事業と個人が出会うことで互いが花開き、 日本経済だけでなく世界にまで影響を与える。 「事業は人なり」を支えるのが、コンサルタントの役目です

コア人材の入社で3年間凍結していた事業が動き出し、
「人」の価値を改めて実感

大学卒業後、新卒で今の業界に飛び込みました。大学時代に労働法を専攻していて、「労働市場をマクロ的に捉えられる仕事に就きたい」と思ったのがきっかけです。

初めは、ロースクールに進学し労働弁護士になることを検討しましたが、「雇われ人として働いた経験もなく労働弁護士になっても、力を発揮できないのでは」と思うように。そんなとき、「エグゼクティブサーチで労働市場のミクロ的な事例に多数関わることで、マクロトレンドをつかめるようになるのでは?」というアドバイスを受け、この業界を選んだのです。

三上俊輔さん

当時、ビジネス書が好きでさまざまな分野のビジネス書を読破していましたが、その中でよく書かれていたのが「事業は人なり」という思想。「本当にそうなのだろうか」と猜疑心を抱いていました。しかし、エグゼクティブサーチ会社に入社し、私がご紹介したキャンディデイトが新しい環境でバリバリと力を発揮し、その会社の事業を変えていくさまを何度も目の当たりにして、「まさに事業は人で作られ、拡大していくのだ」と実感できました。

特に、3年目に任されたある大手メーカーの案件は、思い出深いですね。3年ほど前に立ちあがったものの、人材不足で凍結していた新規ビジネスが、その分野で豊富な知見を持つ方のご入社により、すべてが一気に動き出したんです。今では同社の大きな収益源に成長し、国内のみならず海外でも事業展開するほどに。もちろん、ご入社されたその方も、同社で責任ある立場へと昇格され、プレゼンスを発揮されています。

この案件に携わったことで、コンサルタントは「事業は人なり」を支える仕事なのだということ、そして間接的にではあるものの日本はもちろん世界経済にも影響を与える、責任ある仕事なのだと実感しましたね。この仕事に就いたことを、心から誇りに思っています。

製造業は
「メディカル領域で高い知見を持つ人」「海外拠点の撤退経験がある人」に注目

担当業界は、非常に多岐にわたりますが、クライアントは製造業が多いですね。日本は他国に比べ、GDPに占める第2次産業の割合が高いのが特徴。製造業は高度経済成長期より長年日本経済をけん引し続けてきましたが、ここにきて長年の体制を見直し、新しいイノベーションを起こそうとする動きが高まっています。

どの業界・企業にも共通して言えることですが、5年後、10年後に会社を支える収益源を築くために、新しいビジネスを生み出したり、既存ビジネスをトランスフォームする必要を感じていらっしゃいます。

三上俊輔さん

なかでも製造業においては、メディカル領域に着手し、活路を見出そうとする企業が増えていると感じます。少子高齢化が進む中、数少ない有望市場であり、製造業ならではの技術力を活用して参入しようとする動きが高まっています。

この流れを受けて、メディカル分野での新規事業の立ち上げ責任者を求める企業が増えています。同時に、新規事業における営業やマーケティング、技術部門の責任者に対するニーズも拡大中。メディカル業界で経験とスキルを積まれた方には、幅広い職種でチャンスが高まっています。

もう一つ、製造業において目立っているのは「生産拠点の国内回帰」の動き。中国、東南アジアを中心に生産拠点を拡大してきましたが、経済成長に伴い人件費が高騰、輸送費用などを考えるとコスト面で見合わないケースが出てきました。また、海外ではストライキやデモなどによる生産ストップのリスクも高く、不採算拠点から撤退する企業が増えています。

そのため、過去に海外の生産拠点や営業拠点を畳んだ経験をお持ちの「撤退のスペシャリスト」が注目を集めていますね。下手をすると訴訟問題になりかねないデリケートな業務だけに、経験のある方は高く評価される傾向にあります。

三上俊輔さん

三上俊輔さん

ジーニアス株式会社 代表取締役社長

2006年、早稲田大学法学部を卒業後、独立系エグゼクティブサーチ会社のサーチファーム・ジャパンに入社。コンサルタントとして、製造業を中心に幅広い業界の部門長以上の経営者獲得、スペシャリスト採用に携わる。08年に取締役就任、09年にはGlobal Solutions Group責任者として日本企業の国際展開、外資系企業の日本人役員採用プロジェクトなどを主管。11年、サーチファーム・ジャパンより組織戦略および技術コンサルティング事業を分社化し、ジーニアスを設立。代表取締役に就任。