リクルートが厳選した2,200名以上のヘッドハンターが、あなたに最適な仕事をご提案します。

会員登録(無料)

すでに会員の方はこちら

スタートアップ企業に転職する方法とチェックポイント

新たな環境に身を置いて自身をさらに高めたいと考えて、「スタートアップ企業への転職」を選択肢に入れている方もいるようです。ただし、スタートアップ企業の場合、企業の成長ステージや人事・採用戦略の観点から求人を一般に公開していないケースが多いため、応募できるチャンスが限られています。そこで、スタートアップ企業のステージごとの採用傾向と、転職を成功させるための方法や注意点について解説します。

【アドバイザー】

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

スタートアップの定義

会社を立ち上げて間もない段階のベンチャー企業を、「スタートアップ企業」と呼ぶケースもあります。明確な定義はありませんが、創業間もないベンチャー企業がすべてスタートアップと呼ばれるわけではなく、新しい技術やビジネスモデルによって、社会や人々の生活にイノベーションを起こすことを目指す企業がスタートアップと呼ばれています。明確なEXIT(出口)戦略を持ちながら、短期での成長を目指す企業が多いのが特徴です。

上場前の成長ステージによる分類

上場前のスタートアップ・ベンチャー企業は、成長段階に応じて「シード」「アーリー」「ミドル」「レイター」という4つのステージに分類されることが一般的です。

シード

創業前や、まだサービスをリリースする前の期間を指します。市場調査などを実施してビジネスプランを策定したり、研究や開発、試作品を製作したりして、サービスの開始に向けて準備を進める段階です。組織もごく少人数であるケースが多いでしょう。

アーリー

創業直後や、サービスをリリースした後しばらくの期間を指します。顧客からの認知度が低いため、売上の規模が小さい一方、今後の成長のための設備投資や販売促進などに多くの資金を必要とします。

ミドル

ビジネスが軌道に乗り始めた段階です。今後のさらなる成長に向け、追加の設備投資や人材の確保などが必要となる一方で、売上が急激に拡大し、少しずつ利益が出始めます。

レイター

売上・利益ともに順調に拡大し、創業時からの累積の損失を一掃。経営が安定する時期です。さらなる成長を見据え、IPOを目標に掲げることも多いでしょう。

スタートアップ企業に転職する方法

シード期は、社員紹介による採用(リファラル採用)が中心となるため、知人を当たる、あるいはSNSなどでつながりのある人がいないかチェックしてみましょう。つながりがない場合は、SNSや企業のホームページなどで人材を募集していないか直接問い合わせるという方法もあります。

成長ステージが上がっていくと、転職エージェントが求人を保有するケースも増えていきます。SNSや人脈を活用しながら、転職エージェントにも相談し、積極的にスタートアップ企業との出会いの機会を増やしましょう。

スタートアップ企業のチェックポイント

優良なスタートアップ企業かどうかを見極めるためには、どんな点に注目すればいいのでしょうか。会社選びをする際に押さえておきたいチェックポイントを紹介します。

成長性があるかどうか

注目するスタートアップ企業が、製品・サービスをすでにリリースしているのであれば、市場での評価をチェックしてみましょう。BtoCの企業であればユーザー数の伸びを、BtoBの企業であれば導入社数や導入企業の顔ぶれなどを確認してみてください。

売上や利益の伸び、組織拡大の推移などからも、会社の成長度合いを測ることができます。企業ホームページ、採用向けの会社情報、ニュースリリースなどを確認してみると、その企業の実績から実像が見えてくるでしょう。

資金調達ができているか

さらなる規模拡大を図るために欠かせないのが「資金」です。ニュースリリースなどを確認し、「○億円の資金調達」といった情報が発信されていないか確認してみましょう。資金調達を定期的に実現できているのであれば、成長のための積極的な投資を行っている可能性が高くなります。また、出資企業を説得できるだけの実績や、今後の成長性が見込めるということでもあります。もちろん、資金調達を行っているからといって、必ずしも経営が安泰だと判断できるわけではありませんが、ひとつの指標としてチェックしておきましょう。

経営層のバックグラウンド

経営層のこれまでの職歴や実績も注目するポイントです。どのような企業で経験を積み、実績を上げてきたのかを見れば、得意分野を判断することができます。例えば、法人向けのSaaSサービスを提供している企業が、ホームページでは「技術力」をアピールしているにも関わらず、営業や財務出身の経営層が多く、CTOもSaaSの経験が少ないといったケースでは、実際は技術力よりも営業力や資金調達力に長けているのかもしれません。応募する企業の強みを正確に掴むために、このケースでは技術力について面接で確認する必要があるでしょう。

経営層の「バランス」も重要です。例えば、営業出身の経営層が多い場合、営業の知見や人脈に偏ってしまい、管理部門や開発部門、マーケティング機能などが弱くなってしまう可能性があります。また、営業職以外の専門職人材の心を掴むことができず、優秀な人材の採用に苦戦したり、離職率が高まったりするケースが挙げられます。また、経営層の多くが特定企業の出身である場合、その出身企業の社風が随所に表れている可能性もあります。経営層のバックグラウンドのバランスが取れているかにも注目してみましょう。

なお、IPOを目標として掲げる企業であれば、「上場企業」になるのに適した管理部門体制が整っていることがとても大切です。CFO(最高財務責任者)をはじめとした高度な専門性を持つ人材がいるのかどうかも、確認するポイントのひとつといえるでしょう。

スタートアップ企業に転職する場合の注意点

スタートアップ企業に転職することは、どのようなところに気を付けたらいいのでしょうか。転職を考える際に認識しておきたい注意点について解説します。

年収ダウンの可能性がある

スタートアップ企業に転職する場合、前職に比べて年収がダウンする可能性があることは十分理解しておきましょう。特に、まだ十分に売上が立たず、しばらく赤字経営が続いている企業の場合は、当初から高い給与を期待することは難しいでしょう。シード期やアーリー期では、福利厚生や待遇が整っていないケースも多く、生活水準を落とさなければならない可能性もあります。

人事制度を確認する

面接の際に確認しておきたいのが、現在の人事制度や今後の人事制度の方向性です。入社時はたとえ年収がダウンしても、成果を出すことでどのくらいまで年収を上げていけるのか。ストックオプションの計画も含めていておくといいでしょう。

また、スタートアップ企業は、事業をピボットしたり、失敗に終わったりするリスクもあります。最悪の場合は、企業が解散となることも。仮にそうなった場合でも、その企業で培った経験が、今後のキャリアにプラスになるかどうかを意識して企業を選ぶことが大切です。

変化に対して素早い姿勢を求められる

スタートアップ企業は、成長のために常に「スピード」が要求されます。「朝令暮改」のような突然の方向転換が頻繁に起こる可能性もあるため、急激な変化にも素早く対応していく姿勢が大切です。

また、少人数の組織のため、得意分野以外の仕事を振られることもあります。例えば、責任者として入社したにも関わらず、汎用的な書類も整備されておらず、ゼロから作成しなくてはならないかもしれません。「専門分野以外の業務はやらない」といった発想は捨て、幅広い業務に自ら率先して取り組むなど、何事にも柔軟に対応する心構えが必要です。