職種に応じた資格を取得していると、転職を有利に進められる可能性があります。専門分野の知識やスキルを備えていることを表す一つの証明になるからです。ただし、資格にはさまざまな種類があり、必ずしもすべてが転職に有利に働くとは限りません。組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタントの粟野友樹氏に「転職時に役立つ資格」について伺いました。
転職で有利になる資格はある?
転職活動で有利になる資格については「応募職種の業務に役立つかどうか」が重要です。業務に役立たない資格の場合は、評価につながりにくいと言えるでしょう。
転職の求人に記載されている資格には「必須資格」と「歓迎資格」があるので、まずはこの2つについて解説します。
必須資格とは
「必須資格」は、入社後の業務遂行に必須となる資格です。例えば、自動車の運転が必要となる仕事の場合、自動車運転免許は欠かせない資格となります。また、弁護士や建築士などの独占業務における士業系の資格も、取得していない人は業務自体を行うことできないため、必要不可欠なものです。応募職種の求人に必須資格が記載されていた場合、取得していない場合は選考の対象外となる可能性があります。
歓迎資格とは
「歓迎資格」は、応募職種の業務遂行に必要不可欠なものではありませんが、求人に記載されている場合は、取得している方が有利に働く可能性があるでしょう。とはいえ、中途採用の場合は、資格の有無よりも実務経験が求められている傾向があるため、より経験・スキルがマッチする人材を評価する可能性もあります。歓迎資格を取得している場合でも、必ずしも選考に有利になるとは限らないと考えておくことが大切です。
幅広い職種で有利な資格
幅広い職種で有利に働く資格についてご紹介します。
※本記事内の資格に関する情報は、公開時点のものになります。
普通自動車第一種免許
概要、役立つ理由 | 営業職を中心に、応募条件の一つに挙げられることが多いのが普通自動車の運転免許です。 特に、公共交通機関が少ない地方では、自動車が重要な移動手段として、必須資格となっているケースがよく見られます。 持っておいた方が仕事選びの幅が広がるでしょう。 |
受験料 | 教習所卒:3,800円(非課税) └受験料1,750円(非課税) └免許証交付料2,050円(非課税) 一般:5,400円(非課税) └受験料2,550円(非課税) └試験車使用料800円(非課税) └免許証交付料2,050円(非課税) |
合格率 | 非公開 |
・公式サイト:警視庁ホームページ
TOEIC
概要、役立つ理由 | 英語によるコミュニケーションとビジネス能力を検定するための試験です。 グローバル化が進む現代においては、外資系のみならず、幅広い企業で英語が活用されており、英語力はプラスαのスキルとして評価されます。 企業によって求める英語力のレベルは異なりますが、一般的に英語力が求めている企業では、600~800点以上がスコアの目安とされていることが多いです。 |
受験料 | 7,810円(税込) |
合格率 | 合否判定なし |
・公式サイト:【公式】TOEIC Program|IIBC
職種別「転職に有利な資格」を紹介
職種別に、転職に有利に働く資格をご紹介します。
営業・コンサルタント(FP、宅建、中小企業診断士)
ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)
概要、役立つ理由 | 家計管理や各種保険、税金やローン計画など、個人のお金に関する分析およびマネープランを提案する国家資格です。 銀行、証券、保険などの金融系や、不動産の営業などで活用することができます。 |
受験料 | 1級:20,000円(非課税) 2級:11,700円(非課税) └学科:5,700円(非課税) └実技:6,000円(非課税) 3級:8,000円(非課税) └学科:4,000円(非課税) └実技:4,000円(非課税) |
合格率 | 1級 99.0% 2級 学科42.16%・実技56.55% 3級 学科80.78%・実技84.44% ※公式サイト内の令和4年度9月実施試験の合格率より引用 |
・公式サイト:日本FP協会
宅地建物取引士(宅建)
概要、役立つ理由 | 不動産の売買や貸借取引に関する国家資格です。不動産業では事業所ごとに有資格者の在籍が必須であり、「宅建必須」「宅建優遇」といった求人も多くあります。 資格手当を給付している企業もあるため、不動産業界でキャリアを築くのであれば取得しておきたい資格です。 |
受験料 | 8,200円(非課税) |
合格率 | 非公開 |
・公式サイト:一般財団法人 不動産適正取引推進機構
中小企業診断士
概要、役立つ理由 | 中小企業の経営に関する知識を有し、経営診断やアドバイスを行う国家資格です。経営コンサルティングファームはもちろん、人材業界や金融、保険などの営業でも専門的な知識が活用できるでしょう。 |
受験料 | 第1次試験:14,500円(非課税) 第2次試験:17,800円(非課税) |
合格率 | 第1次試験:28.9% 第2次試験:18.7% ※公式サイト内の令和4年度実施試験の合格率より引用 |
・公式サイト:J-SMECA 中小企業診断協会
ITエンジニア(基本・応用技術者試験、シスコ、SAP、MCP)
基本情報技術者試験
概要、役立つ理由 | ITに関する基本的な知識やスキルを認定する国家資格です。 ソフトウェア開発企業やコンピューターメーカー、SIerなど、IT・Web系企業で求められることの多い資格です。 |
受験料 | 情報処理技術者試験:7,500円(税込) 情報処理安全確保支援士試験:7,500円(非課税) |
合格率 | 31.5% ※公式サイト内の令和4年度実施試験の合格率より引用 ※小数点第4位以下は四捨五入して算出 |
・公式サイト:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
応用情報技術者試験
概要、役立つ理由 | 基本情報技術者試験の上位資格にあたります。 ソフトウェア開発から管理、運営までの知識とスキルを持ち、IT基盤構築でも高いパフォーマンスを発揮できることの証明となります。 |
受験料 | 7,500円(税込) |
合格率 | 26.2% ※公式サイト内の令和4年度実施秋季試験合格率より引用 |
・公式サイト:応用情報技術者試験ドットコム
シスコ技術者認定資格
概要、役立つ理由 | シスコシステムズ製品に関する知識・スキルが一定水準以上であることを認定する「ベンダー資格」です。 ネットワークエンジニアとしての技術力を有する証明として世界的に認められています。 |
受験料 | 受験料は各試験プログラム、種類、受験する国によって異なる |
合格率 | 非公開 |
・公式サイト:シスコ認定試験 – Cisco
SAP認定コンサルタント
概要、役立つ理由 | ドイツの大手ソフトウェア企業・SAP社によるコンサルタントの認定制度です。 SAPシステムに関する専門知識を有し、システム導入に際して必要な知識とノウハウを持つことの証明になります。 |
受験料 | 1回受験:31,740円(税込) 6回受験;79,354円(税込) |
合格率 | 非公開 |
・公式サイト:SAPジャパン – ビジネスソフトウェア、ソリューション、テクノロジー&ビジネスアプリケーション
マイクロソフト認定資格プログラム(MCP)
概要、役立つ理由 | マイクロソフト製品の知識と技能をレベル別に認定する資格制度のことです。 システムエンジニア、プログラマー、コンサルタントなど、コンピュータや情報システム関連の技術者を対象にしたもので、世界共通の資格として広く認知されています。 |
受験料 | 米ドルで「$165」とされているが 、特定の国や地域の通貨値に基づいて価格が決定する |
合格率 | 非公開 |
・公式サイト:マイクロソフト認定資格
事務(MOS、秘書検定、貿易事務検定)
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
概要、役立つ理由 | マイクロソフトオフィス製品に関する国際資格です。 PCスキルの一環であるWord、Excel、PowerPointなどの操作スキルを証明するのに役立ちます。 |
受験料 | 一般レベル(スペシャリスト/アソシエイト):10,780円(税込) 上級レベル(エキスパート):12,980円(税込) |
合格率 | 非公開 |
・公式サイト:MOS公式サイト-マイクロソフト オフィス スペシャリスト
秘書技能検定
概要、役立つ理由 | 公益財団法人実務技能検定協会が運営する検定です。 1級・準1級・2級・3級の4つの級が設定されており、秘書や事務職を中心に、基本的なオフィスマナーが身についていることの証明として役立ちます。 |
受験料 | 1級:7,800円(税込) 準1級:6,500円(税込) 2級:5,200円(税込) 3級:3,800円(税込) 準1・2級:11,700円(税込) 2・3級:9,000円(税込) |
合格率 | 1級:25.4% 準1級:41.6% 2級:57.6% 3級:62.6% ※公式サイト内の令和4年度実施第128回検定の合格率より引用 |
・公式サイト:ビジネス系検定
貿易実務検定
概要、役立つ理由 | 貿易に関する実務能力・知識がどの程度のレベルにあるのかを証明する検定試験です。 海外と取引を行っている商社やメーカーなどでは、検定合格が必須となっている企業もあります。 |
受験料 | A級:12,760円(税込) B級:7,480円(税込) C級:6,270円(税込) A級・B級併願:20,240円(税込) B級・C級併願:13,750円(税込) |
合格率 | A級:35.1% ※公式サイト内の令和4年度実施第21回検定の合格率より引用 B級:48.6% ※公式サイト内の令和4年度実施第71回検定の合格率より引用 C級:60.8% ※公式サイト内の令和4年度実施第96回検定の合格率より引用 |
・公式サイト:貿易実務検定®|貿易実務のエキスパートの証明
財務・経理(会計士、USCPA、税理士、簿記)
公認会計士
概要、役立つ理由 | 財務諸表監査を独占業務とする、会計の国家資格です。 医師や弁護士と並ぶ最難関資格のひとつとして知られています。 企業からも高く評価されており、監査法人、財務会計系のコンサルティングファーム、事業会社の財務会計部門などで幅広いニーズがあります。 |
受験料 | 19,500円(非課税) |
合格率 | 7.7% ※公式サイト内の令和4年度実施試験の合格率より引用 |
・公式サイト:公認会計士・監査審査会ホームページ
米国公認会計士(USCPA)
概要、役立つ理由 | 米国各州が認定する会計士資格です。 外資系企業やグローバル展開を行う企業の財務会計部門などでの活躍が期待でき、転職時にも有利に働く可能性があります。 |
受験料 | 州ごとに異なる |
合格率 | 非公開 |
税理士
概要、役立つ理由 | 税務を行う国家資格です。 日商簿記に加えて税理士免許も取得していれば、税理士法人、財務会計系のコンサルティングファーム、事業会社の財務会計部門などで経理のスペシャリストとして高く評価されるでしょう。 |
受験料 | 1科目4,000 円(非課税) 2科目5,500 円(非課税) 3科目7,000 円(非課税) 4科目8,500 円(非課税) 5科目10,000 円(非課税) |
合格率 | 19.5% ※公式サイト内の令和4年度実施試験の合格率より引用 |
・公式サイト:国税庁
日商簿記
概要、役立つ理由 | 日本商工会議所や各地の商工会議所が運営する検定試験で、初級から級までの4つの級が設定されています。 経理や財務の仕事に必要な会計知識はもちろん、財務諸表を読む力や、基礎的な経営管理・分析のスキルが身についていることを証明できます。 |
受験料 | 1級:7,850円(税込) 2級:4,720円(税込) 3級:2,850円(税込) |
合格率 | 非公式 |
・公式サイト:日商簿記検定
人事・労務(社労士、キャリアコンサルタント)
社会保険労務士
概要、役立つ理由 | 雇用や労務に関する様々な手続きやアドバイスを行う国家資格です。 人事・労務・社会保険に関する専門知識を持ち、就業規則の作成や労務管理を行うことができます。 人事経験者が取得していると、転職で有利に働く可能性が高いでしょう。 |
受験料 | 15,000円(非課税) |
合格率 | 非公式 |
・公式サイト:社会保険労務士試験オフィシャルサイト
キャリアコンサルタント
概要、役立つ理由 | 相談者がキャリアに関する課題や問題を解決できるように、専門知識を活かしたカウンセリングを通じて支援を行うための国家資格です。 人事のほか、大学や高校といった教育機関、転職エージェントなどに活躍の場を求めることができそうです。 |
受験料 | 38,800円(非課税) └学科:8,900円(非課税) └実技:29,900円(非課税) |
合格率 | 学科59.7% 実技62.9% ※公式サイト内の令和4年度実施第21回試験の合格率より引用 |
・公式サイト:国家資格 キャリアコンサルタント試験 公式ウェブサイト
医療・福祉(薬剤師、看護師、介護士、医療事務、ケアマネジャー、社会福祉士、理学療法士、作業療法士)
薬剤師
概要、役立つ理由 | 医師の指示に基づいて、薬局や病院などで薬の調剤、薬品の管理や販売などを行うことができる国家資格です。 薬剤師になるためには、大学の薬学部で6年制の薬剤師養成課程を修了し、薬剤師国家試験に合格する必要があります。 製薬メーカーで薬品の研究開発や営業に携わるケースなどもあり、活躍の場は広いです。薬剤師は不足傾向にあるため、転職時にも有利に働く可能性が高いでしょう。 |
受験料 | 6,800円(非課税) |
合格率 | 68.02% ※公式サイト内の令和4年度実施試験の合格率より引用 |
・公式サイト:厚生労働省|薬剤師国家試験
看護師
概要、役立つ理由 | 医療現場で患者の身体と心の両面をケアするために必要な資格です。 大学や3年制短大の看護系学科、病院や大学の医学部に付属する3年制看護学校などを卒業すると受験資格が得られ、国家試験に合格することで取得できます。 看護師不足に悩んでいる医療機関もあり、看護師はニーズの高い資格のひとつと言えるでしょう。 |
受験料 | 5,400円(非課税) |
合格率 | 91.3% ※公式サイト内の令和4年度実施試験の合格率より引用 |
・公式サイト:厚生労働省|看護師国家試験の施行
介護福祉士
概要、役立つ理由 | 日常生活の営みに支障がある人に対して、心身の状況に応じた介護を行うのが、国家資格である介護福祉士です。 介護業界は慢性的な人手不足が続いており、資格を取得することで介護職への転職を有利に進められる可能性があります。 |
受験料 | 18,380円(非課税) |
合格率 | 72.3% ※公式サイト内の令和4年度実施試験の合格率より引用 |
・公式サイト:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
医療事務
概要、役立つ理由 | 医療事務の仕事は資格がなくても就業可能ですが、民間資格を取得しておけば、基本的な知識やスキルが身に付いていることを証明できます。 医療事務の基礎スキルを審査する「医療事務審査試験」や、診療報酬明細書(レセプト)の作成スキルを審査する「診療報酬請求事務能力認定試験」などがあります。 |
受験料 | 医療事務技能審査試験:7,700円(税込) 診療報酬請求事務能力認定試験:9,000円(税込) |
合格率 | 医療事務技能審査試験:非公開 診療報酬請求事務能力認定試験:36.1% ※公式サイト内の令和4年度実施試験の合格率より引用 |
・公式サイト:
医療事務技能審査試験:一般財団法人 日本医療教育財団
診療報酬請求事務能力認定試験:公益財団法人 日本医療保険事務協会
ケアマネジャー
概要、役立つ理由 | 介護を必要とする人が介護保険サービスを受けられるように、ケアプランを作成し、自治体や関連の事業者との調整役を担うスペシャリストです。 受験資格を得るためには一定の実務経験が必要で、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、研修を受けることで取得できます。 |
受験料 | 都道府県や試験実施団体によって異なる ・東京都:12,900 円(税込) |
合格率 | 22.4% ※公式サイト内の令和4年度実施試験「東京都」の合格率より引用 |
・公式サイト:公益財団法人 東京都福祉保健財団
社会福祉士
概要、役立つ理由 | 「ソーシャルワーカー」とも呼ばれる社会福祉専門職の国家資格です。 社会福祉施設や行政機関などに所属し、身体や精神にハンディキャップのある人たちが日常生活をスムーズに送れるためのサポートなどを行います。 |
受験料 | 社会福祉士のみ受験する場合:19,370円(非課税) 社会福祉士と精神保健福祉士を同時に受験する場合:36,360円(非課税) |
合格率 | 31.1% ※公式サイト内の令和4年度実施試験の合格率より引用 |
・公式サイト:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
理学療法士
概要、役立つ理由 | 運動機能の回復を担うリハビリのスペシャリストです。 理学療法士は国家資格が必要で、立ち上がる、起き上がる、歩く、寝返るなど、基本的な体の動作のリハビリテーションを行います。 |
受験料 | 10,100円(非課税) |
合格率 | 79.6% ※公式サイト内の令和4年度実施試験の合格率より引用 |
・公式サイト:厚生労働省|理学療法士国家試験の施行
作業療法士
概要、役立つ理由 | 日常生活の動きや手芸、園芸、絵画など様々な作業を通じ、心身機能の回復や維持を図るリハビリの専門職です。 作業療法士は国家資格が必要で、身体的なリハビリだけでなく、精神面からもアプローチしながら生活改善を目指します。 |
受験料 | 10,100円(非課税) |
合格率 | 80.5% ※公式サイト内の令和4年度実施試験の合格率より引用 |
・公式サイト:厚生労働省|作業療法士国家試験の施行
建築・土木(施工管理、電気系、土木施工、不動産鑑定士、建築士)
施工管理技士
概要、役立つ理由 | 施工管理技術に関する国家資格です。 建築、電気工事、管工事などの種類があり1級と2級に分かれています。建設業界における施工管理技士のニーズは高く、資格取得者は転職を有利に進められる可能性が高いでしょう。 |
受験料 | ・1級建築施工管理技士 第一次検定:10,800円(非課税) 第二次検定:10,800円(非課税) ・2級建築施工管理技士 第一次・第二次検定(同日受検):10,800円(非課税) 第一次検定のみ:5,400円(非課税) 第二次検定のみ:5,400円(非課税) ・1級電気工事施工管理技士 第一次検定:13,200円(非課税) 第二次検定:13,200円(非課税) ・2級電気工事施工管理技士 第一次・第二次検定(同日受検):13,200円(非課税) 第一次検定のみ:6,600円(非課税) 第二次検定のみ:6,600円(非課税) |
合格率 | ・1級建築施工管理技士 第一次検定:46.8% 第二次検定:45.2% ・2級建築施工管理技士 第一次検定:42.3% 第二次検定:36.6% ※公式サイト内の令和4年度実施検定の合格率より引用 ・1級電気工事施工管理技士 第一次検定:38.3% 第二次検定:59.0% ・2級電気工事施工管理技士 第一次検定:55.6% 第二次検定;46.7% ※公式サイト内の令和4年度実施検定の合格率より引用 |
・公式サイト:一般財団法人 建設業振興基金
電気主任技術者
概要、役立つ理由 | 電気工事に関する国家資格です。 発電所や工場、ビルなどの電気設備や配線、保安監督の業務を行うことできます。第一種から第三種で分類され、取り扱うことができる電圧によって分けられます。 |
受験料 | 第一種・第二種 └インターネット申込み:13,800 円(非課税) └書面申込み:14,200 円(非課税) 第三種 └インターネット申込み:7,700 円(非課税) └書面申込み:8,100 円(非課税) |
合格率 | 【一次試験】 第一種:30.8% 第二種:35.2% ※公式サイト内の令和4年度実施一次試験の合格率より引用 【二次試験】 第一種:20.9% 第二種:24.0% ※公式サイト内の令和4年度実施二次試験の合格率より引用 第三種:8.3% ※公式サイト内の令和4年度上期実施試験の合格率より引用 |
・公式サイト:一般財団法人 電気技術者試験センター
電気通信主任技術者
概要、役立つ理由 | 電気通信設備に関する国家資格です。 電気通信ネットワークの工事や維持の管理責任業務を行うことができます。 「伝送交換主任技術者資格者証」と「線路主任技術者資格者証」があります。 |
受験料 | 全科目受験の方:18,700円(非課税) 2科目受験の方:18,000円(非課税) 1科目受験の方:17,300円(非課税) 全科目免除の方:9,500円(非課税) |
合格率 | 32.4% ※公式サイト内の令和4年度第二回実施試験の合格率より引用 |
・公式サイト:日本データ通信協会 電気通信国家試験センター
土木施工管理技士
概要、役立つ理由 | 河川の堤防、護岸工事、ダムや橋、港湾などのインフラ整備の進捗管理を行うための国家資格です。 土木工事の大半は公共工事であり、技術や安全に対する高い基準が求められるため、土木施工管理技士の存在が不可欠となっています。 |
受験料 | ・1級土木施工管理技士 └第一次検定:10,500円(非課税) └第二次検定:10,500円(非課税) ※公式サイト内の令和4年度実施検定の合格率より引用 ・2級土木施工管理技士 └第一次検定:5,250円(非課税) └第二次検定:5,250円(非課税) ※公式サイト内の令和4年度実施検定の合格率より引用 |
合格率 | 非公開 |
・公式サイト:一般財団法人 全国建設研修センター
不動産鑑定士
概要、役立つ理由 | 不動産の鑑定評価に関する国家資格です。 不動産の鑑定評価は不動産鑑定士の独占業務であり、資格がないと鑑定を行うことができません。 鑑定法人やデベロッパー、金融機関などで幅広く活かせる資格です。 |
受験料 | ・電子申請の場合:12,800 円(非課税) ・書面申請の場合:13,000 円(非課税) |
合格率 | 16.4% ※公式サイト内の令和4年度実施試験の合格率より引用 ※小数点第4位以下は四捨五入して算出 |
・公式サイト:国土交通省 不動産鑑定士試験
建築士
概要、役立つ理由 | 設計・建築に欠かせない国家資格です。 すべての建築物の設計ができる一級建築士と、定められた範囲の設計ができる二級建築士、木造の建築物が設計できる木造建築士に分かれています。 |
受験料 | 1級:17,000円(非課税) 2級:18,500円(非課税) 木造:18,500円(非課税) |
合格率 | 1級:9.9% 2級:25.0% 木造:35.5% ※公式サイト内の令和4年度実施試験の総合合格率より引用 |
・公式サイト:公益財団法人 建築技術教育普及センター
ビジネススクールや大学院なども1つの選択肢
必須資格以外は、転職に必ずしも有利になるとは限りません。知識を身に付けるために資格取得を検討しているのであれば、資格にこだわらず、業務に関連した知識を深めるためにビジネススクールや大学・大学院に通うといった選択肢も検討してみましょう。
例えば、事業の責任者がビジネススクールで経営を学んだり、人事担当者が心理学を学んだりするといった活用方法が考えられます。体系的・論理的に知識を身に付けることができるため、仕事の成果が出しやすくなったり、新たな人脈を得ることができたりするなど、さまざまなメリットが期待できるでしょう。
転職の資格取得におけるよくあるQ&A
転職の資格取得について、よくあるQ&Aをご紹介します。
例えば趣味に関連する資格などの場合は、応募職種の業務や応募企業の業界・ビジネスとかけ離れているため、履歴書などに記載しても評価につながりにくいと言えます。しかし、面接時にアイスブレイクの会話が広がるケースもあり、雰囲気が良くなるなどの効果を得られる可能性もあるため、書くこと自体に問題はありません。
基本的には、ハイクラス人材の採用の場合もこれまでの職務経歴が評価のベースになり、実務における経験・スキル・実績が重視されます。しかし、同等の経験・スキル・実績を持つ応募者が複数名いる場合は、経営知識を学ぶMBAなどを取得していれば、幹部候補になり得る人材として期待値を高められるでしょう。
粟野友樹(あわの ともき)氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。
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※本記事内の資格に関する情報は、公開時点のものになります。