかの応募者より突出している強みが見えない。
・仕事の進め方が自社の風土にマッチしない。
・配属予定の部署のメンバーと一緒に働くイメージが持てない。

<対処法>

一次面接と比較すると、経験・スキル・実績を深掘りする際には、職務経歴書に記載している自己PRや実績を裏付ける詳細な状況やエピソードなどを確認の上、「自社で活かせると考えているか」という点も質問する傾向があります。

その際、曖昧な説明・抽象的な回答をせず、具体的に「どのような場面で、どのような強みや専門性を発揮してきたのか」「入社後、どのように活かせるのか」などを伝え、入社後の現場における活躍・貢献性をアピールすることが重要です。また、応募企業にマッチする仕事の進め方やコミュニケーションスタイルなども併せて伝えることもポイントになるでしょう。

最終面接で落ちるよくある理由

最終面接は、社長や役員などの経営層が担当する傾向があります。 

経験・スキル・実績については、一次・二次面接で懸念された点やより深掘りしたい点について確認することに加え、中長期的な視点での活躍可能性まで確認しているケースもあります。将来的に管理職や幹部候補として組織全体に貢献できるようなポテンシャルがあるかどうかも合否の判断ポイントになるでしょう。 

また、入社後の定着性を判断するために、応募者が望む将来のキャリアや希望年収などに対し、自社の環境・待遇が合致しているのかも知りたいと考えています。 

さらに、志望度の高さや内定承諾を期待できる人材かどうかという点も合否の最終判断材料とするケースがあり、「内定を出しても入社を期待できない」と判断した場合は内定が見送られる可能性があります。 

<二次面接で選考を見送る理由の例>

・一次面接、二次面接で企業理解が不足していたが、最終面接でも改善されていない。
・経験・スキルも実績も十分にあるが、社風や企業文化にマッチしない。
・短期的には即戦力となる人材だが、将来的に管理職や幹部候補として活躍できるようなポテンシャルが感じられない。
・自社のキャリアパスと応募者のキャリアビジョンがマッチしていない。
・希望年収が自社の給与テーブルにマッチしていない。
・組織全体に対してどのような貢献ができるのかがわからない。
・入社可能日が大幅に遅く、採用計画に合わない。
・早期に面接日程の調整ができず、先に面接を受けたほかの候補者を採用した。
・入社意欲が伝わらず、内定を出しても他社を選ぶ可能性がある。

<対処法>

マネジメントやリーダーとしての経験なども伝えることで、将来的な活躍可能性をアピールできます。また、定着性をアピールするためには、入社後のキャリアビジョンを明確にし、応募企業のキャリアパスにマッチしていることを伝えることがポイントです。希望年収を聞かれた場合は、応募企業の給与水準を踏まえた金額を伝えたほうが安心できます。

さらに、応募企業に対して感じた魅力を伝えて入社意欲の高さをアピールしたり、入社可能日を聞かれた際に、応募企業の要望にできる限り応えようとする姿勢を見せたりすることも大事でしょう。ほかの候補者に決まってしまうことを避けるためには、一次面接の時点から迅速に面接日程を調整し、選考をスピーディに進めておくことが重要になります。

面接で落ちるサインや落とすための質問はあるのか?

ここでは、アドバイザーの粟野氏の経験を基に、面接で落ちる予兆やサイン、落とすための質問があるのかを解説します。 

面接で落ちる予兆やフラグは、一概に判断できない

企業によって面接の進め方や採用方針は違うため、面接で落ちるサインを一概に判断することは難しいでしょう。受かるサインについても同様のことが言えます。 

例えば、和やかに面接が進むと、応募者は好感触を得たと感じて「ほぼ合格」と思ってしまうこともあるようですが、合否に関係なく全ての面接を和やかに進める方針を持っている企業もあります。 

また、面接担当者のキャラクターによっても対応は違うため、面接のムードがそのまま「落ちるフラグ」になるとは限りません。淡々と面接が進み、「話が盛り上がらず、手応えがなかった」と感じても合格しているケースがある一方、終始フレンドリーな対話で盛り上がり、「好感触だから受かった」と感じても落ちているケースもあります。 

一方、その場で次回の選考について話がないことや、面接時間が短いと感じたことから「不合格のサイン」「落ちるフラグ」と受け取る方もいるかもしれません。しかし、全ての応募者に「後日連絡します」とだけ伝える方針の企業もありますし、面接時間が短い場合でも「たまたま面接担当者に急用が入り、時間が足りなくなった」などの事情があるケースも考えられます。 

また、最終的な合否の判断は、条件面やほかの候補者との比較なども含め、さまざまな角度から総合的に判断した上で決定されるので、最終面接で感じた手応えがそのまま内定につながるとは限りません。

最終面接を受けても「ほぼ内定・ほぼ合格」ではない

「最終面接まで行けば、ほぼ内定・ほぼ合格」と考える方もいるようですが、最終面接はあくまで選考過程のため、落ちる可能性はあります 

一部には、最終面接を経営層との顔合わせとする企業もあります。しかし、こうした場合でも、途中で採用計画が変わったり、経営層の考え方や事業計画が変化したりするなどで落ちるケースもあります。「内定通知書が出るまでは、内定を獲得できたわけではない」ということを踏まえておきましょう。

面接で「落とすため」だけの質問をすることは少ない

面接でネガティブな要素について聞かれた際、「落とすための質問ではないか?」と不安に思い、回答に迷う方もいるかもしれません。しかし、企業は「落とすため」だけの質問をすることは少ないです。 

 例えば、「仕事における失敗談」「短所」「苦手だと感じる人物」などを聞かれるケースもあります。面接担当者はそれらの質問を通じて、「ネガティブな事柄をどのように捉え、どのように対処・改善・解決していけるのか」「自分自身や周囲の状況に対する客観性・判断力があるのか」などを確認しているでしょう。 
「落とすための質問かもしれない」と構えてしまうことなく、質問の意図を踏まえてきちんと回答することを意識してみてください。 

面接に落ち続けてショックを受けた時、メンタルを保つための考え方 

面接に落ち続けることで自己肯定感が下がってしまったり、落ちたショックによってモチベーションを維持できなかったりするケースもあるでしょう。ここでは、メンタルを保つための考え方をご紹介します。 

面接はマッチングの場のため、人格否定されているわけではない

面接に落ち続けている場合、自身の存在そのものを否定されているような気分になって、落ち込んでしまったり、メンタルを保てなくなったりしてしまうケースが見られます。 
しかし、面接はマッチングの場であり、企業と応募者、双方の求めることのマッチ度や相性によっても合否の判断が変わってくるものなので、人格否定をされているわけではないと言えるでしょう。 

 また、そもそも応募している企業・職種に対し、自身の経験・スキルや価値観などにマッチしていないために落ち続けているという可能性もあります。自身にマッチする企業を見つけるためにも、応募企業の幅を広げてみることも一案です。

「切り替えて、次の準備を進める方が得策」と考える

志望度の高い企業の最終面接に落ちたなどで、ショックを受けて「立ち直れない」と感じてしまうケースもあります。しかし、落ち込み続ければ、選考を並行している企業の面接などで本来のパフォーマンスを発揮できなくなる可能性もあります。ほかの企業の選考にも落ちてしまった場合でも、再度、求人情報を調べてみれば、志望度の高い企業と同じような条件の企業が見つかるかもしれません。 

また、落ち込んでいる気持ちを切り替え、落ちた理由を分析して改善することで、今後の面接選考の通過率を高めることもできるでしょう。 自身の希望を叶える転職を実現するためにも、次の準備を進める方が得策だと考えることをおすすめします。 

面接に落ち続けて悩んでいる場合は、転職エージェントやスカウトサービスを活用するのも一案 

転職エージェントでは、面接対策のサポートを行なっているケースもあります。「自身では改善点がわからない」という場合にも、転職支援のプロから客観的なアドバイスを受けることで面接の通過率を高めやすくなるでしょう。また、採用の可能性がある企業を紹介するため、応募企業の幅を広げるために役立てることもできます。 

 一方、スカウトサービスでは、自身の経験・スキルに興味を持った企業や転職エージェントからスカウトメールが送られてくるため、採用の可能性がある企業を見つけやすくなるでしょう。 面接に落ち続けて悩んでいる場合は、転職エージェントやスカウトサービスを活用してみるのも一案です。 

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アドバイザー

粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。