【2022年下半期】インターネット業界の転職市場は今後どうなる？

インターネット業界の2022年下半期の転職市場の求⼈・求職者の動きを、業界に精通した株式会社リクルートの人材領域で活躍するキャリアアドバイザーがレポートします。「2022年下半期の転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。

1.【インターネット業界】業界・企業側の動き

求人数は過去に例を見ないほど出ており中途採用は非常に活況です。大手では3桁単位の採用を行う企業も多く、業界・職種未経験までターゲットを拡げているケースも増加。ベンチャーも同様に採用は増加し、昨年と比較してインターネット業界全体として採用は非常に伸びています。背景には、SaaSやWEB広告をはじめとしたインターネット業界の活況さがあり、各社がさらなる事業拡大に向け採用に動いています。
拡販を強化している企業が多く、営業系職種やWEBマーケティング系の職種、カスタマーサポート等、顧客やユーザー接点を強化するための職種の採用ニーズが増えています。また、業務企画やBPR関連の職種の採用も増えており、事業・組織拡大に伴い、効率化や仕組化を図っていくことが狙いです。

採用数が全体として増えているがゆえに、面接官を初めて経験するという人が選考官としてアサインされるケースも多いようです。そのため、採用に関わる全員が同一の選考基準を持つことや、ジャッジだけの面接ではなくしっかりと企業説明や意欲醸成を行う等、面接の場のコミュニケーション設計の重要性が増しています。ここがずれると採用で取りこぼしが増加したり、候補者への魅力付けが難しくなったりします。

直近半年くらいの新しい求人として、WEB3.0やNFTといったワードが入った求人が並ぶようになってきており、主にエンタメ領域ではVtuberやメタバース関連が伸びています。
働き方の面では、柔軟性は上がってきているようです。リモートワークに対応できていない企業はそれだけで応募すらされないくらいの状況。引き続き、リモートでの就業、副業への対応は必要です。

2.【インターネット業界】求職者側の動き

転職活動に対するハードルが下がってきている印象です。特に、目まぐるしく変化するインターネット業界では、常に自分自身の市場価値を把握し続けておきたい、という考えの方も多いようです。

働き方について、引き続きリモートワークができるかどうかは求められています。フルリモートではなくても、リモートワークが安定的にできるかどうかを気にするケースが多いようです。また、副業を希望する方も多く、このあたりの制度が整っているかどうかは重要。リモートワークが他にできる企業はたくさんあるため、それができないというだけで志望順位が下がってしまうケースもあります。

副業経験者は、本業だけでは得られないスキルを身に付けているケースも多く、うまくレジュメでアピールすれば、企業へ良い印象を与えることができることもあります。本業だけでなく、副業を含めた観点で、経験を棚卸しすると良いでしょう。

幅広い世代の方からのご相談が増えており、社会人として30年以上勤めた後のセカンドキャリアのご相談に来られる方もいらっしゃいます。早め早めにキャリアを考えることで、定年後の選択肢を広げていくことにつながるでしょう。

＜インターネット業界の転職動向＞

出所：リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析